この記事の共著者 : Tabitha Kucera. 認定動物看護士および犬猫の行動コンサルタントのタバサ・クセラは、オハイオ州クリーブランドにある「Chirrups and Chatter Cat and Dog Behavior Consulting and Training」の経営者です。動物病院、農場保護区、犬猫救済センターでの勤務経験は10年以上。様々な動物病院や保護施設向けの動物訓練や行動プログラムの作成に携わり、複数の保護施設や個人の動物病院のコンサルタントとして働いています。また、地域や全国規模での講演会や、複数の獣医学技術者養成プログラムでの講義など、指導者としての資格も有しています。Fear Free(動物が感じる恐怖を緩和するプログラム)の認定講演者、Fear Free Practice Certificationコンサルタント、Cat Pawsitive Proの行動コンサルタント、ポッドキャスト「Tails from a Vet Tech」の司会者でもあります。現在は、Pet Professional Guild's Cat Committee(愛猫協会)の役員を務め、行動専門動物看護師学会の会長でもあります。さらに、Elite Fear Free and Low-Stress Handling認定登録動物看護士、認定猫行動コンサルタント、Karen Pryor Academy認定トレーニングパートナー、行動学における動物看護士(VTS)指定を受けています。
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飼い猫の死期が近くにつれて、猫を失ってしまうという近い未来を想像することは辛いことでしょう。[1] 残り少ない時間の中で、できる限り猫が穏やかに過ごせるように配慮してあげることが、飼い猫との一番の思い出にもなるかもしれません。避けられない事を嘆くのではなく、残りの時間をあなたの猫がどんなに特別な存在か、最後の思い出を猫と一緒に作る有意義な時間だと考えると良いでしょう。
ステップ
- 猫の周りでは生活騒音を抑えるようにしましょう。死期が近い猫が、自分の居場所で快適に過ごせるように、暮らしの環境を整えてあげることはとても重要です。騒音や混乱のない、穏やかで静かな環境が必要です。例えば、他のペットがいるならば、猫に近づかないようにするなどの配慮をした方がよいでしょう。
- シーツやブランケットを余分に敷いてあげましょう。死が近い猫は、今までと同じようにゆっくり休むことが難しくなっているかもしれません。ブランケットやシーツを余分に敷いてあげることで、布団に厚みが増して、ゆっくり横になって休めるようになるでしょう。布団に厚みが出ると、長時間寝ていることによってできる床ずれなどを防ぐことができるでしょう。[4]
- 猫がいる場所の照明の調整をしましょう。照明を変えることで、より快適に過ごすことができるでしょう。日中はカーテンやブラインドを開けて自然な光を十分に取り込みましょう。日が落ちた後は柔らかい色合いの照明にしましょう。
- 寝る時もフットライトなどの微かな灯りを付けたままにしておきましょう。真っ暗よりも微かな灯りがあった方が落ち着く場合もあるでしょう。
- 近所のインテリア用品店に行き、明るすぎない照明にどんなものがあるか調べてみましょう。
- 猫が必要としている物をすぐそばに置きましょう。死期が近くなると、起き上がったり歩き回ったりすることがしんどくなります。今まではなんでもなかったトイレや餌、水までの距離が、遠すぎることもあるでしょう。猫が難なく簡単に用を済ませるように、トイレ、餌、水を猫の居場所の近くに置いてあげましょう。[7]
- 必需品を近くに置いたとしても、自力で起き上がるのが辛い場合もあるでしょう。タオルやブランケットを使うか、三角巾を購入し、体を布で支えて立たせてあげてもよいでしょう。[8]
- お気に入りのおもちゃを近くに置いてあげましょう。
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- 美味しいご飯をあげましょう。猫が若い時には、健康に配慮し、美味しい食べ物をあげすぎないようにしていたかもしれません。しかし、猫生が終わりに近づいた今、好きなものを食べさせてあげてはどうでしょう?例えば、ツナ缶のツナフレークやツナジュースをご飯の上にかけて、甘やかしてあげましょう。[9]
