2001年J2最終節

2001年J2最終節(2001ねん・J2・さいしゅうせつ)では、2001年11月18日に行われた日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)ディビジョン2 (J2)最終節(第44節)のことを記す。本項では特に、2位以内となりJリーグ ディビジョン1 (J1)昇格の可能性を残したモンテディオ山形ベガルタ仙台大分トリニータの3クラブの試合について記す。

なお、正式には「J2からJ1への昇格」はリーグ終了後のJリーグ理事会での協議で決定するが、2013年までに成績条件を満たしたクラブが理事会でJ1昇格が否決されたケースがないため、便宜上「J2で2位以内(成績条件)=J1昇格」として扱うものとする。

最終戦までの経緯

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二部制導入3シーズン目となった2001年のJ2は、前シーズンのJ1年間成績下位2クラブの京都パープルサンガ川崎フロンターレ前年の日本フットボールリーグ (JFL) 優勝により昇格した横浜FCを加えた12クラブによる4回戦総当たり(各チーム44試合・全44節)により行われた。京都が第43節の湘南ベルマーレ戦に勝利したことにより京都のJ2優勝およびJ1昇格が決まった。43節終了時点で京都に続いてJ1昇格の可能性があるクラブは山形・仙台・大分の3クラブに絞られた。

2001 Jリーグ ディビジョン2 上位順位表(第43節終了時点)[1]
順位チーム勝点試合勝利(90分勝)(延長勝)引分敗戦得点失点得失点差備考
1京都パープルサンガ8443282355107947+32J2優勝決定
2モンテディオ山形8043272076106138+23
3ベガルタ仙台8043262335127756+21
4大分トリニータ7743252413157451+23

当時の勝ち点は、90分勝ち:3、延長(Vゴール)勝ち:2、引き分け:1であった。

最終節

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概要

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2001年のJ2最終節。昇格の可能性を持つ3クラブは、同時刻に以下の試合を行うことになった。

各クラブの昇格条件は、山形と仙台の勝敗に大きく委ねられることとなった。

山形
90分勝(83)V勝(82)分(81)負(80)

90分勝(83)[※ 1]仙台仙台仙台
V勝(82)山形山形仙台仙台
分(81)山形山形山形仙台
負(80)山形山形山形[※ 2]
  1. ^ 仙台が山形より2点差以上上回って勝利すれば仙台が昇格、それ以外は山形昇格。
  2. ^ 大分が90分勝利すれば大分が昇格。大分が延長勝ち以下の場合、山形が仙台より1点差以上小さい点差での負けの場合は山形が昇格、それ以外は仙台が昇格。

前半

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鳥栖スタジアムでは鳥栖が前半12分森田浩史のゴールで先制し、そのまま前半終了。山形と京都では得点の動きなし。

山形 0 – 0 川崎
京都 0 – 0 仙台
鳥栖 1 – 0 大分

後半

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鳥栖スタジアムでは後半30分、船越優蔵のゴールが決まり、大分が同点に追い着く。

山形 0 – 0 川崎
京都 0 – 0 仙台
鳥栖 1 – 1 大分

この後は3会場とも得点の動きなく終盤へ。しかし西京極では後半終了直前、岩本輝雄が左サイドから上げたクロスを山田隆裕が頭で折り返し、これを財前宣之が右足ボレーシュート。これが京都ゴールに突き刺さり待望の先制点を挙げた。

山形 0 – 0 川崎
京都 0 – 1 仙台
鳥栖 1 – 1 大分

仙台はこの後のロスタイムを落ち着いて守り切り、1-0で試合終了。90分以内での勝利を収め、最終勝点を「83」とした。一方、山形-川崎戦は0-0のまま後半を終了し、鳥栖-大分戦も1-1のまま延長戦に突入。この結果、3チームのうち唯一90分で勝利した仙台の2位が確定し、悲願のJ1初昇格が決定。遠く仙台から駆けつけたサポーターと昇格の喜びを分かち合った。

山形 0 – 0 川崎
京都 0 – 1 仙台(試合終了)
鳥栖 1 – 1 大分

延長戦

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山形は昇格が潰えたことで気落ちしたのか、延長前半開始直後に我那覇和樹にVゴールを決められ、敗戦。最終勝点は「80」のままで3位に終わった。一方、鳥栖‐大分戦は互いに譲らず、1-1のまま引き分けに終わり、最終節でいずれも延長勝利した新潟、大宮に勝ち点で並ばれ、得失点差の関係で6位まで順位を下げた。

