ロンドンマラソン

ロンドンマラソンはオリンピックの障害競走の元チャンピオンでありスポーツジャーナリストのクリス・ブラッシャーにより、ニューヨークシティマラソンを参考に、従来とは異なる「市民のマラソン」大会を目指して創設された。第一回大会は1981年3月29日に開催され、7,747人が参加し、完走者は6,255人であった。参加者は次年度には3倍を数え、25回大会では出走者は35,680人にのぼった。参加応募は常に定員を相当数オーバーしており、出場許可が得られるものは4万人を超える世界最大のマラソン大会の一つである。2020は新型肺炎影響で10月に延期。また東京マラソン2020同様エリートのみの限定開催予定。2021・22年も10月開催。

コースはグリーニッジ・パークからカティー・サーク、タワーブリッジ、ドックランズ、イースト・エンド、ロンドン塔、バッキンガム宮殿、ザ・マルへと抜ける。1981年の創設以来、ウェストミンスターブリッジでのゴールが、ザ・マルでのゴールに変わったのと、参加者数の増加により男子エリート、女子エリート、車椅子、一般参加者とスタートが別になったのとを除けば、競技の形式はほぼ変わっていないが、2020年の大会では、新型コロナウイルスの世界的流行を受け、開催時期を10月に延期した上でセントジェームズパークに設けられた2.15kmの周回コースを約20周する形態に変更された^[1][2]。

広範な使命をうたうロンドンマラソンの参加者は、車椅子競技者、エリート競技者、80歳を越えるベテランなど多様である。チャリティのためのスポンサー付きランナーも積極的に呼び込んでおり^[3]、個人による寄付、マラソンの収益の残り、スポンサーからの収益などがロンドンマラソンチャリティ基金を通じて非営利団体に寄付される。多額の賞金でエリート選手を惹きつける真剣な競技大会であると同時に、純粋にイベントを楽しむファンランナーが仮装して参加する姿も見られる。2003年4月19日には、元ボクサーのマイケル・ワトソン（クリス・ユーバンクとの対戦後、2度と歩けないのではないかと言われていた）が対戦6日後にマラソンを完走したことでイングラングの英雄となった。

参加方法 編集

公式サイトより

1. 招待・各国連盟からの推薦
2. チャンピオンシップ枠
3. タイム資格枠（英国内居住者のみ）
4. 海外旅行会社ツアー枠
5. ブリティッシュ・アスレティクス・クラブ枠
6. チャリティ枠
7. 一般抽選

大会記録は、男子がケルヴィン・キプタム（  ケニア）の2:01:25（2023年）、女子がポーラ・ラドクリフ（ イギリス）の2:15:25（2003年）であり、世界トップクラスの高速コースのひとつである。 太字 は世界記録、 太字 は大会記録（いずれも当時）、 -数字- は優勝回数。

