天童よしみ

出生地は和歌山県田辺市芳養町だが、公式プロフィールの出身地が大阪府八尾市なのは4歳で当地に引っ越ししたため。現在は東京港区在住。父は和歌山県東牟婁郡那智勝浦町出身。母方の祖母が福島県南会津郡只見町出身。

八尾市立龍華小学校、八尾市立龍華中学校、大阪女子短期大学附属高等学校卒業^[2]。

歌好きの父の影響もあり、7歳でのど自慢番組に初出演。初のテレビ出演は毎日放送『素人名人会』で「可愛いじじい」を歌って名人賞を受賞。その後も数多くののど自慢大会に出場し、ほとんどの大会で優勝していた。ほぼ同い年の上沼恵美子とはライバルで多くの大会や番組に一緒に出ることがあったが、ことごとく天童が優勝をかっさらっていったという^[3]。

フジテレビ系『日清ちびっこのどじまん』への出演を機に番組プロデューサーから日本コロムビアへの紹介があり、フジテレビ系アニメ『いなかっぺ大将』の主題歌である「大ちゃん数え唄／いなかっぺ大将」を録音。1970年9月10日に吉田よしみ名義でシングル発売。

1972年、讀賣テレビ『全日本歌謡選手権』で10週連続勝ち抜き、7代目グランドチャンピオンに輝く。レギュラー審査員のルポライター竹中労が作詞した「風が吹く」で、天童よしみとしてキャニオンレコードからプロデビュー。芸名の「天童」は、「天」から授かった「童（わら）」に由来するものであり、命名も竹中であった^[4]。

しかし、10年に亘る長い低迷を経験。一旦は引退も決意するが、両親の説得で思い留まる。その後、1985年12月にテイチクレコード移籍第一弾シングル『道頓堀人情』を発売するにあたり、北は北海道から南は福岡県まで1か月で300件もの営業をこなし、有線からじわじわと人気が出た結果、ヒット作となった。

以降、1993年に『NHK紅白歌合戦』へ初出場を果たす。

1996年に発売した『珍島物語』はロングヒットで130万枚を超える^[5]売上を記録。自身初のミリオンセラーとなり、天性のキャラクターと相まって人気を獲得。

1998年には、同年に流行した新型インフルエンザまん延を食い止めるべく、魔除けのキーホルダー「よしみちゃん人形」を1000人に無料配布して若い世代の人気を呼び、話題となった^[6][7]。

2001年には、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に本人役でテレビアニメのアフレコに挑戦した。

2004年にディズニー映画『ブラザー・ベア』劇中歌「グレイト・スピリット」の日本語バージョンを録音。日本盤サウンドトラックに収録された。

2006年8月29日、紅頭巾（くれないずきん）名義でシングル「紅頭巾参上」を発売。新歌舞伎座の特別公演『天童よしみの痛快!紅頭巾〜明日への道標〜』の挿入歌である。

2017年、第59回日本レコード大賞の最優秀歌唱賞を受賞。

おおい大輔は付き人。

容赦ない毒舌で有名だった日高晤郎が生前から実力を評価していた歌手の１人である。

作曲家、編曲家、音楽プロデューサーの本間昭光は同じ八尾市出身で天童の実家と本間の実家が歩いて行ける近所で小学校と中学校の後輩である。その縁から天童のオファーで2022年11月16日発売の50周年記念オリジナルアルバム『帰郷』をプロデュースした。

• 2019年にシングルとして発売した「大阪恋時雨」は、元々2015年に半﨑美子が作詞・作曲し自身で歌っていた曲（2016年発売の半﨑のシングル『降り積もる刻』に収録）で、笑福亭鶴瓶の勧めで天童がカバーした^[8][9]。

