この記事の共著者 : Julia Lyubchenko, MS, MA. ジュリア・リュブチェンコはカリフォルニア州ロサンゼルスにて「Therapy Under Hypnosis」を運営している成人専門カウンセラー、そして催眠術療法士です。 カウンセラー及びセラピストとして8年以上の経験があり、専門は情緒不安定や行動障害の治療。ボスールジ・メソッド・スクールにて臨床催眠療法士の認定資格を取得。精神力動的精神療法士と睡眠術療法士としても認定を受けています。アリアント国際大学にてカウンセリング心理学とマリッジ・ファミリーセラピーの修士号を、モスクワ州立大学にて発育心理学・児童心理学の修士号を取得。
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自分の気持ちを表現することで、他人を動揺させたり、迷惑をかけたりするのではないかと恐れている人がいるかもしれません。しかし自分の気持ちを隠そうとすると、不安、憂鬱、不満を感じ、身体にまで悪影響を及ぼすことがあります。更にはプライベート、および仕事上での人間関係にも問題を引き起こしてしまう可能性があります。自分の気持ちを表現できるようになることで、自分自身を知ることができ、心理的にも身体的にも健康な状態を保つことができます。
ステップ
- 感情を受け入れる まずは、感情が生まれるのは自然なことであり、全く悪いことではないのだという認識を持つことが大切です。感情というものは良し悪しで測るものではなく、ただ存在するものです。
- 何かを感じた際、自分自身に対して怒りを覚えるのではなく、「私はこう感じている、それでいいんだ」と言い聞かせましょう。
- 自分の身体が感情に対してどのような反応を示すか理解する 感情は、脳によってコントロールされた情動によって引き起こされます。自分が何かを感じた際に起こる生理的反応について、書き留めておきましょう。例えば、怖いと感じた時に汗をかく、恥ずかしいと感じた時に顔が熱くなる、怒った時に心臓の動きが早くなる、ということがあるでしょう。身体の反応を理解しておくことで、感情が起こる際に気付くことができます。[1]
- なかなか身体的反応を調整することができない時は、静かな場所に座りゆっくりと深呼吸をし、身体をリラックスさせましょう。身体と気持ちの関係性を理解するためには、「この感情は何?」と自分に問いかけることが重要です。
- なぜそう感じるのか、と自問自答する 自分の感情が生まれる根源を突き詰めるため、自分自身に「なぜ」という質問を問いかけ続けましょう。例えば、「泣いてしまいそう、でもそれはなぜ?上司に腹が立っているから。では、なぜ上司に腹が立つ?上司が私を傷付けたから。それはなぜ?彼が私に対して無礼だから。」というように、「なぜ」という問いかけを、自分の感情の根源に届くまで繰り返していきます。[4]
- 複雑な感情を分析する 人は一度に複数の感情を抱くことがあります。その場合、一つ一つの感情を分解していくことで、上手く処理することができます。例えば、長い間病気で寝たきりになっていた親戚が亡くなってしまった場合、悲しいという感情と同時に、もうその人が痛みに苦しむ必要はないのだという安心も感じるでしょう。
- このような複雑な感情は、一次感情と二次感情により起こることがあります。一次感情とは物事に対してまず初めに起こる反応であり、二次感情は一次感情に続いて起こる直接的、または非直接的感情です。例えば、好きな人に振られてしまったとしましょう。初めは心が苦しくなり、自分は愛されるに値する人間ではない、などと感じるかもしれません。一次感情と二次感情を読み解くことで、自分の心理作用をよりはっきりと理解することができます。[5]
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- 「私は」と表現する 「私は」と表現することで、相手を責めるような印象を与えることなく、自分の気持ちを伝えることができます。「あなたが私をこのような気持ちにさせる」などの言い方をしてしまうと、相手に責任や罪を押し付けているように聞こえてしまいます。「私はこう感じている」という言い方で表現しましょう。
- その際は、感情、行動、理由の3つを用いて文章を構成しましょう。「私は腹が立つ、なぜかと言うと、私の仕事について言い争っていると、あなたが私のことを否定しているように感じられるから。」というように表現するとよいでしょう。
- まずは感情について話す 自分の気持ちをどのように他人に伝えるべきかと考えるのは、心労の募ることでしょう。気持ちを話す際は、まず相手や相手と自分との関係について、ポジティブな事柄から話し始めましょう。それから、「私は」を用いて、なるべく素直に自分の気持ちを話しましょう。
- はっきりと伝える 気持ちを伝えるにはコミュニケーションが重要です。自分が心から信頼できる相手に気持ちを伝えましょう。身に付けた語彙と「私は」を駆使しながら、なるべくはっきりと伝えることが大切です。何らかの状況が自分にもたらす感情について伝えたい場合は、その状況と感情を明確に伝えましょう。本当に信頼できる相手であれば、しっかり耳を傾け、一緒に解決しようとしてくれるでしょう。
- 大切な人が、自分では考え得ない解決策を別の視点から提示してくれるかもしれません。彼らが共鳴板のように重要な働きをして、感情と向き合う手助けをしてくれることもあるでしょう。
- 信頼でき、ポジティブな人たちと付き合う 人間は自分の置かれた状況に同調する傾向にあります。他人の悪い部分についてばかり話す人たちと一緒にいると、自分自身もネガティブな人間になってしまいます。逆にポジティブな人たちと付き合っていると、成長を実感でき、元気をもらうことができるでしょう。どのような人と付き合うかによって、自分が成功できる環境か否かが決まってしまいます。決まったグループの友達がいれば、自分の本当の気持ちを伝えやすいと感じるでしょう。[12]
- 正しい友達選びには時間がかかり、試行錯誤が必要です。自分を刺激し、支え、奮い立たせ、元気をくれる友達を見つけましょう。
- 感情表現が上手くできない場合は専門家に相談する 感情表現に苦戦していたとしても、何も悪いことはありません。感情について話すことを専門としており、自分の感情表現を手助けしてくれる人に相談するとよいでしょう。専門家と一対一で話をし、感情表現の方法だけでなく、なぜ感情表現することができないのかについても相談しましょう。
- 心理カウンセラー、評判の良いウェブサイトや電話相談室等を利用し、自分の感情について話してみましょう。
