この記事の共著者 : Francine Miller. フランシーン・ミラーはカリフォルニア州サンディエゴにある「Call Ms Behaving」の設立者で、同社では犬と猫の問題行動に関するカウンセリングを行っています。 応用動物行動カウンセラーとして16年以上の経験を有し、専門は攻撃的行動、分離不安症、恐怖症、恐怖反応、破壊行動、尿マーキング、強迫性障害の治療。陽性強化のみを用いた行動管理プランと修正プランに基づく指導を行っています。アメリカン・カレッジ・オブ・アプライドサイエンス(ACAS)にて犬の行動カウンセリングを学び学位を取得。 同大学にて応用動物行動科学とファミリーカウンセリング(ペットを持つ家庭専門)の修士号課程を修了。国際動物行動コンサルタント協会(IAABC)の認定準会員、ペットプロフェッショナル協会の会員でもあります。
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野猫は人間との接触はほとんど、あるいは全くありません。野猫の多くは野生で生まれますが、中には飼い主に捨てられたり、迷子になってしまった家猫もいます。[1] どのような経緯であっても、野猫や野良猫は一般的に人間との接触を恐れて(最初のうちは特に)膝にすり寄ってくるどころか、引っ掻いたり噛みついてくる可能性が高いでしょう。[2] この恐怖心から、野猫を飼い慣らすのは難しいとされています。[3] それでも野猫を飼い慣らしたいと決心したら、それにはかなりの時間と忍耐力が必要になります。
ステップ
- 野猫用の部屋を用意する 野猫があなたや新しい環境に少し馴染むまでは、閉め切った部屋で世話をするべきでしょう。 住人や他のペットが立ち入らないバスルームなど、小さくて静かな部屋を用意しましょう。[4][5] 部屋には猫用のトイレ、餌入れと水入れ、そして、おもちゃをいくつか置いておきましょう。[6]
- 猫が逃げ出さないように、部屋の窓やドアがきちんと閉まっているか、また、猫が通り抜けられるような穴や隙間がないかどうかを確認しましょう。[7]
- 部屋に棚などの家具がある場合、猫が倒してしまいそうなものは全て取り除いておきます。[8]
- 猫の隠れ場所(例:段ボール箱を逆さまにして穴を開ける)を作りましょう。[9]
- 少なくとも最初の数日間は、有機の鉢植え用の土をトイレとして使うと良いでしょう。野猫は普通の猫砂よりも土の方が慣れているはずです。[10]
- 天井の照明をつけるより、薄暗い常夜灯で部屋を照らしましょう。野猫は暗い方が新しい環境でより安心に過ごすことができるでしょう。[11]
- 人間の匂いに慣れさせるため、着古した衣類(くつ下やスウェットなど)を部屋に置いておきましょう。[12]
- 野猫が新しい部屋で落ち着くまで、少なくとも数時間は必要です。[13]
- ペット用キャリーバッグと捕獲器を部屋に置く 予防接種、寄生虫の駆虫、猫白血病ウイルス(FeLV)と猫免疫不全ウイルス(FIV)の検査など、必要な医療処置を受けるために野猫を動物病院へ連れて行きましょう。 野猫を運ぶ時は、おそらく捕獲器よりもキャリーバッグの方が楽にできるでしょう。[14]
- キャリーバッグのドアは開けておき、中に毛布を敷き、おやつを置いて野猫を安心させてあげましょう。
- 捕獲器とキャリーバッグの上にタオルをかぶせて、猫が安心できる隠れ場所を作ってあげると良いでしょう 。
- 屋外で餌を与える 野猫の飼い慣らしは家の中で行うべきですが、人間との接触に怯える野猫を自宅へ連れ込むのは大変なことです。[19] 屋外で餌をあげれば、野猫はあなたを信用し始めるか、[20] 少なくとも餌が貰えることを信用するようになるでしょう。
- 毎日同じ時間に餌を与えましょう。
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- 猫には触れずに一緒に過ごす しばらくして野猫が落ち着いてきたら、人間との接触に慣れさせるために交流を始めましょう。引っ掻かれたり噛みつかれないように、部屋に入る際には長袖の服、長ズボン、手袋、靴を着用しましょう。[21] 万が一、猫に飛びつかれた場合に備えて、静止できるように段ボールを用意しておくと良いでしょう。[22]
- 毎日ほぼ同じ時間に一緒に過ごすようにしましょう。日課にすると猫が新しい環境に馴染むことができます。[23]
- ドアを開ける前にノックをし、部屋にゆっくり入ります。[24][25]
- トイレの掃除をしたり、餌と水入れを取り換えるなどの世話をする時には、静かに話しかけるようにしましょう。[26]
- 野猫をじっと見たり、目を合わせてはいけません。猫はこれを敵意として受け止める可能性があります。代わりに、目をそらして頭を低くしましょう。[27]
- 慣れてきたら、朝と晩のそれぞれ1時間ほど猫の側に座り、話しかける以外に、読書をしたり静かにパソコンで仕事をするなどしてみましょう。[28][29]
- 最初は猫に触らないようにし、猫のペースに合わせてあげましょう。 触ろうとすると、噛まれたり、引っ掻かれたり、シャーっと威嚇されるかもしれません。
- ボディーランゲージを観察する 野猫の取り扱いには危険を伴います。恐怖のあまり、とっさに守りの姿勢に入って攻撃してくるかもしれません。ボディーランゲージをよく観察すれば、猫が人間との接触において距離を縮めることに抵抗がないかどうかが分かるでしょう。猫にまだ準備ができていない時は、体を小さくしてシャーっと威嚇し、耳とヒゲを後ろに伏せたりします。
- 触られたくない場合は、シャーっと唸って威嚇するかもしれません。
