A・J・ブラウン

アメリカンフットボール選手、ワイドレシーバー

アーサー・ジュアン・ブラウンArthur Juan Brown, 1997年6月30日 - )は、アメリカ合衆国ミシシッピ州スタークビル出身のプロアメリカンフットボール選手。NFLフィラデルフィア・イーグルスに所属している。ポジションはワイドレシーバー

A・J・ブラウン
A. J. Brown
refer to caption
テネシー・タイタンズでのブラウン
(2021年)
フィラデルフィア・イーグルス #11
ポジションワイドレシーバー
生年月日 (1997-06-30) 1997年6月30日(26歳)
出身地アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ミシシッピ州スタークビル
身長:6' 1" =約185.4cm
体重:226 lb =約102.5kg
経歴
高校スタークビル高等学校英語版
大学ミシシッピ大学
NFLドラフト2019年 / 2巡目全体51位
所属歴
2019-2021テネシー・タイタンズ
2022-フィラデルフィア・イーグルス
受賞歴・記録
オールプロ選出(計2回)
2nd(2回)
2022, 2023
プロボウル選出(3回)
2020, 2022, 2023
その他受賞・記録
  • NFLオールルーキーチーム (2019)
  • 2× オールSECファーストチーム (2017, 2018)
NFL 通算成績
(2023年終了時点)
レシーブ数379
レシーブ獲得ヤード5,947
ラン獲得ヤード70
合計TD44
Player stats at NFL.com
Player stats at PFR

経歴

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ハイスクール

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高校時代はフットボールと並行して野球もプレーしていた。2016年のMLBドラフト9巡目(全体564位)でサンディエゴ・パドレスから指名されて契約したが、最終的にはフットボールに専念することを選び、ミシシッピ大学へ進学した[1]

カレッジ

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ミシシッピ大学(オールミス)に入学し、1年目の2016年、大学キャリア初戦となったウォフォード大学戦に先発出場し、2キャッチ48ヤードを記録した[2]。この年、ブラウンは全12試合に出場し、29キャッチ、412ヤード、2タッチダウンの記録は、チーム内5位であった[3]。また、SECの1年生の中で、1試合当たりのキャッチ数が4位、1試合当たりの平均レシーブヤードは5位であった。

2年目の2017年シーズン、初戦で8回のキャッチを記録し、そのうち2回は71ヤードと77ヤードのタッチダウンであった。ルイジアナ大学戦では、14キャッチ、185ヤード、2タッチダウンを記録し、14回のキャッチは学校記録に並ぶものであった。また、サウスアラバマ大学戦では、233ヤードを獲得し、1試合でのレシーブヤードの学校記録を更新した(後にイライジャ・ムーアによって破られた)[4]。この年、全12試合出場で75キャッチ、学校記録の1,252獲得ヤード、学校記録タイの11タッチダウンを記録し、チームとSECトップの記録でシーズンを終えた。

3年目の2018年シーズンは、DK・メトカーフ(現・シアトル・シーホークス)と共にチームの2大レシーバーとして活躍した。この年、ブラウンは再びレシーブ記録でチームとSECトップとなり、学校記録の85レシーブ、1,320獲得ヤード、6タッチダウンという成績であった[5]。この年に、100ヤード以上のレシーブを記録した試合は6試合あり、自身の最高記録と並ぶものであった。2017年に続き、2年連続でオールSECのファーストチームに選出された[6]

このシーズン終了後、2019年のNFLドラフトアーリーエントリーした。

大学での通算成績

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A・J・ブラウン
年度チーム出場レシーブ
回数獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
最長
獲得
ヤード
TD1試合
平均
回数
1試合
平均
ヤード
2016オールミス122941214.23722.434.3
201712751,25216.777116.3104.3
201812851,32015.58467.1110.0
通算361892,98415.884195.382.9

