英語論文に参考文献を記載する方法

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英語で論文を書く際は、本文と参考文献一覧のフォーマット(形式)を考慮する必要があります。フォーマットにはMLA(Modern Language Association)、APA(American Psychological Association)、さらにChicagoといった複数の種類があります。どれも、独自のルールが決められています。ふつうはこれら3種類の全てに精通する必要はありませんが、アカデミックな文章を作成する分野に関わっているのであれば、少なくとも1つは学んでおかなければならないでしょう。この記事では3種類の形式を1つずつ説明します。論文執筆の参考にしましょう。本文は日本語での説明になっているので、使用例はこちら(英語)を参照すると、より分かりやすいでしょう。

方法 1
方法 1 の 3:

MLA形式を用いる

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  1. How.com.vn 日本語: Step 1 本文中に出典情報を記す 
    MLA形式の場合、本文中には括弧の内側に短く出典情報を記載し、本文の最後に「Works Cited(文献一覧)」として引用した文献の全てをアルファベット順に一覧にまとめます。論文を執筆しながら、都度、その情報をどこから入手したのかを含めることで、剽窃(他者の見解を自分の見解であるかのように見せること)を避けましょう。
    • 独自に考えついたわけではない情報を含む文を1つ書くごとに(あるいは、連続する複数の文にわたって引用している場合は、その最後に)出典情報を掲載する必要があります。情報とは、言い換え、事実、統計情報、引用句、事例などが含まれます。
    • MLA形式で文中引用を行う場合は、出典元の著者の苗字(著者がいない場合は文献のタイトル)、そのあとにページ番号を含めれば完了です。苗字とページ番号の間にカンマは必要ありません。例えば、「(Richards 456)」となっていれば、Richardsが著者の苗字、456がページ番号ということになります。
    • 著者(著者名がなければタイトル)はあるものの、ページ番号がないという場合は、著者の苗字(あるいはタイトル)のみを用いましょう。
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 情報を集める 
    MLA形式で論文を執筆する際は、各文献ごとに特定の情報が必要になります。著者名、出版元、出版年、ページ番号などが含まれます。
    • 調べながら文献情報を集めていくのであれば、その文献の著作権情報をコピーしてワード文書に貼り付けてためていく、という方法が最も簡単でしょう。あるいは、ノートに書き出しておくこともできます。
    • どのような出典でも、著者名(複数の場合もあります)、出版年(あるいは年月日)、出版社、ページ番号、巻や版の番号、ウェブサイト、ウェブサイトにアクセスした年月日、その他に著作権情報に含まれている情報が必要です。つまり、自分の論文を読んだ人物が誰であっても、同じ文献を見つけられるようにすることが大切です。[1]
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 出典情報をまとめる 
    本文の執筆が完了したら、提出あるいは出版する前に、「Works Cited」という名目の文献一覧をつける必要があります。これは巻末に掲載するものです。
    • 例えば、MLA形式で一般書籍の出典を記す場合は、著者の苗字(カンマ)著者の名前(ピリオド)、書籍名(斜体、末尾にピリオド)、出版された都市(コロン)、出版社(カンマ)、出版年(ピリオド)、媒体の種類(ピリオド)というように掲載します。
    • ウェブサイトの出典情報は、次にようになります。著者が不明なら、ページ名から書き始めましょう。苗字(カンマ)、名前(ピリオド)、ページ名(ダブルクオテーションマークでくくり、その内側にピリオド)、ウェブサイト名(斜体、末尾にピリオド)、掲載された年月日(ピリオド)、媒体の種類(ピリオド)、アクセスした日付(ピリオド)となります。
    • 学術論文は次のようになります。苗字(カンマ)、名前(ピリオド)、論文名(ダブルクオテーションマークでくくり、内側にピリオド)、学術ジャーナル名(斜体、末尾にピリオド)、巻(ピリオド)、版、括弧でくくられた出版年、さらに、コロンを挟んで、ページ番号あるいは範囲(ピリオド)、媒体の種類(ピリオド)と続きます。
    • 書籍、雑誌、ジャーナル、ウェブサイトなど、文献が収録されている総合的な作品の名前は斜体で(手書きの場合は下線を引きます)掲載します。
    • 章や記事タイトルはダブルクオーテーションマーク(””)でくくります。
  4. How.com.vn 日本語: Step 4 アルファベット順に一覧を作る 
    参考文献の一覧は著者の苗字に基づいてアルファベット順に掲載しましょう。.
    • 著者名がない文献(ウェブサイトに多くみられるケースです)は、苗字と名前を飛ばし、ウェブページのタイトルから開始しましょう。
    • 文献の著者名であってもタイトルであっても、頭文字を基準にアルファベット順にします。
  5. How.com.vn 日本語: Step 5 形式を整える 
    行間を2にし、文献一覧の名前を「Works Cited」とします。
    • 文献一覧は新しいページから開始します。フォントはTimes New Roman、フォントサイズは12、さらに「Works Cited」という文言が中央揃えになるように配置します。
    • どの文献もぶら下げインデントを用います。つまり、同じ文献情報の2行目以降は0.5インチインデントされた状態になります。
    • 文献1件ごとにピリオドを打ちましょう。つまり、1つの文献情報の末尾には必ずピリオドがあります。
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方法 2
方法 2 の 3:

