クリフ・ペニントン (野球)

アメリカ合衆国出身の野球選手

クリフトン・ランドルフ・ペニントンClifton Randoulph Pennington, 1984年6月15日 - )は、アメリカ合衆国テキサス州コーパスクリスティ出身の元プロ野球選手内野手)。右投両打。愛称はペニー[1]

クリフ・ペニントン
Cliff Pennington
テキサスA&M大学野球部 コーチ
ロサンゼルス・エンゼルス時代
(2016年8月11日)
基本情報
国籍アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地テキサス州コーパスクリスティ
生年月日 (1984-06-15) 1984年6月15日(39歳)
身長
体重
5' 10" =約177.8 cm
195 lb =約88.5 kg
選手情報
投球・打席右投両打
ポジション遊撃手二塁手
プロ入り2005年 MLBドラフト1巡目
初出場2008年8月12日 タンパベイ・レイズ
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴
  • テキサスA&M大学

経歴 編集

プロ入りとアスレチックス時代 編集

2005年MLBドラフト1巡目(全体21位)でオークランド・アスレチックスから指名され、6月17日に契約。契約後、傘下のA級ケーンカウンティ・クーガーズでプロデビュー。69試合に出場して打率.276・3本塁打・29打点・25盗塁の成績を残した。

2006年はA+級ストックトン・ポーツで46試合に出場し、打率.203・2本塁打・21打点・7盗塁の成績を残した。6月25日に右ハムストリングの故障で離脱。8月にルーキー級アリゾナリーグ・アスレチックスで復帰し、9試合に出場した。

2007年はまずA+級ストックトンでプレーし、68試合に出場して打率.255・6本塁打・36打点・9盗塁だった。6月にAA級ミッドランド・ロックハウンズへ昇格。同球団では70試合に出場して打率.251・2本塁打・21打点・8盗塁の成績を残した。

2008年はAA級ミッドランドで開幕を迎え、50試合に出場。打率.260・18打点・20盗塁の成績を残した。5月30日にAAA級サクラメント・リバーキャッツへ昇格。同球団では65試合に出場し、打率.297・2本塁打・16打点・20盗塁だった。8月12日にアスレチックスとメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りし[2]、同日のタンパベイ・レイズ戦でメジャーデビュー。「9番・三塁手」として先発起用されたが、3打数無安打に終わった[3]。昇格後は内野のバックアップとして起用されていたが、9月からは先発起用が増え、この年は36試合に出場。打率.242・9打点・4盗塁の成績を残した。

2009年2月21日にアスレチックスと1年契約に合意。4月4日にAAA級サクラメントへ異動し[4]、開幕を迎えた。AAA級サクラメントでは99試合に出場して打率.264・3本塁打・40打点・27盗塁の成績を残した。7月31日にメジャーへ昇格[5]。同日に正遊撃手オーランド・カブレラが移籍したため、昇格後は遊撃のポジションを奪取し、60試合に出場。打率.279・4本塁打・21打点・7盗塁の成績を残した。

2010年3月8日にアスレチックスと1年契約に合意[6]。この年は正遊撃手として開幕を迎え、156試合に出場。打率.250・6本塁打・46打点・29盗塁の成績を残した。

2011年2月27日にアスレチックスと1年契約に合意[7]。この年は148試合に出場し、打率.264・8本塁打・58打点・14盗塁の成績を残した。

2012年2月12日にアスレチックスと1年契約に合意。開幕後は例年通り正遊撃手として起用されていたが、7月20日に左肘の故障で15日間の故障者リスト入りした[8]8月7日に復帰[9]。この年は125試合に出場して打率.215・6本塁打・28打点・15盗塁の成績を残した。シーズン終了時点で当時のアスレチックスのロースターの中では一番の古株であった。

ダイヤモンドバックス時代 編集

2012年10月20日マイアミ・マーリンズも絡んだ三角トレードで、アリゾナ・ダイヤモンドバックスへ移籍した[10]

2013年1月30日にダイヤモンドバックスと総額500万ドルの2年契約[11]を結んだ[12][13]。ダイヤモンドバックスは前年遊撃手を固定することができず、ウィリー・ブルームクイストらと正遊撃手の座を争うこととなったが、開幕から先発起用された。しかし、開幕後は打率2割を切るなど不調が続き、5月からは先発から外れ、メジャー2年目のディディ・グレゴリウスに遊撃のポジションを奪われるなど苦悩の1年となった。この年は96試合の出場にとどまり、打率.242・1本塁打・18打点・2盗塁だった。

