2011年のNFLは、開幕前に労使交渉によるロックアウトがあり、一時はシーズン開催が危ぶまれたが、7月25日に労使が合意に達し、ホール・オブ・フェイム・ゲームを除くプレシーズンゲームが開催され、2011年9月8日NFL92回目のレギュラーシーズンが開幕した。2012年2月5日インディアナポリスで開催された第46回スーパーボウルニューヨーク・ジャイアンツが4年ぶり4度目のスーパーボウル制覇を果たし、シーズンが終了した。

2011年のNFL
レギュラーシーズン
日程2011年9月8日 - 2012年1月1日
プレイオフ
開幕日2012年1月7日
AFC優勝ニューイングランド・ペイトリオッツ
NFC優勝ニューヨーク・ジャイアンツ
第46回スーパーボウル
開催日2012年2月5日
開催都市インディアナ州インディアナポリス
スタジアムルーカス・オイル・スタジアム
チャンピオンニューヨーク・ジャイアンツ
プロボウル
開催日2012年1月29日
開催都市ハワイ州ホノルル
スタジアムアロハ・スタジアム
サラリーキャップ
1億2,000万ドル(約98億1,000万円)[1]
NFLシーズン
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このシーズンから年間授賞式・NFLオナーズが開始された。

ドラフト

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2011年4月28日-30日にニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールでドラフトが行われ、7巡254名が指名された。全体1位キャム・ニュートンカロライナ・パンサーズに指名された。

日程

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レギュラーシーズン

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2011年のレギュラーシーズンは9月8日前年スーパーボウル優勝チーム・グリーンベイ・パッカーズが本拠地・ランボー・フィールドニューオーリンズ・セインツを42-34で破った試合で開幕し、翌年1月1日に全17週の日程を終了した。

日程はNFLの規則によって組まれ、各チームは同地区のチームと各2試合(ホーム&アウェイ、計6試合)、カンファレンス内の他地区1地区と総当たり各1試合(計4試合)、カンファレンス外1地区と総当たり各1試合(計4試合)、カンファレンス内で前述以外の地区の前年シーズン同順位チームと各1試合(計2試合)、計16試合を行った。

2011年の地区外との対戦ルールは以下のようである。

カンファレンス内

カンファレンス外

レギュラーシーズン順位表

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AFC東地区
チーム勝率DivCon総得点総失点平均得点平均失点得失差
(1)ニューイングランド・ペイトリオッツ1330.8135-110-251334232.121.410.7
ニューヨーク・ジェッツ880.5003-36-637736323.622.70.9
マイアミ・ドルフィンズ6100.3753-35-732931320.619.61.0
バッファロー・ビルズ6100.3751-54-837243423.327.1-3.9
AFC北地区
チーム勝率DivCon総得点総失点平均得点平均失点得失差
(2)ボルチモア・レイブンズ1240.7506-09-337826623.616.67.0
(5)ピッツバーグ・スティーラーズ1240.7504-29-332522720.314.26.1
(6)シンシナティ・ベンガルズ970.5632-46-634432321.520.21.3
クリーブランド・ブラウンズ4120.2500-63-921830713.619.2-5.6
AFC南地区
チーム勝率DivCon総得点総失点平均得点平均失点得失差
(3)ヒューストン・テキサンズ1060.6254-28-438127823.817.46.4
テネシー・タイタンズ970.5633-37-532531720.319.80.5
ジャクソンビル・ジャガーズ5110.3133-34-824332915.220.6-5.4
インディアナポリス・コルツ2140.1252-42-1024343015.226.9-11.7
AFC西地区
チーム勝率DivCon総得点総失点平均得点平均失点得失差
(4)デンバー・ブロンコス880.5003-36-630939019.324.4-5.1
サンディエゴ・チャージャーズ880.5003-37-540637725.423.61.8
オークランド・レイダース880.5003-36-635943322.427.1-4.6
カンザスシティ・チーフス790.4383-34-821233813.321.1-7.9
NFC東地区
チーム勝率DivCon総得点総失点平均得点平均失点得失差
(4)ニューヨーク・ジャイアンツ970.5633-35-739440024.625.0-0.4
フィラデルフィア・イーグルス880.5005-16-639632824.820.54.3
ダラス・カウボーイズ880.5002-46-636934723.121.71.4
ワシントン・レッドスキンズ5110.3132-45-728836718.022.9-4.9
NFC北地区
チーム勝率DivCon総得点総失点平均得点平均失点得失差
(1)グリーンベイ・パッカーズ1510.9386-012-056035935.022.412.6
(6)デトロイト・ライオンズ1060.6253-36-647438729.624.25.4
シカゴ・ベアーズ880.5003-37-535334122.121.30.8
ミネソタ・バイキングス3130.1880-63-934044921.328.1-6.8
NFC南地区
チーム勝率DivCon総得点総失点平均得点平均失点得失差
(3)ニューオーリンズ・セインツ1330.8135-19-354733934.221.213.0
(5)アトランタ・ファルコンズ1060.6253-37-540235025.121.93.3
カロライナ・パンサーズ6100.3752-43-940642925.426.8-1.4
タンパベイ・バッカニアーズ4120.2502-43-928749417.930.9-12.9
NFC西地区
チーム勝率DivCon総得点総失点平均得点平均失点得失差
(2)サンフランシスコ・49ers1330.8135-110-238022923.814.39.4
アリゾナ・カージナルス880.5004-27-531234819.521.8-2.3
シアトル・シーホークス790.4383-36-632131520.119.70.4
セントルイス・ラムズ2140.1250-61-1119340712.125.4-13.4
AFC