• 2021年発表のシングル「残波」は、天童が好きな長渕剛や吉田拓郎などメッセージ性の強いフォークを意識して作られた楽曲^[10]。

シングル 編集

• 吉田よしみ名義（日本コロムビア）。

• 天童よしみ名義。
  • 1〜12：キャニオン・レコード、13〜：テイチク。

配信シングル 編集

デュエット・シングル 編集

アルバム 編集

OEM商品として製造・販売されたものは除く。

• (1971年) 演歌の新星
• (1971年) 演歌
• (1972年) 名月赤城山
• (1972年) 演歌の真髄
• (1973年) 鉄砲節・新河内音頭
• (1973年) 大阪演歌
• (1974年) 天童節 新河内音頭 / 新民謡 江州音頭くずし
• (1976年) 新河内音頭
• (1978年) 天童節 新河内音頭 紀伊国屋文左衛門始末記 伊三郎 出世船
• (1982年) 演歌 流れ旅
• (1983年) 新河内音頭 天童節大全集
  • 以上を含む全11作品^[11]のLP／カセットはキャニオンから発売。
• 1994.05.20 演歌極めつけ
• 1994.05.20 天童節・新河内音頭
• 1995.08.19 熱唱!天童よしみ 江州音頭くずし・天童節艶歌集
• 1999.03.17 天童節の源流 負けへんで！
• 2008.12.17 ベスト・コレクション
  • 以上のCD／カセットはポニーキャニオンより発売。
  • 以下はテイチクレコード、テイチクエンタテインメントから発売。
• 1986.03.25 道頓堀人情 熱唱大演歌
• 1986.10.21 全曲集（1枚組）
• 1986.10.21 全曲集（2枚組）
• 1987.01.21 浪花の人情を歌う
• 1987.01.21 名調子 股旅演歌
• 1987.06.30 全曲集
• 1989.04.21 影を慕いて〜古賀政男名曲集〜
• 1990.01.21 演歌傑作集 俺のみちづれ
• 1990.06.15 ベスト＆ベスト 全曲集
• 1990.10.25 全曲集
• 1990.11.21 天童節昭和演歌名曲選　第一集
• 1990.11.21 天童節昭和演歌名曲選　第二集
• 1990.11.21 天童節昭和演歌名曲選　第三集
• 1991.03.21 歌いましょう!天童よしみ名曲集(歌&カラオケ)
• 1991.04.21 天童節昭和演歌名曲選　第四集
• 1991.04.21 天童節昭和演歌名曲選　第五集
• 1991.05.21 おまえ
• 1991.06.21 オリジナル全曲集
• 1991.11.21 全曲集
• 1991.12.18 天童節昭和演歌名曲選　第六集
• 1992.03.18 全曲集〜酔ごころ〜
• 1992.05.21 天童節昭和演歌名曲選　第七集
• 1992.06.21 天童節昭和演歌名曲選　第八集
• 1992.07.22 ベストヒット
• 1992.09.23 天童節昭和演歌名曲選　第九集
• 1992.10.21 天童節昭和演歌名曲選　第十集
• 1992.11.21 全曲集
• 1992.12.16 大全集
• 1993.04.21 ベスト〜酒きずな〜
• 1993.11.21 全曲集
• 1993.11.21 特選昭和演歌名曲集
• 1994.01.21 天童節昭和演歌名曲選　第十一集
• 1994.02.23 むかい酒〜酒きずな
• 1994.02.23 天童節昭和演歌名曲選　第十二集
• 1994.02.23 天童節昭和演歌名曲選　第十三集
• 1994.04.21 天童節昭和演歌名曲選　第十四集
• 1994.05.21 天童節昭和演歌名曲選　第十五集
• 1994.06.22 男の演歌
• 1994.10.21 全曲集 '95
• 1994.11.23 天童節昭和演歌名曲選　第十六集
• 1994.12.01 ベスト
• 1994.12.01 懐メロ名曲集
• 1995.02.22 古賀政男名曲集
• 1995.02.22 股旅歌謡名曲集
• 1995.06.07 オリジナル全曲集 旅まくら〜忘れ酒
• 1995.08.23 戦後50年 天童節終戦歌謡
• 1995.09.21 昭和浪漫 天童よしみ・木村好夫ギター演歌
• 1995.10.21 全曲集 '96
• 1995.11.22 大全集
• 1996.01.20 天童節昭和演歌名曲選　第十七集
• 1996.03.21 珍島物語〜あなたにありがとう
• 1996.05.22 男歌・女歌 天童よしみベスト全集
• 1996.06.21 港町を歌う
• 1996.08.21 夢歌〜天童・美空ひばりを歌う〜
• 1996.10.21 全曲集 '97
• 1997.03.21 天童節昭和演歌名曲選　第十八集
• 1997.05.21 25周年記念アルバム　一期一会
• 1997.06.21 25周年記念アルバム　虹
• 1997.07.24 夢歌II〜天童・美空ひばりを歌う〜
• 1997.08.21 華舞台（セリフ入り作品集）
• 1997.10.10 歌の始発〜オリジナルベスト〜
• 1997.10.22 全曲集 '98
• 1997.11.21 大全集
• 1998.01.21 浪花演歌全集
