二塁打

野球において安打で二塁まで到達した記録

二塁打(にるいだ)とは、野球ソフトボール打者が打った安打のうち、打者走者が一度に二塁まで進んだ場合を指す。

概要 編集

ツーベース(ヒット)とも呼ばれる。なお、アメリカの「Official Baseball Rules」(日本でいう公認野球規則にあたる)での表記は"two-base hit"だが、一般的には"double"という呼称が定着している。日本ではスライディングせずに二塁へ到達する、余裕のある二塁打のことを「スタンディングダブル」と表現することがあるが、これは和製英語であり、本来の英語では"stand-up double"と言う。

打球がグラウンド(フェアゾーン)に一旦落ちてからフェンスを超えるなどして野手がこれ以上追うことができない場所に出た場合(ファウルゾーンに面した客席に入った場合や、フェンスの隙間に挟まった場合も含む)には、ボールデッド(一時中断)となって打者走者を含む全ての走者に2個の安全進塁権が与えられる。この場合、打者には二塁打が記録され、これを日本ではエンタイトルツーベース(英語圏では"ground rule double")と呼んでいる。ただし、三塁走者がサヨナラの得点者となった場合には単打となるほか、サヨナラエンタイトル二塁打となる場面でも打者自身が二塁に到達しなければ単打となる[1]。また、打者走者が三塁への進塁(三塁打)を試みて三塁ベース到達前に刺殺でアウトになった場合でも打者には二塁打が記録され、凡打扱いにはならない。

なお、打者が二塁まで進むことができても、その進塁に野手の失策野手選択によるものが含まれていた(と記録員が判断した)場合は二塁打ではなく、単打と失策(野手選択)による進塁と記録される。

日本プロ野球 編集

個人通算記録 編集

  • 記録は2023年シーズン終了時点[2]

シーズン記録 編集

個人 編集

順位選手名所属球団二塁打記録年備考
1谷佳知[3]オリックス・ブルーウェーブ52[3]2001年[3]パ・リーグ記録
2福浦和也千葉ロッテマリーンズ502003年左打者記録
3P.クラーク近鉄バファローズ481998年
C.マギー読売ジャイアンツ2017年セ・リーグ記録
5山内一弘毎日オリオンズ471956年
福留孝介中日ドラゴンズ2006年セ・リーグ左打者記録
7松井稼頭央西武ライオンズ462002年両打者記録
8大沢清大洋ホエールズ451950年
松原誠大洋ホエールズ1978年
森野将彦中日ドラゴンズ2010年
  • 記録は2023年シーズン終了時点[4]

チーム 編集

順位チーム二塁打記録年
1北海道日本ハムファイターズ2902009年
2千葉ロッテマリーンズ2832003年
3千葉ロッテマリーンズ2802008年
4千葉ロッテマリーンズ2782004年
千葉ロッテマリーンズ2005年
6福岡ソフトバンクホークス2762003年
7埼玉西武ライオンズ2702008年
8千葉ロッテマリーンズ2602014年
9大洋ホエールズ2581950年
オリックス・バファローズ2008年

その他の記録 編集

個人 編集

記録選手名所属球団記録年月日
連続シーズン二塁打27年谷繁元信中日ドラゴンズ1989年 - 2015年
連続試合二塁打7試合金子誠北海道日本ハムファイターズ2009年4月7日 - 4月15日
近藤健介北海道日本ハムファイターズ2021年9月30日 - 10月7日
連続打席二塁打5打席牧秀悟横浜DeNAベイスターズ2021年10月23日 - 10月26日
月間最多二塁打16本W.クロマティ読売ジャイアンツ1985年5月
1試合最多二塁打4本門前眞佐人大阪タイガース1937年6月13日
藤井勇大洋ホエールズ1951年8月5日
基満男大洋ホエールズ1979年5月9日
渡辺進ヤクルトスワローズ1981年9月24日
高沢秀昭ロッテオリオンズ1984年5月30日
大野久福岡ダイエーホークス1992年7月5日
イチローオリックス・ブルーウェーブ1994年9月11日
柴原洋福岡ダイエーホークス2001年4月29日
井口資仁福岡ダイエーホークス2003年7月26日
糸井嘉男北海道日本ハムファイターズ2010年6月15日
岩村明憲東京ヤクルトスワローズ2014年6月14日
雄平東京ヤクルトスワローズ2017年5月7日
近藤健介北海道日本ハムファイターズ2020年10月15日
1イニング最多二塁打2本記録多数
最年長二塁打46歳8か月浜崎真二阪急ブレーブス1948年8月17日

チーム 編集

記録チーム記録年月日
連続打者二塁打5打者広島東洋カープ1986年6月3日
1試合最多二塁打11本読売ジャイアンツ1948年10月16日
東北楽天ゴールデンイーグルス2013年8月4日
1イニング最多二塁打7本東北楽天ゴールデンイーグルス2013年8月4日

メジャーリーグベースボール 編集

個人通算記録 編集

  • 記録は2023年シーズン終了時点[5]

個人シーズン記録 編集

順位選手名所属球団二塁打記録年備考
1アール・ウェッブボストン・レッドソックス671931年ア・リーグ記録
2ジョージ・バーンズクリーブランド・インディアンス641926年右打者記録
ジョー・メドウィックセントルイス・カージナルス1936年ナ・リーグ記録
4ハンク・グリーンバーグデトロイト・タイガース631934年
5ポール・ウェイナーピッツバーグ・パイレーツ621932年ナ・リーグ左打者記録
6チャーリー・ゲーリンジャーデトロイト・タイガース601936年
7トリス・スピーカークリーブランド・インディアンス591923年
チャック・クラインフィラデルフィア・フィリーズ1930年
トッド・ヘルトンコロラド・ロッキーズ2000年
フレディ・フリーマンロサンゼルス・ドジャース2023年

脚注 編集

  1. ^ 【記録員コラム】エンタイトル二塁打なのに・・・ - NPB(日本野球機構)公式サイト
  2. ^ 歴代最高記録 二塁打【通算記録】 - NPB.jp 日本野球機構
  3. ^ a b c “与えたい「打席での勇気」 6年ぶりの現場復帰、谷佳知氏が伝えたい打撃の真髄”. full-count. (2021年2月18日). https://full-count.jp/2021/02/18/post1052258/2/ 2021年10月7日閲覧。 
  4. ^ 歴代最高記録 二塁打【シーズン記録】 - NPB.jp 日本野球機構
  5. ^ baseball-reference - 通算成績の詳細(メジャーリーグ)(英語)
  6. ^ baseball-reference - シーズン記録の詳細(メジャーリーグ)(英語)

関連項目 編集