この記事の共著者 : Zora Degrandpre, ND. デグランプリ医師はワシントン州バンクーバー在住の自然療法医で、米国国立衛生研究所と米国国立補完代替医療センターにおいて論文査読者も務めています。2007年に国立自然医学大学にて自然療法医師学位を取得。
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月経量が多いと(過多月経)、日常生活に大きな障害をきたし、健康面、活動面、精神面、社会生活に影響が及びます。幸いにも、家庭療法や代替治療を取り入れると過多月経を軽減することができます。さらに、収れん性のある特定のハーブを使用すると、ホルモンバランスの乱れ過度の出血を抑えることができます。また、ビタミンや様々な栄養素の摂取量を増やすことも効果的です。ただし、日常生活に障害をきたすほどの出血量がある場合やハーブを使用する際は、医師に相談しましょう。
ステップ
- 氷のうを使って血流を減らす 氷のうを腹部に当てると出血量が減ります。また、痛みや膨れが軽減します。[1]
ポイント:氷のうはタオルやTシャツに包んで腹部に当てます。20分以上当ててはいけません。[5]
- NSAID鎮痛剤を服用する 月経量が多い時は、市販のNSAID鎮痛剤(非ステロイド抗炎症剤)を服用します。この薬は出血量を減らすだけでなく痛みも和らげます。[6]
- 表示の用法・用量に従って服用しましょう。
- NSAID鎮痛剤は薬局やドラッグストアで入手可能です。
- はり治療や指圧療法を考慮する 研究では、はり治療や指圧療法によって月経周期をコントロールする化学物質が筋肉や脳へ放出されるため、過多月経の軽減に役立つことがわかっています。過多月経の軽減のため、国家資格のある鍼灸師に相談してみましょう。[7]広告
- 妊娠の可能性がある場合または授乳中の場合はハーブの使用を避ける 月経量が多い場合は妊娠の可能性は低くなりますが、ハーブはホルモン濃度に影響を及ぼすため、妊娠の可能性がある場合はハーブを摂取してはいけません。また、ハーブが母乳を通じて乳児に移行するため、授乳中はハーブを摂取してはいけません。[10]
- レディスマントル茶を飲む レディスマントルは、月経時のトラブル(不快症状)によく使われるハーブです。お茶にして飲むと月経量の減少に役立ちます。
- レディスマントルの別名はハゴロモグサと言い、「女性のハーブ」としても知られています。
- このハーブの葉には強い収縮作用(筋肉を収縮する)、凝固作用(血液を凝固する)、収れん作用(血管を収縮する)があり、薬の製造に使われます。こうした特徴は、月経を正常にする働きがあります。
- 大さじ2杯の乾燥レディスマントルの葉を500㏄の熱湯に加えるとお茶ができます。
- 症状が治まるまで、1日3回お茶を飲みます。
- レディスマントルは健康食品店などで入手可能です
- ナズナで症状を早く和らげる ナズナは血流を低下させる作用のあるハーブです。月経量を減らすためナズナを試してみましょう。[13]
- ペンペングサという名前でも知られています。
- 健康食品店、お茶専門店、ネットなどでナズナ茶を探し、毎日2杯飲みましょう。
- ナズナは分娩後出血の対処にも役立ちます。
- シナモンを食事に加えて摂取する シナモンは料理や焼き菓子などを作る時に使いますが、過多月経を軽減するスパイスとしても知られています。シナモンを食事に取り入れたり、単独で摂取したりして摂取量を増やし、子宮の働きを穏やかにし、過多月経を予防します。[18]
- ブラックコホシュを試す このハーブを用いたホメオパシー治療は、過多月経の症状の軽減に役立ちます。研究では、ブラックコホシュ(サラシナショウマ)がエストロゲンとプロゲステロンの濃度を調整することが示されています。[26] ビナビャクシンは月経量を減らすため、月経期間が短くなると考えられています。[27]
- 毎日、40~200mgの乾燥ブラックコホシュを複数回に分けて摂取します。0.4~2.0mlの60%エタノール製チンキ(乾燥ブラックコホシュとエタノールを1:10の割合で抽出したもの)をお茶などに加えて1日1~2回飲みます。
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- ハーブを摂取したりハーブ療法を試したりする際は、医師に相談する ハーブはどんな人にでも合うわけではありません。特に、薬を飲んでいる人や何らかの疾患がある人は注意しなければいけません。医師に相談すればハーブの危険性と利点のほか、どんなハーブが合っているのかを知ることができます。[42]