- 猫が食べやすいように餌に手を加えましょう。食欲が無くなっているだけではなく、身体能力が衰え、十分に噛むことができなくなっている事も考えられます。そのため、猫が食べやすいように餌に手を加えてあげる必要があります。ドライフードの場合は、水でふやかして柔らかくするか、砕いてあげましょう。
- ドライフードは手で砕くか、ブレンダーにかけると良いでしょう。
- 赤ちゃん用離乳食を与える時には、水を加えてさらに柔らかくしてあげましょう。
- 猫の餌を少し温めると、さらに食べやすくなり、食欲を掻き立てることができるでしょう。[14]
- 最期の時に、どんな種類の餌をあげたらよいかわからない場合には、獣医師に相談してみましょう。
- 新鮮な水をあげましょう。最期が近づいてくると、前ほど水を飲みたがらないかもしれません。加えて、うまく「乾き」を知覚することができず、猫自身も水分補給の必要性を感じられなくなっている場合もあります。快適に過ごすためにも、しっかり水分補給してあげることが大切です。
- 冷水ではなく、ぬるめの水をあげましょう。
- 体が痛い、または体が弱りすぎてボウルから水をうまく飲むことができない時は、優しく頭を上向きに支えてあげるとよいでしょう。
- 自ら口を開けて水を飲まなくなっている時は、薬を投与する時に使うスポイトを使って水をあげましょう。[15] 頭を支えて、頬の内側の奥歯の横にスポイトを差し込みましょう。口を開けたら、優しく水を絞り出し、飲み込ませてあげましょう。
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- 猫にどんな体の不調があるか確認しましょう。死期が近いから、体の不調に対処しなくてもよいということはありません。それどころか、健康問題に対処しないでいると、体調が悪化し、死期を早めてしまうことにもなるでしょう。[16] 獣医師に連絡をして、猫が抱えている様々な不調について話し、どのように対処したらよいか相談してみましょう。
- 癌や慢性腎不全の末期症状を抱えている場合は、獣医師に相談して不快な症状を最小限に抑えられるようなプランを練りましょう。
- 痛みを最小限に抑えましょう。猫によっては強い痛みを感じている場合もあります。命の終わりが近づいているのなら、どうにか痛みを緩和してあげましょう。痛みの緩和に、どの種類の鎮痛剤が向いているのか獣医師に教えてもらいましょう。
- このステージになると、鎮痛剤の投与は、より余生を快適に過ごすためであって、根本的な治療にはならないと覚えておきましょう。
- 自分から口を開けない場合は、投薬器を使って鎮痛剤を投与するとよいでしょう。スポイトと同様の位置に投薬器を差し込みます。 猫が口を開けたら、投薬器を口の中に入れて、喉の奥に錠剤を押し出します。錠剤を飲み込みやすいように、スポイトで水を数滴あげるとよいでしょう。[17]
- 排泄の管理をしましょう。痛み、闘病または衰弱のため、ちゃんと間に合うようにトイレで用を足すのが非常に困難になる事もあります。膀胱のコントロールがうまくいかない時には、獣医師に相談して、尿もれ用の薬を処方してもらうとよいかもしれません。広告
- 安楽死について獣医師と話し合いましょう。猫との残りの時間を有意義に過ごす傍ら、猫はそのうち死ぬのだという現実に向けて準備をしなければなりません。決して簡単なことではありませんが、必ず行わなければなりません。辛い準備ではありますが、獣医師と話をすることで、前もって段取りを踏み、向き合うことができるようになるでしょう。
- 安楽死の時期を見定めましょう。獣医師と話をした後は、どのタイミングでいつ自分の猫を安楽死させるかはあなた次第です。隠れて出てこない、寝ている時間が長い、痩せ細る、人を避ける、または人の側から離れようとしないなど確実に苦しんでいる臨床症状があるか観察してみるとよいでしょう。[22]
- 「自分のために猫を生かしたいのか、それとも猫自身が生きたいのか?」と自分自身に聞いてみましょう。[23] この質問にどう答えるかで、いつ安楽死の決断をするべきなのか判断材料になるでしょう。
- あらゆる手を尽くしたにも関わらず、本当に苦しんでいるのであれば、安楽死を決断する時かもしれません。
- 「その時はいつなのか」という目安になる案を作成しておきましょう。獣医師と一緒に目安の案を紙に書き起こしておくと、いつ安楽死を決断するか判断をしやすくなるでしょう。
