自分の親は毒親？母親の暴言に傷つけられたときの対処法

母親との関係は、人生で最も特別な関係の1つであるはずです。だからこそ、母親の言葉に傷つけられたときには、非常に辛く感じるものです。実際に暴言を吐かれたときにはどう反応したらよいか、または何と言えばよいか悩むかもしれませんが、心配はいりません。この記事では専門家の意見を踏まえ、毒舌な母親との接し方や自分自身を大切にするための様々なアドバイスを紹介します。

1

冷静さを保つ

PDF形式でダウンロード

深呼吸をして感情をコントロールし、気持ちを落ち着かせましょう。母親に暴言を吐かれたときに、気持ちが高ぶるのは当然です。だからといって、すぐに反発したり言い争ったりせずに、まずはゆっくりと深呼吸をして気持ちを落ち着かせましょう。心が安らぐ光景を思い浮かべたり、部屋の外に出て少し距離を置いたりするのもよいかもしれません。^{[1]X出典文献}
- 家から出られない状況であれば、とりあえず目を閉じて深呼吸を数回してみましょう。そして、幸せを感じられる安全な場所を思い浮かべます。五感を研ぎ澄まし、その光景をじっくりとイメージしてみましょう。
広告

2

母親が暴言を吐いた理由を考える

PDF形式でダウンロード

母親の考えや感情を認識することは、どのようにアプローチすべきかを考える上で役立ちます。話をする前に、母親がそのようなことを言うに至った理由を自分なりに考えてみましょう。母親の心境や考えをじっくりと想像してみるようにします。こうすると、その後の会話が楽になるはずです。
- 例えば、母親の幼少期や育てられた環境について考えてみましょう。あるトラウマを抱えていて、対処法がわからないのかもしれません。このように母親の言動の背景を考えることで、自分の行動が原因で暴言を吐かれたわけではなく、母親が過去のトラウマに対処できていないことが関係しているのだと気付くきっかけになるかもしれません。

3

母親の言葉に傷つけられた旨を伝える

PDF形式でダウンロード

母親の毒舌によって傷つけられた事実を知ってもらうには、きちんと気持ちを伝えましょう。母親に傷つけられたことを面と向かって話すのは気が重く、負担に感じるかもしれませんが、大きな一歩になるはずです。冷静さを保ちながら丁寧な口調で話すと、話を聞いてもらえる可能性が高くなるでしょう。傷つけられた理由と今後改善してほしい点をきちんと伝えるようにします。
- 話すときに「アイステートメント（「私は……」から話し始める）」を使うようにすると、母親は防御的にならないはずです。例えば、「がっかりしたって言われたとき、自分の存在が無意味なんだって私は思ってしまったの」または、「あまり手伝いをしてくれないって言われたとき、私はすごくストレスを感じたの」というふうにと伝えてみましょう。
- このようなアプローチをするのは非常に難しい上に、恐怖心もあるかもしれませんが、小さな一歩を踏み出すことで、母親の言動によって傷つけられているという事実が伝わるはずです。例えば簡潔に、「お母さんのひどい言葉で、私はすごく嫌な気持ちになるの」と伝えるだけで十分です。練習を重ねれば、より長く深い会話ができるようになるでしょう。
広告

4

母親の言葉を個人攻撃と捉えないようにする

PDF形式でダウンロード

お互いの気持ちを守るために、2人の間に心理的な距離を置きましょう。母親に繰り返し心を傷つけられ、有害で無神経なことを言われる場合は、2人の間に心理的な距離を置くタイミングかもしれません。母親に言われる言葉を意識的に聞かないようにして、母親と心理的な距離を置く練習をしましょう。 ^{[2]X出典文献}物理的にその場を離れられない場合は、以下のような言葉を繰り返し自分に聞かせると、上手く気持ちを切り離せるでしょう。
- 「母親がヒステリックになっているのは、わたしのせいじゃない」
- 「母親に認めてもらえなくても大丈夫」
- 「母親に傷つけられたとしても、自分は仕返しをしない」

5

母親と健全な境界線を設定する

PDF形式でダウンロード

母親にやめてほしい言動を具体的に伝え、事の重大さを認識してもらいましょう。それでも母親との関係をうまくコントロールできているとは思えないかもしれませんが、境界線を設定することは可能です。自分を守るために境界線を引き、母親の暴言は容認できない旨をはっきりと伝えるのです。
- 例えば、「話すときに毎回暴言を吐くなら、お母さんとはもう話せない」「言葉の暴力で私をいじめるのはやめて」「もう私の悪口は言わないで」などと伝えてみます。このように伝えておけば、再び暴言を吐かれたとしても、返事を拒否したり家を出たりすることもできるのです。
- 自立を主張するために境界線を引こうとしているのであれば、母親との約束を守ることが非常に大切です。例えば、放課後は好きなことをすると決めたとしても、夕食までには帰る約束をした場合には、必ず時間通りに帰宅しましょう。こうすると、責任感のある態度を示すことができます。
広告

