平均速度を計算する方法

ほとんどの場合、平均速度は公式 ${\text{ 速度 (S)}}={\frac {\text{距離 (d)}}{\text{時間 (t)}}}$ を用いて簡単に計算ができます。しかし問題によっては、ある移動時間や移動距離において2つの異なる速度が使われているものもあります。そのような問題には、別の公式を用いて平均速度を計算することが可能です。また、そういった問題は日常生活でも活用できるうえに、受験等の統一テストでもよく出題されるため、公式や解き方を学んでおくと役立つでしょう。

方法 1

方法 1 の 5:

移動時間、距離共に1つであるとき

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1
与えられている情報を整理する　以下のことが分かっているとき、この手順で解きましょう。
- 1人、または1台が移動した距離の合計
- その人または乗り物がその距離を移動するのにかかった時間の合計
- 例題です。A君が3時間で240kmを移動したとするときの彼の平均速度は何でしょう。
式は $S={\frac {d}{t}}$ で、 $S$ は平均速度、 $d$ は合計距離、 $t$ は合計時間を表します。^{[1]X出典文献}
3
距離を公式にあてはめる　変数 $d$ $How.com.vn 日本語: {\displaystyle d}$ に代入しましょう。
- A君が合計240km運転したとするとき、式は次のようになります。 $S={\frac {240}{t}}$
4
時間を公式に当てはめる　変数 $t$ $How.com.vn 日本語: {\displaystyle t}$ に代入しましょう。
- A君が3時間運転したとすると、式は次のようになります。 $S={\frac {240}{3}}$
5
距離を時間で割る　その単位時間あたりの平均速度が求められます。通常は1時間あたりで計算します。
- 例題の式を計算すると次のようになります。
  $S={\frac {240}{3}}$
  $S=80$
  したがってA君が3時間で240km移動したとするときの平均速度は、1時間あたり80kmです。
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方法 2

方法 2 の 5:

かかった時間の異なる複数の移動距離があるとき

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1
与えられている情報を整理する　以下のことが分かっているとき、この手順で解きましょう。
- 移動した複数の距離
- それぞれの距離を移動するのにかかった時間^{[2]X出典文献}
- 例題です。A君が3時間で240km、2時間で190km、そして1時間で113km移動したとするとき、移動距離全体の平均速度は何でしょう。
式は $S={\frac {d}{t}}$ であり、 $S$ は平均速度、 $d$ は合計距離、 $t$ は合計時間を表します。^{[3]X出典文献}
3
合計距離を求める　距離の合計を求めるには、移動した全ての距離を足します。その和を公式の $d$ $How.com.vn 日本語: {\displaystyle d}$ に代入しましょう。
- 例題で考えてみると、A君が240km、190km、113km移動したときの合計距離は3つの距離の合計であり、 $240+190+113=543$ kmです。これを公式に代入すると次のようになります。 $S={\frac {543}{t}}$
4
合計時間を求める　時間の合計を求めるには、移動にかかった全ての時間（単位は通常「時間」を使用）を足します。その値を公式の $t$ $How.com.vn 日本語: {\displaystyle t}$ に代入しましょう。
- 例題で考えると、A君が3時間、2時間、1時間かかったとするときの合計時間は3つの時間を全て足して、 $3+2+1=6$ 時間です。これを式に当てはめると次のようになります。 $S={\frac {543}{6}}$
5
移動した合計距離をかかった合計時間で割る　これで平均速度が求められます。
- 先ほどの式を計算すると次のようになります。
  $S={\frac {543}{6}}$
  $S=90.5$
  つまりA君が3時間で240km、2時間で190km、そして1時間で110km移動したとするときの平均速度は、約91km/hです。
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方法 3

方法 3 の 5:

複数の速度でそれぞれ異なる長さの時間移動したとき

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与えられている情報を整理する　以下のことが分かっているとき、この手順で解きましょう。
- 移動に使用した複数の速度
- それぞれの速度で移動した時間^{[4]X出典文献}
- 例題です。A君が80km/hで3時間、95km/hで2時間、113km/hで1時間移動したとするとき、移動距離全体の平均速度は何でしょう。
式は $S={\frac {d}{t}}$ で、 $S$ は平均速度、 $d$ は合計距離、 $t$ は合計時間を表します。^{[5]X出典文献}
3
合計距離を求める　それぞれの速さと時間を別々に掛けます。すると合計距離における1区間ごとの移動距離が求められます。そしてそれらの距離を足し、その和を式の $d$ $How.com.vn 日本語: {\displaystyle d}$ に代入しましょう。
- 例題で考えると次のようになります。
  80km/hで3時間 = $80\times 3=240{\text{km}}$
  95km/hで2時間 = $95\times 2=190{\text{km}}$
  113km/hで1時間 = $113\times 1=113{\text{km}}$
  つまり距離の合計は、 $240+190+113=543{\text{km}}$ です。これを式にあてはめると次のようになります。 $S={\frac {543}{t}}$
4
合計時間を求める　移動にかかった時間（単位は通常「時間」）を足します。その値を式の $t$ $How.com.vn 日本語: {\displaystyle t}$ に代入しましょう。
- 例題で考えると、A君が3時間、2時間、1時間移動したとするときの合計時間は、3つの時間を足すことで求められます。つまり $3+2+1=6$ 時間であり、これを式に代入すると次のようになります。 $S={\frac {543}{6}}$
5
移動した合計距離をかかった合計時間で割る　これで平均速度が求まります。
- 先ほどの式を解くと次のようになります。
  $S={\frac {543}{6}}$
  $S=90.5$
  つまりA君が80km/hで3時間、95km/hで2時間、113km/hで1時間移動したとするときの平均速度は約91km/hです。
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方法 4

