斬り捨て御免!

日本のテレビ時代劇

斬り捨て御免!』(きりすてごめん)は、島田一男の「江戸三十六番所」をベースに映像化し、第1シリーズから第2シリーズは当時の東京12チャンネル、第3シリーズはテレビ東京制作の連続テレビ時代劇。1980年から1982年にかけて3シリーズが製作されている。

概要 編集

原作は島田一男作「斬り捨て御免」(コスミック・時代文庫にて2014年に再版、2021年10月現在新刊あり)。

三十六番所が舞台である点はシリーズ共通であるが、シリーズごとに基本主旨が異なっており、特に第3シリーズでは日本支配を企む翁の御前率いる悪の組織との闘いがメインとなった。出雲が部屋住みの次男[1]として遊んでいた頃から家督を継いで登城した時代は将軍家治公(老中田沼意次)の末期、奥祐筆時代に家治は毒を盛られ亡くなり、家斉公の治世[2]となる(老中松平定信)。三十六番所の斬り捨て御免の認可は定信(その後の白河楽翁)の元で行われたと思われる。同時代に長谷川平蔵が火付盗賊改長官として活躍しており、第2シリーズでは平蔵が設立した人足寄場[3]帰りの登場人物も多くなる。

キャスト 編集

三十六番所 編集

文化文政期の江戸市中899か所に設けられた武家番所の一つ。江戸の三味線堀にあり、両隣は女郎屋、向かいは居酒屋、近所に矢場や岡場所と、真っ当な武士なら忌避するような、歓楽街のど真ん中の立地。[4]本来ならば6人体制であるべきところを、第1シリーズ第1話では頭取の殺害後、小者を含めた4人体制で運営しており、番士の補充を上申しても半年も放置され、新頭取の赴任も10日ほど音沙汰がなかったため、周囲では取り潰しになると噂が立ち、番所の高張提灯を足蹴にされた。普段は人手不足ながら巷の喧嘩や揉め事の仲裁、失せ物探しなどといった仕事を請け負いつつ、町人には親切、怠け気味ののんびり番所だが、その裏では非道な悪を独自の権限で裁く「斬り捨て番所」としての側面を持つ。[5]松平定信の失脚から隠居に伴い、第2シリーズでは番士たちは表向きは三十六番所の仕事を継続しつつ、白河楽翁の傘下の「鬼番所」として誅殺活動を継続し、さらに第3シリーズでは「影目付」となり翁の御前と戦う。第2シリーズ初期では毎回出陣の前に出雲が加害者の罪状や被害者の苦しみを述べ、暗闇の地下蔵でろうそくを斬る儀式(唯一の明かりを斬るため毎回真っ暗になる)を行っていたが、後に出陣準備の様子に変わった。また第2シリーズでは斬りこむ直前に「斬」の一字が入った白扇を敵に投げ込む。

