ホラー小説を書き始める方法

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個人の楽しみとしてでも、または授業の興味深い課題の1つとしてでも、オリジナルのホラー小説を書いてみましょう。ホラー小説を書く上で難しいポイントの1つが、おそらく物語のはじまり、つまり冒頭部分を書くことです。オリジナルのホラー小説を書き始める際は、物語の構想を練り、インパクトのある冒頭部分を生み出すところからスタートしましょう。物語を書き終えた後、物語の残りの部分に合わせて、できるだけ魅力的な冒頭部分になるよう修正を施していきます。

パート 1
パート 1 の 3:

物語の構想を練る

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  1. How.com.vn 日本語: Step 1 怖いものや不快に感じるものを書き出す 
    自分が最も恐れているものや、その他の恐怖を感じるものを思い浮かべてみましょう。友人を失うことや高い所、ピエロやマジックテープが怖いなど、様々な恐怖があるはずです。書き出したら、これらの恐怖を基に掘り下げ、物語のアイデアを練っていきましょう。
    • 自分が恐怖を感じるものを、怖くて気味の悪い物語の題材にしてみましょう。これらの恐怖に直面することになった場合、1人のキャラクターとしてどのように反応するかを考えてみます。
    • 家族や友人、パートナーに、一番怖いものや不快に感じるものは何かを尋ね、その答えを参考に物語を考えてもよいでしょう。
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 平凡なシチュエーションをおぞましいシーンにする 
    公園に散歩に行ったり、食事の準備をしたり、友人を訪ねたりするような、ごく普通の日常のシチュエーションを利用して、そこに恐ろしい要素を加えてもよいでしょう。想像力を駆使し、ごく普通の日常的な行動やシーンに、ゾッとするようなひねりを加えます。[1]
    • 例えば、朝の公園を散歩している時に切断された耳を発見したり、夕食のために切った野菜が指や触手に変わったりするという具合に想像してみます。創造的になって、当たり前のように見える状況をどう捻じ曲げ、ひねりを加えられるか考えてみましょう。
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 ゾッとするような設定でキャラクターたちを追い込む 
    主人公の動きを制限したり、ゾッとするほど怖い設定で追い込んだりするのもよいでしょう。キャラクターの動きを制限することで、その状況から緊張感や恐怖感を生み出すことができます。[2]
    • 恐怖心が湧いてきて、怖くてゾッとするような狭い空間を思い浮かべてみましょう。自分だったらどこに閉じ込められるのが一番怖いか考えてみます。
    • 棺桶、冷たくて汚い地下室、廃墟となった警察署、孤島、廃墟と化した街といった限られた空間に、登場人物たちを閉じ込めてしまってもよいでしょう。恐ろしい状況に登場人物たちを追い込むことで、物語に一気に恐怖の要素が加わり、緊張と不安につながっていきます。
  4. How.com.vn 日本語: Step 4 個性的なメインキャラクターを生み出す 
    ホラー小説を書く際には、キャラクター設定を作り込むところから始めても構いません。主人公または複数のメインキャラクターそれぞれの個性や、詳細な設定をしっかり考えましょう。彼らの暮らしぶりや考え方、戦う場面でどんな反応をするかなどが掴めるよう、各キャラクターのキャラクタースタディを作成します。この段階で書き出した詳細設定のすべてが、物語中で描かれるわけではないかもしれません。ただこうした設定は、キャラクターの描き方や、読者がそのキャラクターをどのように認識するかという点に影響してくるはずです。均整のとれたキャラクターは読者の目を引き、印象にも残りやすいでしょう。以下の項目を参考に設定を考えていきましょう。[3]
    • キャラクターの年齢と職業
    • キャラクターの婚姻関係や交友関係
    • キャラクターの持つ世界観(ひねくれている、疑り深い、心配性、楽観的、満ち足りている、安定感があるなど)
    • 髪型、傷跡、決まった服装といった見た目の特徴など、具体的または特徴的な身体面の細かい設定
    • キャラクターの話し方や訛り、周囲で話されている言語
  5. How.com.vn 日本語: Step 5 主人公の感情を激しく揺さぶる状況を作る 
    ホラー小説は、扱う題材に対する読者の反応が全てです。物語を通して、キャラクターが激しい感情に振り回されるような状況を作ることで、読者の心も強く揺さぶりましょう。ショックを受ける、妄想に取りつかれる、恐怖を感じるなどの強烈な心の動きが、キャラクターが何かしらの行動を起こす、または極端な思考を持つようになることにつながっていきます。[4]
    • 愛する人の死や失業など、強いショックを受けるような経験をさせることで、キャラクターの中に葛藤を生みだしましょう。ショックを受けたり、大きな出来事の余波に直面したりすることで、通常ならそのキャラクターがしないであろう決断をするような流れを作り出します。
    • 主人公が被害妄想に取りつかれる、ある事柄について全く正しくないという感覚を抱くといったような設定にしてもよいでしょう。キャラクターが疑念を抱き、歪んだ視点から物事を考えるようにするのです。この手法を使えば、他のキャラクターと主人公の関係性もイメージしやすくなるでしょう。また、被害妄想は読者を不安にさせ、物語の中の出来事についての解釈を揺るがす効果も期待できます。
    • 主人公が恐怖を感じる、または何か悪いことが起こりそうな予感を抱くという設定にしてもよいでしょう。恐怖には、物語の緊張感を高め、読者をハラハラさせる効果があります。
  6. How.com.vn 日本語: Step 6 プロットを作成する 
    構想がまとまったら、キャラクターたちがどのような物語を展開していくのか、物語の流れをつかむためのプロットを作成しましょう。作品の構造を事前に考えておくことで、物語をよりしっかりと形作ることができます。プロットは物語の地図や指針となるものです。ただし、書き進めていく中で突然インスピレーションが湧き、事前に決めた流れや設定から逸脱してしまうこともあります。
    • 概要を考える際にプロット図を使ってみてもよいでしょう。プロット図は6つの異なるセクションからなる三角形の図です。三角形の頂点が物語の中でも最も盛り上がる、クライマックス部分になります。6つのセクションは、「導入」「きっかけとなる事件」「盛り上がっていく部分」「クライマックス」「結末に向かう部分」「結末」に分かれていて、日本語で言う起承転結を表しています。
    • スノーフレークメソッド(直訳:雪の結晶法)を使って概要を考えてみてもよいでしょう。まず、プロットを要約した一文を考えます。その一文からプロットを一段落程度にまとめ、スプレッドシートでシーンのリストを作成しましょう。
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パート 2
パート 2 の 3:

インパクトのある冒頭部分を生み出す

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  1. How.com.vn 日本語: Step 1 情報量が多く、読者の注意を引くような最初の一文を考える 
    物語の一行目は、読者の心に疑問を抱かせるだけでなく、読者を物語に引き込むものでなければなりません。何についての物語なのかを読者に伝え、独自の意見や視点を提示し、物語の特徴を示す、効果的な一行目を考えましょう。[5]
    • マジックテープに対する恐怖心を基に、ディストピアの世界を舞台とした物語を書く場合の一行目の例:「サラはじっと座っていようとしたが、男たちが彼女の手首をマジックテープのストラップで締め上げており、彼女はその恐ろしい音を聞きたくないと、ぎゅっと目をつむっていた」
    • この一行目から、主人公がサラであることがわかり、彼女が恐怖と不快感に苦しんでいる場面であることも伝わってきます。また、読者の頭の中には、「男たち」とは誰なのか、なぜサラは拘束されているのかなど、様々な疑問が浮かんでくるでしょう。こうした疑問を持つことで、読者は物語に引き込まれ、読み進めずにはいられなくなるのです。
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 特定のシーンから物語をスタートさせる 
    キャラクターたちが動いたり交流したりと、何かをしているシーンから物語を始めるようにしましょう。動きのあるシーンから始まることで読者は一気に心を掴まれ、物語に引き込まれ、続きを読みたいという気持ちになるはずです。読者を物語の世界に引きずり込み、夢中にさせることができるでしょう。[6]
    • 主人公が何らかの理由で困難に直面している、または不安を感じる状況にあるという設定にしてもよいでしょう。冒頭からホラー要素を盛り込むことができます。
    • 例えば、主人公が何らかの装置の中に縛り付けられているというシーンで始めてもよいでしょう。キャラクターが装置の中で何を考えているのか、また、捕えられ縛られている状況で、装置からの脱出を試みる主人公の思考などを描写します。
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 早い段階で恐怖や不安を煽る描写を盛り込む 
    ホラー小説を書く際には、最初の段落から、恐怖や不安を煽る描写をどんどん盛り込んでいきましょう。最初の段落を読むだけで、物語の設定と対立構造が理解できるようにします。また、最初のページの終わりまでに恐怖や不安を植え付け、読者の心を揺さぶりましょう。[7]
    • 最初の段落に、血液、内臓、粘液、脳、唾液などの血なまぐさい描写を盛り込んでもよいでしょう。ただし、陳腐でありきたりな物語にならないよう、こうした描写は控えめに、少しずつ盛り込むようにします。そうすることで、残酷なシーンが読者に与えるインパクトも大きくなるでしょう。
  4. How.com.vn 日本語: Step 4 物語の中心となる対立構造を説明する 
    ホラー小説には、主人公が何らかの形で行動に駆り立てられるような、物語の核となる戦いも盛り込みます。最初の数段落または最初の1~2ページの間に、物語の中心にある対立構造について描写するようにしましょう。できるだけ早い段階で対立構造をはっきりさせることで、物語に緊張感が生まれ、読者の興味を引くことができます。[8]
    • 例えば、主人公が自分の家の幽霊を追い払おうとするという設定の場合、物語の冒頭ですぐにその設定について触れるようにしましょう。物語の残りの部分では、家族の誰にも被害が及ばないよう、家の中の幽霊を追い払おうとする彼女の戦いを描きます。