方法 4 の 5:

合計時間の半分ずつを異なる2つの速度で移動したとき

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与えられている情報を整理する　以下のことが分かっているとき、この手順で解きましょう。
- 2つ以上の異なる速度がある
- それらの速度で移動した時間が等しい長さである
- 例題です。A君が64km/hで2時間、97km/hでもう2時間運転したとするときの平均速度は何でしょう。
2
等しい長さの時間を2つの異なる速度で移動したときの平均速度を求める式をたてる　式は $S={\frac {a+b}{2}}$ $How.com.vn 日本語: {\displaystyle S={\frac {a+b}{2}}}$ で、 $S$ $How.com.vn 日本語: {\displaystyle S}$ は平均速度、 $a$ $How.com.vn 日本語: a$ は前半の速度、 $b$ $How.com.vn 日本語: b$ は後半の速度を表します。^{[6]X出典文献}
- このような問題で重要なのは、速度を使用した時間の長さが等しいことであり、その速度で移動した距離は関係ありません。
- 同じ長さの時間を移動した速度が3つ以上あるときには、 $S={\frac {a+b+c}{3}}$ や $S={\frac {a+b+c+d}{4}}$ のように式を変形させて計算できます。その速度で移動した時間が同じ長さである限り、このようにして計算していくことが可能です。
3
公式に速度をあてはめる　 $a$ $How.com.vn 日本語: a$ と $b$ $How.com.vn 日本語: b$ に代入する速度はどれでも構いません。
- 例題で考えると、1つ目の速度が64km/hで2つ目が97km/hであるとき、これを式に代入すると次のようになります。 $S={\frac {97+64}{2}}$
4
2つの速度を足す　その和を2で割ります。これで合計移動距離における平均速度が求められます。
- 例題の式を計算すると次のようになります。
  $S={\frac {64+97}{2}}$
  $S={\frac {161}{2}}$
  $S=80.5$
  したがってA君が64km/hで2時間、97km/hでもう2時間運転したとするときの平均速度は80.5km/hです。
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方法 5

方法 5 の 5:

合計距離を半分ずつ別の速度で移動したとき

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与えられている情報を整理する　以下のことが分かっているとき、この手順で解きましょう。
- 異なる2つの速度がある
- それらの速度で移動した距離が等しい
- 例題です。A君があるレジャープールまで257kmを60km/hで運転し、帰りの257kmを100km/hで運転したとするとき、往復の平均速度は何でしょう。
2
2つの速度で同じ距離を移動したときの平均速度を求める式を立てる　式は $S={\frac {2ab}{a+b}}$ $How.com.vn 日本語: {\displaystyle S={\frac {2ab}{a+b}}}$ で、 $S$ $How.com.vn 日本語: {\displaystyle S}$ が平均速度、 $a$ $How.com.vn 日本語: a$ が移動距離の前半の速度、 $b$ $How.com.vn 日本語: b$ が後半の速度を表します。^{[7]X出典文献}
- この解き方を使用する問題は、そのほとんどが往復の移動に関する問題です。
- そのような問題では、2つの速度それぞれで移動した距離が合計距離の半分である限り、2つの速度で移動した距離の長さは関係ありません。
- 例えば、等しい距離に使用された3つの速度があるときには、次のように式を変形することができます。 $S={\frac {3abc}{ab+bc+ca}}$ ^{[8]X出典文献}
3
速度を式にあてはめる　 $a$ $How.com.vn 日本語: a$ と $b$ $How.com.vn 日本語: b$ に代入する速度の順序は関係ありません。
- 例題で考えると、1つ目の速度が60km/hで2つ目の速度が100km/hのとき、式は次のようになります。 $S={\frac {(2)(60)(100)}{60+100}}$
4
2つの速度の値の積に2をかける　その積が式の分数の分子になります。
- 例題の式を計算すると次のようになります。
  $S={\frac {(2)(60)(100)}{60+100}}$
  $S={\frac {12000}{60+100}}$
5
2つの速度を足す　その和が分数の分母の値になります。
- 例題の式を計算すると次のようになります。
  $S={\frac {12000}{60+100}}$
  $S={\frac {12000}{160}}$
6
分数を計算する　その答えが総移動距離の平均速度になります。
- 例題の式を計算すると次のようになります。
  $S={\frac {12000}{160}}$
  $S=75$
  したがって、A君があるレジャープールまで257kmを60km/hで運転し、帰りの257kmを100km/hで運転したとするときの平均速度は75km/hです。
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