テネシー・タイタンズ

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プレドラフト測定結果
身長体重






40Yrd



10Yrd




20Yrd






















6 ft 0+12 in
(184 cm)
226 lb
(103 kg)
32+78 in
(84 cm)
9+34 in
(25 cm)
4.49 s1.56 s2.65 s36.5 in
(93 cm)
10 ft 0 in
(3.05 m)
19 回18
All values from NFL Draft[7]

ドラフト全体51位でテネシー・タイタンズから指名された[8]。その後、2019年6月12日に4年総額564万1199ドルのルーキー契約を結んだ[9]

2019年シーズン

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1年目から主力として活躍し、16試合に出場して52レシーブ、1051レシーブ獲得ヤード、8タッチダウンを記録した。チームはプレーオフのAFCチャンピオンシップまで進出したが、カンザスシティ・チーフスに敗れた[10]

2020年シーズン

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このシーズンは前年からさらに成績を伸ばし、14試合に出場して70レシーブ、1075レシーブ獲得ヤード、11タッチダウンを記録。自身初のプロボウルに選出された[11]

2021年シーズン

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第8週のインディアナポリス・コルツ戦で10レシーブ、155レシーブ獲得ヤード、1タッチダウンを記録した。第11週に胸を負傷し、2021年11月27日に故障者リストに入れられ、12月23日にアクティブロスターに戻された。怪我から復帰した直後のサンフランシスコ・49ers戦では11レシーブ、145レシーブ獲得ヤード、1タッチダウンを記録した。このシーズンは13試合に出場して63レシーブ、869レシーブ獲得ヤード、5タッチダウンを記録した。

また、ディビジョンラウンドでのシンシナティ・ベンガルズ戦では5レシーブ、142レシーブ獲得ヤード、1タッチダウンを記録したが、チームは19-16で敗れた。

フィラデルフィア・イーグルス

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イーグルスでのブラウン(左)

2022年のNFLドラフト当日に同ドラフトの全体18位指名権、3巡目指名権とのトレードで、フィラデルフィア・イーグルスへ移籍した[12]。また、移籍直後にイーグルスと4年総額1億ドルの契約延長に合意した[13]

2022年シーズン

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開幕戦のデトロイト・ライオンズ戦で10回のキャッチで155ヤードを記録し、デビュー戦のレシーブ獲得ヤードにおいてフランチャイズ記録を樹立した。第8週のピッツバーグ・スティーラーズ戦では、キャリアハイとなる3タッチダウンキャッチを含む6キャッチ、156ヤードを記録した。12月4日の古巣タイタンズ戦では2タッチダウンを記録した[14]

ポストシーズンでは、カンザスシティ・チーフスと対戦した第57回スーパーボウルにてタッチダウンレシーブを記録した。

このシーズンは88回のレシーブで1,496ヤード、11タッチダウンを記録し、レシーブヤード数はイーグルスのフランチャイズレコードとなった[15]

2023年シーズン

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第3週のタンパベイ・バッカニアーズ戦から第8週のワシントン・コマンダース戦まで、6試合連続で125ヤード以上のレシーブヤードを記録した。この活躍によりNFCの攻撃部門月間最優秀選手に選出された[16]

シーズン第18週に対戦したニューヨーク・ジャイアンツとの試合で膝を負傷し、ポストシーズンへの個人としての出場は叶わなかった[17]。シーズン後半戦に失速する形となっていたイーグルスはワイルドカードゲームでタンパベイ・バッカニアーズに敗れ、シーズンを終えた[18]

詳細情報

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年度別成績

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レギュラーシーズン

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年度チーム背番号試合レシーブランファンブル
出場先発回数獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
最長
ヤード
TD回数獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
最長
ヤード
TDファン
ブル数
ロスト
2019TEN111611521,05120.291836020.049110
20201412701,07515.4731121
202113136386913.85752105.07000
2022PHI1716881,49617.0781122
202317171061,45613.7597-----22
NFL:5年77693795,94715.7914257014.049175
  • 2023年度シーズン終了時
  • 太字は自身最高記録