江戸は本所(墨田区:両国、錦糸町、向島周辺)出身、幼名はしん三郎[6](しんの漢字は不明)部屋住み時代は牛込若松町(新宿区)の近く[1]に住んでいる。貧乏旗本の次男として生まれ、兄が亡くなったことで家督を継ぎ、奥右筆に選ばれる。僚友13人以上に転属中止の嘆願書を出され惜しまれながらも、幼馴染の朝倉丹波の懇願で、殺害された神崎清五郎(演:根上淳)の後任として初めは嫌々ながら[1]三十六番所頭取に赴任する。番士たちからは「大将」と呼ばれる。豪放磊落だが正義感は熱い。いったん気持ちを決めると周囲に何を言われても聞かない頑固さも持つ。殺陣(仕置き)の最後は武士階級の黒幕へトドメをさす際に「御免!」の決めセリフを言う(第3シリーズでは誰が相手でも言っている)。腕も立つが、基本は博識の頭脳派。教養も高く、第1シリーズでは三味線、風景のスケッチ[7]、能の舞[8]、器用な工作など多彩な特技を見せ、どんぐりで作るやじろべえの工作であっても一度手を付けると真剣に熱中して取り組む癖がある。お人よしな所もあり子供好き[9]で、気の毒な少年と遊んでやったり[10]、不良少女[11]や乞食の女[12]などを更生させるために自腹を切って面倒をみたり、多少裏切られようと真剣に親身に対応する。趣味は釣りで、浮きを自作し、5両(20万~40万くらい)もする一貫斎製作の竿[13]を愛用している。第1シリーズ最終回では1年間の特命派遣のため長崎へ旅立った。第1シリーズでは「三十六番所頭取、花房出雲」第2シリーズでは「鬼番所頭取、花房出雲」と名乗るが、第3シリーズでは肩書は一切名乗らず、また敵の罠に落ちていても問われれば偽名を使わず本名を名乗る。第2シリーズ最終回で部下2名、親しい密偵2名を失ったことで傷心を抱え楽翁に暇を乞い、休職を提案され独り旅に出る[14]も、第3シリーズ第1話で旅先で命を狙われ記憶喪失となり、自分の名前を手がかりに全てを思い出した[15]際に「二度と再びこんな仕事はすまい」と心に決めた[16]が、自分を助けてくれた女が翁一味に殺されたことから、これまでのような武士の役目としてではなく、個人的な意思として[15]楽翁の依頼で翁一味の討伐を請け負い、翁の御前を倒したい一念で[17]強敵を相手に、やや投げやりに生き延びていく。1話~5話までは、江戸へ戻っても番所には顔を見せずに転がり込んだ芸者小蝶の家に入り浸り、「あんな番所、あっても無くても変わらねぇ」[18]と小蝶に言い捨て、番士の2人とも会おうとせず、築地の隠居の指令は手紙で送っていた。5話で岡っ引きとして窮地に陥った勘兵衛と地獄島で再会し救って以降、6話からは番所に足を向け始め、表情も明るくなり、以前のように釣りをする姿や、番所で番士たちと茶や酒を飲み語らう場面も見られるようになる。11話からは他役所の奉行や目付と話し合いをするなど、三十六番所頭取としての役目も再開している。武士道精神や正義から気持ちが逸れてしまい、個人的な復讐がモチベーションになったためか以前ほどの無敵の強さはなく、たびたび窮地に陥り、捕まったり負傷する。第1、第2シリーズでは女性に対しては紳士的で、恋愛には慎重な描写であったが、第3シリーズでは少しやさぐれ気味に人格が変わって女性に対してかなり積極的になり、翁の刺客の女性や、女医者、味方の密偵、道で出会った女壺振り、公家の姫、乞食の女など、誘われればまず相手を拒まず、その都度異性関係に陥る。そのあまりの守備範囲の広さに大助には「ゲテモノ喰い」と評され呆れられた。
  • 関 大助:長門勇(第1シリーズ第21話、第2シリーズ第12・14・17・19話を除く)
古株の番士で初めは「関さん」と呼ばれていたが、出雲がつけたあだ名は「とっつぁん」。女児ばかり5人の子持ちで呑兵衛だが武術と体術の達人であり、主な得物は短槍だが脇差しやトンファー、濡れ手拭いなどで敵方の武器を奪ったりその場にある様々な物を使用するなど変幻自在の戦い方をする。特技は絵(春画や漫画)を描くこと、怪しい薬の調合や蘭学を齧って化学の知識や、航空力学の知識までも披露し、最後には翁の御前との決戦を前に、秘密兵器までも作成。また、しばしば奇想天外な作戦を立案する。第3シリーズでは出雲の留守中から留守居役を良いことに番所を占拠し、自宅の洗濯物干し場や自分の寝ぐらにしている。勘兵衛の結婚式で「高砂」を謡うために謡曲を習いはじめ、その後もたまに披露する。第3シリーズ9話で6人目の子にして初の男児が誕生。
  • 松波蔵人:伊吹剛(第1シリーズ第1~7・10~11・19・25話)
番士。愛称は「蔵(くら)、蔵さん」。大助や伝十郎と共に前任者の神崎清五郎が頭取の頃からいる。血気盛んで融通の利かない性格。
  • 宇部伝十郎:川崎公明(第1シリーズ~第2シリーズ第1~7・9~20・22・24話)
若手番士。愛称は「伝さん、伝十」。しばしば空気が読めずそそっかしい。初めは失敗も多く、出雲から「ばかもん!」[19]と怒鳴られるシーンもあったが、後輩の数馬の加入以降は頼もしく成長する。第2シリーズ最終回で祝言を挙げることになり浮かれていた矢先、出雲たちが大目付側室の護衛任務で番所を離れていた留守中に三十六番士の殲滅を企む敵の凶刃に倒れ命を落とす。
  • 大沢数馬:市川百々丸(第2シリーズ第1~8・10~12・14~21・23~24話)
殉職した新任番士・新藤小弥太(演:京本政樹)の後任として三十六番所にやってきた若手番士。愛称は「数馬」。観に行った芝居のタイトル「心中天網島」を「こころなかてんあみしま」と読んで大助に馬鹿にされたり、白玉を白い碁石とすり替えられて食べかけるなど、よく大助にいじられている。第2シリーズ最終回では大助の飲酒が元で手負いとなり、大将と大助の足手まといになりたくないと、捕らわれの妙秀尼を助けるため、あえて敵の罠に突っ込んでいき命を落とした。演じた市川百々丸は、二代目市川新車を襲名後に、第3シリーズ最終回に影目付の役でゲスト出演している(現:十一代目市川高麗蔵)。
  • 平野与四郎:伊庭剛(第3シリーズ)
対翁の御前の戦力として楽翁が三十六番所に送り込んだ若手番士。愛称は「与四郎」。大助とコンビを組むことが多い。二枚目で真面目、御庭番のような服装や戦法で戦い有能ではあるが、大助のペースに乗せられ洗濯やお茶くみなどの雑用にも振り回され、番所の留守番中にこっそりエロ草紙を読むなど、次第に三十六番所の雰囲気に染まっていく。後半では敵に捕まったり負傷することもしばしば。
  • 番助:山本雅一(第1シリーズ第1話~第7話、第12話、第14話、第21話、第24話)
小者

