1991年の映画

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1991年の映画(1991ねんのえいが)では、1991年(平成3年)の映画分野の動向についてまとめる。

できごと 編集

世界 編集

日本 編集

日本の映画興行 編集

  • 入場料金(大人)
  • 入場者数 1億3833万人[13] - 1989年の年間入場者数(1億4357万人)を下回る戦後最低記録となった[14]。〔ただし、翌1992年にワースト記録を更新する。〕キネマ旬報によれば、洋画が配給収入を大きく減少させたことが原因で、米国映画興行が低調だったことと連動していると分析している[15]。米国内のメディアの多様化と米映画界が大作連打主義から低予算映画へ転換したことを理由として挙げている[15]
  • 興行収入 1633億7800万円[13]
配給会社別年間配給収入
配給会社配給本数年間配給収入概要
新作再映洋画前年対比
松竹2764億8291万円男はつらいよ 寅次郎の休日』/『釣りバカ日誌3』(14.1億円)のみが配給収入10億円をクリア。角川映画幕末純情伝』/『ぼくらの七日間戦争2』(8.6億円)・『八月の狂詩曲』(8.2億円)・『陽炎』(6.1億円)・『グッバイ・ママ』(4.7億円)・『戦争と青春』(4.5億円)と安定した成績を残した。『息子』は作品的評価は高いが興行的には不本意な結果。『必殺!5 黄金の血』は惨敗。
2700127.9%
東宝21109億4924万円7年連続の年間配給収入100億円突破。邦画トップの『おもひでぽろぽろ』(18.7億円)[注 2]・『ドラえもん のび太のドラビアンナイト』ほか(18億円)・『ちびまる子ちゃん』(13.5億円)・『波の数だけ抱きしめて』(10.5億円)が10億円の大台を突破した。『大誘拐 RAINBOW KIDS』(5.5億円)は健闘。正月映画『山田ババアに花束を』ほか(5億円)は物足りない結果。『超少女REIKO』は極端な低調。
2010102.7%
東映29[注 3]85億3432万円前年の『天と地と』のような大稼動作品がなかったため、大きく成績を落とした。『ドラゴンボールZ』シリーズを中心に据えた『'91春東映アニメフェア』(13億円)・『'91夏東映アニメフェア』(14億円)のアニメ2番組、『福沢諭吉』(11億円)・『動天』(10.5億円)の大量動員2番組の計4番組が配給収入10億円を突破した。『首領になった男』(4.5億円)・『新極道の妻たち』(4.2億円)は善戦。ヤング・ターゲットの『きんぴら』/『ゴールドラッシュ』・『本気!』/『シャイなあんちくしょう』は極度の不振。『極道戦争 武闘派』は伸び悩み。
270277.6%
出典:「1991年度日本映画・外国映画業界総決算」『キネマ旬報1992年平成4年)2月下旬号、キネマ旬報社、1992年、139 - 144頁。 

