マテオ・コヴァチッチ

クロアチアのサッカー選手

マテオ・コバチッチMateo Kovačić, 1994年5月6日 - )は、オーストリアリンツ出身のサッカー選手プレミアリーグマンチェスター・シティFC所属。クロアチア代表。ポジションはミッドフィールダー

マテオ・コヴァチッチ
チェルシーでのコヴァチッチ (2019年)
名前
ラテン文字Mateo Kovačić
基本情報
国籍クロアチアの旗 クロアチア
 オーストリア
生年月日 (1994-05-06) 1994年5月6日(30歳)
出身地オーストリアの旗 リンツ
身長176cm
体重77kg
選手情報
在籍チームイングランドの旗 マンチェスター・シティFC
ポジションMFAM, VOL, IH[1]
背番号8
利き足右足
ユース
2000-2007オーストリアの旗 LASKリンツ
2007-2010クロアチアの旗 NKディナモ・ザグレブ
クラブ1
クラブ出場(得点)
2010-2013クロアチアの旗 NKディナモ・ザグレブ 73 (8)
2013-2015イタリアの旗 インテル・ミラノ 80 (5)
2015-2019スペインの旗 レアル・マドリード 73 (1)
2018-2019イングランドの旗 チェルシー (loan) 32 (0)
2019-2023イングランドの旗 チェルシー 110 (4)
2023-イングランドの旗 マンチェスター・シティ 30 (1)
代表歴2
2008 クロアチア U-142 (1)
2008 クロアチア U-152 (0)
2009-2010 クロアチア U-1715 (0)
2011-2012 クロアチア U-196 (0)
2011-2014 クロアチア U-217 (0)
2013-クロアチアの旗 クロアチア95 (5)
1. 国内リーグ戦に限る。2024年5月20日現在。
2. 2023年6月18日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

経歴 編集

クラブ 編集

クロアチア人移民の両親の下、オーストリアリンツで生まれ、地元クラブのLASKリンツで競技生活を開始した。

NKディナモ・ザグレブ 編集

2007年、クロアチアNKディナモ・ザグレブのユースチームに移籍。2010年11月20日に16歳と198日でプロデビューを果たす。この試合で先制点を挙げ、プルヴァHNLの最年少出場と最年少得点の2つの記録を更新した[2]。2年目の2011-12シーズンにはレギュラーとしてリーグ戦24試合に出場し4ゴールを記録。チャンピオンズリーグでもグループリーグ初戦のレアル・マドリード戦に先発し、オリンピック・リヨン戦ではゴールを決めた。

インテル・ミラノ 編集

2013年1月31日、セリエAインテル・ミラノへの移籍が発表された[3]。契約は2017年までで、移籍金は最大1500万ユーロ[4]。背番号は、ガラタサライに移籍したウェズレイ・スナイデルが着けていた10番である。しかしチームで自分に合ったポジションをみつけることができず、レアルマドリードに移籍することが決まった。

レアル・マドリード 編集

2015年8月18日、ラ・リーガレアル・マドリードへ移籍することを発表した[5]。契約期間は2021年までで移籍金は推定3000万ユーロ[6]、背番号は16番。レアル・マドリード移籍については予てからコヴァチッチを称賛していた代表の先輩ルカ・モドリッチやセリエAでの指揮経験もあるラファエル・ベニテス監督の後押しもあったと報じられている[7]

移籍1年目の2015-16シーズンは、言語や環境への適応に苦しんだことや厚い選手層に阻まれたこともあり、リーグ戦25試合に出場するも先発はその内、8試合に留まった。チームのUEFAチャンピオンズリーグ優勝に貢献した。また2015年12月に行われたチャンピオンズリーグのマルメFF戦でレアル・マドリードでの初ゴールを記録している。