- 猫の側にいる時、猫が比較的落ち着いているようであれば、おそらく触られる心の準備ができている良い兆候です。
- 野猫をなでる いよいよ野猫をなでる時は、受け入れてくれるか、または攻撃してくるか、決定的瞬間と言えるかもしれません。手の近くにおもちゃを置き、手は床に平らにして置きます。猫が近づいて来て匂いを嗅ぎ、あなたの手を鼻でつついてきたら、それを合図に手をゆっくりと持ち上げ、猫の目の高さに出してみましょう。[37]
- 野猫を抱っこする 野生化した子猫の場合、子猫がなでられることに慣れてきたら、抱っこして自分の膝の上に乗せてみましょう。けれども、子猫はまだ野生の動物であることを忘れてはいけません。引っ掻かれたり噛まれたりしないように、ゆっくりと優しくタオルで包んであげましょう(首の後ろをつかむためのスペースを空けておく)。[42]
- グルーミングをする 野猫へのグルーミングは人間との接触や扱いに慣れさせるだけでなく、皮膚や毛並みを健康な状態に保つ効果もあります。毛先が柔らかいペット用のブラシでブラッシングをしてあげましょう。[47] ノミを除去するノミ取り用のくしでとかしてあげることもできます。[48]
- くしやブラシは近所のペットショップで購入できます。
- 野生の子猫にノミが蔓延すると、命取りとなる貧血を引き起こす可能性があり、非常に危険です。[49] ノミ取り用のくしでとかすことに加えて、獣医師が処方するノミ予防薬の服用も必要です。
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- おおよその年齢を特定する 野猫の年齢におおよその見当をつけておけば、飼い慣らすのが簡単か難しいかを知ることができます。野猫でも特に生後10〜12週間未満の子猫であれば、飼い慣らすのは簡単なことが多いでしょう。[53] すでに長い間野猫として生きてきた生後12週間以上の猫は、飼い慣らすことができたとしても非常に難しいでしょう。[54]
- 野生の子猫は、離乳ができる生後約6〜8週間までは、母猫から引き離すべきではありません。専門家の間では、飼い慣らされた母猫から生まれた子猫の場合、引き離すのは生後13週目以降が適切なタイミングであると意見が大きく一致しています。母猫が野生の場合は、子猫は6〜8週間で引き離すのが理想的です。野生の母猫と長くいると、子猫は野生の行動を覚えてしまい、飼い慣らすのにも時間がかかるでしょう。一緒に生まれてきた子猫同士が学び合えるように、少なくとも数週間は一緒にしておきましょう。[55]
- 野生の子猫が母猫と一緒にいたら両方を同時に捕獲します。子猫が離乳できるようになる、通常約6〜8週間までは家の中で一緒に飼いましょう。動物保護施設などに連絡し、母猫の避妊手術を済ませてから元々いた場所へ戻してあげましょう。
- 野猫を飼い慣らす能力を見極める 野猫を飼い慣らすことは難しく、上手くいく保証もありません。野猫を飼い慣らすのは困難な上に時間もかかります。野生の子猫は早ければ2〜6週間で飼い慣らすことができますが、[56] 成猫の場合は1年以上かかるかもしれません。
- 野猫を家に慣れさせて交流をするには、1日に数時間、何ヶ月にも渡って時間を費やす必要があるかもしれません。これだけの時間を毎日費やすことができるのか、自分に正直になって考えてみましょう。
- 野猫の治療費はおそらく高額になるため、治療費を払えるだけの金銭的余裕があるかどうか判断しましょう。
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ポイント
- 飼い続ける意思がない限り、野猫を手なずけようとするべきではありません。
- 野猫を手なずけられないからといって、がっかりすることはありません。全ての野猫が人間と暮らせるようになるとは限りません。[57]
- 飼い慣らされた野猫であっても、1匹でいることを好むかもしれません。その場合は距離を取って放っておいてあげましょう。[58]
- 野猫は飼い慣らした人にしかなつかない傾向があるため、人に譲るのには適していません。
- 違和感を感じなければ、優しくそっとなでてあげましょう。
- 野猫を捕獲したり扱いに不安がある場合は、獣医師や地域の動物保護施設などに相談してみましょう。慎重に行わないと引っ掻かれたり噛まれたりして、病気の原因になる可能性があります。
注意事項
- 野猫は野生動物です。野猫との接触には十分注意をしないと、簡単に引っ掻かれたり噛まれることがあります。野猫の捕獲や扱いに抵抗がある場合は、獣医師、または地域の動物保護施設に相談しましょう。
- 野猫は風雨にさらされたり、感染症にかかったり、他の動物から襲われるなど、様々な条件に影響を受けやすく、野生の子猫では死亡率がほぼ50%に達します。[59]
出典
- ↑ http://www.feralcat.com/taming.html
- ↑ http://www.vetstreet.com/our-pet-experts/can-feral-cats-ever-truly-be-tamed
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- ↑ https://www.aspca.org/animal-homelessness/shelter-intake-and-surrender/closer-look-community-cats
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