各国ランキング 編集

日本配給収入ランキング 編集

1991年日本映画配給トップ10

順位題名製作国配給配給収入
1ターミネーター2 東宝東和57.5億円
2ホーム・アローン 20世紀FOX34.0億円
3プリティ・ウーマン ワーナー・ブラザース31,0億円
4トータル・リコール 東宝東和24.0億円
5おもひでぽろぽろ 東宝18.7億円
6ドラえもん のび太のドラビアンナイト 東宝18.0億円
7ダンス・ウィズ・ウルブズ 東宝東和15.0億円
8男はつらいよ 寅次郎の休日 /
釣りバカ日誌3
松竹14.1億円
9ドラゴンボールZ とびっきりの最強対最強 /
ドラゴンクエスト ダイの大冒険 /
まじかる☆タルるートくん 燃えろ!友情の魔法大戦
東映14.0億円
10ちびまる子ちゃん 東宝13.5億円
1991年邦画配給収入トップ10
順位題名配給配給収入備考
1おもひでぽろぽろ東宝18.7億円[注 4]
2ドラえもん のび太のドラビアンナイト
ドラミちゃん アララ・少年山賊団!
東宝18.0億円
3男はつらいよ 寅次郎の休日
釣りバカ日誌3
松竹14.1億円
4ドラゴンボールZ とびっきりの最強対最強
ドラゴンクエスト ダイの大冒険
まじかる☆タルるートくん 燃えろ!友情の魔法大戦
東映14.0億円
5ちびまる子ちゃん東宝13.5億円
6ドラゴンボールZ 超サイヤ人だ孫悟空
まじかる☆タルるートくん
東映13.0億円
7福沢諭吉東映11.0億円
8動天東映10.5億円
8波の数だけ抱きしめて東宝10.5億円
10幕末純情伝
ぼくらの七日間戦争2
松竹08.6億円
#10の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、504頁。ISBN 978-4873767550 
上記以外の出典:1991年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
1991年洋画配給収入トップ10
順位題名製作国配給配給収入備考
1ターミネーター2 東宝東和57.5億円[注 5]
2ホーム・アローン 20世紀FOX34.0億円[注 6]
3プリティ・ウーマン ワーナー・ブラザース31.0億円[注 7]
4トータル・リコール 東宝東和24.0億円[注 8]
5ダンス・ウィズ・ウルブズ 東宝東和15.0億円
6ゴースト/ニューヨークの幻 パラマウント映画
UIP
14.5億円[注 9]
7ゴッドファーザー PART III パラマウント映画/UIP12.7億円[注 10]
8バックドラフト パラマウント映画/

UIP

11.3億円[注 11]
9ロッキー5/最後のドラマ UIP10.6億円[注 12]
10ネバーエンディング・ストーリー 第2章
ワーナー・ブラザース10.5億円[注 13]
#6の出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、504頁。ISBN 978-4873767550 
上記以外の出典:1991年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟

全世界興行収入ランキング 編集

1991年全世界興行収入トップ10
順位題名スタジオ興行収入
1ターミネーター2トライスター ピクチャーズ$519,843,345
2ロビン・フッドワーナー・ブラザース$390,493,908
3美女と野獣ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ$424,967,620
4フックトライスター・ピクチャーズ$300,854,823
5羊たちの沈黙オライオン・ピクチャーズ$272,742,922
6JFKワーナー・ブラザース$205,405,498
7アダムス・ファミリーパラマウント映画$191,502,426
8ケープ・フィアーユニバーサル・スタジオ$182,291,969
9ホット・ショット20世紀フォックス$181,096,164
10シティ・スリッカーズコロンビア ピクチャーズ$179,033,791
出典:1991 Worldwide Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月13日閲覧。

北米興行収入ランキング 編集

1991年北米興行収入トップ10
順位題名スタジオ興行収入
1.ターミネーター2トライスター$204,843,345
2.ロビン・フッドワーナー・ブラザース$165,493,908
3.美女と野獣ディズニー$145,863,363
4.羊たちの沈黙オライオン$130,742,922
5.シティ・スリッカーズコロムビア$124,033,791
6.フックトライスター$119,654,823
7.アダムス・ファミリーパラマウント$113,502,426
8.愛がこわれるとき20世紀FOX$101,599,005
9.花嫁のパパタッチストーン$89,325,780
10.裸の銃を持つ男2 1/2パラマウント$86,930,411
出典: 1991 Domestic Yearly Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月24日閲覧。

フランス観客動員数ランキング 編集

  1. ダンス・ウィズ・ウルブズ
  2. ターミネーター2
  3. ロビン・フッド
  4. 白牙
  5. 羊たちの沈黙
  6. ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え!
  7. Tous les matins du mondeフランス語版
  8. ホット・ショット
  9. キンダガートン・コップ
  10. ダブル・インパクト (映画)
出典:FRANCE 1991 - BOX OFFICE STORY”. boxofficestory. 2016年1月24日閲覧。

