この記事の共著者 : Monica Kieu, DO, FACS. モニカ・キエウ医師はカリフォルニア州ロサンゼルス在住の認定耳鼻咽喉科医、顔面形成外科医、再建外科医です。カリフォルニア大学リバーサイド校にて人類学の学士号を、ウェスタン大学ポモナ校健康科学科にてオナーズ称号付きのオステオパシー博士号を取得。ミシガン州立大学付属デトロイト医療センターにて鼻咽喉科・頭頸部外科の臨床研修を修了。研修期間はチーフレジデントを務めました。 さらにトロント大学にて顔面形成外科と再建外科のフェローシップを修了。米国鼻咽喉科・頭頸部外科学会、米国オステオパシーおよび鼻咽喉科・頭頸部外科学会、米国美容整形学会、米国顔面・再建外科学会、米国鼻科学会に所属。近年Los Angeles Magazineよりロサンゼルスにおける最優秀医師の1人に選ばれました。
この記事には17件の参照文献があり、文献一覧は記事の最後に表示されています。
この記事は2,165回アクセスされました。
耳に異物が詰まるとイライラするだけでなく、深刻な病気に繋がる可能性もあります。特に子供は耳に物を入れて遊ぶ傾向があり、詰まって取り出せなくなる場合があります。しかし、ほとんどの場合、そのようなケースは医学的緊急事態ではありません。耳に詰まった異物は、自宅や診療所で簡単に取り除くことができ、健康や聴覚への影響はありません。ただし、外から見えない場合は自宅での処置は避け、医師の診察を受ける必要があります。
ステップ
- 耳に何が詰まっているのかを把握する 耳に詰まった異物の正体と、それが詰まった経緯を常に把握できるとは限りませんが、何が詰まっているかによって、治療法が異なります。どんな処置をするにせよ、その前に、異物の正体を特定できると理想です。
- 異物が耳に詰まってしまうのは、大抵の場合、幼い子供が意図的に耳の中に物を押し込んでしまうからです。食材、ヘアクリップ、ビーズ、小さなおもちゃ、鉛筆、綿棒などを子供は面白がって耳に入れてしまうことがあります。自分の子供が何をしていたかが分かっていれば、異物の正体をある程度推測できるでしょう。[1]
- 耳垢が外耳道に蓄積して硬化する場合もあります。また、耳垢は綿棒の使い過ぎや誤用によっても溜まることがあります。[2] 耳垢が溜まると、症状として片方の耳に耳閉感や圧迫感が起こります。また、溜まった耳垢のせいで、めまいや難聴が起こる可能性もあります。[3]
- 昆虫が迷い込むと非常に厄介で、大事に至る可能性もあるため警戒が必要ですが、鳴き声やブンブンと飛ぶ音が聞こえるため、その正体を特定するのは比較的簡単です。[4]
- すぐに治療を受けるべきかどうかを判断する 耳に異物が詰まると非常に鬱陶しく感じますが、ほとんどの場合、緊急事態ではありません。自分で取り除くことができなくても、翌日、医師の診察を受ければ解消されるでしょう。ただし、体に大きな害を及ぼす恐れもあるため、それを防ぐためにも緊急治療が必要な時もあります。
- 鋭利な物が詰まった場合は、合併症が発生する可能性があるため、すぐに医師の診察を受けましょう。[5]
- 幼児は、ボタン型電池を耳に入れてしまうことがよくあります。ボタン型電池は、時計や小さな家庭用機器に使われる小さな円形の電池です。ボタン形電池が耳に詰まった場合は、「直ちに」医師の診察を受けましょう。内部の化学物質が漏れ、外耳道に深刻なダメージを与える恐れがあります。[6]
- 食べ物や工場資材が耳に詰まった場合は、緊急医療を求めましょう。これらは湿気にさらされると膨らむ性質があるため、耳に損傷を与えます。
- 腫れ、発熱、分泌物、出血、難聴、めまい、急激な痛みなどの症状が出た場合は、すぐに医師の診察を受けましょう。[7][8]
- してはいけないことを知る 多くの場合、耳に異物が入り込むとイライラが募り、いてもたってもいられなくなるため、結果を考えずに直ぐに行動に走りがちです。薬局などで、耳に詰まった異物を取り除く救急用具が市販されていますが、そのほとんどは、良い結果よりも害をもたらす可能性が高いのが実情です。注意しましょう。
- 耳から異物を取り除くのに綿棒を使ってはいけません。耳に問題が起こると、綿棒で処理しようとするのが大方のやり方ですが、綿棒は異物を取り除くのに適していません。実際、外耳道の奥に異物を追いやってしまう危険があります。[9]
- 自分で耳を洗浄してはいけません。耳洗浄キットは、薬局などで、吸盤や注射器といった形で市販されています。これらは日頃の耳のケアには役立ちますが、耳に異物が詰まった場合は、医師の許可なく耳の洗浄を行ってはいけません。
- 不快感の原因が分かるまで、点耳薬を使ってはいけません。耳に入り込んだ異物のせいで、病気の症状が出ていると勘違いする場合があります。その症状を治そうと点耳薬を使うと、状況を悪化させます。特に、異物が鼓膜に穴を開けてしまった場合は、尚更危険です。
広告
- オイルを注いで耳に迷い込んだ虫を殺す 虫が耳に入ってしまうと、中で飛び回ったり、ブーンという音を立てたりして、大きな不快感をもたらします。刺されるリスクもあります。そのような場合は、虫を殺すのが一番簡単な処置です。
- 耳の中に手を入れて虫を取り出そうとしてはいけません。刺される危険があります。
- 虫が入った耳が天井を向くように頭を傾けましょう。大人の場合は、耳たぶを後方に引っ張ってから上方に引っ張ります。子供の場合は後ろに引っ張ってから、下に引っ張りましょう。[16]
- ミネラルオイル、オリーブオイル、ベビーオイルが殺虫に適しています。自宅にあれば、ミネラルオイルが最適です。[17] 使う前にオイルを温めましょう。ただし、沸騰させたり電子レンジにかけたりしてはいけません。耳が火傷をしてしまいます。垂らす量は、点耳薬を垂らす時とほぼ同じ量で十分です。[18]
- 虫が油の中で溺れるか窒息し、耳の入り口まで移動してくるのが理想です。[19]