チーム
勝率DIVCONSOSSOV
地区優勝
1ペイトリオッツ1330.8135-110-2
2レイブンズ1240.7506-09-3
3テキサンズ1060.6254-28-4
4ブロンコス西880.5003-36-6
ワイルドカード
5スティーラーズ1240.7504-29-3
6ベンガルズ970.5632-46-6
レギュラーシーズン敗退
7タイタンズ970.5633-37-5
8ジェッツ880.5003-36-6
9チャージャーズ西880.5003-37-5
10レイダース西880.5003-36-6
11チーフス西790.4383-34-8
12ドルフィンズ6100.3753-35-7
13ビルズ6100.3751-54-8
14ジャガーズ5110.3133-34-8
15ブラウンズ4120.2500-63-9
16コルツ2140.1252-42-10
NFC

チーム
勝率DIVCONSOSSOV
地区優勝
1パッカーズ1510.9386-012-0
249ers西1330.8135-110-2
3セインツ1330.8135-19-3
4ジャイアンツ970.5633-35-7
ワイルドカード
5ファルコンズ1060.6253-37-5
6ライオンズ1060.6253-36-6
レギュラーシーズン敗退
7ベアーズ880.5003-37-5
8カージナルス西880.5004-27-5
9イーグルス880.5005-16-6
10カウボーイズ880.5002-46-6
11シーホークス西790.4383-36-6
12パンサーズ6100.3752-43-9
13レッドスキンズ5110.3132-45-7
14バッカニアーズ4120.2502-43-9
15バイキングス3130.1880-63-9
16ラムズ西2140.1250-61-11

プレイオフ

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新ルールの初適用

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2010年シーズンより、プレイオフのオーバータイムについて新ルールが採用されたが、2010年シーズンのプレイオフはオーバータイムの試合が無かったため、新ルールはこのシーズンのワイルドカードプレイオフのデンバー・ブロンコス対ピッツバーグ・スティーラーズ戦で初適用された。この試合はコイントス後のキックオフがタッチバックとなり、自陣20ヤードからの攻撃となったブロンコスの最初のプレーで、QBティム・ティーボウからWRデマリアス・トーマスへの80ヤードタッチダウンパスが通り、オーバータイム開始から11秒でサドンデス決着となった。

トーナメント表

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2012年1月8日
メットライフ・スタジアム
 1月15日
ランボー・フィールド
     
 5 ファルコンズ 2
 4 ジャイアンツ 37
 4 ジャイアンツ 24  1月22日
キャンドルスティック・パーク
 1 パッカーズ 20 
NFC
2012年1月7日
メルセデス・ベンツ・スーパードーム
 4 ジャイアンツ 20*
1月14日
キャンドルスティック・パーク
  2 49ers 17 
 6 ライオンズ 28NFC チャンピオンシップ
 3 セインツ 32
 3 セインツ 45 2月5日
ルーカス・オイル・スタジアム
 2 49ers 36 
ワイルドカード・プレーオフ 
ディビジョナル・プレーオフ
2012年1月7日
リライアント・スタジアム
 N4 ジャイアンツ 21
1月15日
M&Tバンク・スタジアム
  A1 ペイトリオッツ 17
 6 ベンガルズ 10第46回スーパーボウル
 3 テキサンズ 13
 3 テキサンズ 31  1月22日
ジレット・スタジアム
 2 レイブンズ 20 
AFC
2012年1月8日
スポーツオーソリティ・フィールド
 2 レイブンズ 20
1月14日
ジレット・スタジアム
  1 ペイトリオッツ 23 
 5 スティーラーズ 23AFC チャンピオンシップ
 4 ブロンコス 10
 4 ブロンコス 29* 
 1 ペイトリオッツ 45 
  • 対戦カード及びスタジアムはシード順で決定され、そのラウンドに登場する最上位チームが最下位チームとホームで対戦、残った2チームが上位チームのホームで対戦する(つまり、ワイルドカードプレーオフの第3シード対第6シードの結果によって、ディヴィジョナルプレーオフの対戦カードが決まる)。
  • スーパーボウル開催地は事前にオーナー会議で決定。
  • チーム名の左の数字は、2011年レギュラーシーズンの結果に基づいて決定されたシード順。
  • * 延長戦決着
  • 日付はアメリカ東部時間

