ケヴィン・ベーコン

アメリカの俳優、映画監督

ケヴィン・ベーコン(Kevin Bacon, 1958年7月8日 - )は、アメリカ合衆国出身の俳優映画監督

Kevin Bacon
ケヴィン・ベーコン
ケヴィン・ベーコン
ドラマ『ザ・フォロイング』のコンベンションにて(2014年度コミコン・インターナショナル
本名Kevin Norwood Bacon
生年月日 (1958-07-08) 1958年7月8日(65歳)
出生地アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ペンシルベニア州フィラデルフィア
身長178 cm[要出典]
職業俳優映画監督ミュージシャン
活動期間1978年 - 現在
活動内容映画テレビドラマ
配偶者キーラ・セジウィック(1988年 - )
著名な家族エドモンド・ベーコン(父)
マイケル・ベーコン英語版(兄)
ソシー・ベーコン(娘)
主な作品
映画
13日の金曜日』『ダイナー
フットルース』『トレマーズ
フラットライナーズ』『JFK
ア・フュー・グッドメン』『激流
告発』『アポロ13』『スリーパーズ
ワイルドシングス』『エコーズ
インビジブル』『コール
ミスティック・リバー
狼の死刑宣告』『フロスト×ニクソン
X-MEN:ファースト・ジェネレーション
ラブ・アゲイン
COP CAR/コップ・カー
ブラック・スキャンダル
パトリオット・デイ
テレビドラマ
ザ・フォロイング
『アイ・ラブ・ディック』
CITY ON A HILL/罪におぼれた街
 
受賞
放送映画批評家協会賞
主演男優賞
1995年告発
ジョエル・シーゲル博愛賞
2009年
ゴールデングローブ賞
男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)
2009年『TAKING CHANCE/戦場のおくりびと』
全米映画俳優組合賞
キャスト賞
1994年アポロ13
男優賞(テレビ映画・ミニシリーズ)
2009年『TAKING CHANCE/戦場のおくりびと』
その他の賞
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主演代表作に、『フットルース』『アポロ13』『ザ・フォロイング』などがある。ほか、ミュージシャンとしても活動している。2009年ゴールデングローブ賞」主演男優賞を受賞。妻はキーラ・セジウィック

経歴 編集

ペンシルベニア州フィラデルフィア出身。父親は建築家都市計画家エドモンド・ベーコン。6人兄妹の末子。

役者を目指して17歳で地元を離れ、ニューヨークへ移り、『Circle in the Square Theatre』にて舞台を踏んだ。1978年にジョン・ベルーシ主演のコメディ映画『アニマル・ハウス』で映画デビュー。着々とキャリアを重ね、1982年には才能を評価されてオビー賞を獲得。直後にはショーン・ペンヴァル・キルマージャッキー・アール・ヘイリーとの共演で『The Slab Boys』でブロードウェイデビュー。さらにバリー・レヴィンソン監督の青春映画『ダイナー』などに出演。

1984年、主演映画『フットルース』が、世界的に大ヒット、ハリウッドスターの仲間入りを果たす。この大ブレイクにより、1980年の『13日の金曜日』への出演が再注目され、端役であったにもかかわらず、その後はビデオやDVDジャケットに主演俳優並みに最上位にクレジットされることもある。若い頃は青春映画のスターとして活躍していたが、その後は脇役や悪役を多く演じ個性派・実力派の俳優として評価を得、近年は自らメガホンも取っている。

1994年に出演したメリル・ストリープ共演のアクションスリラー『激流』では、エリート一家を恐怖に陥れる悪役を熱演してゴールデングローブ賞にもノミネート。2009年に出演したテレビ映画『TAKING CHANCE/戦場のおくりびと』では同賞を受賞した。

2000年には、『インビジブル』での演技が評価され、第7回みうらじゅん賞を受賞している。

ハリウッドにある「名声の歩道」

2003年、エンターテイメント界に貢献した著名人に贈られる「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム(名声の歩道)」に選出されている。