- オイルを使うのは、虫が入ってしまった場合のみです。痛み、出血、または耳から分泌物がある場合は、鼓膜に穴が開いている可能性があります。そのような場合にオイルを使用するのは危険です。これらの症状がある場合は、オイルを使ってはいけません。 [20]
- オイルを注いで虫を取り出した後、医師の診察を受けて虫の胴体、手足、触覚全てが取り除けていることを確認しましょう。[21]
- 事故を防ぐ 子供には、耳、口など顔の周りに小さな物を近づけないように教えましょう。5歳未満の子供が小さな物で遊んでいる場合には特に、監視の目を行き届かせましょう。コンパクトディスクやボタン電池には特に注意し、小さな子供の手の届かない安全な場所に保管しましょう。[22]広告
- 医師の診察を仰ぐ 前述の家庭療法が不可能な場合は、医師の診察を受けるのが重要です。 医師に連絡する前に、必要な情報を収集しましょう。自分の子供の耳に異物が詰まった場合は、起こった経緯を子供に詳しく尋ねましょう。子供は、医師から尋ねられるよりも親から尋ねられた方が、詳細を説明しやすいでしょう。
- 最も重要なのは、耳に何が入っているのか、どれくらいの間詰まったままなのかを医師に知らせることです。その情報を元に、医師は危険な状態かどうかを判断することができます。
- 悪影響が出たか、異物を取り除こうとしたか、取り除こうとしたのであれば、どんな方法を使ったか、また結果はどうだったかなど、異物が詰まった後の症状や処置なども伝えましょう。
- 医師は耳鏡で耳の中を詳しく調べるかもしれません。
- 医師が吸引力を利用して除去する方法を提案するかを確認する 医師は異物の近くに小さなカテーテルを差し込み、吸引力を利用して異物を耳の外にそっと出すこともあります。[29]
- カテーテルは、食べ物などの有機物や虫などの生き物ではなく、ボタンやビーズのような固体の物体を取り除くのに使用されます。
- 治癒に向けてのアドバイスを医師に求める 診察を受けた後、7〜10日間は水泳や水に耳を浸したりするのを避けるようにアドバイスされるかもしれません。感染症発症のリスクを減らすのに役立ちます。シャワーや入浴の際は、耳にワセリンを塗るかコットンボールで覆いましょう。
- 通常、医師は、耳が適切に治癒し、排液、出血、または痛みがないことを確認するためにも、1週間以内の来院を勧めます。[34]
広告
注意事項
- 指で耳に詰まった異物を取り除いてはいけません。異物が奥に入り込んでしまう可能性があります。
- 幼い子供のほとんどが、自分に起こった問題を大人に正確に伝えることができないため、耳に異変が起こった場合の症状を予め理解しておきましょう。泣き止まない、耳の周辺に赤みや腫れがある、耳たぶを頻繁に引っ張るなどの行為は、その症状として見てよいでしょう。注意して観察しましょう。
- 耳に異物が詰まったと同時に、インフルエンザのような症状が発生したら直ちに医師の診察を受けましょう。
出典
- ↑ http://www.emedicinehealth.com/foreign_body_ear/page2_em.htm#ear_foreign_body_causes
- ↑ http://www.emedicinehealth.com/foreign_body_ear/article_em.htm#ear_foreign_body_overview
- ↑ http://www.medicinenet.com/objects_or_insects_in_ear/page2.htm
- ↑ http://www.medicinenet.com/objects_or_insects_in_ear/article.htm#what_are_causes_of_objects_in_the_ear
- ↑ http://www.medicinenet.com/objects_or_insects_in_ear/page2.htm#when_should_i_call_the_doctor_for_an_object_in_the_ear
- ↑ http://www.medicinenet.com/objects_or_insects_in_ear/page2.htm#when_should_i_call_the_doctor_for_an_object_in_the_ear
- ↑ http://www.medicinenet.com/objects_or_insects_in_ear/page2.htm#when_should_i_call_the_doctor_for_an_object_in_the_ear
- ↑ http://www.emedicinehealth.com/foreign_body_ear/page4_em.htm#when_to_seek_medical_care
- ↑ http://www.drugs.com/health-guide/foreign-objects-in-the-ear.html
- ↑ http://www.emedicinehealth.com/foreign_body_ear/page6_em.htm#ear_foreign_body_treatment
- ↑ https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/000052.htm
- ↑ https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/000052.htm
- ↑ http://www.uofmmedicalcenter.org/healthlibrary/Article/89831
- ↑ http://www.mayoclinic.org/first-aid/first-aid/basics/art-20056709
- ↑ https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/000052.htm