    • よくある戦いの形として、生存をかけた戦いを強いられるというものがあります。キャラクターは人生を脅かす恐ろしい状況に直面しており、逃れることもできないという設定です。
    • 物語の後半まで読者に対立構造を明かさない場合、納得のいく理由が必要になるでしょう。情報を明かさないことで、読者が混乱したり、ストーリーについていけなくなったりする可能性もあります。物語の構成上、特に意味がある場合にのみ、この手法を使うようにしましょう。
  5. How.com.vn 日本語: Step 5 能動的な語り口で書いていく 
    冒頭から物語全体を通して、受動的な口調ではなく、能動的な口調を使うようにしましょう。語り口が受動的だと、淡々としたドライな印象になってしまいます。イキイキとした勢いのある文体で、読者を惹きつけるダイナミックな文章を生み出しましょう。[9]
    • 「サラの肌には冷たく感じるストラップで、男たちは彼女を椅子に縛り付けた」という受動的でわかりにくい一文よりも、「サラは男たちに椅子に座らせられており、金属のストラップの冷たさを肌で感じている」という一文で始めるとよいでしょう。2つ目の文は能動的な口調になっており、文の主語である「サラ」の視点で、動詞「感じている」が使われています。
    • 能動的な語り口で書くということは、書き手目線の一人称や現在形しか使えないということではありません。三人称や二人称、過去形でも、能動的な語り口の文章を書くことができます。
  6. How.com.vn 日本語: Step 6 様々な作品の冒頭部分を参考にする 
    有名で人気のあるホラー小説の冒頭部分を読んで、インパクトのある冒頭部分の書き方を学びましょう。以下のような有名作の冒頭部分を、物語を書く際の手本や参考にしましょう。
    • エドガー・アラン・ポーの『告げ口心臓』の冒頭:「本当なのです!私は神経が過敏になって、本当に、本当に恐ろしいほど気が立っていた。今だってそうですよ。あなたは私が狂っていると言うんですか?」[10]冒頭の一文から、語り手が落ち着きをなくし、非常に神経質で、おそらく気が狂っている人物であることが読者にはすぐにわかります。一瞬で読者に緊張感を与え、不吉な物語を予感させる素晴らしいオープニングです。
    • ジョイス・キャロル・オーツの『Where Are You Going, Where Have You Been?(直訳:あなたはどこに行くの?あなたはどこにいたの?)』の冒頭:「彼女の名前はコニーだった。彼女は15歳で、首をかしげながら鏡をのぞき込んだり、自分の顔立ちが素晴らしい事を確認するために他人の顔をチェックしたりしては、つい神経質にくすくすと笑ってしまう癖があった」[11]この冒頭部分は一見シンプルですが、主人公を紹介し、年齢と性別を明かし、おそらく虚栄心が強くナイーブな人物として主人公を特徴づけています。この冒頭部分から、欠点があり、外部の影響を受けやすい主人公の物語が始まることが読者に伝わるのです。
    • ジョージ・オーウェルの『1984』の冒頭:「それは4月の晴れた寒い日で、時計は13時を告げていた」[12]この冒頭文は、物語を形作る要素がすべて詰め込まれているとして、高く評価されている一文です。読者は「晴れた寒い日」という設定に引き込まれ、不穏なイメージを抱きます。13時を告げる時計もまた、悪い前兆と来るべき災いのサインのように感じられるのです。
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パート 3
パート 3 の 3:

冒頭部分の修正を行う

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  1. How.com.vn 日本語: Step 1 冒頭部分を声に出して読む 
    冒頭部分を書き終えたら声に出して読んでみて、どう聞こえるかを確かめましょう。不安な気持ちになったり、不穏な印象を抱いたりするかどうか、注意しながら読み上げます。また、プロット、性格描写、設定、意見が盛り込まれているかどうかもチェックしましょう。
    • 信頼できる友人や同業者の前で冒頭部分を声に出して読んでみて、意見を聞いてもよいでしょう。読み上げた後、不気味で不穏な恐ろしい物語だと思ったかどうか、彼らに尋ねてみます。自分以外の人の意見を参考にして、よりインパクトのある冒頭文に仕上げるために、建設的な批判を受け入れ、フィードバックをもらいましょう。
  2. How.com.vn 日本語: Step 2 最後まで書き上げたら冒頭部分を修正する 
    大抵の場合、冒頭部分が素晴らしい出来であれば、物語の続きも書きやすいものです。満足のいく結末まで書き上げたら、冒頭に戻って修正を行い、物語の結末と冒頭部分の違和感をなくしましょう。
    • 冒頭の部分とそれに続く物語のつながりに、不自然なところがないか確認しましょう。また、物語の後半で行ったキャラクターや設定の変更に合わせて、冒頭の部分を調整する必要もあります。物語の続きに自然につながるように、冒頭部分を修正しましょう。
  3. How.com.vn 日本語: Step 3 わかりやすさ、口調、文体に注意しながら冒頭部分を編集する 
    冒頭部分を読み返し、わかりやすくなるよう編集していきます。読者にとって読みやすい文章にしましょう。冒頭部分がわかりにくいと読む側がイライラし、それ以上読み進めないこともあります。
    • 冒頭部分のキャラクターの口調を、物語の残りの部分のキャラクターの口調と一致させます。物語全体を通してキャラクターの口調を統一し、まとまりを出しましょう。
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このHow.com.vn記事について

How.com.vn 日本語: Lucy V. Hay
共著者 ::
ライター
この記事の共著者 : Lucy V. Hay. 作家、脚本編集者、そしてブロガーのルーシー・V・ヘイは、執筆講座や自身のブログ、「Bang2Write」を通じて作家志望の人達にライティングのアドバイスを提供しています。これまでにイギリスのスリラー映画を2本プロデュースした他、初の犯罪小説「The Other Twin」は、現在Agatha Raisin(Free@Last TVにて放送中のエミー賞受賞犯罪ドラマ)の製作者による映像化が検討されています。 この記事は8,160回アクセスされました。
カテゴリ: 執筆
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