小料理屋・千扇 編集

三十六番所の向かいに構える小料理屋。番士たちにとっては憩いの場である。

  • はつね:岩井友見(第1シリーズ第1~4・6・7・9~11・13・15~19・21・25話、第2シリーズ第1~8・12・16・18・22話)
女将。出雲にほの字で、膝枕などもさせる仲。出雲には「提灯」とあだ名を付けられている。元は武家の出だった。霊感が強いのか、亡霊に乗っ取られたことがある。
  • おきく:黒須薫(第1シリーズ第6~8・13話)
女中。
  • おこま:中條郷子(第2シリーズ第1・21話)
女中。
  • 新吉:中村吉三(第1シリーズ·第2シリーズ)
板前。
  • おさき:中西由香力(第2シリーズ第1~2話ほか)
  • おちよ:立石美由紀(第2シリーズ)
両名とも女中。

朝倉丹波周辺 編集

  • 朝倉丹波:橋幸夫(第1シリーズ第1~4・10話)
直参旗本三千石大目付。出雲とは幼少からの「ケンカ仲間」(出雲談)もしくは「竹馬の友」(丹波談)。三十六番所を設置する施策を出した張本人らしい。出雲を「難しい役目」で「頭取のなり手のない」三十六番所へ送り込む。出雲と協力するようでいて、自らも勝手に動いてバラバラに探索したり、立場を理由に情報提供を断るなど、出雲とのコンビネーションはあまり良くない。理由は不明だが、シリーズ途中で姿を見せなくなる。
  • 小笛:北川恵(第1シリーズ第1話~11・13・15・22~25話)
丹波の配下。忍者姿になって探索を行うことがある。風呂で出雲の背中を流したり、姫の替え玉として露天風呂で裸で戦ったりする。丹波がいなくなっても出雲を助ける。
  • おふね:中條郷子(第1シリーズ第1~6・9・11・21話~25話)
「千扇」の女中だが、丹波の配下。丹波がいなくなっても出雲を助けている。
  • おでん:高杉早苗(第1シリーズ第1話~4・10話)
朝倉家に仕える老女。口うるさい丹波のばあや。将棋が大好き。

白河楽翁周辺 編集

元老中で築地の御隠居とも呼ばれている。出雲の協力者で仕事の依頼をすることがある。第3シリーズでは毎回様々な方法で出雲に指令を伝える。また影目付を派遣し出雲たちのサポートに当たらせる。
楽翁の孫姫で徳川吉宗の玄孫でもある。出雲のことが大好きで構ってもらいたがる。
  • 妙秀尼:日向明子(第2シリーズ第1・6・9・13・15・19・24話)
月照庵に住んでいる楽翁配下の尼僧。寺社関係の探索ではその立場は利用したり、色仕掛などでも力を発揮する。素手で立ち回ることもある。尼僧ながら俗っぽく出雲に言い寄ったりする。最終回で敵の一味に捕らえられ番士おびき出しの罠で命を落とす。
楽翁の指令をさりげなく出雲に持ち込む。小蝶の仕事のマネージメントも請け負っていて、しばしば小蝶の帯を締めている。