- ↑ http://www.mayoclinic.org/first-aid/first-aid/basics/art-20056709
- ↑ https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/000052.htm
- ↑ http://www.mayoclinic.org/first-aid/first-aid/basics/art-20056709
- ↑ http://www.mayoclinic.org/first-aid/first-aid/basics/art-20056709
- ↑ http://www.mayoclinic.org/first-aid/first-aid/basics/art-20056709
- ↑ https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/000052.htm
- ↑ https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/000052.htm
- ↑ http://www.medicinenet.com/objects_or_insects_in_ear/page3.htm#how_is_an_object_in_the_ear_treated
- ↑ http://www.medicinenet.com/objects_or_insects_in_ear/page3.htm#how_is_an_object_in_the_ear_treated
- ↑ https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/000052.htm
- ↑ http://www.medicinenet.com/objects_or_insects_in_ear/page3.htm#how_is_an_object_in_the_ear_treated
- ↑ http://www.medicinenet.com/objects_or_insects_in_ear/page3.htm#how_is_an_object_in_the_ear_treated
- ↑ http://www.mayoclinic.org/first-aid/first-aid/basics/art-20056709
- ↑ http://patient.info/doctor/foreign-bodies-in-the-ear
- ↑ http://patient.info/doctor/foreign-bodies-in-the-ear
- ↑ http://patient.info/doctor/foreign-bodies-in-the-ear
- ↑ http://www.emedicinehealth.com/perforated_eardrum/page3_em.htm#perforated_eardrum_symptoms
- ↑ http://www.emedicinehealth.com/perforated_eardrum/page5_em.htm#perforated_eardrum_treatment
- ↑ http://www.emedicinehealth.com/foreign_body_ear/page8_em.htm#follow-up
このHow.com.vn記事について
この記事は役に立ちましたか?
⚠️ Disclaimer:
Content from Wiki How 日本語 language website. Text is available under the Creative Commons Attribution-Share Alike License; additional terms may apply.
Wiki How does not encourage the violation of any laws, and cannot be responsible for any violations of such laws, should you link to this domain, or use, reproduce, or republish the information contained herein.
- - A few of these subjects are frequently censored by educational, governmental, corporate, parental and other filtering schemes.
- - Some articles may contain names, images, artworks or descriptions of events that some cultures restrict access to
- - Please note: Wiki How does not give you opinion about the law, or advice about medical. If you need specific advice (for example, medical, legal, financial or risk management), please seek a professional who is licensed or knowledgeable in that area.
- - Readers should not judge the importance of topics based on their coverage on Wiki How, nor think a topic is important just because it is the subject of a Wiki article.