6

前向きな考え方を身につける

PDF形式でダウンロード

悪影響を及ぼす否定的な会話は避け、心を大切にしましょう。母親に傷つくようなことを言われたときには、否定的な考えを捨てない限り、その言葉を信じてしまう可能性があります。例えば、「私はやっぱり悪い人間なんだ」と考えてしまいそうになるときには、気持ちを切り替えて「実は私は結構いい人なんだ」と自分に言い聞かせるのです。このような前向きな思考を繰り返すと、そのうちにそう信じられるようになるはずです。^{[3]X出典文献}
- 例えば、批判されているような気がするときには、「私は完璧ではないかもしれないけれど、精一杯がんばっている」と自分に言い聞かせましょう。
- 他にも、「母親に口うるさく言われて怒りが収まらないし、愛されていない」というような否定的な考えを「自分は誰からも好かれる人で、冷静さを保つことができる」というふうに置き換えてみましょう。

7

自分を大切にする時間を優先する

PDF形式でダウンロード

傷つくようなことを言われて辛いときには、自分を大切にしましょう。母親を変えることはできませんが、焦点を母親から他の何かに移すことは可能です。自分自身の人生を前向きに変えていけばよいのです。^{[4]X信頼性の高い出典文献Cleveland Clinic出典を見る}十分な睡眠、健康的な運動、バランスのとれた食事を心がけ、自分のために何かよいことをしてみます。以下のような素敵なことを試して、自分を大切にしましょう。
- 瞑想する
- 以前から試してみたかった習い事を始める
- 自然に触れる
- お気に入りのコーヒーやデザートを買う
広告

8

自分を大切にしてくれる人から精神的なサポートを得る

PDF形式でダウンロード

自分は価値のある存在だと感じられるように、自分を愛して尊敬してくれる人たちに囲まれて過ごすようにします。こうすると、母親と接することで生じるストレスや不安から解放されるでしょう。自分を心から大事にしてくれる友人や恋人に連絡を取ってみます。電話やメッセージをするだけでも気持ちが楽になるはずです。抵抗がなければ母親との関係について打ち明けるか、ありのままの自分を愛してくれる人たちが周りにいる環境に感謝するだけでもよいのです。^{[5]X出典文献}
- 誰に相談したらよいかわからないときや、似たような経験をしている人と話してみたい場合は、毒親を持つ人のための自助グループに参加しましょう。インターネットで毒親の悩み相談室を検索したり、カウンセラーに相談してお勧めの団体を紹介してもらうとよいかもしれません。
- 支援の輪を広げたいのであれば、同じような境遇の人たちと出会うために、新たな活動グループなどに参加してみましょう。

9

何らかの虐待を受けている場合は、信頼できる大人に相談する

PDF形式でダウンロード

母親から身体的虐待を受けている、または身の危険を感じる場合は、助けを求めましょう。母親が毒親で、さらに虐待されていると感じたときには、自分自身を守らなければなりません。スクールカウンセラー、親戚、学校の先生など、サポートしてくれる人に助けを求めるようにしましょう。^{[6]X出典文献}
- 例えば、母親があなたに向かって大声で怒鳴り散らしたり物を投げたりする場合は安全な所に逃げてから、親戚に電話して迎えに来てもらうようにします。
- 身の危険を感じるときには、迷わずに警察へ連絡しましょう。警察を呼べない場合は、「子供110番の家」の黄色の看板（地域により、名称、色、デザインが異なります）がある店、図書館、建物などの公共スペースに行くようにします。このような場所では、カウンセラーと話せるように手配をしてくれたり、必要であればサポートをしてくれたりします。^{[7]X出典文献}
広告

10

セラピストに相談する

PDF形式でダウンロード

現在の感情を整理するには、セラピストに相談してサポートをしてもらいましょう。母親から冷たい態度を取られると、心が傷ついて孤独を感じるのは当然です。母親との複雑な関係性について誰に相談すればよいかわからずに悩むこともあるかもしれませんが、周りにはあなたの力になりたいと思っている人たちがいるはずです。セラピストや学校のカウンセラーに相談すれば、母親と話し合う方法を見つけられるように支援してくれるでしょう。また、母親との縁を切る決心をしたときには、新たな人生を進んでいけるようにサポートしてくれるはずです。^{[8]X出典文献}
- 個人向けのセラピストに相談するか、家庭内の問題を専門に扱うセラピストを探してみましょう。学校に在籍している場合は、スクールカウンセラーに相談すると、必要な情報などを提供してくれるはずです。

11

心の準備が整ったら母親を許す

PDF形式でダウンロード

怒りや恨みを手放し、気持ちを切り替えましょう。「許す」という行為は複雑で、そう簡単に相手を許せるものではありません。無理に許そうとしなくても、母親に認められる欲求が消え、自分の幸せを自分で決められるようになったときに、母親を許す心の準備ができていることに気づくはずです。^{[9]X信頼性の高い出典文献Greater Good in Action出典を見る}
- 母親を許す際に言葉で伝える必要はありませんが、例えば「ひどいことを言われて傷ついたけど、許すことにしたから、もう忘れて前に進もうね」というふうに伝えてみるのもよいでしょう。
- 母親に傷つけられたことを乗り越え、「許した」という事実を心の中で認識するだけでもよいのです。
広告