番士たちの関係者 編集

  • 勘兵衛:小島三児(第1シリーズ第1~13・15~19・21~23・25話、第2シリーズ第1~8・11~14・21~22話、第3シリーズ第1・5・7・9・11・13~15話)
第1シリーズでは三十六番所の隣の女郎屋「一文字屋」の主人、第2シリーズでは瓦版屋、第3シリーズではおきんと祝言を挙げ岡っ引きとなった。
大助の妻。第1シリーズ第3話では身重の体。
  • おせん:北川恵(第2シリーズ第1・3・9・11~12・14~17・20~21・23話)
出雲の知り合いの夜鷹で、他の夜鷹たちを束ねる元締でもある。情報提供などで出雲に協力している。第23話で悪人の手に掛かり落命した。
  • およう:橘麻紀(第2シリーズ第1話ほか)
おせんの夜鷹仲間。
およう同様おせんの夜鷹仲間。
柳橋の芸者。出雲とは愛人のような関係であるが、口の軽い番士の2人に出雲の浮気を聞かされ、いつもやきもきさせられている。最終話では出雲を追いかけ上方まで行き、とうとう夫婦約束までこぎつけるが、前途は不穏そうである。
  • おきん:奈三恭子(第3シリーズ)
勘兵衛の女房。火消しの娘で気が強い。第3シリーズ第15話「命の綱渡り 決心の十手持ち女房」では、翁の御前一味に潜入。
小蝶の芸者仲間。おきゃん

翁の御前一味 編集

第3シリーズにおける三十六番所の敵。途方もない財力を武器に人間の欲望に付け込み、国の支配を目的に暗躍する謎の組織。特に鉄砲やダイナマイトなど、火薬を使った攻撃を好む。幹部たちはアジトに飾ってある翁の面を通じて首領に作戦の概要や意向を伝える。

翁の御前配下の初代幹部。鋭い打突が得意技。出雲愛用の一貫斎の釣り竿を根元から真っ二つにする。出雲にはこれまでの人生で最大の強敵だったと評された。
翁の御前配下の二代目幹部。普段は巫女のような風体で陰陽師のような法術(催眠術系)を使う。後半では尼姿にも化けた。その正体は自らの幻術で若返っていた老婆。米問屋に安売りの貼り紙を貼って米の値下げをさせるなど、やや主婦感覚の作戦を遂行し、勘兵衛の妻おきんに感謝されていた。またお弓が牛耳っている間、女性刺客の色仕掛けが激減した。
翁の御前配下の三代目幹部。作戦の柱に女を据えるも、2度とも女が出雲に惚れてしまい、裏切られて女性不信に。唐人(福本清三)を擁して三十六番所を苦しめた。
翁の御前配下江戸組織の四代目幹部。同じ翁一味である伊賀の上忍・服部道鬼(演:北村英三)の配下。出雲に御免されず、与四郎に倒される。
大坂城を砦に構えている翁の御前の腹心。森宗意軒の子孫。優秀な知将であり、出雲を追って上方へ出てきた小蝶のピンチを救う。出雲の策を看破して罠を仕掛け、与四郎を銃で負傷させるも逃げられる。大助謹製のハングライダーを使って再び城内に潜入した出雲との一騎打ちに敗れ、右腕を切り落とされる。翁の御前に逃亡することを勧めたが見限られ、処刑された。
莫大な財力を持ち幕府中枢にもはびこる組織の首領。大坂城の奥に籠っている。最終話まで素性の判らない存在であったが、正体は武力と財力により日本の支配を目論む異人。出雲の一太刀によってその正体を晒し「金と欲望ある限り翁は滅びぬ、diablo!」の言葉を言い残し爆炎に消えた。

サブタイトル・主なゲスト 編集

第1シリーズ 編集

話数  放送日       サブタイトル             脚本     監督    主なゲスト
第1話1980年4月9日炎と燃える三十六番所の灯[注釈 1]結束信二西山正輝栗塚旭、根上淳、川合伸旺小林勝彦、田口久美、

若原瞳片岡五郎森次晃嗣磯野洋子山岡徹也

唐沢民賢出水憲田中弘史

第2話1980年4月16日無情の雨に泣く女東條正年山崎大助五月みどり三ツ木清隆三上真一郎市原清彦正司敏江・玲児
第3話1980年4月23日三十六番所にお指図無用結束信二西山正輝大坂志郎大木実西田良、山口奈美、志乃原良子正司歌江
第4話1980年4月30日命を賭けた母子星鈴木兵吾喜多川美佳亀石征一郎西園寺章雄、谷口完、下元年世、松田明
第5話1980年5月7日捨て身の勝負 江戸の花下飯坂菊馬山崎大助中村竹弥野平ゆき高峰圭二綾川香千葉敏郎