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- 感情を書き留める 紙やスマートフォンのアプリに自分の感情を書き留める習慣をつけましょう。書くことで、自分の気持ちをより明確にし、整理することができます。また、日記をつけると劇的にストレスが減少し、免疫力が強化され、健康を保つことができると言われています。[14]
- 運動する 過度の怒り、ストレス、不安に耐えられない時は、これらの感情を解放する必要があります。これらを内側に溜め込んでしまうと、負の感情が高まり、鬱病になったり、身体症状が出たりする可能性もあります。[17]
- 他にも、ヨガ、フェイシャルマッサージ、自分の好きなことなどに夢中になれば、感情を解放することができます。
- 自分にご褒美を与える 興奮や幸福、満足感、喜びなど前向きな感情を抱いている時は、買い物に出かける、好きなだけデザートを食べる、友達と出かけるなどして、自分にご褒美を与え、気持ちを更に高めましょう。
- 自分へのご褒美で前向きな気持ちを更に強化することで、内的に良い感情が発生すれば、外的にも良いことが起こるのだと脳が関連付けします。[18] このようにすると、前向きに考えられるようになるでしょう。
- 可能な感情表現方法を思い描く 自分の感情を表現する方法を選択することができるのは、自分だけです。自分が置かれた状況に対して、ポジティブな反応をすることもできれば、ネガティブな反応を示すこともできます。どのような感情表現が可能であるかを思い描くことで、自分の感情をより処理しやすくなります。[19]
- 例えば近しい友人が引っ越してしまうことに対して、動揺し、悲しいと感じるでしょう。その際に、なるべく痛みを感じないように友達を避ける、あえて喧嘩をする、または、出来る限り一緒に時間を過ごすといった選択肢があるでしょう。
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ポイント
- 時には自分の感情をコントロールできないこともあるでしょう。そんな時は、少し休憩することも大切です。自分の感情を無視するわけではなく、少し休み、また自分の気持ちの準備ができた時に、向き合えば良いのです。
- 自分の気持ちに真摯に向き合い、上手く表現できなくても動揺する必要はありません。
- 自分の感情を理解し、それを表現するのは簡単なことではありません。自分自身を理解し、物事が自分にもたらす影響を認識するには、訓練が必要です。
注意事項
- 無茶な行動をする、お酒に浸る、薬物に手を出す、自分を傷付けるというような方法で自分の気持ちを紛らわそうとしてはいけません。これらに当てはまるようなことがあれば、専門家に相談しましょう。
出典
- ↑ http://www.pnas.org/content/111/2/646.full
- ↑ http://everydayfeminism.com/2014/02/effectively-communicating-feelings/
- ↑ http://www.psychpage.com/learning/library/assess/feelings.html
- ↑ http://everydayfeminism.com/2014/12/identifying-feelings-stopping-self-silencing/
- ↑ http://changingminds.org/explanations/emotions/primary_secondary.htm
- ↑ https://www.psychologytoday.com/blog/fulfillment-any-age/201406/5-tips-tough-conversations-your-partner
- ↑ https://hbr.org/2015/01/how-to-handle-difficult-conversations-at-work
- ↑ https://www.mindtools.com/CommSkll/ActiveListening.htm
- ↑ http://psychcentral.com/lib/become-a-better-listener-active-listening/
- ↑ http://www.health.harvard.edu/mind-and-mood/relaxation-techniques-breath-control-helps-quell-errant-stress-response
- ↑ http://www.health.harvard.edu/mind-and-mood/relaxation-techniques-breath-control-helps-quell-errant-stress-response
- ↑ http://www.huffingtonpost.com/leon-logothetis/kkeeping-good-company-why-you-should-surround-yourself-with-good-people_b_6816468.html
- ↑ http://www.health.harvard.edu/mind-and-mood/relaxation-techniques-breath-control-helps-quell-errant-stress-response
- ↑ http://www.apa.org/monitor/jun02/writing.aspx
- ↑ http://psychcentral.com/lib/the-health-benefits-of-journaling/
- ↑ http://psychcentral.com/blog/archives/2012/05/02/4-journaling-exercises-to-help-you-manage-your-emotions/
- ↑ Cox, D., Bruckner, K., Stabb, S. 2003. The anger advantage. Broadway Publishing
- ↑ http://psychology.about.com/od/operantconditioning/f/positive-reinforcement.htm
- ↑ http://www.criticalthinking.org/pages/cognition-and-affect-critical-thinking-and-emotional-intelligence/485
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