日本公開映画 編集

1991年の日本公開映画を参照。

受賞 編集

人物 編集

誕生 編集

死去 編集

日付名前国籍年齢職業
2月1日ジム・マクドナルド 84声優
11日松山英太郎 48俳優
27日草野大悟 51俳優
3月2日セルジュ・ゲンスブール 62ミュージシャン・映画監督・俳優
14日ハワード・アッシュマン 40作詞家
18日ヴィルマ・バンキー 93女優
4月10日ケヴィン・ピーター・ホール 35俳優・スーツアクター
16日デヴィッド・リーン 83映画監督
20日ドン・シーゲル 78映画監督
5月1日リチャード・ソープ 95映画監督
15日ロナルド・レイシー 55俳優
6月3日エヴァ・ル・ガリエンヌ 92女優
11日ハヤフサヒデト 86俳優・映画監督
14日ペギー・アシュクロフト 83女優
17日永井智雄 77俳優
19日ジーン・アーサー 90女優
7月1日マイケル・ランドン 55俳優
2日リー・レミック 55女優
5日中村伸郎 82俳優
8日ジェームズ・フランシスカス 57俳優
11日河合勝巳 62編集技師
23日藤岡重慶 57俳優
8月11日河野基比古 58映画評論家
22日コリーン・デューハースト 67女優
9月3日フランク・キャプラ 94映画監督
23日チャック・ヴィンセント 51映画監督
27日有馬昌彦 66俳優
11月2日アーウィン・アレン 75映画監督・プロデューサー
5日フレッド・マクマレイ 83俳優
6日ジーン・ティアニー 70女優
9日イヴ・モンタン 70歌手・俳優
14日トニー・リチャードソン 63映画監督
16日伊上勝 60脚本家
21日ダニエル・マン 79映画監督
22日今井正 79映画監督
23日上原謙 82俳優
クラウス・キンスキー 65俳優
24日大村千吉 69俳優
29日ラルフ・ベラミー 87俳優
12月12日エレノア・ボードマン 93女優
28日カサンドラ・ハリス 39女優

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 〔引用者註〕東宝の資料では「日英協会」となっていたが、1891年創設なのは、The Japan Society(日本協会)なので、修正した。
  2. ^ 〔引用者註〕キネマ旬報は18.5億円だったが、日本映画製作者連盟の18.7億円を採用した[16]
  3. ^ 141ページの1991年邦画各社配給本数では東映が合計29本となっているが、143ページでは東映は28本配給と書かれている。
  4. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は18.5億円となっている[17]
  5. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は52.0億円となっている[17]
  6. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は33.0億円となっている[17]
  7. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は30.9億円となっている[17]
  8. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は24.5億円となっている[17]
  9. ^ 日本映画製作者連盟の発表では、1990年の配給収入28.0億円となっているが[18]、1991年は言及なし[16]。『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』によれば、配給収入は1990年が23.0億円、1991年が14.5億円、累計の配給収入は37.5億円となっている[17]
  10. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は13.0億円となっている[17]
  11. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は12.0億円となっている[17]
  12. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は10.5億円となっている[17]
  13. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史』では配給収入は10.2億円となっている[17]

出典 編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai 東宝 2010b, p. 243.
  2. ^ A Brief History” (英語). ロンドン日本協会. 2022年9月8日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h 東映 1992, p. 92.
  4. ^ a b c 東宝 2010b, p. 242.
  5. ^ 東宝 2010b, pp. 242–243.
  6. ^ ARCHIVE 過去のアジアフォーカス 1991年(第1回)”. 福岡市. 2022年9月9日閲覧。
  7. ^ 斉藤 2009, pp. 116–117.
  8. ^ 週刊朝日 編『戦後値段史年表』朝日新聞出版〈朝日文庫〉、1995年、23頁。ISBN 4-02-261108-1 
  9. ^ 「1991年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報1992年平成4年)2月下旬号、キネマ旬報社、1992年、144頁。 
  10. ^ 第43作 男はつらいよ 寅次郎の休日”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年12月29日閲覧。
  11. ^ 小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  12. ^ 主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  13. ^ a b 過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
  14. ^ 「1991年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報1992年平成4年)2月下旬号、キネマ旬報社、1992年、144頁。 
  15. ^ a b 「1991年度日本映画・外国映画業界総決算」『キネマ旬報1992年平成4年)2月下旬号、キネマ旬報社、1992年、139頁。 
  16. ^ a b 1991年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
  17. ^ a b c d e f g h i j 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、504頁。ISBN 978-4873767550 
  18. ^ 1990年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟

参考文献 編集

  • 斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8 
  • 東映『クロニクル東映-II 1947-1991』東映、1992年10月。全国書誌番号:93017746 
  • 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。 
    • 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。