開催日	男子選手	タイム	女子選手	タイム
000000001981-03-29-00001981年3月29日	ディック・ベアズレー (USA)  インゲ・シモンセン (NOR)	2:11:48	ジョイス・スミス (GBR)	2:29:57
000000001982-05-09-00001982年5月9日	ヒュー・ジョーンズ (GBR)	2:09:24	ジョイス・スミス (GBR) -2-	2:29:43
000000001983-04-17-00001983年4月17日	マイク・グラットン (GBR)	2:09:43	グレテ・ワイツ (NOR)	2:25:29
000000001984-05-13-00001984年5月13日	チャーリー・スペディング (GBR)	2:09:57	イングリッド・クリスチャンセン (NOR)	2:24:26
000000001985-04-21-00001985年4月21日	スティーブ・ジョーンズ (GBR)	2:08:16	イングリッド・クリスチャンセン (NOR) -2-	2:21:06
000000001986-04-20-00001986年4月20日	瀬古利彦 (JPN)	2:10:02	グレテ・ワイツ (NOR) -2-	2:24:54
000000001987-04-10-00001987年4月10日	谷口浩美 (JPN)	2:09:50	イングリッド・クリスチャンセン (NOR) -3-	2:22:48
000000001988-04-17-00001988年4月17日	ヘンリク・ヨルゲンセン (DNK)	2:10:20	イングリッド・クリスチャンセン (NOR) -4-	2:25:41
000000001989-04-23-00001989年4月23日	ダグラス・ワキウリ (KEN)	2:09:03	ベロニク・マロー (GBR)	2:25:56
000000001990-04-22-00001990年4月22日	アリスター・ハットン (GBR)	2:10:10	ワンダ・パンフィル (POL)	2:26:31
000000001991-04-21-00001991年4月21日	ヤコブ・トルスティコフ（英語版） (SSR)	2:09:17	ロザ・モタ (PRT)	2:26:14
000000001992-04-12-00001992年4月12日	アントニオ・ピント（英語版） (PRT)	2:10:02	カトリン・ドーレ (GER)	2:29:39
000000001993-04-18-00001993年4月18日	イーモン・マーティン（英語版） (GBR)	2:10:50	カトリン・ドーレ (GER) -2-	2:27:09
000000001994-04-17-00001994年4月17日	ディオニシオ・セロン（英語版） (MEX)	2:08:53	カトリン・ドーレ (GER) -3-	2:32:34
000000001995-04-02-00001995年4月2日	ディオニシオ・セロン (MEX) -2-	2:08:30	マルゴザタ・ソバンスカ（英語版） (POL)	2:27:43
000000001996-04-21-00001996年4月21日	ディオニシオ・セロン (MEX) -3-	2:10:00	リズ・マッコルガン (GBR)	2:27:54
000000001997-04-13-00001997年4月13日	アントニオ・ピント (PRT) -2-	2:07:55	ジョイス・チェプチュンバ (KEN)	2:26:51
000000001998-04-26-00001998年4月26日	アベル・アントン (ESP)	2:07:57	キャサリーナ・マッキナーン（英語版） (IRL)	2:26:26
000000001999-04-18-00001999年4月18日	アブデルハデル・エルムージス（英語版） (MAR)	2:07:57	ジョイス・チェプチュンバ (KEN) -2-	2:23:22
000000002000-04-16-00002000年4月16日	アントニオ・ピント (PRT) -3-	2:06:36	テグラ・ロルーペ (KEN)	2:24:33
000000002001-04-22-00002001年4月22日	アブデルハデル・エルムージス (MAR) -2-	2:07:09	デラルツ・ツル (ETH)	2:23:57
000000002002-04-14-00002002年4月14日	ハーリド・ハヌーシ (USA)	2:05:38	ポーラ・ラドクリフ (GBR)	2:18:56
000000002003-04-13-00002003年4月13日	ゲザハン・アベラ (ETH)	2:07:56	ポーラ・ラドクリフ (GBR) -2-	2:15:25
000000002004-04-18-00002004年4月18日	エバンス・ルット（英語版） (KEN)	2:06:18	マーガレット・オカヨ (KEN)	2:22:35
000000002005-04-17-00002005年4月17日	マーティン・レル (KEN)	2:07:35	ポーラ・ラドクリフ (GBR) -3-	2:17:42[¶ 1]
000000002006-04-23-00002006年4月23日	フェリックス・リモ（英語版） (KEN)	2:06:39	ディーナ・カスター (USA)	2:19:36
000000002007-04-22-00002007年4月22日	マーティン・レル (KEN) -2-	2:07:41	周春秀 (CHN)	2:20:38
000000002008-04-13-00002008年4月13日	マーティン・レル (KEN) -3-	2:05:15	イリーナ・ミキテンコ (GER)	2:24:14
000000002009-04-26-00002009年4月26日	サムエル・ワンジル (KEN)	2:05:10	イリーナ・ミキテンコ (GER) -2-	2:22:11
000000002010-04-25-00002010年4月25日	ツェガエ・ケベデ (ETH)	2:05:19	リリア・ショブホワ (RUS)	2:22:00
000000002011-04-17-00002011年4月17日	エマニュエル・ムタイ (KEN)	2:04:40	メアリー・ケイタニー（英語版） (KEN)	2:19:19
000000002012-04-22-00002012年4月22日	ウィルソン・キプサング (KEN)	2:04:44	メアリー・ケイタニー (KEN) -2-	2:18:37
000000002013-04-21-00002013年4月21日	ツェガエ・ケベデ (ETH) -2-	2:06:04	プリスカ・ジェプトゥー（英語版） (KEN)	2:20:15
000000002014-04-13-00002014年4月13日	ウィルソン・キプサング (KEN) -2-	2:04:29	エドナ・キプラガト (KEN)	2:20:21
000000002015-04-26-00002015年4月26日	エリウド・キプチョゲ (KEN)	2:04:42	ティギスト・トゥファ（英語版） (ETH)	2:23:22
000000002016-04-24-00002016年4月24日	エリウド・キプチョゲ (KEN) -2-	2:03:05	ジェミマ・スムゴング (KEN)	2:22:58
000000002017-04-23-00002017年4月23日	ダニエル・ワンジル（英語版） (KEN)	2:05:47	メアリー・ケイタニー (KEN) -3-	2:17:01[¶ 1]
000000002018-04-22-00002018年4月22日	エリウド・キプチョゲ (KEN) -3-	2:04:17	ビビアン・チェルイヨット (KEN)	2:18:31
000000002019-04-28-00002019年4月28日	エリウド・キプチョゲ (KEN) -4-	2:02:37	ブリジット・コスゲイ (KEN)	2:18:20
000000002020-10-04-00002020年10月4日	シュラ・キタタ (ETH)	2:05:41	ブリジット・コスゲイ (KEN) -2-	2:18:58
000000002021-10-03-00002021年10月3日	シーセイ・レマ (ETH)	2:04:01	ジョイシリネ・ジェプコスゲイ (KEN)	2:17:43
000000002022-10-02-00002022年10月2日	アモス・キプルト (KEN)	2:04:39	ヤレムゼルフ・エフアラウ (ETH)	2:17:26
000000002023-04-23-00002023年4月23日	ケルヴィン・キプタム (KEN)	2:01:25	シファン・ハッサン (NED)	2:18:33
000000002024-04-21-00002024年4月21日	([[|]])		ペレス・ジェプチルチル (KEN)	2:16:16[¶ 1]

