この記事の共著者 : Laura Marusinec, MD. マルシネック医師はウィスコンシン小児科病院の小児科医で、病院内の臨床実務評議会に参加しています。1995年にウィスコンシン医科大学医学部にて医学博士号を取得後、1998年に同大学病院小児科にて臨床研修を修了。全米医療ライター協会と小児緊急治療学会の会員です。
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発熱は、ウイルスや細菌を弱らせ、繁殖能力を抑制することでこれらに打ち勝とうとする身体の自然な反応です。[1] また、発熱には体内の毒素を燃焼し、免疫システムを活性化する働きもあります。発熱は、手を加えることなく身体の不調を治すのに望ましい方法であるため、身体が弱く感染症に対処できない場合や熱が高すぎて手に負えない場合、非常に体調が優れない場合でなければ、発熱に対する「治療」を行うべきではありません。たいていの発熱は自宅で対処することができますが、唇や舌、爪が青白くなるなどの重度の脱水症状、激しい頭痛、幻覚、歩行困難、呼吸困難、痙攣などが現れた場合は、直ちに救急隊を呼びましょう。[2]
ステップ
- 薄着をしましょう。熱がある時には身体をしめつけない楽な服を着ると身体がリラックスし、また空気の循環が良くなるため涼しさを保つことができます。熱がこもって解熱が遅れてしまうため、厚着をしたり毛布を何枚もかけたりするのは止めましょう。発熱した場合には薄手の服を着用し、寝る時には薄い毛布やシーツをかけるだけで十分です。[3]
- 一般的に、綿、竹布、絹のような天然繊維はアクリルやポリエステルなどの化学繊維よりも通気性に優れています。
- 部屋の温度を下げましょう。室温が高いと発熱が長引き、過剰な発汗によって脱水症につながる可能性があります。[4] 室温は23〜25℃に保っておくのが理想的です。
- 部屋が暑い場合や風通しが悪い場合は、扇風機を使うと改善されるでしょう。
- スポンジをぬるま湯に浸して身体に当てましょう。小さなタオルもしくはスポンジをぬるま湯に浸し、額や脚、脇などに当てます。こうすれば身体の熱が取れて楽になるでしょう。[9]
- 冷水や氷のうを使ったり、冷たいシャワーを浴びたりすると身体が震えて深部体温が上がるため、発熱が長引くことがあります。
- 怪我や炎症のある部位に温かいタオルを当ててはいけません。出血を引き起こしたり炎症が悪化したりする原因になります。
- 消毒用アルコールを使うのは止めましょう。消毒用アルコールを肌に塗ると涼しく感じますが、この感覚はごく一時的なものです。また熱がある場合にはこの冷却効果は役に立ちません。なぜなら、身体の震えを誘発して深部体温が上がってしまう可能性があるからです。[12]
- また、肌はアルコールを吸収します。小さな子ども(特に乳児)の場合、アルコール中毒のリスクが高まってしまいます。[13]
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- 水分をたくさん摂りましょう。風邪やインフルエンザなどの発熱を伴う病気にかかり、汗をかいたりくしゃみをしたりすると、体内の水分が急速に失われて脱水症を起こすことがあります。脱水状態になると体温が上がり、多くの場合、頭痛やめまい、筋肉痛、低血圧、痙攣などの症状が現れます。[14]
- 健康的な食品を食べましょう。発熱した時には柔らかく、辛すぎず、食物繊維の量が少ない消化の良い食品を取り入れるのが最適です。発熱時に適した食品の例には以下のようなものがあります。[18]
- 精製小麦粉で作ったパン、クラッカー、パスタ
- 精製穀物のホットシリアル(オートミールなど)
- 果汁100%のジュースは適度に飲めば問題はありませんが、子どもには与えすぎないようにしましょう。多くの果物に含まれるクエン酸が胃酸の逆流と嘔吐の原因になります。水で2倍に薄めて飲むと良いでしょう。自家製ジュースを作る場合は、使用する果物や野菜が熟していることを確認しましょう。また、糖分の入っていない果汁100%のジュースを選ぶ必要があります。ただし、嘔吐している子どもにジュースを与えてはいけません。[19]
- 普段から牛乳に慣れている子どもの場合、嘔吐をしていなければ牛乳を与えると良いでしょう。
- 乳児には、熱が下がるまでは栄養補給飲料、母乳、市販のイオン飲料(アクアライトなど)以外のものを与えてはいけません。固形物を食べると乳児の消化器官に過度な負担がかかってしまうことがあります。[20]
- カフェインの摂取量を減らしましょう。発熱している時にカフェインを摂りすぎると身体に良くありません。カフェインの摂りすぎは発熱、頭痛、不眠、下痢、いらつき、めまいなどの原因になります。また、カフェインには利尿作用があるため脱水症につながることもあります。[21] 熱がある時にはカフェインの摂取を控えるか、100mgまでに抑えましょう。
- 240mlのコーヒーに含まれるカフェインは133mg、240mlの紅茶に含まれるカフェインは53mgです。また発熱時には、吐き気や嘔吐を誘発することがあるため糖分を多く含む炭酸飲料やエナジードリンク、スポーツドリンクは避けましょう。
- 熱が下がるまではカフェインのサプリメントを摂取しないようにしましょう。
- 一般的に子どもはカフェインを摂取するべきではありません。
- アルコールを避けましょう。発熱している時には、体調に関わらずビールやワインなどのアルコールを控える必要があります。アルコールを摂取すると免疫システムが弱まるため、早期の回復が難しくなります。[22]
- 喫煙しないようにしましょう。喫煙は肺がんや呼吸器疾患のリスクを高めるだけでなく、免疫システムの働きを抑制します。[23] そのため、喫煙をすると身体がウイルスや細菌と激しく戦わなければならなくなり、体温が上がります。熱が下がるまではタバコの煙やニコチン、その他のタバコ製品を避けるのが一番です。
- 特に熱のある子ども(特に乳児)が副流煙にさらされないように気を付けましょう。
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- 大人の場合、39度を超える熱が出たら救急医療を受けましょう。高熱は非常に危険です。そのため、体温が39度を超えた場合には救急医療センターなどで検査を受けましょう。処方薬もしくは入院が必要なこともあります。