• 1998.04.22 オリジナル・ベスト「こころ」
• 1998.07.23 天童節昭和演歌名曲選　第十九集
• 1998.08.21 夢歌III〜天童・美空ひばりを歌う〜
• 1998.09.02 微笑〜いつも一緒〜 天童ベストセレクション
• 1998.10.21 全曲集 '99
• 1999.01.01 21世紀への翼 ベスト16+2
• 1999.05.01 輝き〜天童ベスト・セレクション〜
• 1999.07.23 天使のうたごえ
• 1999.10.21 2000年全曲集
• 1999.11.21 大全集
• 1999.12.16 天童節昭和演歌名曲選　第二十集
• 2000.02.02 飛翔 ベスト・セレクション
• 2000.07.21 オリジナル・ベスト・アルバム「ひかり」
• 2000.08.02 天童節昭和名曲選 ベストセレクションI 第1集〜第10集
• 2000.08.02 天童節昭和名曲選 ベストセレクションII 第11集〜第20集
• 2000.10.25 2001年全曲集
• 2001.02.01 情熱 ベスト・セレクション
• 2001.04.20 夢〜天童オリジナル・ベスト〜
• 2001.08.22 オリジナル・ベスト・アルバム「花飾り」
• 2001.10.24 2002年全曲集
• 2001.10.24 クリスマス・ソング 〜LOVE〜
• 2002.01.23 30周年記念 天童よしみ大全集
• 2002.03.21 30周年記念 歌に恋して
• 2002.05.01 30周年記念 オリジナル・アルバム「きらめき」
• 2002.09.26 30周年記念 歌心名曲選I
• 2002.10.23 2003年全曲集
• 2003.02.01 いぶき〜天童ベスト・セレクション〜
• 2003.09.25 美しい昔
• 2003.11.21 2004年全曲集
• 2003.12.17 古賀メロディーを歌う
• 2004.05.26 オリジナル・ベスト・アルバム「響(ひびき)」
• 2004.11.24 2005年全曲集
• 2005.05.25 スマイル
• 2005.08.24 花彩気分
• 2005.11.23 2006年全曲集
• 2006.03.22 大全集
• 2006.08.23 道しるべ
• 2006.11.22 2007年全曲集
• 2007.04.25 よしみコレクション〜歌心名曲選II〜
• 2007.06.01 紅〜くれない〜 ベスト・セレクション
• 2007.11.21 2008年全曲集
• 2008.01.23 大全集
• 2008.06.25 名唱コレクション 天童よしみ 叙情演歌 心を唄う
• 2008.09.10 よしみコレクションII〜歌心名曲選3〜
• 2008.11.26 2009年全曲集
• 2009.08.19 石本美由起作品を歌う
• 2009.12.16 2010年全曲集
• 2010.01.20 大全集
• 2010.06.23 16粒の愛の物語
• 2010.09.22 名調子セリフ入りベストアルバム
• 2010.12.15 2011年全曲集
• 2011.09.21 名曲 日本のこころ 歌心1
• 2011.09.21 名曲 日本のこころ 歌心2
• 2011.09.21 名曲 日本のこころ 歌心3
• 2011.09.21 名曲 日本のこころ 歌心4
• 2011.09.21 名曲 日本のこころ 歌心5
• 2011.11.23 2012年全曲集
• 2012.01.11 大全集
• 2012.05.23 シングルコレクション
• 2012.06.20 カバーコレクション
• 2012.07.25 天童よしみと子供達 童謡・唱歌・心の絆歌
• 2012.08.01 炎のよ・し・み
• 2012.11.21 2013年全曲集
• 2013.08.21 WaRaTTe
• 2013.11.20 2014年全曲集
• 2013.11.20 カバーコレクション・シリーズ 天童よしみ〜ご当地歌謡を唄う〜
• 2013.12.11 大全集
• 2014.11.192015年全曲集
• 2014.08.20昭和名曲歌謡 & カラオケ 天童よしみ
• 2014.09.03天童よしみ昭和歌謡!!
• 2015.11.182016年全曲集
• 2015.12.16大全集
• 2016.11.062017年全曲集
• 2017.11.152018年全曲集
• 2017.12.13大全集
• 2017.02.22歌魂-うたごころ-
• 2017.06.21夢歌 赤盤 ～天童・美空ひばりを歌う～
• 2017.06.21夢歌 白盤 ～天童・美空ひばりを歌う～
• 2018.10.172019年全曲集
• 2018.06.20VOICE（ヴォイス）
• 2019.10.162020年全曲集
• 2019.11.20大全集
• 2020.09.162021年全曲集
• 2021.10.202022年全曲集
• 2021.11.17大全集
• 2021.04.21Buddy（バディ） ～素晴らしき相棒～
• 2022.10.192023年全曲集
• 2022.11.1650周年記念アルバム「帰郷」
• 2022.12.14天童節 昭和演歌名曲選プレミアム