車いすの部　歴代優勝者

開催年	男子選手	タイム	女子選手	タイム
1997年			Tanni Grey-Thompson (GBR)
1998年			Tanni Grey-Thompson (GBR)
1999年			Tanni Grey-Thompson (GBR)
2000年			Tanni Grey-Thompson (GBR)
2001年			Tanni Grey-Thompson (GBR)
2002年	デヴィッド・ウィアー (GBR)	1:39:44	Tanni Grey-Thompson (GBR)	2:22:51
2003年	Joel Jeannot (FRA)	1:32:02	Francesca Porcellato (ITA)	2:04:21
2004年	Saul Mendoza (MEX)		Francesca Porcellato (ITA)	2:05:00
2005年	Saul Mendoza (MEX)	1:35:51	Francesca Porcellato (ITA)	1:57:00
2006年	デヴィッド・ウィアー (GBR)	1:29:48	Francesca Porcellato (ITA)	1:59:57
2007年	デヴィッド・ウィアー (GBR)	1:30:49	Shelly Woods (GBR)	1:50:40
2008年	デヴィッド・ウィアー (GBR)	1:33:56	Sandra Graf (SUI)	1:48:04
2009年	カート・ファーンリー (AUS)	1:28:57	アマンダ・マクグローリー (USA)	1:50:39
2010年	Josh Cassidy (CAN)	1:35:21	土田和歌子 (JPN)	1:52:33
2011年	デヴィッド・ウィアー (GBR)	1:30:05	アマンダ・マクグローリー (USA)	1:46:31
2012年	デヴィッド・ウィアー (GBR)	1:32:26	シェリー・ウッズ (GBR)	1:49:10
2013年	カート・ファーンリー (AUS)	1:31:29	Tatyana McFadden (USA)	1:46:02
2014年	Marcel Hug (SUI)	1:32:41	Tatyana McFadden (USA)	1:45:12

BBCスポーツが中継放送を行っている。日本国内ではオリンピックチャンネルで放送。

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• 公式ウェブサイト