1992年の映画

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1992年の映画(1992ねんのえいが)では、1992年(平成4年)の映画分野の動向についてまとめる。

出来事 編集

世界 編集

日本 編集

周年 編集

日本の映画興行 編集

  • 入場料金(大人)
  • 入場者数 1億2560万人[15] - 戦後最低を記録した前年(1億3833万人)よりも1273万人減(9.2%減)となり、2年連続戦後最低となった[16][注 2]。邦画が281億3400万円と前年比1.1%増の配給収入となったのに対し、洋画は前年比11.5%減の342億2700万円となった[16]。洋画の中で大きなシェアを持つ米国映画が、高騰する製作費を抑えるために大作連打主義から低予算映画中心の製作体制に変化したことが影響している[16]
  • 興行収入 1520億円[15]
配給会社別年間配給収入
配給会社配給本数年間配給収入概要
新作再映洋画前年対比
松竹2170億6501万円年間配給収入で東映を抜く。『遠き落日』(15億円)、『男はつらいよ 寅次郎の告白』/『釣りバカ日誌4』(14.2億円)の2番組が配給収入10億円を突破。『パ★テ★オ』(9億円)は好稼動、『喜多郎の十五少女漂流記』(5.4億円)、『外科室』(4.7億円)、『いつかギラギラする日』(4.3億円)は堅調。『豪姫』・『エロティックな関係』は低調、五社英雄監督の遺作『女殺油地獄』は平凡な結果で終わった。
2100109.0%
東宝16128億5199万円8年連続の年間配給収入100億円突破。邦画首位の『紅の豚』(28億円)、『おろしや国酔夢譚』(18億円)、『ドラえもん のび太と雲の王国』ほか(16.8億円)、『ミンボーの女』(15.5億円)、『ゴジラvsキングギドラ』(14.5億円)、『橋のない川』(10.7億円)の6番組が配給収入10億円を突破。
1600117.4%
東映23[注 3]65億9035万円松竹に年間配給収入で抜かれる。『ドラゴンボールZ』シリーズを中心に据えた『'92春東映アニメフェア』(16億円)、『'92夏東映アニメフェア』(15億円)のアニメ2番組が配給収入10億円を突破したが、劇映画は皆無だった。前売動員映画『天国の大罪』(8.5億円)と正月映画『江戸城大乱』(7.5億円)は伸び悩み。ヤクザ映画『継承盃』・『修羅の伝説』は惨敗。『寒椿』も期待外れの結果で終わった。
230177.2%
出典:「1992年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報1993年平成5年)2月下旬号、キネマ旬報社、1993年、143 - 148頁。 

各国ランキング 編集

日本配給収入ランキング 編集

1992年日本映画配給収入トップ10

順位題名制作国配給配給収入
1紅の豚 日本東宝28億円
2フック アメリカ合衆国ソニー・ピクチャーズ23.3億円
3エイリアン3 アメリカ合衆国20世紀FOX19.5億円
4氷の微笑 アメリカ合衆国日本ヘラルド19億円
5おろしや国酔夢譚 日本東宝18億円
6JFK アメリカ合衆国ワーナー・ブラザース17億円
7ドラえもん のび太と雲の王国 日本東宝16.8億円
8ドラゴンボールZ 激突!!100億パワーの戦士たちドラゴンクエスト ダイの大冒険 起ちあがれ!!アバンの使徒まじかる☆タルるートくん すき・すき♡タコ焼きっ! 日本東映16億円
8美女と野獣 アメリカ合衆国ワーナー・ブラザーズ16億円
10ミンボーの女 日本東宝15.5億円
1992年邦画配給収入トップ10
順位題名配給配給収入備考
1紅の豚東宝28.0億円
2おろしや国酔夢譚東宝18.0億円
3ドラえもん のび太と雲の王国
21エモン 宇宙いけ! 裸足のプリンセス
東宝16.8億円
4ドラゴンボールZ 激突!!100億パワーの戦士たち
ドラゴンクエスト ダイの大冒険 起ちあがれ!!アバンの使徒
まじかる☆タルるートくん すき・すき♡タコ焼きっ!
東映16.0億円
5ミンボーの女東宝15.5億円
6ドラゴンボールZ 極限バトル!!三大超サイヤ人
ドラゴンクエスト ダイの大冒険 ぶちやぶれ!!新生6大将軍
ろくでなしBLUES
東映15.0億円
6遠き落日松竹15.0億円
8ゴジラvsキングギドラ東宝14.5億円
9男はつらいよ 寅次郎の告白
釣りバカ日誌4
松竹14.2億円[注 4]
10橋のない川東宝10.7億円[注 5]
出典:1992年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
1992年洋画配給収入トップ11
順位題名製作国配給配給収入備考
1フック ソニー・ピクチャーズ23.3億円
2エイリアン3 20世紀フォックス19.5億円
3氷の微笑 日本ヘラルド19.0億円
4JFK ワーナー・ブラザース17.0億円[注 6]
5美女と野獣 ワーナー・ブラザース16.0億円
6パトリオット・ゲーム パラマウント映画/UIP12.0億円
7ホット・ショット 20世紀フォックス10.2億円
8愛人/ラマン
日本ヘラルド10.0億円
注6
日本映画連盟の発表には含まれていない。
8リーサル・ウェポン3 アメリカ合衆国ワーナー・ブラザース  10.0億円
10マイ・ガール コロンビア ピクチャーズ08.0億円
11バットマン リターンズ ワーナー・ブラザース07.0億円
  1. 8(1) - #11の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、514頁。ISBN 978-4873767550 
  2. 8(2)の出典:『キネマ旬報』1993年2月下旬号総決算
上記以外の出典:1992年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟

全世界興行収入ランキング 編集

1992年全世界興行収入トップ10
順位題名スタジオ興行収入
1アラジンブエナ・ビスタ・ピクチャーズ$504,050,219
2ボディガードワーナー・ブラザース$411,006,740
3ホーム・アローン220世紀フォックス$358,994,850
4氷の微笑トライスター ピクチャーズ$352,927,224
5リーサル・ウェポン3ワーナー・ブラザース$321,731,527
6バットマン リターンズワーナー・ブラザース$266,822,354
7ア・フュー・グッドメンコロンビア ピクチャーズ$243,240,178
8天使にラブ・ソングを…ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ$231,605,150
9ドラキュラコロンビア映画$215,862,692
10ウェインズ・ワールドパラマウント映画$183,097,323
出典:1992 Worldwide Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月15日閲覧。

北米興行収入ランキング 編集

1992年北米興行収入トップ10
順位題名スタジオ興行収入
1.アラジンディズニー$217,350,219
2.ホーム・アローン220世紀FOX$173,585,516
3.バットマン リターンズワーナー・ブラザース$162,831,698
4.リーサル・ウェポン3ワーナー・ブラザース$144,731,527
5.ア・フュー・グッドメンコロムビア$141,340,178
6.天使にラブ・ソングを…タッチストーン$139,605,150
7.ボディガードワーナー・ブラザース$121,945,720
8.ウェインズ・ワールドパラマウント$121,697,323
9.氷の微笑トライスター$117,727,224
10.プリティ・リーグコロムビア$107,533,928
出典: 1992 Domestic Yearly Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月24日閲覧。

フランス観客動員数ランキング 編集

  1. 氷の微笑
  2. リーサル・ウェポン3
  3. 美女と野獣
  4. ボディガード
  5. フック
  6. インドシナ
  7. 愛人/ラマン
  8. 1492 コロンブス
  9. 野性の夜に
  10. JFK
出典:FRANCE 1992 - BOX OFFICE STORY”. boxofficestory. 2016年1月23日閲覧。

日本公開映画 編集

1992年の日本公開映画を参照。

受賞 編集

誕生 編集

死去 編集

日付名前国籍年齢職業
1月3日ジュディス・アンダーソン 94女優
9日クロード・コーツ 78美術監督
23日フレディ・バーソロミュー 67俳優
26日ホセ・フェラー 83俳優
2月10日岡田嘉子 89女優
3月2日サンディ・デニス 54女優
10日ジョルジュ・ドルリュー 66作曲家
11日リチャード・ブルックス 79映画監督
21日ジョン・アイアランド 78俳優
29日ポール・ヘンリード 87俳優
4月2日若山富三郎 62俳優
3日カール・タンバーグ 85脚本家
16日ネヴィル・ブランド 71俳優
23日サタジット・レイ 70映画監督
28日近藤宏 66俳優
5月6日マレーネ・ディートリヒ 90女優・歌手
6月10日ハンス・ライザー 73俳優
13日ロバート・モーレイ 84俳優
27日アラン・ジョーンズ 84歌手・俳優
7月18日ルドルフ・アイジング 88アニメーター
24日アルレッティ 94女優
8月7日金内吉男 59声優
18日ジョン・スタージェス 81映画監督
19日瑳峨三智子 57女優
30日五社英雄 63映画監督
9月12日アンソニー・パーキンス 60俳優
10月6日デンホルム・エリオット 70俳優
13日太地喜和子 48女優
16日シャーリー・ブース 94女優
11月19日関沢新一 72脚本家・作詞家
ダイアン・ヴァーシ 54女優
22日スターリング・ホロウェイ 87俳優・声優
12月17日ダナ・アンドリュース 83俳優
21日樋口幸男 61美術監督
ステラ・アドラー 91女優

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 『戦後値段史年表』は1,800円[10]
  2. ^ ただし、1994年にワースト記録を更新する。
  3. ^ 145ページの1992年邦画各社配給本数は東映が合計23本となっている、また、148ページでも東映は23本配給と書かれている。
  4. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は14.1億円となっている[17]
  5. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は12.0億円となっている[17]
  6. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は17.5億円となっている[17]

出典 編集

  1. ^ a b 東宝 2010b, pp. 243–244.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 東宝 2010b, p. 244.
  3. ^ a b c 東宝 2010b, p. 245.
  4. ^ a b c d e 東宝 2010b, p. 243.
  5. ^ a b 日活 2014, pp. 156, 182.
  6. ^ 東宝 2010b, pp. 244–245.
  7. ^ PFFの歴史 History”. PFF. 2022年9月12日閲覧。 “1992 東宝60周年とPFF15周年記念で東宝(株)と共催開始。シャンテシネで開催”
  8. ^ 斉藤 2009, p. 117.
  9. ^ 「1992年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報1993年平成5年)2月下旬号、キネマ旬報社、1993年、148頁。 
  10. ^ 週刊朝日 編『戦後値段史年表』朝日新聞出版〈朝日文庫〉、1995年、23頁。ISBN 4-02-261108-1 
  11. ^ 第44作 男はつらいよ 寅次郎の告白”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年12月29日閲覧。
  12. ^ 斉藤 2009, pp. 120–121.
  13. ^ 小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  14. ^ 主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  15. ^ a b 過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
  16. ^ a b c 「1992年度日本映画・外国映画業界総決算」『キネマ旬報1993年平成5年)2月下旬号、キネマ旬報社、1993年、143頁。 
  17. ^ a b c 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、514頁。ISBN 978-4873767550 

参考文献 編集

  • 斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8 
  • 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。 
    • 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。 
  • 日活『日活100年史 = Nikkatsu-celebrating 100 years of history』日活、2014年3月。全国書誌番号:22411179