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この記事の共著者 : Luba Lee, FNP-BC, MS. ルーバ・リーはテネシー州に住む家庭医療を専門とするナース・プラクティショナー(一定レベルの診断や治療を行うことが許可されている上級看護師)です。2006年にテネシー大学にて 看護学修士号を取得しています。
この記事には12件の参照文献があり、文献一覧は記事の最後に表示されています。
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精巣上体炎とは、精巣につながる管の炎症のことであり、精巣部位に痛みや圧痛を引き起こします。[1] 性感染症(STI)が主な原因ではありますが、通常、1回の抗菌薬治療で治療が可能です。原因が何であっても、陰嚢(いんのう)部位に痛み、圧痛、腫れが現れたら、必ず医師の診察を受け、原因を特定して治療する必要があります。[2]
ステップ
- 片側の精巣から始まる痛みに注意する 精巣上体炎の痛みは、通常両方の精巣で同時に起こるのではなく、片方の精巣から始まり、徐々に両方に痛みが広がっていきます。一般的な症状として、最初精巣の裏面に痛みを感じますが、次第に精巣全体に広がります。
- 炎症の進行程度で痛みの種類が異なります(鋭い痛み、焼けるような痛みなど)。
- 痛みが両方の精巣にほぼ同時に発生する場合は、精巣上体炎の可能性は減りますが、この場合も医師の診察を受ける必要があります。
- 尿道分泌物があるか調べる 尿路の炎症や感染症によって、透き通った白または黄色の分泌物が陰茎の先から出てくることがあります。この症状は性感染症が原因の場合に多く見られます。[7]
- 性感染症の場合でも、比較的容易に治療することが可能なため、心配いりません。
- 発熱があるか体温を測る 炎症や感染症が体中に広がると、体の防御反応として発熱が生じます。発熱に伴い悪寒が現れることもあります。[8]
- 発熱は体が感染と戦っているサインです。ただし、38度以上の高熱が出た場合は、医師の診察を受けましょう。
- 症状の継続期間を記録する 急性精巣上体炎は症状が発症してから6週間未満の場合を指します。症状が6週間以上持続する場合は、慢性精巣上体炎であることが示されます。治療法に影響を与える可能性があるため、医師に症状の継続期間を伝えましょう。[9]広告
- 避妊具なしの性交渉をしたか考える 精巣上体炎は性感染症が原因で発症することがあるため、避妊具なしの性交渉、特に不特定多数の人との性交渉は、精巣上体炎のリスクを高めます。ここ最近で避妊具なしの性交渉を行い、該当症状がある場合は、精巣上体炎の可能性が考えられます。[10]
- 膣性交以外の場合でも、性行為時には必ずラテックス製またはニトリル製のコンドームを使用しましょう。口腔性交、肛門性交、膣性交など、どの性行為の場合でもコンドームの着用が必要です。
- 精巣上体炎は、クラミジア、淋病、もしくは、肛門性交による特定の細菌感染などの性感染症が原因で多く起こります。
- 手術、カテーテル挿入を受けたか最近の病歴を調べる 頻繁なカテーテル挿入は、尿路感染や精巣上体炎を起こす原因となります。また、精巣上体炎は鼠径部の手術によっても引き起こされることがあります。該当する場合は、医師に相談しましょう。[11]
- 前立腺肥大症、真菌感染症、抗不整脈薬(アミオダロンなど)の服用も精巣上体炎の起因となります。
- 慢性の精巣上体炎は、通常結核などの肉芽腫性反応が関与しています。
- 患部に外傷を受けたか考える 稀な原因ではありますが、鼠径部の外傷(蹴り、膝蹴りなど)によって、精巣上体炎が発生することがあります。最近患部を負傷し、該当症状がある場合は、精巣上体炎かもしれません。[12]
- 原因不明で起こる場合もあるのだと理解する 結核性、ムンプスウィルス(おたふく風邪)性などの稀な症例もありますが、原因が見つからない場合があり、特定の理由もなく精巣上体炎を発症することもあります。[13]
- 原因が不明な場合も、医師は症状の治療に専念します。
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- 症状がある場合は、医療機関を受診する 精巣上体炎に関係なく、精巣の痛み、腫れ、赤み、圧痛、もしくは排尿障害が生じたら、医師の診察を受ける必要があります。
- 症状を認めたらすぐに診療の予約をしましょう。
- 最近の性交渉などについて問診されますが、適切な治療を受けるため、正直に伝えることが大切です。医者は慣れているため気にしません。恥ずかしがらずに伝えましょう。
- 身体診察を受ける 医者は鼠径部を診察して、炎症のある精巣を触診します。恥ずかしさを感じるかもしれませんが、診断には重要になります。不安を感じる場合でも、ほかにも多くの人が同じ経験をしていると思うと楽になるでしょう。[14]
- 精巣上体炎の原因となる腎臓や膀胱の感染症がないか腰の圧痛を確認するほか、尿検査を行い、尿道炎の有無を検査することがあります。
- また、直腸診による前立腺の検査が行われることもあります。
- 性感染症の検査をする 精巣上体炎は性感染症が原因の可能性があるため、性感染症の検査が行われることがあります。通常尿検査を行うほか、陰茎の分泌物を採取することもあります。[15]
- 検査は通常違和感はあっても痛みはありません。
- 血液検査をする 医師はC反応性タンパク、赤血球沈降速度などの血液検査を行い、原因と考えられる異常がないか調べます。また、血液検査では、血液中の細菌の種類を特定することもできます。[16]
- 超音波検査をする 超音波検査は、精巣上体炎と精巣捻転症の鑑別に用いられます。若い男性においては、疾患の識別が困難なため、超音波検査が有用です。[17]
- プローブと呼ばれる器具を患部にあてて、ドップラー超音波検査を行います。精巣の血流の低下が見られる場合は精巣捻転症が示唆され、血流が増大している場合は精巣上体炎が示唆されます。
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- 抗菌薬を処方してもらう 精巣上体炎の治療法は炎症の原因に応じて異なります。多くの場合、感染症が原因で起こるため、抗菌薬が処方されるでしょう。投与される抗菌薬は、原因が性感染症かどうかによって変わります。性感染症が原因の場合は、パートナーも同時に治療を行う必要があります。