- 子どもが発熱した場合は小児科医に相談しましょう。子どもに解熱剤を服用させる前には必ず小児科医の指示を仰ぎます。また、以下のような場合は病院に連れて行きましょう。[24]
- 3か月未満の乳児で、直腸温が38度以上である場合
- 3〜6か月の乳児で、39度以上の熱がある場合
- 2歳未満の幼児で、発熱が48時間を超えた場合
- 子どもに機敏さがない、起こしてもすぐに目覚めない、熱が1週間以上にわたって上がったり下がったりする (熱があまり高くない場合や、熱が下がった後に再び発熱する場合を含む)場合
- 泣いても涙が出ない、泣いても落ち着かない場合
- 8時間以上オムツが濡れない、排尿がない場合
- 喉の痛みや耳痛、下痢、吐き気、嘔吐、咳などの治療が必要な病気の症状を示す場合
- 症状が深刻な場合は医師の診察を受けましょう。発熱は、多くの場合自宅で治すことができますが、専門家に治療を任せるべき場合もあります。熱とともに以下のような症状が現れた場合は救急医療センターなどに行きましょう。[25]
- 首の痛みやこわばり
- 激しい頭痛や光過敏
- 意識障害
- 嘔吐
- 胸の痛み
- 呼吸困難
- 痙攣
- 熱が続く場合は医師に連絡しましょう。発熱は身体が病気を追い出すための自然な反応です。しかし、なかなか下がらない熱は身体に深刻な問題が起きている兆候であることがあります。熱を下げようとしても下がらない場合は、医師に連絡しましょう。救急処置を勧めたり、効果のある薬を処方したりしてくれるはずです。[26]
- 発熱が48時間を超えたら医師に連絡しましょう。ウイルスに感染している可能性があります。
- 脱水症状が現れた場合は、救急医療センターなどに行きましょう。高熱が出ると身体の中の水分が失われるため脱水症につながることがあります。脱水症の兆候を感じ始めたら、直ちに救急医療センターなどに行きましょう。点滴で水分補給をする必要があるかもしれません。[27]
- 脱水症の兆候には口の渇き、眠気、皮膚の乾燥、めまい、失神などがあります。
- 持病がある人は医療機関に行きましょう。糖尿病や貧血、心疾患、肺疾患を患っている人が高熱を出した場合は、医師に診てもらう必要があります。発熱によって悪化する可能性のある疾患を患っている場合、発熱はより危険なものとなります。[28]
- 心配になったらかかりつけ医に連絡してどう対処すれば良いのか確認しましょう。
- 発熱とともに発疹やあざが現れた場合は、医師に相談しましょう。発疹が出た場合や、理由の分からないあざが現れた場合は医師に連絡します。免疫システムに深刻な問題が起きている可能性があります。[29]
- 発疹が悪化したり広がり始めたりしたら救急医療センターなどに行きましょう。
- 痛みのあるあざが大きくなり始めたり増え始めたりしたら、それは深刻な病気の兆候である可能性があります。痛みのあるあざが増え始めたら病院に行きましょう。
- カフェイン中毒の症状が現れたら救急医療センターなどに行きましょう。高熱があり身体が脱水状態になると、カフェインが身体にとって危険なものになる可能性があります。そのため、発熱時にはカフェインの摂取は一切控える必要があります。コーヒーやお茶を飲んでカフェイン中毒の症状が出た場合は、直ちに救急医療センターなどに行きましょう。[30]
- カフェイン中毒の症状には吐き気、嘔吐、胸痛、痙攣、幻覚、意識消失などがあります。
- 発熱と他の活動による体温上昇を区別しましょう。身体活動、気分変動、ホルモンの変化、不規則な食事、過食、身体を締め付ける衣服、厚着、服薬、高温暴露などによって体温が上がることもあります。熱中症が疑われる場合は直ちに治療を受けましょう。[31]広告
注意事項
出典
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- ↑ http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/fever/basics/definition/con-20019229
- ↑ https://www.bphc.org/whatwedo/infectious-diseases/Infectious-Diseases-A-to-Z/Pages/Fever-in-Children.aspx
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/fever/diagnosis-treatment/drc-20352764
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- ↑ http://healthysleep.med.harvard.edu/healthy/matters/consequences/sleep-and-disease-risk
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- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/dehydration/symptoms-causes/syc-20354086
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- ↑ https://www.healthline.com/health/caffeine-overdose
- ↑ https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/fitness/in-depth/exercise/art-20048167
- ↑ http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/fever/basics/definition/con-20019229
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