伴勇太郎門谷美佐伊藤克美

第6話1980年5月14日女の肌に秘めた謎東條正年珠めぐみ須藤建高木二朗五味龍太郎永野達雄

水上保広若井けんじ

第7話1980年5月21日魔性の女にひそむ業和久田正明南野梅雄田中真理石橋蓮司江見俊太郎雪代敬子
第8話1980年5月28日中仙道に草笛が哭く結束信二船戸順瞳順子牧冬吉田中弘史
第9話1980年6月4日小太刀に濡らす涙雨鈴木生朗山崎大助西尾三枝子田口計大竹修造
第10話1980年6月11日天童駒に秘めた謎津田幸於三浦真弓松山政路早川保
第11話1980年6月18日傷だらけの墓標西山正輝織田あきら神田隆、南祐輔、大木晤郎
第12話1980年6月25日江戸を走る通り魔鈴木兵吾丹古母鬼馬二高品正宏吉田義夫出水憲司常泉忠通浜田雄史
第13話1980年7月2日冥土へ送る地獄船和久田正明山崎大助小畑あや、高野真二山口幸生
第14話1980年7月9日江戸の怪盗流れ星南野梅雄目黒祐樹小松方正鮎川いずみ堀田真三山本一郎、沖時男
第15話1980年7月16日狼の仮面を斬れ鈴木生朗久保明、山本ゆか里、外山高士内田善郎
第16話1980年7月23日涙に曇る江戸の空東條正年山崎大助火野正平灰地順、植木絵津子、西園寺章雄
第17話1980年7月30日女たちの仇討ち無情和久田正明鹿島章弘児島みゆき奈月ひろ子志乃原良子黒部進五味龍太郎

加藤大樹藤尾純、水村泰三、柴田昭彦、永野達雄

第18話1980年8月6日黄金地獄の闇を斬る田中利世唐順棋西崎みどり和崎俊哉陶隆司、岡本崇、門谷美佐
第19話1980年8月13日闇夜に笑う天狗の面東條正年剣持伴記市村昌治槇健吾、人見ゆかり
第20話1980年8月20日奈落の底に潜む謎鈴木生朗南野梅雄高田美和片岡秀太郎早川雄三
第21話1980年8月27日男に惚れたはぐれ花和久田正明栗田ひろみ高峰圭二須永克彦
第22話1980年9月3日目の前から消えた女東條正年鹿島章弘北村総一郎千野弘美、柳川清、近藤宏、一ツ柳明美
第23話1980年9月10日女の敵は地獄へ送れ津田幸於南野梅雄北林早苗西山辰夫、香月京子、守田比呂也
第24話1980年9月17日野獣討つべし鈴木生朗唐順棋鈴鹿景子鹿内孝吉本真由美大木こだま・大木ひかり、

大林直樹水上保広荻原郁三玉生司朗

第25話1980年9月24日江戸城危機一髪東條正年平泉征北原義郎八名信夫佐藤宏之、丘路千、北原将光、三笠敬子

第2シリーズ 編集

話数  放送日        サブタイトル          脚本    監督    主なゲスト
第1話1981年4月8日大奥秘録 叛乱の地獄絵巻

[注釈 2]

鈴木生朗森一生中村玉緒佐藤慶、京本政樹、風祭ゆき中島ゆたか

北見唯一伴勇太郎、柳川清、五月マリア、和田かつら、松田明、芝本正

第2話1981年4月15日嵐に咲く赦免花和久田正明南野梅雄江利チエミ船戸順、波田久夫、山本一郎松谷令子
第3話1981年4月22日悪鬼が散らした無惨花鈴木生朗家喜俊彦泉じゅん田口計高峰圭二、鈴木金哉、日高久下元年世
第4話1981年4月29日女呪いの双つぼくろ津田幸於唐順棋相原友子御木本伸介八名信夫西山辰夫
第5話1981年5月6日奈落に舞うはぐれ蝶和久田正明家喜俊彦栗田陽子頭師孝雄宮口二朗田中弘史島米八表淳夫須永克彦
第6話1981年5月13日偽装心中なみだ川鈴木生朗南野梅雄原口剛有吉ひとみ西園寺章雄原健策永野達雄