- 淋病やクラミジア感染の場合は、セフトリアキソン注剤(250mg)を単回投与し、アジスロマイシンを1回経口投与します。
- 症例によっては、アジスロマイシンの代わりに、ドキシサイクリン(ビブラマイシン)錠剤100mgを1日2回7日間、もしくは、レボフロキサシン(クラビット)錠剤500mgを1日1回7日間内服するよう処方されることがあります。
- 性感染症による精巣上体炎の場合、パートナーも含めお互いの抗菌薬治療が完了するまで性交渉を控える必要があります。
- 性感染症が原因ではない場合、セフトリアキソンの投与はなく、レボフロキサシン、オフロキサシンなどが投与されます。
- イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を服用する これらの鎮痛剤は痛みや炎症を緩和します。自宅に常備されていることも多いため、手に入りやすい上、比較的効果も優れています。ただし、イブプロフェンなどの鎮痛剤は医師の指示無く10日以上の長期服用はしないようにし、10日経っても痛みが続く場合は、医師の診察を受けましょう。[18]
- イブプロフェンの場合、消炎、鎮痛に対して1回200mgを4~6時間間隔で服用し、1日最大600mgを限度とします。
- 鼠径部を高くして横になる 数日間ベッドで安静にすることで痛みが和らぎます。ベッドに横になると股間の負担が軽減され、痛みの緩和に効果的です。精巣のあたりを高く上げて横になり、症状の軽減を図りましょう。[19]
- 横になったり、座っているときに、タオルや丸めたシャツなどを陰嚢部位の下に置くと不快感の緩和に役立ちます。
- 患部を冷やす アイスパックで陰嚢を冷やすと、血流の低下により、炎症が抑えられます。アイスパックをタオルで包み陰嚢にあて、そのまま30分ほどあてます。肌の損傷を起こさないよう30分を限度に行いましょう。[20]
- 皮膚の損傷を引き起こす恐れがあるため、アイスパックは直接肌にあてないようにしましょう。特に陰嚢部位は敏感になるため気をつけましょう。
- 座浴で痛みを緩和する 浴槽にお湯を約30~35cm溜めて、30分ほど浸かりましょう。温かいお湯は血流を促し、免疫力を高める効果があります。何度でも好きなだけ行いましょう。[21]
- 座浴は慢性精巣上体炎に対して特に効果的です。
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ポイント
- 股間を支える下着を着用しましょう。スポーツ用の股間サポーターは陰嚢を支え、痛みの軽減に有効です。ブリーフパンツはボクサーパンツに比べ、股間を支える効果が高くなります。
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注意事項
- 症状が消失するまで性交渉は控えましょう。性交渉は患部に負担をかけるため、症状を悪化させる恐れがあります。また、性感染症に感染した場合は、治療開始時から1週間以内は感染のリスクがあります。
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出典
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/epididymitis/symptoms-causes/syc-20363853
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/epididymitis/symptoms-causes/syc-20363853
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/epididymitis/symptoms-causes/syc-20363853
- ↑ https://www.nhs.uk/conditions/epididymitis/
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- ↑ https://www.betterhealth.vic.gov.au/health/conditionsandtreatments/epididymitis
- ↑ https://www.betterhealth.vic.gov.au/health/conditionsandtreatments/epididymitis
- ↑ https://www.betterhealth.vic.gov.au/health/conditionsandtreatments/epididymitis
- ↑ https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1569905617300568
- ↑ https://medlineplus.gov/ency/article/001279.htm
- ↑ https://www.nhs.uk/conditions/epididymitis/
- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/epididymitis/symptoms-causes/syc-20363853
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- ↑ https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/epididymitis/diagnosis-treatment/drc-20363854
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- ↑ https://www.nhs.uk/conditions/epididymitis/
- ↑ https://medlineplus.gov/ency/article/001279.htm
- ↑ http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/epididymitis/basics/lifestyle-home-remedies/con-20032876
- ↑ https://www.betterhealth.vic.gov.au/health/conditionsandtreatments/epididymitis
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