アルコールを体から抜く方法

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アメリカには、約1千2百万人のアルコール依存症患者がいると推定され、多くは断酒に際してサポートが必要です。断酒にはまず、アルコールを速やかに体外に排出すること(アルコール・デトックス)が重要で、完全に排出するのにおよそ1週間かかります。アルコール・デトックスは患者にとってはとても厳しいプロセスなため、医療施設で行う必要があります。ただし、医師が安全だと判断すれば、自宅で実行することも可能です。この記事では、医療機関に頼らずにアルコールを排出する方法を紹介しましょう。

パート 1
パート 1 の 4:

アルコール・デトックスを決断する

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  1. How.com.vn 日本語: Step 1 生活習慣と飲酒癖を見直す 
    時々お酒を飲むと言う人はたくさんいます。ほとんどの場合、何の問題もないですが、危険な中毒にかかる人もいます。次の症状が1つ以上ある場合は、アルコール依存症の恐れがあります。すぐに断酒しましょう。[1]
    • 朝、お酒を飲む。
    • 1人で飲む。
    • 飲んだ後に罪悪感がある。
    • 飲酒癖を隠す傾向がある。
    • 一度飲みだすと、止めるのに苦労する。
    • 数時間飲まないと、発汗、震え、イライラ感、吐き気などの離脱症状が生じる。
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 目標を具体化する 
    飲酒量を減らす、または断酒することを決めたら目標を具体化しましょう。[2]
    • 完全にお酒を断つと決めたなら、「私はこの日から一切お酒を飲まない」と書き留めましょう。「断酒の開始日」をきちんと設定して目標を明確にしましょう。
    • 完全にお酒を断つのではなく、健康上の理由から平日は飲まないようにするけれど、金曜日と土曜日だけは飲みたい、と思うかもしれません。これは「危害の削減」と呼ばれる方法ですが、その場合は「本日から、お酒を飲むのは金曜日と土曜日だけにする」と書いて始めましょう。この場合も開始日を明確に書き出すことが重要です。また、飲んだ量と、一定時間内でどのように感じたかを自覚できるようにしましょう。上限を決めて飲むのではなく、自分の飲酒の癖を把握できるようにしましょう。ある状況下では早いペースで飲む傾向がある、知人が近くにいないと飲む量が増える、など自分のお酒の飲み方を自覚できるように訓練しましょう。自分の飲酒について知れば知るほど、飲酒をコントロールすることができます。
    • 飲酒の量を減らすのが目標なら、アルコールを体から完全に抜く必要ではないかもしれません。デトックスが必要かどうかは、現在の飲酒の量によって判断できるでしょう。中毒性物質への依存を一気に断ち切ってしまうと、離脱症状を起こす恐れがあります。
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 目標を公表する 
    周りの人に自分の目標を伝えましょう。デトックス開始後、友達や家族から色々なサポートを受けられるでしょう。[3]
    • 周りの人に理解や協力を求めましょう。「酒を勧めないで欲しい」という簡単な依頼でも、また「私の前では決してお酒を飲まないで欲しい」という相手にも努力を強いることであっても、自分にとって重要なこと、また正直な気持ちを彼らにはっきりと伝えましょう。
    • 飲み友達に自分の目標をきちんと伝えることが特に重要です。仲間からのプレッシャーに負けてしまうことはよくあります。友達があなたの目標達成に協力せず、飲酒を勧めることがあれば、彼らと距離をおきましょう。
  4. How.com.vn 日本語: Step 4 自宅にお酒を保管しない 
    離脱症状が起こると、お酒への渇望感をコントロールできないかもしれません。自宅にアルコールを置かなければ欲求を抑えることができるでしょう。[4]
  5. How.com.vn 日本語: Step 5 援助を求める 
    AA(アルコホーリクス・アノニマス)のミーティングに参加しましょう。断酒のサポートが得られたり、同じ問題を抱える人と出会うことができます。アルコール・デトックスを始める前にミーティングに行ってみましょう。また、デトックスの最中もミーティングに参加しましょう。
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パート 2
パート 2 の 4:

デトックスの準備をする

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  1. How.com.vn 日本語: Step 1 医師に相談する 
    体内の毒素を自分で排出する方法、セルフ・デトックスを実践したいと思っても、間違ったやり方で行うと危険です。まず医師に相談しましょう。セルフ・デトックスがあなたに適しているかどうかを判断してくれます。重度のアルコール依存症の場合は、治療が必要でしょう。また、セルフ・デトックスの許可と同時に、処方箋を出してくれたり、ビタミンや栄養補助剤を薦められるかもしれません。[5]
    • また、医療休暇を取れるように診断書を書いてくれるでしょう。
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 デトックス期間中、友達か家族に一緒にいてもらう 
    デトックスを単独で行ってはいけません。様々な危険が考えられ、医療専門家のサポートが必要になる場合があります。単独で実践して問題が起きたら救急車を呼べばよい、と考える人がいますが、安全策とは言えません。離脱症状は咄嗟に起こることがあり、電話をかける前に意識を失う恐れがあります。緊急事態に備えて、誰かに側にいてもらう必要があります。デトックス開始後、少なとも最初の3日間は、24時間体制で付き添いをつけ、週の残り4日間は定期的に様子を見てもらうようにしましょう。[6]
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 離脱症状とその危険性を理解する 
    デトックスは辛い経験です。長期に渡り飲酒をしている場合、不適切な方法でデトックスを行うと死に至る場合があります。当事者と治療援助者は、最後の飲酒の後の数時間、または3日間に起こる得る次の症状に備えましょう。それらは1週間ほど続く場合があります。[7]
    • 重度の頭痛
    • 夜間の発汗
    • 心拍数の上昇
    • 吐き気および嘔吐
    • 脱水症状
    • 震え
    • 混乱、イライラ感、うつ状態、不安症などの精神疾患症状
    • 幻覚症状や発作などの更に重篤な症状
    • 振戦せん妄 – この症状は最後の飲酒の後24〜72時間以内に発症し、興奮、見当識障害、震えなどが起こります。10年以上に渡り過度の飲酒をした場合に起こり易いものです。[8]
  4. How.com.vn 日本語: Step 4 医療専門家のサポートを得る 
    治療援助者は、専門家のヘルプを求めるべき時を判断しなければなりません。当事者に次のような症状が出たら、援助者は救急車を呼ぶか、救急病棟に本人を連れて行きましょう。[9][10]
    • 摂氏38度を超える熱
    • 発作やけいれん
    • 幻覚や幻聴
    • 慢性の重篤な吐き気や空吐き
    • 極度の興奮や激しい感情の爆発
    • 振戦せん妄
  5. How.com.vn 日本語: Step 5 自宅に食料と水を備える 
    デトックス中は外出する気にならないかもしれません。また、一人で外出してはいけません。数日分の新鮮な食料と水を保管しておくとよいでしょう。冷凍食品は気分の優れない時に簡単に作れて便利です。また、デトックスで栄養が失われるため、栄養補給に健康的な食べ物を備えましょう。次の物を揃えるとよいでしょう。[11]
    • 新鮮な果物と野菜
    • 鶏肉、魚、ピーナッツバターなどの高タンパク質の食べ物
    • 血糖値のコントロールに役立つオーツ麦
    • スープ。離脱症状があると食欲がなくなる場合があります。スープなどの流動食があると便利です。
    • ビタミン補給剤。過度の飲酒をすると、ビタミンが不足します。健康を維持するためにはビタミンBとC、マグネシウムの栄養補助剤を使用しましょう。ただし、医師が承認した栄養剤に限ります。
  6. How.com.vn 日本語: Step 6 1週間の休暇をとる 
    デトックス期間中は健康状態が不安定です。離脱症状がなくなるまで、少なくとも7日かかるでしょう。土曜日からデトックスを開始する場合は、翌週仕事を休むように計画しましょう。 [12]医療休暇を取れるように、医師に診断書を書いてもらいましょう。
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パート 3
パート 3 の 4:

デトックス中の行為

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  1. How.com.vn 日本語: Step 1 自分に手紙を書く 
    デトックス開始後数時間以内に、アルコール依存症の自分からアルコールが抜けた自分に対して断酒の理由、将来の希望などを綴った手紙を書きましょう。重度の離脱症状が出てデトックスが辛くなった時に、その手紙を読み返せば続ける意欲が湧くでしょう。[13]「どんな人になりたいか。恥ずかしいと思うことがあるか。それはどんな事か」など、否定的な感情も無視せずに書きましょう。「誰のための断酒なのか。これまでに傷つけた人はいるか。大切な人や自分も傷つけたことがあるか。どのように傷つけたか。今後の人生の指針となる価値観はどんな内容か。どうしてそのように生きたいか」なども書き留めましょう。
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 「グランディング」を実践する 
    グランディングとはマインドフルネスとも呼ばれ、「いま、ここ」に集中することにより、極度の欲求を抑える方法です。その効果は研究によって実証されています。[14]飲酒欲求が起こったら、五感を働かせて今、自分の目の前にある物事に意識を向け、自分を見失わないように地に足をつけましょう。欲求がなくなるまで、周りの物事に意識を向けましょう。グランディングにはたくさんの方法があります。1つ試してそれが効かない場合は、次の方法を試しましょう。
    • 良い悪いの判断を下さずに周りにある物事を描写しましょう。例えば、「カーペットが厚くて柔らかい。壁が青い。天井にひびがある。空気が新鮮だ」などと見たまま、感じたままに描きましょう。
    • 果物の名前、国の名前など、1つのグループに属する物を1つ1つ五十音順に言って気を逸らしましょう。
    • 簡単な運動をしたり近くにある物体に触れたりするなど、体を使って「いま、ここ」に意識を向けましょう。
    • 好きな食べ物やテレビのタレントなど、楽しいことを考えましょう。
    • 「大丈夫!」などと、自分を激励する言葉を考えたり大きな声で言ったりしましょう。
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 水をたくさん飲む 
    飲酒をやめると嘔吐や下痢を頻繁に起こし、脱水症状を引き起こすことがあります。水をたくさん飲んで体内の水分を維持しましょう。電解質を補えるようにスポーツドリンクを飲んでもよいでしょう。ただし、あなたも治療援助者も1日に1〜2本程度に抑えましょう。スポーツドリンクには糖分が多く含まれているため、たくさん飲むと離脱症状を悪化させます。[15]
  4. How.com.vn 日本語: Step 4 たくさん食べる 
    食欲不振に陥るかもしれないですが、栄養補給は欠かせません。ただし、無理にたくさん食べるのは避けましょう。病気になる恐れがあります。体力的に外出が無理な場合は、必要な栄養素をこれまで通り摂り、小さめの冷凍食品などを食べましょう。断酒中の栄養補給はスナックではなく食べ物から行いましょう。[16]
  5. How.com.vn 日本語: Step 5 新鮮な空気を吸う 
    何日も自宅に閉じ籠っていると、気分が更に滅入るかもしれません。数分でも外の空気を吸い太陽の光に当たると、気分が晴れやかになります。[17]
  6. How.com.vn 日本語: Step 6 運動する 
    マラソンを走ったり、ウェイト上げをしたりする体力はないかもしれないですが、動き回ることはできるでしょう。座りっぱなしは、精神的にも肉体的にも良くありません。体を動かすとエンドルフィンが分泌されて、デトックスから生じる鬱や不安を取り去ってくれます。短めの散歩に出かける、または立ち上ってストレッチをするなど、体を動かすことを心がけましょう。[18]
  7. How.com.vn 日本語: Step 7 自分のコンディションを考える 
    治療援助者とは頻繁に話をし、自分の気持ちを伝え続けましょう。退屈しのぎになるだけでなく、治療援助者が専門家のサポートを得るべきかどうかの判断を下すことができます。
  8. How.com.vn 日本語: Step 8 別のデトックスを試すなら専門家のヘルプを得る 
    離脱症状が身体的または精神的障害として出るため、デトックスを最後まで貫けない場合があります。それは意志が弱いせいではありません。単に、もう一度やり直せばよいだけです。再度挑戦する時は、専門家の指導の下で行いましょう。リハビリ施設やデトックス専門の施設での治療を考えましょう。[19]
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パート 4
パート 4 の 4:

デトックス後の行為

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  1. How.com.vn 日本語: Step 1 残効に備える 
    離脱症状が1週間後に無くなったとしても数週間は、イライラ感、頭痛、不眠などの影響が少し残るでしょう。[20]
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 心理カウンセリングを受ける 
    アルコール依存症を克服する間、鬱、不安症、その他の様々な心理的問題を抱えることがあるでしょう。これらの問題には、セラピストやカウンセラーの力を借りて対処することが大切です。体からアコールが抜けたとしても、精神的な問題に対処し損ねたなら、再発の可能性が高いでしょう。
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 自助グループに参加する 
    デトックスに成功した後でも禁酒が続けられるように、自助グループの力を借りることが大切です。友達や家族以外からも支援を受けられると、とても効果的です。自助グループの参加者のほとんどが、アルコール依存症を克服した人達なので、色々なアドバイスがもらえるでしょう。飲酒欲求が起こったら、あるいはそれ以外に助けが必要だと感じたら、彼らに連絡しましょう。[21]
  4. How.com.vn 日本語: Step 4 新しい趣味や楽しめることを見つける 
    昔の趣味には飲酒が絡んでいたことでしょう。健康的な生活習慣を開始し維持できるように、新しいアクティビティを見つけましょう。[22]
    • かつて楽しんだアクティビティで、しばらく行っていないものを考えましょう。懐かしい昔の趣味を復活できると楽しい気持ちが芽生え、前向きな気持ちを維持できるでしょう。
    • ボランティア活動など目的意識を持てる趣味を考えましょう。
  5. How.com.vn 日本語: Step 5 お酒の代わりを探さない 
    アルコール依存症を治そうとして、アルコールの代わりにコーヒーやタバコなど、他の物で気を紛らわそうとすることがあります。これらも同じように有害です。アルコールの代わりを探すのではなく、物に依存せず健康的な生活を送ることに集中しましょう。
  6. How.com.vn 日本語: Step 6 飲酒欲求を抑える 
    飲酒欲求は必ず起こります。欲求を適切に抑え、再発も防ぐ方法がいくつかあります。[23]
    • 飲酒の引き金になるものを避けましょう。昔の飲み友達や、お酒に関わる場所、状況など飲酒欲求を引き起こすものを避けましょう。飲み仲間がお酒を強いるなら、彼らとの付き合いをやめた方がよいかもしれません。
    • 「ノー」と言う練習をしましょう。お酒が絡む状況を毎回避けることは不可能でしょう。お酒の席を避けられない時は勧められても断りましょう。
    • 飲酒欲求が起こったら他のことに意識を向けましょう。散歩をする、音楽を聴く、ドライブに行くなど、飲酒欲求を忘れられるアクティビティを見つけましょう。
    • 人と大いに話しましょう。自分の飲酒欲求について、隠さずに人に話しましょう。欲求に襲われたり精神的に弱い自分を感じたりしたら、相談できる指導者や先輩などに話をしましょう。
    • 断酒の理由を思い出しましょう。強い欲求に襲われたら、お酒を断つのに苦労したこと、断酒の根本理由をもう一度考えましょう。
  7. How.com.vn 日本語: Step 7 挫折の可能性があることを覚悟する 
    一旦回復しても再発することはよくあります。多少の過ちを犯しても一生の終わりではありません。これまでに培った技術を駆使して挫折を克服しましょう。[24]
    • すぐに断酒を始め、酒に関わる場所を避けましょう。
    • 困ったことが起こったら、指導者や支援してくれる友達に連絡をしましょう。
    • 小さな挫折をしても、これまでの努力がすべて無駄になることはありません。
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注意事項

  • 医師に相談せずにデトックスを試みてはいけません。開始前に、医師に症状を診てもらい、重篤な合併症の危険があるかどうかを判断してもらいましょう。合併症の危険がある場合は、医療専門機関でのデトックス治療が必要でしょう。
  • デトックスを単独で試みてはいけません。とても危険で死に至るケースがあります。少なくとも開始後3日間、誰かに付き添ってもらいましょう。
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このHow.com.vn記事について

How.com.vn 日本語: Tiffany Douglass, MA
共著者 ::
Wellness Retreat Recovery Center設立者
この記事の共著者 : Tiffany Douglass, MA. ティファニー・ダグラスはカリフォルニア州サンノゼ市にあるJCAHO(医療施設認定合同機構)認定の薬物・アルコール依存症治療施設「Wellness Retreat Recovery Center」設立者です。10年以上にわたり薬物依存症治療に携わり、2019年には施設居住型の依存症治療方法に大革命をもたらした功績が認められ、国際親善大使に任命されました。2004年にエモリー大学にて心理学の学士号を、2006年にはクレアモント大学院大学にて修士号(プログラム評価と組織行動論を専攻)を取得。 この記事は7,149回アクセスされました。
カテゴリ: 全般的健康
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