2014年は前年AAA級でMVPと新人王を獲得した有望株のクリス・オーウィングスが正遊撃手となったため、厳しい状況に置かれた。6月3日に左手親指の故障で15日間の故障者リスト入りした[14]。8月6日に復帰[15]後は、今度はオーウィングスが右肩痛で約2ヶ月の戦線離脱をしていたため、グレゴリウスが遊撃のポジションを務めており、遊撃・二塁のバックアップとして起用され、09年以来の三塁守備にも就いた。この年は68試合の出場で、打率.254・2本塁打・10打点・6盗塁と不本意なシーズンとなった。オフの12月28日にダイヤモンドバックスと327万5000ドルの1年契約に合意した[16]2015年シーズンも控えに甘んじる事が多く、自身の誕生日でもある6月15日の試合ではマイナー以来、メジャーでは初めて左翼手の守備に就き、補殺も1記録した。

ブルージェイズ時代 編集

2015年8月8日ウェイバー公示を経てマイナー選手1名とのトレードが成立し、トロント・ブルージェイズへ移籍した[17]。ブルージェイズでは内野のユーティリティとして33試合に出場したが、バッティング面では打率.160・2本塁打と結果を残せなかった。シーズン全体では3年ぶりに100超となる105試合でプレーし、打率.210・3本塁打・21打点・3盗塁という打撃成績だった。そして、リーグチャンピオンシップ(対カンザスシティ・ロイヤルズ)で、ポストシーズンではMLB史上初となる野手登録の選手が登板するという珍記録を樹立した[18]。オフの11月2日FAとなった[19]

エンゼルス時代 編集

2015年11月17日ロサンゼルス・エンゼルスと2年375万ドルの契約を結んだ[20]

2016年は控え内野手として二塁、遊撃をメインに起用された。74試合に出場し、打率.209・3本塁打・10打点・1盗塁という成績を記録した。守備面では、二塁の58試合が多く、1失策守備率.994・DRS + 3・UZR + 0.8、遊撃(17試合)では、1失策・守備率.983・DRS + 1・UZR + 0.9を記録した。

2017年オフの11月2日にFAとなった[21]

レッズ時代 編集

2018年2月15日シンシナティ・レッズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[22]。開幕はメジャーで迎えるも[23]4月26日に傘下のAAA級ルイビル・バッツへ降格[24]、さらに28日には40人枠外となった[25]。その後、5月18日に自ら契約解除を申し出て自由契約となった[26]

レンジャーズ傘下時代 編集

レッズを自由契約となった同日の2018年5月18日にテキサス・レンジャーズとマイナー契約を結び[27]、翌19日に傘下のAAA級ラウンドロック・エクスプレスへ配属された[25]

アスレチックス傘下時代 編集

2019年2月15日にオークランド・アスレチックスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加した[28]。3月14日には、東京ドームで行われるシアトル・マリナーズとの開幕シリーズに参加するメンバー30人に選ばれ[29]、来日した。17日と18日に行われた北海道日本ハムファイターズとのプレシーズンマッチではいずれも途中出場した。

ヤンキース傘下時代 編集

2019年4月4日にニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を結んだ[30]

ヤンキース傘下退団後 編集

2019年6月17日に母校のテキサスA&M大学のアシスタントコーチ就任が発表された[31]

プレースタイル 編集

俊足を生かした広大な守備範囲と強肩を持つも、メジャーではよくあるジャンピングスローをあまりしない堅実な守備で知られている[要出典]。2010年にはゴールドグラブ賞フィールディング・バイブル・アワードの候補にも名を連ねた。打撃は苦手で、狙い球を絞るゲスヒッタータイプ。規定打席以上では2011年の.264が自己最高となっている。本職は遊撃だが、二塁の方が守備成績が良く、また近年では、三塁や左翼の守備機会も増えている。

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2008OAK3611799142450029941211302181.242.339.293.632
20096022920827581134872175101901465.279.342.418.760
2010156576508641272686187462951235003967.250.319.368.687
2011148570515571362628190581498442111045.264.319.369.687
20121254624185090182613028156523502901.215.278.311.589
2013ARI9629926925651332621820212651547.242.310.309.618
2014682011772145511831061102003361.254.340.350.690
2015721571351532011381030421620294.237.314.281.595
TOR339275912302211100321101202.160.270.280.550
'15計1052492102444313592130742721496.210.298.281.578
2016LAA741881721836423531010301300554.209.265.308.573
2017872171942349603642131151601582.253.306.330.635
2018CIN16342914000400000500131.138.265.138.403
MLB:11年9713142279932467812021369482428428422026681561940.242.309.339.648
  • 2018年度シーズン終了時

記録 編集

MiLB

背番号 編集

  • 56(2008年 - 2009年途中)
  • 26(2009年途中 - 同年終了)
  • 2(2010年 - 2012年)
  • 4(2013年 - 2015年途中、2018年)
  • 9(2015年途中 - 同年終了)
  • 7(2016年 - 2017年)