- ハーブのサプリメントやお茶を摂る場合も同様です。
ポイント:ハーブを使用しても問題が起きないこともあるため、心配する必要はありませんが、健康を維持するためには慎重になるに越したことはありません。
- 2大量出血または異常出血がある場合はすぐに受診する 2時間以上使用できるナプキンやタンポンを1時間に1回以上交換しなければいけないようなら、出血量は非常に多いと考えられます。同様に、月経時以外の出血、不正出血、閉経後の出血がある場合も異常なことだと考えられます。こうした症状はどこかに異常があるということです。すぐに治療を受けられるように専門医の診察を受けましょう。[43]
- すぐに受診できる医療機関か救急病院に問い合わせるのもよいでしょう。
- 過多月経が生活に支障をきたしている場合は医師に相談する 月経量が多かったり月経期間が長かったりすると、正常な月経時よりも日常生活に障害が出ることがあります。月経中は、トイレの使用回数が増えたり、ひどい生理痛に耐えたり、楽しんでいることを避けなければいけなくなったりします。このようなことが当てはまる場合は、医師に相談し、少しでも快適に過ごすことができる方法を探しましょう。[44]
- 医師は症状の原因を突き止め、効果のある治療法を提案します。
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- 自然療法を試しても効果がない場合は、医師に治療選択肢について尋ねる 過多月経には様々な原因があるため、どんな治療法も全ての人に効果があるというわけではありません。自然療法を試しても症状が軽快しなかった場合、医師と医学療法について話し合いましょう。過多月経の原因によっては、薬や医学療法を用いると軽減する可能性があります。治療選択肢には下記のようなものがあります。
- トラネキサム酸を月経中に服用し出血量を減らします。
- 経口避妊薬は、月経をコントロールし、月経血を減らします。
- 経口黄体ホルモンは、ホルモン濃度のバランスを整えます。
- ホルモン性IUDは、子宮内膜を薄くし月経血を減らします。
- 子宮内容除去術(D&C)は、医師が子宮内膜をこすって取り出す処置です。これにより子宮内膜が薄くなり、月経血が減ります。
- 子宮動脈塞栓形成術は、子宮筋腫への血流を止めることによって子宮筋腫を小さくします。
- 筋腫摘出術は、医師によって過多月経を引き起こしている子宮筋腫を取り出す処置です。
- 子宮摘出術は、医師が子宮頸部と子宮を摘出する手術です。この手術によって月経はなくなります。ただし、この手術は永久不妊手術でもあるため、医学的に必要な場合や優先的に行わなければならない状態でない限り、医師はこの手術を勧めることはありません。
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ポイント
- 甲状腺機能低下症は、過多月経の主な原因です。月経量が多い場合は、医師に相談して根本的な原因を突き止めましょう。
- 経口避妊薬を使う以外に完全に月経を止める方法はありませんが、経口避妊薬を使うと月経が軽くなります。
- ハーブ療法は同じ様に行っても、誰にでも効果があるわけではないことを忘れてはいけません。ハーブ療法によって症状が軽快したように感じても、確実に効果があるというわけではありません。
注意事項
- 乳がんや子宮内膜症など、すでに特定のホルモン感受性の高い疾患のある人は、ホルモンに影響を与えるハーブ療法は合わない可能性があります。例えば、サラシナショウマ、チェストベリー、ラズベリー葉などのハーブは避けましょう。また、どんなハーブでも使用する際は必ず医師に相談しましょう。
- 肝疾患の恐れがある場合は、サラシナショウマ、ハゴロモグサ、チェストベリーを避けたほうが賢明です。このようなハーブは肝臓に影響を及ぼす可能性があります。医師に相談すれば自分にとってどのハーブが安全かがわかります。
- 鉄を過剰に摂取すると副作用が起こる可能性があるため、医師の許可なく鉄のサプリメントを摂取してはいけません。[47]
出典
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