AFCチャンピオンズリーグ2019 決勝

AFCチャンピオンズリーグ2019 決勝(エーエフシーチャンピオンズリーグ2019 けっしょう、英語: AFC Champions League 2019 Final)は、2019年11月9日および11月24日(いずれも現地時間)に開催される、アジアサッカー連盟(AFC)により開催されたAFCチャンピオンズリーグ2019の決勝戦であり、17回目のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝戦である(AFCアジアクラブ選手権時代を含めると38回目)。

AFCチャンピオンズリーグ2019 決勝
大会名AFCチャンピオンズリーグ2019
2戦合計 3-0 でアル・ヒラルの勝利
第1戦
開催日2019年11月9日 (2019-11-09)
会場キングサウード大学スタジアム(リヤド)
最優秀選手アンドレ・カリージョ
主審アリ・サバフ・アル=カイシ
観客数22,549人
第2戦
開催日2019年11月24日 (2019-11-24)
会場埼玉スタジアム2002(さいたま)
最優秀選手セバスティアン・ジョヴィンコ
主審ヴァレンティン・コヴァレンコ
観客数58,109人
2018
2020

出場チーム 編集

出場チームは、西地区を勝ち上がったアル・ヒラルサウジアラビア)と、東地区を勝ち上がった浦和レッズ日本)の2チーム[1]。両者は2017年大会の決勝で顔を合わせており(この時は浦和が1勝1分で優勝)、両チームともこの時以来2年ぶりの決勝進出となる[2]

チーム以前決勝に進出のある年度(太字は優勝)
アル・ヒラル1986[A], 1987[B], 1991, 2000, 2014, 2017
浦和レッズ2007, 2017

  1. ^ 1986年は決勝戦は行われず、最終ラウンドに進出した4チームで優勝チームが争われた。
  2. ^ 1987年は決勝を棄権。

会場 編集

ACLの決勝は2013年以降ホーム・アンド・アウェー方式で開催されており、第1戦がアル・ヒラルのホームであるキングサウード大学スタジアム(「サウード国王大学スタジアム」とも[3]リヤド)、第2戦が浦和のホームである埼玉スタジアム2002さいたま市)で開催される。前回アル・ヒラルが決勝に進出したときは同じリヤドにあるキング・ファハド国際スタジアムをホームスタジアムとして使用しており、キングサウード大学スタジアムでACL決勝が行われるのは初めて。一方、埼玉スタジアム2002でACL決勝が行われるのは浦和がACL決勝に進出した2007年・2017年以来3回目で、過去いずれもホーム・アンド・アウェーの第2戦として行われている。

決勝戦までの道のり 編集

註: 以下のすべての結果は、決勝戦進出2クラブの得点を前に表示している。

アル・ヒラルラウンド 浦和レッズ
対戦相手結果グループリーグ対戦相手結果
アル・アイン1 - 0 (A)第1節 ブリーラム・ユナイテッド3 - 0 (H)
アル・ドゥハイル3 - 1 (H)第2節 北京国安0 - 0 (A)
エステグラル1 - 2 (A)第3節 全北現代モータース0 - 1 (H)
エステグラル1 - 0 (H)第4節 全北現代モータース1 - 2 (A)
アル・アイン2 - 0 (H)第5節 ブリーラム・ユナイテッド2 - 1 (A)
アル・ドゥハイル2 - 2 (A)第6節 北京国安3 - 0 (H)
グループC 1位
チーム







アル・ヒラル6411105+513
アル・ドゥハイル6231118+39
エステグラル622268−28
アル・アイン6024410−62
最終結果グループG 2位
チーム







全北現代モータース641173+413
浦和レッズ631294+510
北京国安621368−27
ブリーラム・ユナイテッド6114310−74
対戦相手 結果第1戦第2戦決勝トーナメント対戦相手結果第1戦第2戦
アル・アハリ1 - 01 - 0 (A)0 - 0 (H)ラウンド16 蔚山現代4 - 21 - 2 (H)3 - 0 (A)
アル・イテハド3 - 10 - 0 (H)3 - 1 (A)準々決勝 上海上港3 - 3 (a)2 - 2 (A)1 - 1 (H)
アル・サッド6 - 54 - 1 (A)2 - 4 (H)準決勝 広州恒大3 - 02 - 0 (H)1 - 0 (A)