2013年、サイコスリラー『ザ・フォロイング』にて、テレビドラマシリーズ初主演。以降、『I Love Dick』(2016年)、『City on a Hill』(2019年)のドラマで主演を務めている[1]

音楽活動 編集

ザ・ベーコンブラザーズ
The Bacon Brothers
USAニューヨーク公演(2006年)
基本情報
出身地 アメリカ合衆国
ジャンルフォークロック
カントリーロック
活動期間1995年 - 現在
レーベルBluxo Records
Zoë Records
Forosoco Records
公式サイトbaconbros.com
メンバーマイケル・ベーコン
ケヴィン・ベーコン

ミュージシャンである兄のマイケルと共に、1995年より「ザ・ベーコンブラザーズ」というバンドを組んで音楽活動もしている。これまでプロモーションなどでの来日は中々なかったが、2006年にはマイケルと共に"ミュージシャン"として初来日を果たし、ブルーノート東京にてライブ公演を行った。

私生活など 編集

TV映画『レモン色の空』と共演した女優のキーラ・セジウィックと、1988年に結婚[2]。子供が二人おり、娘のソシー・ベーコンも女優になった。2008年、ミュージシャン ウィル・アイ・アムのプロモーションビデオに夫婦で出演したことがある。

主な出演作品 編集

映画 編集

公開年邦題
原題
役名備考吹き替え
1978アニマル・ハウス
Animal House
チップ・ディラーTBA(テレビ朝日版)
田島俊弥(ソフト版)
1979結婚ゲーム
Starting Over
TBA
ニューヨークの恋人
Hero at Large
ティーンエイジャー
198013日の金曜日
Friday the 13th
ジャック・バレル村山明
1981泣かないで
Only When I Laugh
ドン松本保典
1982ダイナー
Diner
ティモシー関俊彦(TBS版)
1983ブライアンの悪夢
The Demon Murder Case
(吹き替え版なし)
1984フットルース
Footloose
レン・マコーマック川本克彦(ソフト版)
近藤真彦フジテレビ版)
1986クイックシルバー
Quicksilver
ジャック
1987グレート・ストリーム
White Water Summer
ヴィク
大災難P.T.A.
Planes, Trains & Automobiles
レーサーTBA
1988結婚の条件
She's Having a Baby
ジェイク・エドワード・ブリッグス
1989クリミナル・ロウ
Criminal Law
マーティン・ティール(吹き替え版なし)
ケビン・ベーコンのハリウッドに挑戦!!
The Big Picture
ニック・チャップマン
1990トレマーズ
Tremors
ヴァル・マッキー安原義人(ソフト版)
井上和彦(テレビ朝日版)
フラットライナーズ
Flatliners
デイヴィッド野沢那智(ソフト版)
大塚芳忠(日本テレビ版)
1991パイレーツ この恋、火気厳禁!
Pyrates
アリ森川智之
クイーンズ・ロジック/女の言い分・男の言い訳
Queens Logic
デニス関俊彦
彼の言い分、彼女の言い分
He Said, She Said
ダン・ハンソン山寺宏一
JFK
JFK
ウィリー・オキーフ金尾哲夫(ソフト版)
田原アルノ(テレビ朝日版)
1992ア・フュー・グッドメン
A Few Good Men
ジャック・ロス大塚芳忠
1993アフリカン・ダンク
The Air Up There
ジミー藤原啓治
1994激流
The River Wild
ウェイドゴールデングローブ賞 助演男優賞ノミネート安原義人(ソフト版)
堀内賢雄(テレビ朝日版)
1995告発
Murder in the First
ヘンリ平田広明
アポロ13
Apollo 13
ジャック・スワイガート安原義人(ソフト版)
山路和弘(日本テレビ版)
安原義人(フジテレビ版)
バルト
Balto
バルト声の出演柴田恭兵
1996スリーパーズ
Sleepers
ショーン江原正士(ソフト版)
中田和宏(テレビ朝日版)
佐藤せつじ(VOD版)
1997ピクチャー・パーフェクト 彼女が彼に決めた理由
Picture Perfect
サム・メイフェア
17 セブンティーン
Telling Lies in America
ビリー・マジック江原正士
1998ウィズ・ユー
Digging to China
リッキー岩崎ひろし
ワイルドシングス
Wild Things
