PDF形式でダウンロードPDF形式でダウンロード
X
この記事の共著者 : Erik Kramer, DO, MPH. かかりつけ医のエリック・クレイマー医師は、コロラド大学にて内科疾患、糖尿病、体重管理の治療を専門的に行っています。2012年にタウロ大学ネバダ校整骨医学部にて博士号を取得。
この記事には19件の参照文献があり、文献一覧は記事の最後に表示されています。
この記事は95,451回アクセスされました。
好酸球値が高い(好酸球増多症)と聞くと心配になるかもしれませんが、通常は体内の感染に対する自然な生体反応で生じます。好酸球は白血球の一種であり、体内で炎症を引き起こして、感染と戦う特徴を有します。多くの場合、根本原因を取り除くことで、好酸球は正常値まで低下しますが、清潔かつ健康的な生活習慣と抗炎症療法でも、好酸球の数値を減少させる効果があります。
ステップ
- アレルゲンへの暴露を減らす アレルギー疾患は好酸球増加の最も一般的な原因です。体がアレルギー誘発物質(アレルゲン)に反応して好酸球を多く産出するためです。アレルギー疾患の治療とアレルゲンの回避をすることで、体内の好酸球数を正常に維持します。[2]
- 花粉症は好酸球を急増させます。パブロン鼻炎用やクラリチンなどの抗ヒスタミン剤の市販薬を服用して症状を緩和し、体内の好酸球を減少させましょう。
- 例として、犬アレルギーを有する人は、できる限り犬との接触は避けます。犬を飼っている人の家に訪問する場合は、犬を別の部屋に移動させてもらうようお願いしてみましょう。
- 家を清潔に保つ イエダニは、ダニアレルギーの人をはじめ一定の人に対し、アレルギー反応を誘発するため、好酸球数の上昇を引き起こします。そのため、家の中を極力清潔に保つことが大切です。部屋の角のホコリを週に1回以上掃除して、イエダニの増殖を防ぎましょう。[3]
- 花粉もアレルゲンであり、アレルギー反応を示す人がいます。家の中に花粉が侵入するのを防ぐため、花粉の飛散時期はドアや窓を閉めておきましょう。
- 5禁煙と減酒を行う タバコをやめることで、好酸球数の正常化が期待できます。アルコールと好酸球数の関係性を示す科学的根拠はありませんが、飲酒を控えることが健康全般に利益をもたらすのは確実です。[5]
- 禁煙をする際は、専門家の支援を得て、しっかりとした禁煙計画を立てることが重要です。
広告
- ウコンと医薬品を併用して、炎症を抑える ウコン(ターメリック)は特定の状況下で好酸球を低下させる働きがあります。ウコンの抗炎症効果を得るには、ウコンカプセルを高用量摂取します。しかし、ウコンサプリは高価なものが多いため、経済的に最適な治療法ではないかもしれません。[9]
- 1~2か月間摂取してみましょう。効果が現れなければ、摂取を中止します。
広告
- 医療機関を受診して、全般的検査を受ける 好酸球増多症の原因は、血液疾患、アレルギー疾患、消化器疾患、結合組織疾患、寄生虫、真菌感染症など多岐にわたります。原因の特定には、血液検査や皮膚細胞の生検が行われます。ごく稀に、糞便検査、CT検査、骨髄検査を施行する場合もあります。[10]
- 原発性の好酸球増多症とは、白血病のような血液疾患に合併して、血液や組織内の好酸球が増殖することを指します。
- 二次性の好酸球増多症は、非血液疾患(主に、喘息、胃食道逆流症(GERD)、アトピー性皮膚炎など)に続発して発症する場合です。
- 特発性好酸球増多症候群とは、明白な原因が認められずに好酸球の増多が生じる疾患です。
- 好酸球増多症が生じた体の部位に応じて、特定性の好酸球増多症が診断されます。食道好酸球増多症であれば食道に疾患が生じ、好酸球性喘息は肺に障害をもたらします。
- 副腎皮質ステロイド剤を服用する 現在ところ、好酸球増多症に対する直接の治療薬として唯一使用されているのは副腎皮質ステロイドです。ステロイドには好酸球増多による炎症を緩和させる作用があります。好酸球増多症の原因に応じて、錠剤や吸入剤が処方されるでしょう。プレドニゾロンが好酸球増多症の副腎皮質ステロイド剤として最も一般的です。必ず医師の指示に従って服用しましょう。[13]
- 好酸球増多症の原因を特定できないときは、まず低用量の副腎皮質ステロイド剤を投与して、症状が改善するか様子を見る可能性があります。[14]
- 寄生虫や真菌感染を有する場合は、副腎皮質ステロイド剤は使用できません。ステロイドが症状を悪化させる恐れがあります。
- 経口プレドニゾロン剤を3週間以上継続服用している場合、急に服用を中止することは厳禁です。徐々に用量を減らしていく必要があります。
- 強力ステロイド外用薬が処方された場合、2週間以上長期連用しないよう気をつけましょう。
- 寄生虫感染の場合は、寄生虫を排除する 寄生虫感染に罹患すると、腹痛、下痢、悪心、吐き気、膨満感・ガス腹、倦怠感、原因不明の体重減少などの症状を伴います。感染する寄生虫に対しての抗寄生虫薬を服用して、寄生虫の除去と好酸球の正常化を図ります。また、ステロイドは一部の寄生虫感染症を悪化させる作用があるため、寄生虫感染の治療には、副腎皮質ステロイド剤は処方されません。[15]
- 寄生虫感染の治療法は、寄生虫の種類に応じて多岐にわたります。多くの場合、錠剤を毎日服用するよう処方されます。
- 食道好酸球増多症の場合は、酸逆流の治療薬を服用する 胃食道逆流症(GERD)と呼ばれる胃酸が逆流する疾患などの消化器系疾患が、好酸球増多症を引き起こす場合があります。食道好酸球増多症の診断には、上部消化管内視鏡を食道に挿入して、食道内の観察や生検を行います。治療薬として、プロトンポンプ阻害薬(PPI)のネキシウムやタケプロンなどが処方されます。[16]
- 食道好酸球増多症は食道がんの危険因子ではありません。しかし、食道の狭窄症(食物の通過障害を来した状態)を引き起こすリスクは上昇させます。
- 好酸球性喘息の場合は、呼吸器治療を受ける 治療法として、吸入副腎皮質ステロイド薬、もしくは、モノクローナル抗体というバイオ医薬品が処方されます。それ以外に、気管支サーモプラスティ療法を受けることもあります。この治療法では、専用のカテーテルを口または鼻から挿入し、気道に熱を与え、症状を緩和させます。[17]
- 気管支サーモプラスティは麻酔下で行われます。施術後数時間で回復が可能です。
- 特発性好酸球増多症候群の場合は、イマチニブ療法を受ける 特発性の好酸球増多症は、好酸球性白血病などの血液がんを引き起こす恐れがあるため、リスクの低減に、イマチニブが投与されることがあります。イマチニブは特発性好酸球増多症の治療に効果があると同時に、がん細胞の増殖抑制効果もあります。また、腫瘍の形成がないか検査が行われる場合があります。[18]
- 好酸球増多症に対する臨床試験に参加する 好酸球値に影響を及ぼす要因は、ごく一部しか明らかになっていません。臨床試験には、環境要因の解明と新しい治療法の開発に好酸球増多症患者が必要になります。治療法は試験段階であるため、臨床試験の参加にはリスクが伴いますが、自身の症状に反応する新治療法を発見できる機会になるかもしれません。[19]