受賞者

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受賞者ポジションチーム
スーパーボウルMVPイーライ・マニングQBニューヨーク・ジャイアンツ
AP通信MVPアーロン・ロジャースQBグリーンベイ・パッカーズ
AP通信最優秀コーチジム・ハーボーHCサンフランシスコ・49ers
AP通信最優秀攻撃選手ドリュー・ブリーズQBニューオーリンズ・セインツ
AP通信最優秀守備選手テレル・サッグス英語版LBボルチモア・レイブンズ
AP通信最優秀新人攻撃選手キャム・ニュートンQBカロライナ・パンサーズ
AP通信最優秀新人守備選手ボン・ミラーLBデンバー・ブロンコス
AP通信カムバック賞マシュー・スタッフォードQBデトロイト・ライオンズ

プロボウル

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詳細は「2012年のプロボウル英語版」を参照

シーズン開幕前のロックアウト

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この年、労使協定(CBA)が失効し、現行のCBAでのサラリーキャップに不満を持ったオーナー側により3月12日よりロックアウトが行われた[2]。ロックアウトが実施された後、選手会側は組合認証を取り消しし、反トラスト法違反であるとして差し止め訴訟も行った[3]。これに対してNFLは連邦裁判所にロックアウトの維持を認めるよう要請した[4]。4月25日に行われたスーザン・ネルソン判事の判決でロックアウト解除が認められ[5]、2日後の4月27日にもリーグ側からの判決保留要請をネルソン判事が却下[6]、いったんは選手会側が勝訴したかに見えたが、4月29日、一時的な保留を求めたリーグの要請を第8巡回控訴裁判所が認め、ロックアウトは継続されることとなった[7]。7月8日に開かれた第8巡回控訴裁判所はロックアウトの維持を認めた[8]

ロックアウト中にはドラフトも行われたが、選手との契約交渉、コーチ、スタッフなどと選手との接触も禁じられた[9]。7月25日に労使が合意に達し、ロックアウトが解除された[10]

8月7日に予定されていたホール・オブ・フェイム・ゲームは中止となったが[11]、残りのプレシーズンゲーム、レギュラーシーズンは通常どおり行われることとなった。

NFLドラフト

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ドラフトは、4月29日から5月1日までの3日間で行われた。全体1位にはオーバーン大学のQBキャム・ニュートンカロライナ・パンサーズから指名された[12]

殿堂入り人物

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この年ディオン・サンダースシャノン・シャープマーシャル・フォークリチャード・デントクリス・ハンバーガーレス・リッチャーエド・セイボルNFLフィルムズ設立者)の7人がプロフットボール殿堂入りを果たした[13]

エンターテイメント

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マッデンNFLの最新作、マッデン12のカバー選手はインターネットでのトーナメント方式ファン投票によって、ブラウンズのペイトン・ヒリス英語版が選ばれた[14]

脚注

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  1. ^ 日本円は当時のレートによる
  2. ^ NFL、労使交渉決裂でロックアウト突入へ”. NFL JAPAN (2011年3月13日). 2012年1月30日閲覧。
  3. ^ 渡辺史敏 (2011年7月6日). “NFLとNBA、両者のロックアウトの共通点と相違点”. NFL JAPAN. 2012年1月30日閲覧。
  4. ^ NFL、裁判所にロックアウトの維持を要請”. NFL JAPAN (2011年3月22日). 2012年1月30日閲覧。
  5. ^ 【労使交渉】ロックアウト訴訟は選手勝訴の判決、リーグは上告へ”. NFL JAPAN (2011年4月26日). 2012年1月30日閲覧。
  6. ^ 【労使交渉】ネルソン判事、リーグ側の判決保留要請を却下”. NFL JAPAN (2011年4月28日). 2012年1月30日閲覧。
  7. ^ 【労使交渉】再びロックアウトへ、控訴裁判所がリーグの要請を認める”. NFL JAPAN (2011年4月30日). 2012年1月30日閲覧。
  8. ^ 【労使交渉】控訴審、ロックアウト維持を認める”. NFL JAPAN (2011年7月9日). 2012年1月30日閲覧。
  9. ^ ロックアウトの接触禁止がもたらしたマイナス面”. NFL JAPAN (2011年7月15日). 2012年1月30日閲覧。
  10. ^ 【労使交渉】ロックアウトついに終結!”. NFL JAPAN (2011年7月26日). 2012年1月30日閲覧。
  11. ^ HOFゲーム中止、開催地では失望の声挙がる”. NFL JAPAN (2011年7月23日). 2012年1月30日閲覧。
  12. ^ NFLドラフト2011 指名順”. NFL JAPAN. 2012年1月30日閲覧。
  13. ^ 殿堂入り式典 サンダースら演説”. TSPスポーツ (2011年8月6日). 2012年1月30日閲覧。
  14. ^ マッデン最新作、「名誉の殿堂版」が限定発売へ”. NFL JAPAN (2011年7月20日). 2012年1月30日閲覧。