武周暢、池田幸路、三浦徳子

第7話1981年5月20日花吹雪獄門剣和久田正明唐順棋亀石征一郎飛鳥裕子綾川香多賀勝日吉としやす、伊藤武史
第8話1981年5月27日女渡り鳥凶状旅鈴木生朗南野梅雄五十嵐めぐみ高野真二堀田真三加賀邦男、小林芳宏、

中村錦司吉田豊明
池田幸路

第9話1981年6月3日女いのちの地獄肌家喜俊彦川合伸旺小林昭二辻萬長水原麻紀、大木悟郎、柳沢紀子、八木隆
第10話1981年6月10日狼どもの血祭り仁義松本功南野梅雄原田大二郎須賀不二男吉本真由美高木二朗槇健吾、大森不二香
第11話1981年6月17日忍びよる恐怖の影津田幸於皆元洋之助田島令子中田博久田中弘史早川保西園寺章雄
第12話1981年6月24日女はかない哀れ花鈴木生朗井上梅次志麻いづみ佐藤仁哉溝田繁永野辰弥、竹内健一
第13話1981年7月1日血染めの千両富田中利世
牧戸次郎
皆元洋之助頭師佳孝白木万理野平ゆき牧冬吉、有光豊、長谷川弘伴勇太郎
第14話1981年7月8日幽鬼が狙った瓦版田中利世唐順棋本郷直樹奈月ひろ子内田勝正五味龍太郎、橘麻紀、玉生司朗
第15話1981年7月15日闇夜になく母子鶴津田幸於小山明子草川祐馬細川俊夫西山辰夫、柳川清、千葉敏郎
第16話1981年7月22日三々九度殺しの盃和久田正明家喜俊彦喜多川美佳村上冬樹内田善郎山口朱美、武周暢、島米八
第17話1981年7月29日女恨みの辻が花南野梅雄外山高士美雪花代早川雄三黒須薫、峰村銀、堀内一市、入江慎也
表淳夫出水憲司
第18話1981年8月5日すすり泣く尼寺津田幸於皆元洋之助寺田農、細川純一、田中弘史近江輝子、堀内一市
第19話1981年8月12日なさけ深川怨み節鈴木生朗家喜俊彦佐々木剛、松原愛、高杉玄田中綾、山口奈美、中村錦司
第20話1981年8月19日女を漁る凶悪の牙新井雄一郎唐順棋藤間文彦浜田晃、小林伊津子、西園寺章雄藤尾純
第21話1981年8月26日江戸浪人街の血闘東條正年古代一平、岡本ひろみ北村晃一村上不二夫倉石一旺、江並隆
第22話1981年9月2日妖しく匂う無情花綾部伴子家喜俊彦高田美和、高田大三、汐路章中村竜三郎杉江廣太郎
第23話1981年9月9日死を呼ぶ子守唄津田幸於唐順棋三沢慎吾東山明美今西正男五味龍太郎、千葉敏郎、

志乃原良子、中村万之丞、松本錦吾

第24話1981年9月16日鬼番所皆殺しの罠鈴木生朗家喜俊彦森次晃嗣鈴鹿景子、三上剛、幸田宗丸須永克彦

第3シリーズ 編集

話数   放送日       サブタイトル             脚本      監督      主なゲスト
第1話1982年6月9日熱き口づけは死を誘う鈴木生朗家喜俊彦梶芽衣子千波丈太郎幸田宗丸山口朱美門谷美佐
第2話1982年6月16日大奥を濡らす魔性の血皆元洋之助志穂美悦子山本昌平田口計、伊吹友木子、