APA形式を用いる

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  1. How.com.vn 日本語: Step 1 本文中に出典情報を記す 
    APA形式では、括弧を用いた文中引用を、さらに巻末では「References(参考文献)」という出典の一覧(アルファベット順)が必要となります。剽窃(1種の犯罪行為)扱いとならないようにするためにも、出典元の情報を必ず掲載しましょう。
    • 参考文献によって初めて知った情報が含まれる文の末尾には(連続する複数の文にわたって引用している場合は、その最後に)、括弧で出典元の情報を必ず添えましょう。
    • APA形式の文中引用では、著者(著者名が分からない場合は文献タイトル)と出版年を掲載すれば完了です。また、その間をコンマで区切る必要はありません。つまり、「(Richards 2005)」となっている場合、Richardsが著者の苗字、2005が出版年ということになります。
    • 著者名(あるいは著作名)は分かっているものの、ページ番号は分からないという場合は、単純に著者の苗字(あるいはタイトル)を用いましょう。ウェブサイトで多く見られるケースです。
    • APA形式を用いる際は、書式設定も重要な要素となります。APA形式の論文は、タイトルページ、要約、本文、参考文献一覧という4つに区分されています。文献情報の一覧は「References」という名前で論文の一番最後に添えられます。[2]
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 情報を集める 
    収集した情報を含む文献は全て著作権情報を書き留めておきましょう。参照した情報は、そうであることが分かるようにメモしておきましょう。執筆の過程で言い換えを想像以上に頻繁に行っていることに驚くかもしれません。言い換えた内容を元々どこで見つけたのかが分からなくなることもないとは言い切れません。
    • APA形式で参考文献一覧を作成する際は、著者名、出版年(あるいは年月日)、ウェブサイトのURL、そのウェブサイトにアクセスした年月日、タイトルといった情報が必要になります。[3]
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 一覧を整理する 
    MLA形式と同様に、出典情報はアルファベット順に並べ、それぞれ2行目以降はぶら下がりインデントを用います。
    • 例えば、学術ジャーナルの場合は次のようになります。著者の苗字(カンマ)、名前(ピリオド)、出版年(括弧でくくり、外側にピリオド)、記事あるいは章のタイトル(ピリオド)、ジャーナル名あるいは書籍名(斜体で、さらにカンマ)、版(斜体で、さらにカンマ)、ページ範囲(ピリオド)となります。[4]
    • 書籍の場合は、著者の苗字(カンマ)、著者の名前(ピリオド)、出版年(括弧でくくり、外側にピリオド)、書籍名(斜体で、さらに副題がある場合はコロンで挟み付け加える、最後にピリオド)、出版年(コロン)、出版社(ピリオド)となります。
    • 出典がウェブサイトである場合は、著者Aの苗字(カンマ)、著者Aの名前のイニシャル(ピリオド、次にコンマ)、&、著者Bの苗字(カンマ)、著者Bの名前のイニシャル(ピリオド)、公開された年月日(括弧でくくり、外側にピリオド)、記事の名前(ピリオド)、「In」という文言の後に続けてその記事が収録されている全体のウェブサイト(斜体で、最後にピリオド)、「Retrieved from」という文言の後に続けてURLのアドレス(ピリオド)となります。
  4. How.com.vn 日本語: Step 4 書式を整える 
    行間は2にします。「References」というタイトルを中央揃でページの上部に配置しましょう。右側にページ番号を添え、論文のタイトルを短縮したものをを全て大文字でページの左に添えましょう。[5]
    • 著者の名前の先頭文字と名前のイニシャルは大文字で記載し、最後にピリオドを打ちます。
    • 学術ジャーナルのタイトルは先頭の1文字のみを大文字にします。センテンス・ケースと呼ばれる方法です。ただし、途中に固有名詞が含まれている場合は、それも頭文字を大文字にします。書籍名は実物と同じ方法で大文字化しましょう。
    • 出版された都市名の頭文字を大文字にします。また、米国の州が含まれる場合は正しい短縮表記を用いましょう。出版社名の頭文字も大文字にし、その文献情報の末尾にはピリオドを打ちます。
    • 書籍、ジャーナル、ウェブサイト、雑誌といった、参考にした文献が収録されている総合的な作品のタイトルと、その後に続く版の番号には斜体(手書きの場合は下線)を用います。記事や章といったより短い作品のタイトルは、APA形式では、そうであるということを示す句読点は用いられません。[6]
    • 1件ずつ、最後はピリオドを打ちましょう。
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方法 3
方法 3 の 3:

Chicago形式を用いる

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  1. How.com.vn 日本語: Step 1 本文中に出典情報を記す 
    Chicago形式(Chicago Manual of Style、あるいはCMOSとも呼ばれています)では、「Notes and Bibliography(注釈と参考文献一覧)」という方法、さらに「Author Date(著者と年)」という2種類の方法が用いられています。文中の引用方法はこの2種類のどちらを選択するのかによって変わります。
    • 「Notes and Bibliography」方法を選ぶ場合は、引用をするたびに文章に上付き文字の番号を添え、それに紐づけられたフットノート(ページ下の脚注)を含めることが求められます。フットノートはエンドノート(巻末注)として参考文献一覧と同様に論文の最後にまとめられます。[7]
    • 「Author Date」方式を用いる場合は、文中に著者の苗字と出版年を括弧でくくり引用します。苗字と年の間に句読点は必要ありません。文中で引用された文献は、論文の最後に参考文献一覧(「References」)として完全な出典情報をアルファベット順に掲載します。例として「(Simon 2011)」と記載されているのであれば、Simonが苗字、2011が年であることがわかります。
    • 引用が用いられている文(複数の連続した文にわたって引用されているのであれば、その最後に)出典元の情報を掲載することが求められます。自分の言葉で言い換えた情報、事実、統計情報、引用句、事例などが当てはまります。
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 情報を集める 
    論文執筆のための調べ物をしながら、使用する文献の情報を書き留めておくようにしましょう。これには、文献名、出版年(あるいは公開された年月日)、巻や版の番号、出版された都市、ウェブサイトのアドレス、さらにオンライン上の資料であればアクセスした年月日も含まれます。.
    • 書籍を用いる際は、著作権情報が掲載されているページから必要な情報を書き出しておきましょう。出版社名、出版された都市、さらに出版年も含まれます。
    • その他の文献では、タイトルが記載されているページにこれらの情報も含まれていることが多いので探してみましょう。オンライン上の文献は、公開された年月日がそのページの一番下に明記されていることが多いでしょう。
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 指示があった場合は「Notes and Bibliography」形式を用いる 
    この方式は人文科学分野(文学、歴史、芸術)の分野で好んで用いられます。もう一方の「Author Date」方式では含まないような詳細も逃さず、幅広い種類の文献を記録することができます。[8]
    • 参考文献一覧は「Bibliography」と名づけ、このタイトルがページ上部に中央揃えで表示されるように配置します。2行空け、1件目の文献を記載します。1行空け、次の文献を記載します。
    • この方式を用いる際は、各ページの下部分はフットノートが、章の末尾にエンドノートが必要となります。「Bibliography」とは、全ての文献がアルファベット順に一覧になったもので、ぶら下がりインデントが用いられています。
    • 書籍の場合は、例えば次のようになります。苗字(カンマ)、名前(ピリオド)、書籍名(ピリオド)、都市(コロン)、出版社(カンマ)、出版年(ピリオド)
    • 印刷媒体としての本の章、あるいは学術ジャーナルに掲載されている記事の場合は次のようになります。著者の苗字(カンマ)、名前(ピリオド)、章あるいは記事のタイトル(ダブルクオーテーションでくくり、その内側にピリオド)、章が収録されている書籍あるいは記事が掲載されているジャーナルの名前(斜体で)、版の番号、出版年(括弧でくくり、コロン)、ページ範囲(ピリオド)。オンラインジャーナルの場合は、文献情報の最後に、アクセスした年月日(ピリオド)、URLアドレス(ピリオド)を追加します。
    • ウェブサイトの場合は次のようになります。ウェブサイトの名前(ピリオド)、ウェブページの名前(ダブルクオーテーションでくくり、その内側にピリオド)、最後に更新された年月日(ピリオド)、アクセスした年月日(ピリオド)、URLアドレス(ピリオド)
      • 著者名が分からなければ、そのウェブページ、章、記事などのタイトルから書き始めましょう。
      • 複数の著者が含まれる場合は、1人目の著者名を苗字、名前という順で掲載しましょう。こうすることで、出典情報一覧でもアルファベット順に並べることが可能になります。2人目以降の著者名は名前、苗字の順に記載します。例えば、「Alcott, Louisa May, Charles Dickens, and Elizabeth Gaskell」のように記します。
    • 1件ごとに必ずピリオドを打ちましょう。
  4. How.com.vn 日本語: Step 4 指示があった場合は「Author Date」方式を用いる 
    この方式は、物理科学、自然科学、社会科学などの科学分野で好まれています。2通りの中で、より簡潔な方法です。
    • この方法を用いる際は、参考文献一覧は「References」というタイトルをページ上部に中央揃えで配置します。タイトルの下は2行開け、1件目の文献を記載します。さらに1行空けて次の文献に移ります。
    • この「References」では著者名(著者名が不明の場合はタイトル)をアルファベット順に記載していきます。同じ文献の情報が複数行に及ぶ場合は、ぶら下がりインデントを用います。
    • 書籍の場合は次のようになります。著者の苗字(カンマ)、名前(ピリオド)、年(ピリオド)、書籍名(斜体、最後にピリオド)、出版された都市(コロン)、出版元(ピリオド)
    • 印刷媒体の学術ジャーナルに掲載されている章の場合は次のようになります。著者の苗字(カンマ)、名前(ピリオド)、出版年(ピリオド)、章あるいは記事のタイトル(ダブルクオーテーションでくくり、その内側にピリオド)、書籍あるいはジャーナルの名前(斜体)、版の番号(コロン)、ページ範囲(ピリオド)です。オンライン上の学術ジャーナルであれば、さらに、アクセスした年月日(ピリオド)、URLアドレス(ピリオド)を付け加えます。
    • ウェブサイトは次のように記載します。ウェブサイトの名前(ピリオド)、年(ピリオド)、ページのタイトル(ダブルクオテーションでくくり、その内側にコンマ)、最後に更新された年月日(ピリオド)、アクセスした年月日(ピリオド)、URLアドレス(ピリオド)です。
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ポイント