試合 編集

第1戦 編集

アル・ヒラルのホームとなる第1戦、浦和は準決勝までの全試合にフル出場していたGK西川周作が準決勝第2戦の警告で累積警告による出場停止となり、プロ入り4年目、8日前の鹿島アントラーズ戦でJ1初出場を果たしたばかりのGK福島春樹に出番が回ってくることになった[4]

試合はボールポゼッションを高めて相手にプレッシャーをかけるアル・ヒラルと、コンパクトな陣形からカウンターを狙う浦和という形となり、序盤からアル・ヒラルが攻勢に出る場面を多く作り出した[5]。前半14分にはアル・ヒラルFWセバスティアン・ジョヴィンコのゴール正面でのシュートを浦和DF鈴木大輔が身を挺してブロック、その3分後には逆に浦和MF関根貴大がフリーで放ったシュートをアル・ヒラルDFアリー・アール=ブライヒーがブロック。前半29分にはアル・ヒラルFWジョヴィンコが放ったシュートが浦和GK福島の脇をかすめるが、ゴールライン上で浦和MF青木拓矢がはじき返して得点を許さない[5]。前半33分にはコーナーキックに頭で合わせたアル・ヒラルMFアンドレ・カリージョのシュートを浦和GK福島がはじき出し、さらにその4分後にもアル・ヒラルFWジョヴィンコのペナルティエリア内のシュートにも浦和GK福島が反応する[6] など、両チーム無得点で前半を終える。

後半に入ってもアル・ヒラルの攻勢は続き、ついに後半15分、サイドからのアル・ヒラルDFモハメド・アル=ブライクのクロスに浦和GK福島が目測を誤り、福島の頭上を越えた先のクロスに飛び込んだアル・ヒラルMFカリージョが頭で押し込み、アル・ヒラルが先制する[7]。その後もアル・ヒラルが攻勢を強め決定機を何度も作り出すも、浦和がGK福島の好セーブを中心に追加点を許さず[7]、ボールポゼッション率69.7%対30.3%、シュート数22本対2本とアル・ヒラルの猛攻に圧倒されながらも、最少失点で第2戦を迎えることになった。

アル・ヒラル
浦和レッズ
GK1 アル=マイウフ
RB2 アル=ブライク
CB20 チャン・ヒョンス
CB5 アル=ブライヒー 38分
LB12 アッ=シャハラーニー
RM19 カリージョ
CM7 アル=ファラジュ
CM8 オタイフ 89分
LM29 S・アッ=ドーサリー
CF9 ジョヴィンコ 87分
CF18 ゴミス
控えメンバー:
GK30 アル=ワーケド
DF70 ジャフファリー
MF24 アル=アービド 87分
MF27 バーヘブリー
MF28 カンノ 89分
FW10 アル=シャルフーブ
FW11 アル=シェフリ
監督:
ルチェスク
GK25 福島春樹
CB31 岩波拓也
CB4 鈴木大輔
CB5 槙野智章
CM8 エヴェルトン
CM16 青木拓矢
RM27 橋岡大樹
LM41 関根貴大 85分
AM7 長澤和輝 75分
AM12 ファブリシオ
CF30 興梠慎三
控えメンバー:
GK23 岩舘直
DF2 マウリシオ
DF3 宇賀神友弥 85分
MF10 柏木陽介
MF22 阿部勇樹
MF29 柴戸海
FW14 杉本健勇 75分
監督:
大槻毅

マン・オブ・ザ・マッチ
アンドレ・カリージョ

第2戦 編集

迎えた浦和のホーム・埼玉スタジアム2002で迎えた第2戦、浦和はGKを西川周作に戻した以外は第1戦と同じメンバーを起用する。一方のアル・ヒラルは第1戦とメンバーを変えずに臨んだ。

逆転優勝のためには2得点以上が必要な浦和だったが、第1戦同様ボールを保持するアル・ヒラルに対し浦和はカウンターを仕掛けて攻勢に出るも、前半10分に左サイドからのクロスに反応したMF橋岡大樹はGKアブドゥラー・アル=マイウフのブロックに遭いシュートまで持ち込めず、前半24分の突破からのMF長澤和輝の落としに反応したMF関根貴大のシュートは相手DF陣のカバーに阻まれ得点ならず、前半はスコアレス折り返す[8][9]