2016-17シーズンは中盤の故障者の穴を埋めるパフォーマンスを披露し[8]、重要な試合での先発起用も増えはじめ、UCL連覇に加えラ・リーガ優勝も経験した。

2017-18シーズンは、シーズン開幕時に行われたスーペルコパ・デ・エスパーニャにてジダン監督にリオネル・メッシの徹底マークを命じられ、任務を遂行し、2連勝とタイトル獲得に大きく貢献した。チャンピオンズリーグでは決勝進出がかかったバイエルン・ミュンヘンとの準決勝2ndレグでチームの1点目の起点となる活躍を見せ、決勝戦出場はならなかったものの、チームのチャンピオンズリーグ3連覇に貢献した。しかし、シーズンが終了しロシアW杯後さらなる出場機会増加を求め移籍を志願した[9]

チェルシー 編集

2018年8月8日、チェルシーFCティボ・クルトゥワレアル・マドリードに移籍した際の契約の一部として、出場機会を求めていたコヴァチッチと1年ローン移籍で合意したと発表した[10]。チェルシーデビューはシーズン序盤のアーセナル戦。スタメンデビューはその後のアウェイでのニューカッスル戦となった。すぐさまマウリツィオ・サッリのスタイルに馴染むと、中盤3枚の左を務めた。リーグ戦32試合に出場、ヨーロッパリーグでも15試合中10試合スタメン出場で優勝に貢献した。途中出場ではさらに2試合でプレー。決勝のアーセナル戦でもプレーし、4-1の勝利に貢献、UEFAヨーロッパリーグを制覇した。個人としては4年連続でのUEFAクラブ大会優勝となった。

2019年7月1日、レアル復帰やインテル移籍が噂された中チェルシーFCに完全移籍したことが発表された[11]。背番号は昨季と同じ17番。フランク・ランパード監督から信頼を得て定位置を掴んだ。チェルシーでは初めて、自身およそ3年ぶりとなるゴールもバレンシア戦で記録。リーグ戦31試合に出場し、組み立てや、ボールの引き出しなどゲームメーカーとして主力で活躍した。そして19-20シーズンのチェルシーの年間ベストプレイヤーに選ばれた。

2020-21シーズン、背番号をチェルシーのレジェンド、フランク・ランパードが背負っていた8番に変更した。クラブ通算100試合に出場。ハキム・ツィエクが右サイドから出したパスを折り返し、タミー・アブラハムの同点ゴールをアシストし4-1の逆転勝利に貢献した。2021年に入ると、自身の活躍、エンゴロ・カンテの負傷、そして監督の交代が重なり、チャンスを得た。UEFAチャンピオンズリーグ決勝、途中出場でチームの優勝に貢献した。

2021-22シーズン、UEFAスーパーカップビジャレアル戦では120分間フル出場し、プレミアリーグ開幕戦ではスタメンで出場。でクリスタル・パレスに3-0で勝利し、トレヴォ・チャロバーの初ゴールをアシストした。2021年9月12日に行われたアストン・ヴィラ戦でロメル・ルカクのゴールをアシスト。その後自身も得点を記録し、チームの勝利に貢献した。2022年1月3日、リヴァプール戦でコーナーのこぼれ球をダイレクトボレーシュートでゴールを決めた。このゴールが後にプレミアリーグ・ゴール・オブ・ザ・マンスに、2021-22シーズン、チェルシーベストゴールになった。FAカップ3回戦のチェスターフィールド戦で初めてキャプテンを務め、5-1で勝利した。FIFAクラブワールドカップでは準決勝、決勝とともにプレーし、チェルシーの初の世界王者に貢献した。

2022-23シーズン、ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ戦では、アルマンド・ブロヤのチェルシー初ゴールをアシストした。レッドブル・ザルツブルク戦でミドルシュートを決め、チャンピオンズリーグ・決勝トーナメント進出を決める活躍をした。クラブ通算200試合に出場した。

マンチェスター・シティ 編集

2023年6月28日、プレミアリーグマンチェスター・シティFCに移籍することが発表された[12]。背番号はチェルシー時代と同じ8番。

クロアチア代表 編集

クロアチア代表でのコヴァチッチ(2018年)

年代別のクロアチア代表を経験。2012年8月にはA代表から招集を受けたが、怪我のためプレーすることはなかった。2013年3月22日、2014 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選セルビア代表戦でA代表デビューを果たした。2014 FIFAワールドカップではグループリーグの全3試合に出場した。2015年6月7日のジブラルタルとの親善試合で代表初得点を挙げた。