タイアップ曲 編集

CM 編集

• ノーベル製菓「VC3000のど飴」
• 生和建設
• ポッカ クリスタルブラック（ポッカコーポレーション）（「大都会」を歌うところだった田中昌之からマイクを奪って「川の流れのように」を歌う場面にインパクトを受けている。）
• サントリー食品インターナショナル BOSS「クラフトボス」（2022年）^[12]
• 日本スポーツ振興センター スポーツ振興くじ「MEGA BIG」（2024年）^[13]

TV 編集

• かんさい特集・きよしとよしみの浪速ナイトショー（NHK大阪） - 西川きよしと進行のバラエティー。月1回放送

他多数

ドラマ 編集

• やんちゃくれ（NHK、1998年-1999年） 白鳥さゆり 役
• 天国に一番近い男 第5話（TBS、1999年） 特別出演・本人役
• オカン（読売テレビ、2000年） 主演・北村光子 役
• 金曜エンタテイメント「天童よしみの歌姫探偵」（フジテレビ） 主演・天草こずえ 役
  • 温泉カラオケ殺人事件（2002年）
  • 別府～湯布院温泉殺人事件!!（2004年）
• 水戸黄門 第34部第17話「人間将棋に待ったなし・天童」（TBS、2005年） 松平宗弘（神山繁）の娘・おこう 役
• 芋たこなんきん（NHK、2006年-2007年） 南野福子 役
• 渡る世間は鬼ばかり（TBS、2017年） 川上華江 役
• ボイメン新世紀 祭戦士ワッショイダー（CBC、2018年） 織田校長 役
• なめとんか やしきたかじん誕生物語（関西テレビ、2018年） ナレーション
• 約束のステージ 〜時を駆けるふたりの歌〜（読売テレビ、2019年） - 滝口陽子（全日本歌謡選手権の審査員） 役（特別出演）

映画 編集

• 湯道（2023年2月23日、東宝） - 小林良子 役^[14]
• BAD LANDS バッド・ランズ（2023年9月29日、東映 / ソニー・ピクチャーズエンタテインメント） - 新井ママ 役^[15]
• 翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜（2023年11月23日、東映） - 和歌山解放戦線員 役^[16]

舞台 編集

• MUSICAL SHOW『日劇前で逢いましょう〜昭和みたいな恋をしよう〜』（2023年10月27日 - 29日、COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール / 11月2日 - 12日、サンシャイン劇場） - 天城泉 役^[17]

全日本歌謡選手権歌唱曲 編集

第44回（1993年）に「酒きずな」で、歌手デビューから24年目にして念願の紅白初出場を果たす。その後3年のブランクを経て、第48回（1997年）に「珍島物語」のロングセラーでカムバックを果たした。以降、通算で28回・27年連続出場中である^{[注釈 6]}。

女性歌手として27年連続での出場は、石川さゆり（40年連続・継続中）、小林幸子（33年連続）、島倉千代子（30年連続）、和田アキ子（30年連続^{[注釈 7]}）に次ぐ史上5位の記録である（白組歌手を含めると、歴代11位）。なお紅白に出演した歌手の連続出場記録の多くが10・20・30代を起点とする中、天童は40代前半から60代後半になるまで継続している記録である点が特筆に値する。

さらに紅組歌手として通算27回の紅白出演は、石川さゆり（46回・継続中）、和田アキ子（39回^{[注釈 7]}）、島倉千代子（35回）、小林幸子（34回^{[注釈 8]}）、坂本冬美（34回・継続中）、都はるみ（29回）に次いで、歴代7位の記録となる。

第73回（2022年）に68歳で出場、第68回（2017年）での高橋真梨子の持つ紅組歌手の最年長記録に並んだ。第74回（2023年）に69歳で出場、紅組歌手の最年長記録となった。

紅組トリとしては、第51回（2000年）に天童自身の代表曲「道頓堀人情」で初めて務めた。その後も第54回（2003年）、第56回（2005年）と、通算3回担当している。第73回では自身初の紅組トップバッターを務め、紅組ソロ歌手としては都はるみ、山口百恵、水前寺清子、八代亜紀、川中美幸、坂本冬美に続いて史上7人目のトップバッター・トリ双方を務めた歌手となった。

過去に美空ひばりのシングル曲としては、第50回（1999年）と第56回（2005年）にひばりが生涯最後のシングルだった「川の流れのように」を2回歌唱。ほか第56回（2011年）に「愛燦燦」と、第66回（2015年）に「人生一路」を歌唱し、合計では4回ひばりの曲を紅白で披露している。第65回（2014年）では、同じ関西（大阪府）出身で生前親交があった、やしきたかじんの代表曲「やっぱ好きやねん」を披露した。

注釈 編集

出典 編集

ポータル 音楽

• 天童よしみ公式サイト
• こぶしdeねっと
• 天童よしみ (@tendo_yoshimi_official) - Instagram
• 特集　あの人のとっておきセレクション　天童よしみさん　NHKアーカイブス