- 臨床試験や治験に関する情報は、厚生労働省「治験ホームページ」(日本)、アメリカ国立衛生研究所「臨床試験情報」(アメリカ)のリンクから得ることができます。
広告
ポイント
- 好酸球増多症は、ほかの疾患が理由で検査を実施した際に発見されることが一般的です。現在のところ好酸球増多症の症状は知られていませんが、好酸球数が上昇した部位に応じて、症状が異なります。
- 特発性好酸球増多症候群の患者には、血液と心臓の定期検査が推奨されます。
広告
出典
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/eosinophilic-esophagitis/basics/alternative-medicine/con-20035681
- ↑ https://www.medicinenet.com/eosinophilic_esophagitis/article.htm
- ↑ https://healthfully.com/lower-eosinophils-7510497.html
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/eosinophilic-esophagitis/basics/lifestyle-home-remedies/con-20035681
- ↑ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29025076
- ↑ http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1658387617300936
- ↑ https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminD-HealthProfessional/
- ↑ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18692598
- ↑ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22053741
- ↑ http://www.merckmanuals.com/professional/hematology-and-oncology/eosinophilic-disorders/eosinophilia
- ↑ http://www.aaaai.org/conditions-and-treatments/related-conditions/eosinophilic-esophagitis
- ↑ https://www.fammed.wisc.edu/files/webfm-uploads/documents/outreach/im/handout_elimination_diet_patient.pdf
- ↑ https://emedicine.medscape.com/article/199879-treatment
- ↑ http://www.merckmanuals.com/professional/hematology-and-oncology/eosinophilic-disorders/eosinophilia
- ↑ https://www.news-medical.net/health/Eosinophilia-Treatment.aspx
- ↑ http://www.aaaai.org/conditions-and-treatments/related-conditions/eosinophilic-esophagitis
- ↑ http://apfed.org/about-ead/eosinophilic-asthma/
- ↑ https://www.drugs.com/mcd/hypereosinophilic-syndrome
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/eosinophilic-esophagitis/care-at-mayo-clinic/clinical-trials/con-20035681
このHow.com.vn記事について
このページは 95,451 回アクセスされました。
この記事は役に立ちましたか?
⚠️ Disclaimer:
Content from Wiki How 日本語 language website. Text is available under the Creative Commons Attribution-Share Alike License; additional terms may apply.
Wiki How does not encourage the violation of any laws, and cannot be responsible for any violations of such laws, should you link to this domain, or use, reproduce, or republish the information contained herein.
- - A few of these subjects are frequently censored by educational, governmental, corporate, parental and other filtering schemes.
- - Some articles may contain names, images, artworks or descriptions of events that some cultures restrict access to
- - Please note: Wiki How does not give you opinion about the law, or advice about medical. If you need specific advice (for example, medical, legal, financial or risk management), please seek a professional who is licensed or knowledgeable in that area.
- - Readers should not judge the importance of topics based on their coverage on Wiki How, nor think a topic is important just because it is the subject of a Wiki article.
広告