産後うつの治療方法

PDF形式でダウンロードPDF形式でダウンロード

産後のママは体調が万全ではない中、昼夜の区別なく新生児の世話をして無我夢中で過ごします。ところが、3、4週ほどして新生活が落ち着き始めた頃に、いつもより怒りっぽくなったり悲しくてたまらなくなったり、無気力になったりなどの症状の現れ、その気分や症状がずっと続く場合は産後うつかもしれません。産後うつは、妊娠・出産という大仕事を成し遂げたばかりで体調が不安定な上に、日常生活の大きな変化、育児の不安等の大きなストレスなど、様々な要因が重なり発症すると考えられています。時間の経過とともに自然に治る人もいますが、改善しない場合は適切な治療や支援が必要です。

パート 1
パート 1 の 2:

産後うつを知る

PDF形式でダウンロード
  1. 1
    症状を確認する 産後3、4週間後からうつ症状が現れ、2週間以上長引いた場合は、産後うつの疑いがあります。[1]出産した女性の10~15%がなると言われています。中には妊娠中から発症する人もいます。これらの症状が悪化すると、家庭崩壊、母子関係の構築不全、子供の発育阻害などの悪影響が生じかねません。症状は以下のようなものがあります。
    • 気分が沈む
    • 涙もろい
    • 疲労感、無気力感
    • 育児や家事に集中できない
    • 物忘れが多い
    • 母親失格だと感じる
    • 物事に対応する判断力が低下してしまい、対応できない
    • 話し方や動作が鈍くなる
    • この世から消えたいと感じる
  2. 2
    マタニティーブルーと区別する 産後2、3日後から、涙もろくなる、不安になる、イライラするなどの気分の揺れを経験することを「マタニティーブルー」と呼び、日本人女性の少なくとも25%に起こります。これはホルモンの急激な変化による正常反応であり、10~14日ほどで自然に治まります。[2]
  3. 3
    産後うつの原因を知る 現在のところ産後うつ病の原因はわかっていませんが、複数のストレスが重なった結果、発症すると考えられています。妊娠と産褥期は生物学的に変動の時期であると共に社会心理的にも適応することが難しい時期でもあります。最近の研究では、産後うつ病は感情をコントロールする脳の神経伝達物質や遺伝、ホルモンの変化、環境などが関連しているといわれています。決してママ本人の性格が原因でおこるものではありません。[3]以下が代表的な要素です。
    • 妊娠前から(または妊娠中に)発生したうつ病や気分障害
    • 近親者のうつ病や気分障害(家族歴)
    • 分娩後にみられるホルモン濃度(エストロゲン、 プロゲステロン、甲状腺ホルモンなど)の急激な低下
    • 周囲の人間関係が希薄(家族や友人が近くにおらず、孤立している)
    • 夫婦関係の問題、経済的な問題、パートナーの不在などから生じるストレス
    • 自分自身や赤ちゃんの健康問題(早産や子どもの先天異常など)
    広告
パート 2
パート 2 の 2:

治療を受ける

PDF形式でダウンロード
  1. 1
    支援的カウンセリングを受ける 地域の保健師、看護師、助産師が新生児のいる家庭を訪問する「新生児訪問」という公的な事業が実施されています。ここでは赤ちゃんの発育状況、栄養状態、生活環境のチェックが行われます。また、ママに対しては育児相談やアドバイスを実施します。もしこの時点で産後うつを疑う状態であれば、相談してみましょう。保健師などによるカウンセリングを受け、必要があればメンタルヘルスの専門家へ紹介されるでしょう。
    • 新生児期以降は生後4カ月までの「赤ちゃん訪問」が実施されます。内容に大差はありません。
  2. 2
    専門家の診察を受ける 心療内科や精神科を受診しましょう。抗うつ剤などの薬物療法を中心に、心理療法による治療が行われます。
    • 薬物療法では、一般のうつ病の治療薬である、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)もしくは三環系抗うつ薬(TCA)が使用されます。授乳中の場合は、母乳の安全性を考慮して一般的には断乳を指導されるでしょう。
    • 心理療法では、地域の保健師などによる支援的カウンセリングが引き続き行われる場合があります。あるいは専門家によって「対人関係療法」や「認知行動療法」といった治療が行われます。家族やサポートする人も心理療法への参加を要請されることがあるかもしれません。
  3. 3
    家族が支援する 産後うつ病になった場合、家事や育児を行うことが困難になります。しかし、ママ本人は赤ちゃんに対する重い責任感や、うつ病になったことに対する罪悪感を抱いて苦しんでいます。回復には家族の支援と理解が最も重要です。可能な限り家族が家事や育児を担当しつつ、ママ本人が安心して回復できる環境を作りましょう。また、ママと赤ちゃんを見守り、ママが情緒不安定の場合には決して赤ちゃんと2人きりにしないように配慮して、最悪の場合は引き離す必要があることを頭に入れておきましょう。
  4. 4
    地域の支援を頼る 地域の支援制度について、ママ本人が調べることが難しければ、家族が調べて支援を受けさせましょう。特に、近くに頼れる親戚や友人がいない場合は、体調が悪いときや通院時のために赤ちゃんを任せられる人を確保し、保育施設の利用登録をしましょう。また、地域の自助グループに参加するのも有効です。
    広告

注意事項

  • 産後うつは適切な薬物療法や精神療法によって治りますが、早期に受診して適切な治療を受けることが大切です。産後の心の病気は早期に治療しないと遷延しやすい場合があります。[4]
  • 薬物療法を受ける場合は、赤ちゃんに母乳を与えてよいかどうかを医師に確認しましょう。
広告

このHow.com.vn記事について

How.com.vnは「ウィキ」サイトの一つであり、記事の多くは複数の著者によって共著されています。 この記事は、著者の皆さんがボランティアで執筆・推敲を行い、時間をかけて編集されました。 この記事は2,010回アクセスされました。
このページは 2,010 回アクセスされました。

この記事は役に立ちましたか?

⚠️ Disclaimer:

Content from Wiki How 日本語 language website. Text is available under the Creative Commons Attribution-Share Alike License; additional terms may apply.
Wiki How does not encourage the violation of any laws, and cannot be responsible for any violations of such laws, should you link to this domain, or use, reproduce, or republish the information contained herein.

Notices:
  • - A few of these subjects are frequently censored by educational, governmental, corporate, parental and other filtering schemes.
  • - Some articles may contain names, images, artworks or descriptions of events that some cultures restrict access to
  • - Please note: Wiki How does not give you opinion about the law, or advice about medical. If you need specific advice (for example, medical, legal, financial or risk management), please seek a professional who is licensed or knowledgeable in that area.
  • - Readers should not judge the importance of topics based on their coverage on Wiki How, nor think a topic is important just because it is the subject of a Wiki article.

広告