ウィルソン・キプサング・キプロティチ

ケニアの陸上競技選手

ウィルソン・キプサング・キプロティチ英語: Wilson Kipsang Kiprotich1982年3月15日 - )は、ケニア陸上競技選手リフトバレー州ケイヨ地域出身。専門は長距離走マラソン

ウィルソン・キプサング・キプロティチPortal:陸上競技
選手情報
フルネームウィルソン・キプサング・キプロティチ
ラテン文字Wilson Kipsang Kiprotich
国籍 ケニア
競技陸上競技
種目長距離走マラソン
生年月日 (1982-03-15) 1982年3月15日(42歳)
出身地 ケニア
リフトバレー州ケイヨ地域英語版
身長182cm
体重62kg
コーチ担当者レナト・カノヴァ
自己ベスト
10000m28分37秒0 (2007年)
ハーフマラソン58分59秒 (2009年)
マラソン2時間03分13秒 (2016年)
獲得メダル
陸上競技
オリンピック
2012 ロンドンマラソン
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経歴 編集

2013年ベルリンマラソン

当初はトラック競技を中心に活動していたが、本人曰く「トラックではメシが食えないので、ロードレースへ転向した」という[1]

2008年にデリーハーフマラソン英語版にて59分26秒を記録し、2位。2010年のパリマラソンでフルマラソンデビューし、2時間7分13秒で3位に入ると、同年のフランクフルトマラソンドイツ語版で2時間4分57秒で初優勝。

2011年には日本に遠征し、第66回びわ湖毎日マラソンに出場、2時間6分13秒の大会新記録で優勝[2]。同年のフランクフルトマラソンでも世界記録からわずかに4秒及ばなかったものの世界歴代2位となる2時間3分42秒で優勝、2012年のロンドンマラソンでも2時間4分44秒で優勝するなど、フルマラソン転向以後の成績は群を抜いている。

2012年のロンドンマラソンで優勝した事が大きな決め手となり、2時間3分台、4分台がひしめくケニア代表の争いに勝ち抜き、2時間3分38秒の世界記録保持者であるパトリック・マカウや、2011年のボストンマラソンで2時間3分2秒の驚異的な記録(非公認)を叩き出したジョフリー・ムタイらを差し置いて、2012年ロンドンオリンピック男子マラソン代表に選ばれた。出場選手の中でも持ちタイムが別格で実績も実力も十分であり、優勝候補1番手として圧勝が期待されていたが、得意なレース展開である高速ペースに持ち込めず、伏兵のスティーブン・キプロティチウガンダ)、同じケニアのライバルであるアベル・キルイに敗れ銅メダルに終わった。

前述のびわ湖毎日マラソンの他にも、ロンドンオリンピック後にホノルルマラソンに出場して優勝するなど、世界のトップ選手にしては珍しく欧米のグレードの高いレース以外のマラソンでも幅広く活躍している選手である。

2013年のベルリンマラソンで、パトリック・マカウが2011年の同大会にてマークした2時間3分38秒を更新する2時間3分23秒の世界新記録(当時)を樹立した[3]

2016年のベルリンマラソンで、ケネニサ・ベケレに敗れたものの、2時間3分13秒の世界歴代4位タイの記録で2位に入り、人類史上初めて2時間3分台で3度マラソンを走ったランナーとなった。

2017年2月26日開催の東京マラソンに出場、日本国内のマラソン競走として初の2時間4分の壁を破る2時間3分58秒で1位となり、2011年のびわ湖毎日マラソン以来となる日本での2度目の優勝を果たしてマラソン通算9勝目を挙げると同時に[4]、2時間3分台を4度記録するランナーとなった。

2020年1月10日、ドーピング検査に必要な居場所報告の不履行と改竄のため、陸上競技インテグリティユニット英語版より暫定の資格停止処分が科された[5]

同年4月2日、ケニア国内では新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、午後7時以降の外出を禁止する大統領令が出されていた中で、夜間外出禁止時間帯にクラブで飲酒したとして逮捕されたことが、ケニアのメディアで報じられた[6]

自己記録 編集

種目結果日付場所備考
10,000 m28分37秒02007年5月26日 ナイロビ
ハーフマラソン58分59秒2009年2月20日 ラアス・アル=ハイマ
マラソン2時間3分13秒2016年9月25日 ベルリン

キプサングのマラソン世界最高記録 編集

5km10km15km20kmハーフ25km30km35km40kmゴール
タイム14:3329:1643:4558:201:01:341:13:131:28:011:42:361:57:122:03:23
スプリット14:3314:4314:2914:3514:5314:4814:3514:366:11

マラソン成績 編集

年月大会名タイム順位備考
2010.04パリマラソン2:07:133位
2010.10フランクフルトマラソンドイツ語版2:04:57優勝
2011.03びわ湖毎日マラソン2:06:13優勝
2011.10フランクフルトマラソン2:03:42優勝世界歴代2位(当時)、大会記録
2012.04ロンドンマラソン2:04:44優勝
2012.08ロンドンオリンピック2:09:373位
2012.12ホノルルマラソン2:12:31優勝
2013.04ロンドンマラソン2:07:475位
2013.09ベルリンマラソン2:03:23優勝世界記録(当時)
2014.04ロンドンマラソン2:04:29優勝大会記録
2014.11ニューヨークシティマラソン2:10:59優勝
2015.04ロンドンマラソン2:04:472位
2015.08世界陸上北京大会-----------(DNF)
2016.04ロンドンマラソン2:07:524位
2016.09ベルリンマラソン2:03:132位世界歴代4位タイ
2017.02東京マラソン2:03:58優勝日本国内最高タイム
2017.09ベルリンマラソン-----------(DNF)
2017.11ニューヨークシティマラソン2:10:562位
2018.02東京マラソン-----------(DNF)
2018.03とくしまマラソン2:19:35優勝
2018.09ベルリンマラソン2:06:483位

メディア出演(日本) 編集

脚注 編集

外部リンク 編集

先代
パトリック・マカウ
男子マラソン世界記録保持者
2013/9/29 - 2014/9/28
次代
デニス・キプルト・キメット