脚注 編集

  1. ^ Explaining Angels Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年8月27日閲覧
  2. ^ A's select Cliff Pennington from Sacramento” (英語). MLB.com A's Press Release (2008年8月12日). 2014年12月31日閲覧。
  3. ^ Scores for Aug 12, 2008” (英語). ESPN MLB (2008年8月12日). 2014年12月31日閲覧。
  4. ^ A's Announce Final Roster Moves” (英語). MLB.com A's Press Release (2009年4月4日). 2014年12月31日閲覧。
  5. ^ A's recall IF Cliff Pennington from Triple-A Sacramento” (英語). MLB.com A's Press Release (2009年7月31日). 2014年12月31日閲覧。
  6. ^ A's Agree to Terms with All Pre-Arbitration Players”. MLB.com A's Press Release (2010年3月8日). 2014年12月31日閲覧。
  7. ^ A's Agree to Terms with All Pre-Arbitration Players” (英語). MLB.com A's Press Release (2011年2月27日). 2014年12月31日閲覧。
  8. ^ A’s Place Pennington on the Disabled List” (英語). MLB.com A's Press Release (2012年7月21日). 2014年12月31日閲覧。
  9. ^ A's reinstate Pennington from disabled list; option Figueroa to Sacramento” (英語). MLB.com A's Press Release (2012年8月8日). 2014年12月31日閲覧。
  10. ^ D-backs acquire Bell from Marlins, Pennington from Athletics” (英語). MLB.com D-backs Press Release (2012年10月20日). 2014年12月31日閲覧。
  11. ^ 2013年は125万ドル、2014年は275万ドルで、契約金は100万ドル。
  12. ^ D-backs avoid arbitration, agree to two-year deal with Pennington”. MLB.com D-backs Press Release (2013年1月30日). 2014年12月31日閲覧。
  13. ^ Cliff Pennington, D-backs finalize deal” (英語). ESPN MLB (2013年1月30日). 2014年12月31日閲覧。
  14. ^ D-backs Recall Didi Gregorius From Reno; Place Cliff Pennington On Disabled List”. MLB.com D-backs Press Release (2014年6月4日). 2014年12月31日閲覧。
  15. ^ D-backs reinstate Pennington from DL; option Schultz to Reno” (英語). MLB.com D-backs Press Release (2014年8月7日). 2014年12月31日閲覧。
  16. ^ Chris Haft (2014年12月29日). “D-backs avoid arbitration with Pennington” (英語). MLB.com. 2014年12月31日閲覧。
  17. ^ Marty Gitlin (2015年8月8日). “SS Cliff Pennington dealt from Diamondbacks to Jays” (英語). CBS Sports FANTASY. CBS Sports. 2015年11月17日閲覧。
  18. ^ Bジェイズ大敗で3敗目…ペニントン PS史上初の野手登板も”. スポーツニッポン (2015年10月22日). 2018年3月18日閲覧。
  19. ^ Transactions | bluejays.com” (英語). MLB.com (2015年11月2日). 2015年11月3日閲覧。
  20. ^ Alden Gonzalez (2015年11月17日). “Pennington inks 2-year contract with Angels” (英語). MLB.com. http://m.mlb.com/news/article/157545276/cliff-pennington-signs-2-year-deal-with-angels 2015年11月18日閲覧。 
  21. ^ Key free agents for all 30 MLB teams MLB.com (英語) (2017年11月5日) 2017年12月30日閲覧
  22. ^ Mark Sheldon (2018年2月15日). “Reds ink Pennington to Minor League deal” (英語). MLB.com. 2018年3月18日閲覧。
  23. ^ Reds' Cliff Pennington: Makes Opening Day roster” (英語). CBS Sports (2018年3月24日). 2018年4月30日閲覧。
  24. ^ Mark Sheldon (2018年4月26日). “Suarez returns from fractured thumb” (英語). MLB.com. 2018年4月30日閲覧。
  25. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2018年5月22日閲覧。
  26. ^ Jeff Todd (2018年5月18日). “Reds Release Cliff Pennington” (英語). mlbtraderumors.com. 2018年5月22日閲覧。
  27. ^ Jeff Todd (2018年5月18日). “Rangers Sign Cliff Pennington” (英語). mlbtraderumors.com. 2018年5月22日閲覧。
  28. ^ transaction”. MLB.com (2019年2月15日). 2019年3月21日閲覧。
  29. ^ アスレチックスが本塁打王・デービスら来日メンバー30人を発表”. MLB.jp (2019年3月14日). 2019年3月21日閲覧。
  30. ^ transaction”. MLB.com (2019年4月15日). 2019年4月15日閲覧。
  31. ^ Perroni, Brian (2019年7月17日). “After 11-year MLB career, Pennington returns to A&M baseball”. 247Sports.com. 2020年10月11日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集