迎えた後半、立ち上がりからアル・ヒラルが押し込む展開が続き、浦和はMF柏木陽介、FW杉本健勇を相次いで投入して状況の打開を図る[9]も、逆に後半29分、MFサルマーン・アル=ファラジュが左サイドを駆け上がったFWセバスティアン・ジョヴィンコに展開すると、そこからの折り返しをMFサーレム・アッ=ドーサリーが押し込んで、逆にアル・ヒラルが先制する[8]。これで3得点が必要になった浦和だが、守備を固めるアル・ヒラルの前にゴールに迫ることができず、逆に後半アディショナルタイム、MFアンドレ・カリージョからのクロスにFWバフェティンビ・ゴミスが合わせてダメ押し点を挙げ万事休す[9]。2戦合計3-0で、2017年大会の雪辱を果たしたアル・ヒラルがACL初優勝(前身大会を含めるとアジアクラブ選手権1999-2000以来19年ぶり3回目の優勝)を遂げた。

浦和レッズ
アル・ヒラル
GK1 西川周作
CB31 岩波拓也
CB4 鈴木大輔
CB5 槙野智章
CM8 エヴェルトン
CM16 青木拓矢 88分
RM27 橋岡大樹
LM41 関根貴大
AM7 長澤和輝 63分
AM12 ファブリシオ 71分
CF30 興梠慎三
控えメンバー:
GK25 福島春樹
DF2 マウリシオ
MF3 宇賀神友弥
MF10 柏木陽介 63分
MF22 阿部勇樹 88分
MF29 柴戸海
FW14 杉本健勇 71分
監督:
大槻毅
GK1 アル=マイウフ
RB2 アル=ブライク 80分
CB20 チャン・ヒョンス
CB5 アル=ブライヒー
LB12 アッ=シャハラーニー
RM19 カリージョ
CM7 アル=ファラジュ
CM8 オタイフ 90+3分
LM29 S・アッ=ドーサリー
CF9 ジョヴィンコ 88分
CF18 ゴミス
控えメンバー:
GK30 アル=ワーケド
DF17 アル=ハーフィズ 80分
MF10 アル=シャルフーブ 90+3分
MF24 アル=アービド
MF27 バーヘブリー
MF28 カンノ 88分
FW11 アル=シェフリ
監督:
ルチェスク

マン・オブ・ザ・マッチ
セバスティアン・ジョヴィンコ

脚注 編集

  1. ^ “サッカー=ACL、浦和が広州恒大下し決勝進出”. ロイター. (2019年10月24日). https://jp.reuters.com/article/soccer-idJPKBN1X300T 2019年10月28日閲覧。 
  2. ^ 11月9日、24日のACL決勝は浦和vsアル・ヒラルに決定!浦和がアジア制覇の2年前と同じ対戦相手”. GOAL.com (2019年10月23日). 2019年10月28日閲覧。
  3. ^ AFCチャンピオンズリーグ2019 決勝 マッチスケジュール決定』(プレスリリース)日本サッカー協会、2019年10月25日http://www.jfa.jp/news/00023237/2019年10月25日閲覧 
  4. ^ 轡田哲朗 (2019年11月11日). “ACL逆転優勝へ2つのビッグセーブ。浦和を救った福島春樹の「手首」。”. Number Web. 2019年11月11日閲覧。
  5. ^ a b Final - 1st Leg: Al Hilal SFC (KSA) 1-0 Urawa Red Diamonds (JPN)”. AFC.com (2019年11月9日). 2019年11月11日閲覧。
  6. ^ “浦和 GK福島が好守連発もACL決勝第1戦は0-1完敗…ペルー代表MFカリージョ抑えられず”. スポーツニッポン. (2019年11月10日). https://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2019/11/09/kiji/20191110s00002181167000c.html 2019年11月12日閲覧。 
  7. ^ a b “浦和GK福島春樹「経験不足」失点悔やむも好守連発”. 日刊スポーツ. (2019年11月10日). https://www.nikkansports.com/soccer/news/201911100000031.html 2019年11月11日閲覧。 
  8. ^ a b Jリーグ勢ACL3連覇ならず…浦和、ホームで逆転優勝狙うも“2連敗”で終戦”. ゲキサカ (2019年11月24日). 2020年3月20日閲覧。
  9. ^ a b c 浦和2年ぶりのアジア制覇はならず…2戦合計0-3でアル・ヒラルに初優勝を許す”. サッカーキング (2019年11月24日). 2020年3月20日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集