岡本ひろみ、三浦徳子、山本一郎

第3話1982年6月23日生か死か断崖に揺れる二人和久田正明松坂慶子石橋雅史千うらら芝本正山口幸生
第4話1982年6月30日女豹の牙と百万石の大陰謀鈴木生朗家喜俊彦三浦リカ水原麻紀平泉征、大崎紀子、島米八出水憲司
第5話1982年7月7日やわ肌が乱れる地獄島潜入皆元洋之助赤座美代子小松方正、小林伊津子、田村恵子
第6話1982年7月14日暗闇目付が仕掛けた必殺罠唐順棋水原ゆう紀菅貫太郎一の瀬玲奈西園寺章雄、山村弘三
第7話1982年7月21日謀略血で染めた御用金強奪津田幸於西尾三枝子、牧冬吉芝本正石田信之
第8話1982年7月28日三万両の身代金に賭けた命鈴木生朗皆元洋之助高峰圭二姫ゆり子早川雄三、豊田充里
第9話1982年8月4日女の唇に潜む非情の罠家喜俊彦風祭ゆき原口剛多賀勝中村錦司表淳夫
第10話1982年8月11日怪盗を追え 死のおとり作戦皆元洋之助八名信夫成瀬正出水憲司、細川純一、前川恵美子
第11話1982年8月18日夏の怪 竜神が流す火の涙剣持伴紀松本朝夫酒井くにお・とおる北見唯一山本一郎
第12話1982年8月25日黄金に群がる闇の相場師中西隆三本阿弥周子川合伸旺五味龍太郎根岸一正永野辰弥
第13話1982年9月1日女仇討に隠された凶悪の罠津田幸於家喜俊彦鈴鹿景子外山高士田中弘史、柳川清、寺下貞信
第14話1982年9月8日生き地獄 女悪鬼の棲む館和久田正明唐順棋竹井みどり北林早苗内田勝正、水村泰三
第15話1982年9月15日命の綱渡り 決死の十手持ち女房鈴木生朗家喜俊彦姫ゆり子関根大学溝田繁中井啓輔島米八

須永克彦、小笠原町子、門谷美佐

第16話1982年9月22日狙われた姫 魔界の女呪術師唐順棋早瀬久美浜田晃桃山みつる小柳圭子、市川男女之助、

諏訪裕子、京あけみ

第17話1982年10月13日湯殿で襲われた女賭博師家喜俊彦山内絵美子西山辰夫高野眞二、芦田鉄雄、千葉敏郎
第18話1982年10月20日赤い人魚は死神の使者皆元洋之助三条泰子福本清三西山嘉孝西田良、北原将光
第19話1982年10月27日白昼に散った女影目付家喜俊彦朝加真由美、武周暢、西園寺章雄、南祐輔、玉生司郎
第20話1982年11月3日女ねずみが天井裏で鳴く唐順棋原田英子三田明野上哲也田中弘史、鈴木金哉
第21話1982年11月10日伊賀の女に明日はない家喜俊彦奈良富士子、北村英三
第22話1982年11月17日今あかす翁の御前の正体皆元洋之助森次晃嗣、牧冬吉芝本正市川新車中村万之丞堀内一市 大河内浩

スタッフ 編集

主題歌・テーマ曲 編集

  • 長唄「勧進帳」より「瀧流し」(第1シリーズ・第2シリーズOP):白河楽翁役・初代松本白鸚が勧進帳で舞っていた曲。
  • 「君はやさしかったか」(第1シリーズ・第1話 - 第13話、第19話 - 第24話)
  • 「いなせ節」(第1シリーズ・第14話 - 第18話)