- 病気があれば、病気がどのように進行し、痛みや苦しみがあることを示す症状はどのようなものがあるのかなど獣医師の知識が必要になるでしょう。
- このような案を作っておくと、家族、ルームメイト、共同飼い主との間で言い争いをしなくても済むようになるでしょう。
- 強い感情を伴う、大きな決断をするのは辛いことです。まだ症状が落ち着いている時間がある時にこのような案を作っておくと、心が少し楽になるでしょう。
- 猫を毎日観察するか、記録をつけておくとよいでしょう。良い日よりも悪い日の方が多くなってきたら、安楽死を考える時が来ているのかもしれません。[24]
- 安楽死を選ぶという辛い決断をした時には、すぐに獣医師に電話をしましょう。[25] 遅れれば遅れるほど、余計に辛くなり、猫にとっても苦しみが長引くことになります。
- 自宅に来て安楽死の施術をしてくれる獣医師もいます。かかりつけの獣医師に問い合わせてみましょう。往診不可の場合は、朝早い時間が、遅めの夕方といったクリニックが静かな時間帯に安楽死の予約を取りましょう。[26]
- 猫の遺体をどうするか考えておきましょう。安楽死を決断する辛さに追い討ちをかけるようですが、安楽死後の猫の遺体をどうするかも考えておかなければいけません。動物用のお墓を購入してそこに埋めるか、火葬するかどちらか選びましょう。[27] どちらかを選ばなければとプレッシャーに感じる必要はありません。自分の心が落ち着く方法にしましょう。
- 獣医師にペットの火葬と埋葬サービスについて尋ねてみましょう。
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ポイント
- 飼い猫の死が近いことを考えるのは辛い事です。それよりも、余生をどれだけ幸せに快適に過ごせるか、そのためにできることに気持ちを集中させましょう。ポジティブな面に集中する事で、快適に過ごすための猫のニーズに答えてあげることができるでしょう。
- 最期の数日を少しでも快適に過ごしてもらおうというのはペットホスピスの概念です。ペットホスピスの概念では、死は猫生の自然の摂理であるから、誇り高く旅立ってもらおうと考えます。[28]
- 死期が近い猫は、人間との関わりを求め、癒されています。前のように元気に遊べなくても、一緒に有意義な時間を過ごしていきましょう。優しく抱きしめて、痛みや不快を和らげましょう。[29]
- 死期が近い猫は、もう上手に毛づくろいする事ができません。代わりに、飼い主が目、耳、口、生殖器、肛門を優しくきれいにしてあげるとよいでしょう。[30] 柔らかい布をぬるま湯で湿らせて、拭いてあげましょう。先が柔らかく地肌が痛くならないブラシでブラッシングしてあげるとよいでしょう[31]
- 猫が旅立った後、悲しみに浸る時間を持ちましょう。ペットロスで悲しんでいる気持ちを理解し慰めてくれる家族や友達に、ためらわずに連絡してみましょう。[32]
- 悲しみを乗り越えるためにも、獣医師に、死別に関する心理カウンセリングサービスやペットロスホットラインの番号を教えてもらうと良いでしょう。[33]
- 安楽死は選択として「あり」です。猫を亡くすのは辛いですが、強い痛みで苦しんでいて、生きていると言えない状態であれば、猫にとってみたら安楽死の方が良い選択となり得ます。
注意事項
- どの程度体調が悪いかにもよりますが、飼い主がどんなに努力しても、食べ物も飲み物も全く受け付けないこともあります。その場合、食べ物の匂いで余計に気分が悪くなっているかもしれないと心得ておきましょう。
- 猫は痛みをめったに表に出しません。[34] 死期が近い猫は、痛みがあることを極限まで隠し通すことがあります。
- 飼い主が思っている以上に、早いスピードで症状が悪化することがあります。急に最悪の事態になることを考えて、獣医師と動物病院の緊急連絡先を控えておきましょう。
出典
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- ↑ http://www.care2.com/greenliving/6-ways-to-comfort-a-dying-cat.html
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- ↑ http://messybeast.com/euth.htm
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