ギャンブル依存症に対処する方法

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病的なギャンブルは自分では制御不能で、常習性があり、精神的、経済的、法律的な問題に帰着します。[1] ギャンブルは他の依存症と同じように脳の報酬系を活性化するため、やめることが非常に困難です。[2] しかし、自分の問題を認識して対策を立て、ギャンブルのきっかけとなるものに対処し、周りの協力と支援を得ることで、ギャンブル依存症に適切な対応をすることができます。

方法 1
方法 1 の 3:

自分のギャンブル依存症を認識する

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  1. How.com.vn 日本語: Step 1 自分の行動をありのままに認識しましょう。
    問題を受け入れることは、解決への最初の大きな一歩です。まず自分でギャンブル依存症の兆候を認識できれば、自分の行動の改善方法を学ぶことができます。
    • ギャンブル依存症の兆候や症状には、ギャンブルで危険を冒すことにスリルを覚える、次第に大きなリスクを伴う賭け方をする、ギャンブルで頭がいっぱいである、過去のギャンブル経験を (想像や作り話として) 語る、問題や嫌な感情から逃げるためにギャンブルをする、ギャンブルの後に罪悪感や自責の念を覚える、ギャンブルを控えようと何度も挑戦しては失敗する、などがあります。[3]
    • さらに、ギャンブル依存による社会的な問題には、ギャンブルによって仕事や家族との時間が減る、ギャンブルのことを隠したり、嘘をついたりする、ギャンブルのために借金をしたり、盗みを働いたりする、といったものがあります。[4]
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 自分のギャンブルによる影響を受け入れましょう。
    過度のギャンブルは人間関係の問題、経済的問題、法的問題、仕事上の問題 (失業)、薬物乱用、不健康、うつ病などの精神衛生問題を引き起こすことがあります。[5]
    • ギャンブルのせいで仕事に遅れることがありますか? 自分の財力を超えたギャンブルをして、家賃や住宅ローンなどの支払い用に確保しておくべきお金を使ってしまうことがありますか?ギャンブルにクレジットカードを使いますか?ギャンブルの後にお金の使い道を隠すことがありますか?
    • ギャンブルによる生活への悪影響をすべて書き出します。また、自分のギャンブルによって迷惑をかけた人 (家族や友達など) もリストアップします。
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 ギャンブルの危険性を理解しましょう。
    ギャンブルのリスクを知っておくと、ギャンブル依存の人に、ギャンブルを始める前にその帰結を考えさせることができます。
    • 過剰なギャンブルには抑うつ、不安、攻撃性、自殺、人間関係の問題、ストレス性疾患などの危険性があります。[6]
    • また、ギャンブルはストレスレベル (ストレスホルモンであるコルチゾールの量) と心拍数を上昇させ、健康上の危険性を高めます。[7]
    • 病的で依存性の強いギャンブルによって、意思決定力や自分の行動の帰結を評価する能力が弱まります。[8]
  4. How.com.vn 日本語: Step 4 自分のギャンブル癖を素直に認めましょう。
    自分の経済状態やギャンブルのことを隠そうとしてはいけません。自分自身にも他者にも、ギャンブルに費やしたお金のことを正直に認めましょう。
    • 必要な支払いは、そのためのお金があるうちに直ちに済ませます。
    • ギャンブルによる損害を計算し、現在までの合計金額を算出します。その金額で購入できたはずのものや、返済ができたはずの借入金のリストを作ります。
    • ギャンブルをしてしまった時は、自分自身や人に対してそのことを認めましょう。
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方法 2
方法 2 の 3:

ギャンブルのきっかけとなるものに対処する

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  1. How.com.vn 日本語: Step 1 きっかけを特定し、それに対処しましょう。
    ギャンブルのきっかけとなる原因を知ることで、ギャンブルへの衝動に上手に対処することができるようになります。ギャンブルをしたくなるきっかけには、思考、感情、状況、行動などがあります。例えば、ギャンブル好きの友人と行動を共にすることが強力な引き金になる場合は数多くあります。
    • 思考日記をつけて、自分のギャンブルのきっかけとなるものを特定しましょう。ギャンブルをしたくなったら一度立ち止まり、自分の思考 (ギャンブルのことを考える、といったきっかけとなり得るもの)、感情(おそらく退屈など) や、そのきっかけへの対処法を書き留めます。
    • ストレスや悲しみといった後ろ向きな感情がギャンブルのきっかけになっていますか?そうであれば、こういった感情に対処する方法を学ぶ必要があります。
    • 高揚感を求めてギャンブルに走ってしまいますか?そうであれば、退屈が大きなきっかけとなっている可能性があります。常日頃からなるべく忙しくして、自分の求めるスリルを味わえるような安全で楽しい活動を見つけましょう。
    • 音楽を聴きましょう。音楽を聴くと気分がリラックスして穏やかになり、衝動性が抑えられて、ギャンブルのきっかけとなるものに対処することができます。[9]
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 ギャンブル場に近寄ることは避けましょう。
    ギャンブル依存症の人は、分別を持ってギャンブルをすることができません。それは「狩り」による興奮状態(アドレナリンの放出)の中毒になっているためです。ギャンブルから得られる興奮に夢中になっている間は、それをコントロールすることは困難です。
    • 友人からパチンコや競輪・競馬などに誘われたら、正直に、自分のギャンブルは娯楽の域にとどまらないということを話しましょう。ギャンブルを断るか、代わりにギャンブル以外の活動を提案するかしましょう。
    • 回復の初期段階では、パチンコ店の横を車で通りかかることも避けましょう。
    • 海外のカジノなどのギャンブルを推奨する場所へ行くことは避けます。ギャンブルに囲まれていると、一回だけ賭けたいという衝動に抵抗することは大変困難です。
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 ギャンブルに対する考え方を改めましょう。
    「コントロール幻想」や「ギャンブラーの誤謬」といった不条理な信念はギャンブル行動を助長する原因となります。[10][11] 自分の考え方を認識し、修正することで、こういった良くない信念を撃退しましょう。
    • 「コントロール幻想」はギャンブラーによくある思考で、ゲームの結果をコントロールできると理由もなく信じ込むものです。この思考に対抗するには、結果をコントロールできる戦略や技はないことを自分に言い聞かせましょう。カードゲーム、オンラインポーカー、競輪や競馬、スロットマシンなどのいかなるギャンブルも結果をコントロールすることは不可能です。さいころの目は常に干渉不能で無作為なものです。
    • 「ギャンブラーの誤謬」は、前回の結果によって無作為な結果が起こる確率が下がると信じるものです。例えばカードゲームで、前の回で負けると次の回では負ける確率が低く、次はきっと勝てると信じ込むという信念です。しかし、統計学的には勝つ確率は前のゲームと全く同じです。
    • ギャンブラーによくある考え方には「迷信」もあります。これは無作為の出来事に意味があると考えるものです。例えば、馬券を買う時に、幸運を信じて特定の名前の馬ばかりを選ぶといった習性を言います。迷信はたまたま同時に起こった二つの出来事から生じたもので、実際に何かが幸運なわけではないことを自分に言い聞かせましょう。
    • 自分の行動の結果や結末を論理的に考えることで、危険を冒す行動を減らしましょう。[12] ギャンブルをしたくなったら、今迄にどれほどの金額を失ったか、今賭けをしたらいくら負ける可能性があるかを考えましょう。
  4. How.com.vn 日本語: Step 4 ギャンブルをしたくなった時に自分に言い聞かせる言葉を用意しておきましょう。
    そうすると、いざという時の戦略があることで、危険から身を守ることができます。これはギャンブルの制限や断絶に役立ちます。[13]
    • まず、「ギャンブルは危険だ。始めてしまうと止められないことはわかっている。完全に避けなければいけない。」と自分に言い聞かせます。
    • 自分に語りかける様々な文言を考え、最も自分に合うものを選びます。文言を忘れそうな場合は、カードなどに書き留めて外出時に携帯します。ギャンブルをしたい衝動に駆られたら、それを音読します。
  5. How.com.vn 日本語: Step 5 アルコールなどの摂取を制限しましょう。
    アルコールやその他の薬物の摂取はギャンブル行動の増加との関連が指摘されています。[14] アルコールや薬物を摂取すると、抑止力や論理的な決断能力が低下します。
    • アルコール飲料を飲み過ぎないようにしましょう。自分の許容量や体重によっては多少飲んでも構いませんが、酔ってしまうとギャンブルに走る危険性が高まります。また、酔うと対処能力や衝動への抵抗力が著しく低下します。
  6. How.com.vn 日本語: Step 6 衝動制御力を高めましょう。
    ギャンブル依存症の人には、衝動制御力の明白な問題がある場合があります。[15]衝動とは渇望のようなもので、ギャンブルなどをしたいと強く心を動かす力です。
    • ギャンブルをしたいという衝動が起こったら、直ちに行動するのではなく、まず立ち止まって一呼吸置きましょう。
    • 自分の思考と感情を俯瞰で観察しましょう。どのような思考が浮かんでいますか?どのような感情を抱いていますか?
    • 対処法やギャンブル以外の活動などを模索して、自分に最適な方法や活動を実践しましょう。
  7. How.com.vn 日本語: Step 7 自分の心的状態に対処しましょう。
    特に抑うつや不安などの心的状態は、ギャンブルに直結することがあります。[16] 自分の後ろ向きな感情に対処する良い方法を身につけましょう。
    • 自分の感情を書き留める、アートやダンスなどで表現する、人に話すなどして自分の感情を処理しましょう。
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方法 3
方法 3 の 3:

協力と支援を求める

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  1. How.com.vn 日本語: Step 1 周囲からの支援を求めましょう。
    周囲からの支援は、ギャンブル依存からの回復に不可欠なものです。[17]
    • 自分のギャンブル依存のことを家族がまだ知らない場合は、「実はギャンブルをやめられなくてずっと困っているんだ。ギャンブルのせいで生活に支障が出ているし、やめたいと思っている。手助けをしてもらえるとありがたい。」などと話しましょう。
    • 友達に自分のギャンブル依存のことを伝え、近況を報告しましょう。そうすれば、友達はギャンブルのきっかけとなるものを避ける手助けをしてくれるでしょう。「ちょっと君に言っておきたいんだけど、実は僕はギャンブル依存症で、何とかギャンブルをやめたいと思っているんだ。君が協力してくれるととても助かるんだ。」などど話してみましょう。そうすると、パチンコ・競輪・競馬などを避けたいといった場合に友達が気持ちを理解してくれるでしょう。
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 支援グループに参加しましょう。
    支援グループは、ギャンブル依存症について安心して話せる環境を提供します。自分と同じ問題を抱えた人々と集まると励みになり、回復過程における孤独感が和らぎます。
    • 例えば、アメリカ発祥の「ギャンブラーズアノニマス」は世界各国のギャンブル依存症の人々に「12ステップの回復プログラム」を提供しています。[18]
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 療法士の治療を受けましょう。
    ギャンブルが人間関係、経済、学校生活や仕事に影響を与える、ギャンブルにどんどん多くの時間とエネルギーを注ぎ込む、ギャンブルを制限・断絶しようとして失敗する、ギャンブル行為を家族や人から隠そうとする、盗みや不正行為で得たお金でギャンブルをする、ギャンブルによる経済的危機を人に何とかしてもらおうとする、といった状態であれば、もはや制御不能です。[19] こういった状態に心当たりがあり、助けを求める気があれば、専門家の助けを求めることができます。
    • インターネットでギャンブル依存症専門外来・病院を検索してみましょう。見つからない場合は地域の心療内科・精神科や無料の相談窓口に相談しましょう。
    • 自分のギャンブル依存症に最適な取り組み方はどういったものか、どの専門家 (精神科医、臨床心理士、依存症専門カウンセラーなど) の治療を受けるべきか、といった質問を療法士にしてみましょう。[20]
  4. How.com.vn 日本語: Step 4 様々な治療法を検討しましょう。
    どのような治療法が可能かを知っておくと、その中で自分に最適な治療法を選ぶことができます。
    • 行動療法はギャンブル依存症の基本的な治療方法です。捨て去りたい問題行動 (ギャンブル) をあえて段階的に経験し、ギャンブル衝動を抑える方法を学びます。
    • 認知行動療法 (CBT) もまた、効果的な治療法です。これは不健全で非理性的、かつ否定的な思考パターンに焦点を当て、それを健全で前向きな考え方に置き変えるものです。i[21]
  5. How.com.vn 日本語: Step 5 投薬を検討しましょう。
    ギャンブル依存症への取り組みに効果が上がらない場合は、医師による投薬という選択肢もあります。抗うつ剤や精神安定剤を服用すると、ギャンブル依存症と同時に起こる症状を緩和することができますが、ギャンブル依存症そのものが治るわけではありません。[22][23]
    • 投薬については、かかりつけの医師や精神科医に相談しましょう。
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このHow.com.vn記事について

How.com.vn 日本語: Jacob Christenson, PhD, LMFT
共著者 ::
認定マリッジ・ファミリーセラピスト
この記事の共著者 : Jacob Christenson, PhD, LMFT. 認定マリッジ・ファミリーセラピストのジェイコブ・クリステンソン博士は、「Covenant Family Solutions」のCEOです。薬物乱用、子育て、メディカルファミリーセラピー、カップル・カウンセリング、家族療法、治療に抵抗を示す青年のカウンセリングなどを専門とし、経験は20年以上。Contemporary Family Therapy、An International Journal、Journal of Marital Therapyなど、多くの査読付き学術誌に論文が掲載されました。米国結婚家族療法協会(AAMFT)公認スーパーバイザー、アイオワ州マリッジ・ファミリーセラピスト協会(IAMFT)臨床フェロー。カリフォルニア州立工科大学にて心理学の学士号を、ブリガム・ヤング大学にてマリッジ・ファミリーセラピーの修士号と博士号を取得。ピープル大学にて経営修士号を取得。 この記事は4,696回アクセスされました。
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