ポストシーズン

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年度チーム試合レシーブランファンブル
出場先発回数獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
最長
ヤード
TD回数獲得
ヤード
平均
獲得
ヤード
最長
ヤード
TDファン
ブル数
ロスト
2019TEN3356412.8370199.09000
20201168313.828100
202111514228.441100
2022PHI227507.112000
通算772333914.7412199.09000
  • 2023年度シーズン終了時
  • 太字は自身最高記録

人物

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2022年にクリスマス・アルバム『A Philly Special Christmas英語版』にボーカルとして参加した[19]

脚注

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  1. ^ JAPAN.COM, NFL. “過去にMLBパドレスからドラフト指名を受けたタイタンズWRブラウン、「また両方のスポーツをやりたいと思う時もある」”. NFL日本公式サイト. 2022年10月31日閲覧。
  2. ^ Wofford at Ole Miss Box Score, September 10, 2016” (英語). College Football at Sports-Reference.com. 2023年1月30日閲覧。
  3. ^ A.J. Brown 2016 Game Log” (英語). College Football at Sports-Reference.com. 2023年1月30日閲覧。
  4. ^ Necalse, Colton (2017年9月8日). “Breaking school records only the start for receiver A.J. Brown”. The Daily Mississippian. 2023年1月30日閲覧。
  5. ^ 2018 Ole Miss Rebels Stats”. Sports-Reference.com. 2023年1月30日閲覧。
  6. ^ 2018 All-SEC Football Team announced”. SECSports.com. Southeastern Conference (2018年12月4日). 2019年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月30日閲覧。
  7. ^ NFL Draft Prospect Profile – A.J. Brown”. nfl.com (2019年3月1日). 2022年9月19日閲覧。
  8. ^ Titans add target for Mariota, pick WR A.J. Brown” (英語). NFL.com. 2022年9月20日閲覧。
  9. ^ Tennessee Titans agree to terms with A.J. Brown” (英語). Tennessee Titans. 2022年9月20日閲覧。
  10. ^ AFC Championship - Tennessee Titans at Kansas City Chiefs - January 19th, 2020” (英語). Pro-Football-Reference.com. 2022年9月20日閲覧。
  11. ^ Pair of Titans selected to 2021 Pro Bowl” (英語). Titans Wire (2020年12月22日). 2022年9月20日閲覧。
  12. ^ JAPAN.COM, NFL. “イーグルスがトレードでWRのA.J.ブラウンを獲得、タイタンズは引き換えに得た全体18位指名権でWRトレイロン・バークスをピック”. NFL日本公式サイト. 2022年9月20日閲覧。
  13. ^ Eagles, A.J. Brown agree to four-year, $100 million extension” (英語). ProFootballTalk (2022年4月29日). 2022年9月20日閲覧。
  14. ^ Eagles WR A.J. Brown on two-TD game vs. Titans: 'This one meant a lot to me'”. www.nfl.com. 2022年12月7日閲覧。
  15. ^ Philadelphia Eagles Single-Season Receiving Leaders” (英語). Pro-Football-Reference.com. 2023年11月6日閲覧。
  16. ^ “10月の最優秀選手はドルフィンズWRヒル、イーグルスWRブラウンら”. NFL JAPAN. (2023年11月3日). https://nfljapan.com/headlines/94068 2023年11月7日閲覧。 
  17. ^ イーグルスWRブラウンがバッカニアーズ戦欠場”. NFL JAPAN (2024年1月14日). 2024年3月11日閲覧。
  18. ^ イーグルスがシーズン終了後の記者会見に臨む中、選手たちがシリアニHCを支持”. NFL JAPAN (2024年1月18日). 2024年3月11日閲覧。
  19. ^ A Philly Special Christmas releases "Christmas (Baby Please Come Home)"”. New Jersey Stage (2022年11月25日). 2023年1月30日閲覧。

外部リンク

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