備考 編集

  • 第1シリーズのエンディングで使用された映像は、後に同局(現在のテレビ東京)系列他で放送された『江戸・中町奉行所(第2シリーズ)』のエンディングにそのまま流用され、使用された(本作同様、『江戸・中町奉行所』も京都映画撮影所で制作された作品である)。
  • 同じくエンディングのカモメの映像は、1981年にフジテレビ系列で放映された『江戸の用心棒』の中でも使われている。(東宝制作だが、京都映像の協力作品であり、スタッフも多少かぶっている)
  • なお、第3シリーズ第1話では赤いフィルターをかけたカモメの第1シリーズエンディング画像が数回使われ、OP音楽の冒頭でもカモメが一声鳴く効果音が入っている。
  • 第1シリーズのエンディング「君はやさしかったか」のテレビサイズは2番の歌詞の前半と1番の歌詞の後半が合わさったものである。1番の歌詞は 自分一人を救えぬものが 他人(ひと)の涙を拭う柄(がら)かよ そんな言葉に心くじけて 君は行くのか 古いこの街 とあり、第2シリーズ最終回を示唆していた可能性がある。
  • 花房出雲の家紋は「丸に三つ銀杏」である。「三つ銀杏」は市川染五郎(父・兄)の紋なので、丸が付いているのは「染五郎の分家」=吉右衛門という意味合いとも取れる。15年後に中村吉右衛門が演じた鬼平犯科帳第6シリーズ第9話「迷路」スペシャルでは、火付盗賊改方を罷免された長谷川平蔵が、敵から身を隠して虚無僧に化けている間、出雲と同じ「丸に三つ銀杏」の紋を付けた黒の着流し姿になっていた。
  • 春日太一著「ドラマ「鬼平犯科帳」ができるまで」所載の演出部スタッフ・酒井信行氏のインタビューによると、第3シリーズ最終話で花房出雲がとっつぁんに作らせたある秘密兵器を用いて単身大坂城天守閣へ潜入する場面があるが、そのアイディアは吉右衛門本人が「役のイメージとして、どうしてもやりたい」と自分から出した。それぐらいノッていましたと明かしている。[20]また、第3シリーズとイアン・フレミングの映画「007シリーズ」はイメージが似ていると指摘されることが多いが、後年、鬼平放映後(1992年2月号)に掲載された銀座百点の対談[21]で、吉右衛門常磐新平に「一時イアン・フレミングの「007」ばかり読んでいた」と話し、小説ではボンドは黒髪に細面で顔に傷があると描写されていて、東洋人でもなれそうだから、「もしかして自分にもできるかも、なあんて(笑)」と話したことがある。
  • 高鳥都著「必殺シリーズ秘史50年の告白録」にて、第3シリーズの監督を多く担当した皆元洋之助は、花房出雲役の中村吉右衛門について[22]「非常に頭の良い方でしたね」と語り、佐々木康之プロデューサーの方針で、毎回印刷前の台本を吉右衛門に読んでもらい、意見を聞いていたという。吉右衛門はストーリーの中で自分がどう見えるか、ゲストの描き方で自分がどう引き立つかということを考え、シビアに物を言ってくるタイプだったという。「斬り捨て御免!」は勧善懲悪の作品ということもあり、主人公の魅力を第一にすることを意識して演出していた。また、第3シリーズは「007のようなテイストでやれないか?」と吉右衛門が提案したため、出雲にはジェームズ・ボンドのように毎回ゲスト女優との色っぽい絡みがあった。「あまり知られていませんが、吉右衛門さんの意外な一面が出てるんです」
  • 撮影を担当した藤井哲矢は「パート3、オープニングに裸のお姉ちゃんが出るのは、吉右衛門さんが言うたんです。「ちょっと色っぽい感じにしよう」と。シルエットで撮って、そこに水玉の画を合成した。あとは、3メートルくらいある翁の面を知り合いの工房に作ってもらってステージに吊るして、クレーンで移動しながら撮りましたね」
  • 照明を担当した南所登は[23]「吉右衛門さんって顔がフラットなんです。そこに横から当てたら立体感が出る。だから「悪いけどそこで止まって、この光で撮らせてほしい」と吉右衛門さんにいうと、やっぱりプロやから絶対そこに来るんですよ。鼻がピシッと見える角度に」と語っている。

注釈 編集

  1. ^ 2時間スペシャル。再放送では前後編に分けられている。
  2. ^ 2時間スペシャル。再放送では前後編に分けられている。

出典 編集

  1. ^ a b c 第1シリーズ第3話
  2. ^ 第1シリーズ第3話
  3. ^ 第2シリーズ第9話など
  4. ^ 第1シリーズ第1話
  5. ^ 第2話ナレーション
  6. ^ 第1シリーズ第9話
  7. ^ 第1シリーズ13話
  8. ^ 第2シリーズ第7話
  9. ^ 第1シリーズ第18話ほか
  10. ^ 第1シリーズ第4話
  11. ^ 第1シリーズ21話
  12. ^ 第3シリーズ第19話
  13. ^ 第3シリーズ第8話
  14. ^ 第2シリーズ第24話
  15. ^ a b 第3シリーズ第1話
  16. ^ 第3シリーズ21話
  17. ^ 第3シリーズ第21話
  18. ^ 第3シリーズ第2話
  19. ^ 第1シリーズ第22話
  20. ^ 『ドラマ「鬼平犯科帳」ができるまで』文藝春秋、2017年1月10日、94頁。 
  21. ^ 銀座百店会 (1992). “”鬼平”は大人の愉しみー時代小説の醍醐味ー”. 銀座百点: 15、16. 
  22. ^ 『必殺シリーズ秘史50年目の告白録』立東舎、2022年9月16日、173-175頁。 
  23. ^ 『必殺シリーズ秘史50年目の告白録』立東舎、2022年9月16日、95頁。 

関連項目 編集

前後番組 編集

東京12チャンネル→テレビ東京 水曜21時台
前番組番組名次番組
斬り捨て御免!
(第1部)
悪党狩り
斬り捨て御免!
(第2部)
斬り捨て御免!
(第3部)