山形 0 – 1v 川崎(試合終了)
京都 0 – 1 仙台(試合終了)
鳥栖 1 – 1 大分(試合終了)
2001 Jリーグ ディビジョン2 上位順位表(全日程終了)[2]
順位チーム勝点試合勝利(90分勝)(延長勝)引分敗戦得点失点得失点差備考
1京都パープルサンガ8444282355117948+31J1昇格
2ベガルタ仙台8344272435127856+22J1昇格
3モンテディオ山形8044272076116139+22
4アルビレックス新潟7844262244147947+32
5大宮アルディージャ7844262066127343+30
6大分トリニータ7844252414157552+23

試合データ

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2001年11月18日
13:01
モンテディオ山形0 - 1v
(延長)
川崎フロンターレ
公式データ我那覇和樹  91分
モンテディオ山形
GK01鈴木克美
DF26鈴木健太郎
DF22鷲田雅一
DF05渡辺卓 90分 44分
DF03太田雅之 68分
MF13佐藤悠介 89分
MF24浮氣哲郎
MF08永井篤志 57分
MF06高橋健二 90分
FW09大島秀夫
FW20根本亮助
サブメンバー
GK21斉藤武志
DF04大野貴史 90分
MF27佐賀一平 89分
MF10西山哲平 57分
FW19松田英樹 90分
監督
柱谷幸一
川崎フロンターレ
GK01浦上壮史
DF29小島徹
DF31飯島寿久
DF15土居義典
MF07鬼木達
MF23久野智昭 83分
MF24塩川岳人
MF02高田栄二 77分 27分
MF18今野章
FW16阿部良則
FW19伊藤彰 65分
サブメンバー
GK34吉原慎也
DF04浅野哲也
MF33林晃平 65分 87分
FW09盛田剛平 83分
FW17我那覇和樹 77分
監督
石崎信弘

2001 Jリーグ ディビジョン2 第44節第1日
2001年11月18日
13:04
京都パープルサンガ0 - 1ベガルタ仙台
公式データ財前宣之  89分
京都パープルサンガ
GK12中河昌彦
DF16辻本茂輝
DF05手島和希
DF06佐藤尽
DF08熱田眞
MF11石丸清隆
MF15松川友明 52分
MF02野口裕司
MF20安孝錬 67分
FW18上野優作
FW09黒部光昭 31分
サブメンバー
GK21上野秀章
DF25鈴木和裕
MF03中村忠
MF10松井大輔 67分
FW17冨田晋矢 31分
監督
ゲルト・エンゲルス
ベガルタ仙台
GK01高橋範夫
DF05ヴィエイラ
DF06リカルド
DF02渡邉晋
DF30村田達哉
MF07千葉直樹
MF32山田隆裕 44分
MF14岩本輝雄 54分
MF10財前宣之 89分
FW29大友慧 72分
FW09マルコス 56分
サブメンバー
GK22前川大樹
DF18森勇介
MF26村上和弘
MF23中村伸
FW19光岡眞矢 72分
監督
清水秀彦

2001 Jリーグ ディビジョン2 第44節第1日
2001年11月18日
13:04
サガン鳥栖1 - 1
(延長)
大分トリニータ
森田浩史  12分公式データ船越優蔵  75分
鳥栖スタジアム
観客数: 12,810人
主審: 辺見康裕
サガン鳥栖
GK16山口哲治
DF04川前力也 19分
DF11富永英明
DF13関本恒一
MF02有村光史
MF08北内耕成 72分
MF10鈴木勝大 94分
MF26矢部次郎
MF27佐藤陽彦
FW07佐藤大実 63分
FW22森田浩史 69分
サブメンバー
GK33藤川康司
DF03山道高平 72分
FW18福留亮 94分
FW20竹元義幸 69分
FW23小石龍臣 63分
監督
高祖和弘
大分トリニータ
GK01前川和也
DF03池端陽介 102分
DF07中村祥朗 104分 39分
DF22加地亮
DF26吉村寿洋 22分
MF14原田武男 89分
MF15梅田高志
MF18和田雄三 79分
MF30竹村栄哉 60分
FW11吉田孝行
FW12船越優蔵 86分
サブメンバー
GK17川本良二
DF02三木隆司 79分 100分
MF16金本圭太 60分 87分
FW20松橋章太 104分
FW28ルシアノ 89分
監督
小林伸二

出典

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  1. ^ 2001 Jリーグ ディビジョン2 順位表 【第43節】”. 日本プロサッカーリーグ. 2014年3月5日閲覧。
  2. ^ 2001 Jリーグ ディビジョン2 順位表 【第44節】”. 日本プロサッカーリーグ. 2014年3月5日閲覧。

関連項目

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