レイ・デュケット兼製作総指揮山路和弘(ソフト版)
井上和彦(テレビ朝日版)
1999エコーズ
Stir of echoes
トム・ウィツキー咲野俊介
2000マイ・ドッグ・スキップ
My Dog Skip
ジャック・モリス山路和弘
インビジブル
Hollow Man
セバスティアン・ケイン第7回みうらじゅん賞受賞山路和弘(ソフト版)
安原義人(テレビ朝日版)
2001ノボケイン/局部麻酔の罠
Novocaine
ランスクレジットなしTBA
2002コール
Trapped
ジョー咲野俊介
2003ミスティック・リバー
Mystic River
ショーン
イン・ザ・カット
In the Cut
ジョン・グラハム藤原啓治
2004The WoodsmanウォルターN/A
バイバイ、ママ
Loverboy
マーティ兼 監督・製作
2005ビューティー・ショップ
Beauty Shop
ホルヘ
秘密のかけら
Where the Truth Lies
ラニー・モリス山路和弘
2007狼の死刑宣告
Death Sentence
ニック(吹き替え版なし)
レールズ&タイズ
Rails & Ties
トム・スターク
狼たちの報酬
The Air I Breathe
ラブ
2008フロスト×ニクソン
Frost/Nixon
ジャック・ブレナン安原義人
2009TAKING CHANCE/戦場のおくりびと
Taking Chance
シュトローブル中佐テレビ映画
ゴールデングローブ賞ミニシリーズ・テレビ映画部門の主演男優賞を受賞
ニューヨーク、アイラブユー
New York, I Love You
安原義人
たった一人のあなたのために
My One and Only
ダン(吹き替え版なし)
2011パーフェクト・スナイパー
Elephant White
ジミー
スーパー!
SUPER
ジョック西垣俊作
X-MEN:ファースト・ジェネレーション
X-Men: First Class
セバスチャン・ショウ安原義人
ラブ・アゲイン
Crazy, Stupid, Love.
デイヴィッド高宮俊介
2013ゴースト・エージェント/R.I.P.D.
R.I.P.D.
ボビー・ヘイズ安原義人
2015COP CAR/コップ・カー
Cop Car
クレッツァー保安官山路和弘
ブラック・スキャンダル
Black Mass
チャールズ・マクガイア安原義人
2016ダークネス
The Darkness
ピーター・テイラー
パトリオット・デイ
Patriots Day
リック・デローリエ特別捜査官山路和弘
2017ツール・ド・ファーマシー
Tour de Pharmacy
ディトマー・クラーケンテレビ映画
ストーリー・オブ・ア・ガール
Story of a Girl
マイケルテレビ映画 
2020レフト -恐怖物件-
You Should Have Left
テオ・コンロイ兼製作山路和弘
2022ワイルド・ロード
One Way
フレッド・サリバン・Sr三上哲
2023終わらない週末
Leave the World Behind
ダニー安原義人
TBABeverly Hills Cop: Axel FoleyNetflix配信
MaXXXine私立探偵

テレビシリーズ 編集

主にレギュラーのみ記載

放映年邦題
原題
役名備考吹き替え
2013-2015ザ・フォロイング
The Following
ライアン・ハーディ主演、計45話出演山路和弘
2016-2017アイ・ラブ・ディック
I Love Dick
ディック主演、計8話出演
2019-2022CITY ON A HILL/罪におぼれた街
City on a Hill
ジャッキー・ローア主演安原義人
2022ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル
The Guardians of the Galaxy Holiday Special
本人役Disney+配信
テレビスペシャル

主な監督作品 編集

映画 編集

  • バイバイ、ママ Loverboy (2004年)

テレビ映画・テレビドラマ 編集

ディスコグラフィ 編集

ザ・ベーコンブラザーズ 編集

アルバム

  • Forosoco(1997年)
  • Getting There(1999年)
  • Can't Complain(2001年)
  • White Knuckles(2005年)
  • New Year's Day(2009年)
  • 36 Cents(2014年)