2018 FIFAワールドカップに出場し、アルゼンチン戦でイヴァン・ラキティッチのゴールをアシストし勝利に貢献[13]、決勝でフランスに敗れたが準優勝を果たした。

2022年カタールワールドカップにクロアチア代表として選ばれた。準決勝でアルゼンチンに敗れ3位決定戦にまわったが、モロッコに2-1での勝利に貢献。大会を3位で終えた。

プレースタイル 編集

若い頃はドリブル突破やパスを持ち味とした攻撃的MFだったが、レアル・マドリード以降は高い走力と激しい球際でのプレーでチームを底上げしていくボランチインサイドハーフで高い評価を得た[1]

個人成績 編集

クラブ 編集

クラブシーズンリーグリーグ戦カップ戦リーグ杯国際大会その他合計
出場得点出場得点出場得点出場得点出場得点出場得点
ディナモ・ザグレブ2010-111.HNL7120-000091
2011-1225471-12100446
2012-1311110-8000201
通算436101-20100738
インテル2012-13セリエA13010-4000180
2013-1432030--00350
2014-1535510-8300448
通算80550-12300978
レアル・マドリード2015-16プリメーラ25010-8100341
2016-1727140-6120392
2017-1821050-7030360
通算731100-212501093
チェルシー2018-19プレミアリーグ320205012000510
2019-2031160118110472
2020-21270302010000420
2021-2225250506020432
2022-2327110108100373
通算1424170141442302207
総通算333164211419788049926

試合数 編集


クロアチア代表国際Aマッチ
出場得点
201370
2014120
201551
201680
201750
2018120
201970
202072
202180
通算713

ゴール 編集

#開催年月日開催地対戦国スコア結果試合概要
1.2015年6月7日クロアチア ジブラルタル2–04–0国際Aマッチ


タイトル 編集

クラブ 編集

NKディナモ・ザグレブ
レアル・マドリード
チェルシーFC
マンチェスター・シティ

個人 編集

  • クロアチア年間最優秀若手選手:2011

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ a b チェルシーを支える実力派MFマテオ・コヴァチッチ。クロアチア代表のレギュラーとして臨むカタールW杯”. ABEMA TIMES (2022年10月18日). 2024年5月19日閲覧。
  2. ^ ユーヴェ注視の17歳はプレミアリーグへ? goal.com 2011年9月16日
  3. ^ コヴァチッチ:「子供のころからインテルに憧れていた」 inter.it 2013年1月31日
  4. ^ コバチッチなど4選手がインテルに加入 uefa.com 2013年2月1日
  5. ^ Comunicado oficial: Mateo Kovačić レアル・マドリード公式サイト 2015年8月18日
  6. ^ レアル、インテルの21歳MFコヴァチッチ獲得を発表…契約は2021年まで SOCCER KING 2015年8月19日
  7. ^ 天才MFのレアル入りを押した一言 モドリッチ:「2年以内にバロンドールを獲る」 Goal.com 2015年8月21日
  8. ^ 期待のホープから一気に主力へ、立場が激変したレアルMFコバチッチ football channel 2016年11月23日
  9. ^ 移籍志願のコバチッチがマドリーの練習参加を拒否! 近年の“成功例”に倣っての決断か? SOCCER DIGEST WEB 2018年8月7日
  10. ^ COURTOIS AND KOVACIC DEALS AGREED Chelsea FC Official Site 2018年8月9日
  11. ^ マテオ・コヴァチッチが完全移籍”. チェルシーFC (2019年7月2日). 2019年7月4日閲覧。
  12. ^ マンC、クロアチア代表MFコヴァチッチ獲得を発表! 4年契約を締結、背番号は「8」”. サッカーキング (2023年6月28日). 2023年8月19日閲覧。
  13. ^ Argentina 0-3 Croatia - FIFA World Cup 2018 Live”. Whoscored.com. 2018年6月23日閲覧。

外部リンク 編集