  • 論文などのアカデミックな文書を、ここで紹介した形式の1つを用いて執筆するのであれば、その形式のマニュアルを購入する必要があるでしょう。マニュアルには、あらゆる種類の文献の引用や出典情報の記載方法だけでなく、その形式特有の書式設定、文法、句読点の用い方に関する説明も含まれています。
  • 参考文献情報を1件ずつ手入力する手間を省くこともできます。文献管理ソフトウェアをダウンロードして活用しましょう。例えばEndnote[9](パッケージを購入する必要があります)、Zotero[10](こちらは無料です)、あるいはbibme.orgeasybib.comといったウェブサイトを使うこともできます。自分がどの形式を用いるのかを決め、その形式に設定してから使い始めましょう。文献管理ソフトに入力されている情報はコピーアンドペースト(あるいはドラッグアンドドロップ)で簡単に文献一覧に付け加えることができます。
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注意事項

  • この記事では、それぞれの形式を用いた文献の引用方法のみを説明しています。形式ごとに論文の書式の設定(見出し、行間、余白、フォントなど)などの条件が決まっているので注意しましょう。
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このHow.com.vn記事について

How.com.vn 日本語: Alexander Peterman, MA
共著者 ::
受験家庭教師
この記事の共著者 : Alexander Peterman, MA. アレクサンダー・ピーターマンは2017年にフロリダ大学大学院にて教職修士号を取得後、同州で家庭教師をしています。 この記事は18,033回アクセスされました。
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