ケヴィン・ベーコン数 編集

映画俳優の共演関係の「距離」をケヴィン・ベーコンを起点に計測する「ケヴィン・ベーコン・ゲーム」[3] (Kevin Bacon Game[4]) [注釈 1]という遊びがある。ケヴィン・ベーコンと共演した俳優に「1」、「1」の人物と共演した人物に「2」というように隔たりの指数(「ベーコン数」Bacon number と呼ばれる)を与えるもので、その指数をなるべく小さくしようとしたり、より遠くの人物に結びつきを見出そうとしたりするものである。もっとも、ここでいう「共演」は端役などで同じ映画に出演したという程度の関係も含まれ、必ずしも面識を持つとは限らない。この遊びは、数学者・科学者の世界におけるエルデシュ数ポール・エルデシュを中心とした論文の共著関係の広がり)と同様の発想によるもので[注釈 2]、1994年にオルブライト大学の4人の学生が作り出した。

ケヴィン・ベーコンは、あらゆるジャンルで非常に多数の映画に出演している。1994年のはじめ、映画雑誌『プレミア』のインタビューに対してベーコンが「ハリウッドの全員が自分の共演者か、共演者の共演者だ」という趣旨の発言をしており、インターネット上などでは「ケヴィン・ベーコンはハリウッドの中心(あるいは「世界の中心」)」と言われるなど話題になった。実際、ハリウッドに限らず古今東西のほとんどの俳優は「ベーコン数」3以内に収まってしまう。インターネット・ムービー・データベース(IMDb)に掲載されているデータに基づいて任意の人物間の「距離」を計測するサイト「The Oracle of Bacon」[4]によれば[注釈 3]、2016年8月現在、IMDbに記載された約430万人の俳優や映画・テレビ関係者のうち「ベーコン数」を持つ人物は約215万人。3303人がベーコン数1を持っており、約176万人(「ベーコン数」を持つ者のうち約81.8%)が3以下である[5]

日本でも、ベーコン数2(ベーコンの共演者の共演者)を持つ多くの俳優がいる。たとえば[4]

などである。「The Oracle of Bacon」によれば、インドのラジニカーント、ウズベキスタンのラジャブ・アダシェフ(Rudzhab Adashev)、セネガルのファトゥマタ・クリバリ(Fatoumata Coulibaly)といった、一見ハリウッドから遠くに位置しそうな俳優も、ベーコン数「3」のつながりを持つ。もっとも、共演関係をたどる起点としてベーコンは高い「中心」性を示してはいるが、突出して高いわけではない[5]

ベーコンはこの遊びについて、はじめは馬鹿にされているようで不快であったが、そのうちに楽しむようになったという。発案者の4人と一緒にテレビのトークショーに出演したり、書籍 Six Degrees of Kevin BaconISBN 9780452278448)に序文を寄せたりしている。

日本語吹き替え 編集

主に担当しているのは、以下の二人である。

安原義人
トレマーズ』(ソフト版)で初担当。以降数多くの作品を吹き替え、ベーコンの専属(フィックス)として定着した[6]
山路和弘
アポロ13』(日本テレビ版)で初担当。安原に次いで多く吹き替えている。
山路は自身が声を担当する中でも苦手な俳優にベーコンを挙げており、「ベーコンの吹き替えの仕事が入ると、一瞬だけ憂鬱な気分に陥る」とインタビューで語っている[7]

このほかにも、咲野俊介井上和彦江原正士関俊彦藤原啓治なども複数回、声を当てている。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 「ケヴィン・ベーコンとの六次の隔たり」(Six Degrees of Kevin Bacon)とも
  2. ^ エルデシュ数とベーコン数を加算した、エルデシュ-ベーコン数を求めるという遊びも存在する。
  3. ^ IMdBはすべての出演者を網羅しているわけではなく、時に誤りもある(IMdBの問題についてはインターネット・ムービー・データベース参照)。「The Oracle of Bacon」で求めた数字と「実際の」ベーコン数が相違する可能性はある。

出典 編集

外部リンク 編集