1990年サンマリノグランプリ

1990年サンマリノグランプリ: 1990 Gran Premio di San Marino)は、1990年F1世界選手権の第3戦として、1990年5月13日イモラ・サーキットで決勝レースが開催された。

サンマリノの旗 1990年サンマリノグランプリ
レース詳細
日程1990年シーズン第3戦
決勝開催日5月13日
開催地イモラ・サーキット
イタリア イモラ
コース長5.040km
レース距離61周(307.440km)
決勝日天候晴れ(ドライ)
ポールポジション
ドライバー
ファステストラップ
ドライバーイタリアの旗 アレッサンドロ・ナニーニ
タイム1'27.156(Lap 60)
決勝順位
優勝
2位
3位

概要

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ヨーロッパラウンド開幕戦サンマリノGPでは、ドライバー交代やニューマシン投入などの変更が行われた。

ドライバー変更
ティレル・019 #3中嶋悟車(2015年撮影)
新車
  • ティレルはハイノーズの元祖となる019を投入。「コルセアウィング」と呼ばれる「ハ」の字型に開いたフロントウィングが注目された。
  • フェラーリは開幕2戦を戦った641のボディを改良した641/2を投入。しかし、アラン・プロストは旧641ボディを選択した。
  • ベネトンはジョン・バーナード設計のB190を投入。
  • ミナルディはM190を投入。あわせて翌1991年にフェラーリからV12エンジンの供給を受けることを発表した。

予選

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予備予選結果

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順位Noドライバーコンストラクタータイム
129 エリック・ベルナールローラランボルギーニ1'26.475
230 鈴木亜久里ローラランボルギーニ1'27.344+0.869
314 オリビエ・グルイヤールオゼッラフォード1'28.155+1.680
433 ロベルト・モレノユーロブルンジャッド1'28.178+1.703
DNPQ31 ベルトラン・ガショーコローニスバル1'33.554+7.079
DNPQ34 クラウディオ・ランジェスユーロブルンジャッド1'34.272+7.797
DNPQ39 ブルーノ・ジャコメリライフ7'16.212+5'49.737
DNPQ17 ガブリエル・タルキーニAGSフォード
DNPQ18 ヤニック・ダルマスAGSフォード

予選結果

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順位Noドライバーコンストラクタータイム
127 アイルトン・セナマクラーレンホンダ1'23.220
228 ゲルハルト・ベルガーマクラーレンホンダ1'23.781+0.561
36 リカルド・パトレーゼウィリアムズルノー1'24.444+1.224
45 ティエリー・ブーツェンウィリアムズルノー1'25.039+1.819
52 ナイジェル・マンセルフェラーリ1'25.095+1.875
61 アラン・プロストフェラーリ1'25.179+1.959
74 ジャン・アレジティレルフォード1'25.230+2.010
820 ネルソン・ピケベネトンフォード1'25.761+2.541
919 アレッサンドロ・ナニーニベネトンフォード1'26.042+2.822
1011 デレック・ワーウィックロータスランボルギーニ1'26.682+3.462
1112 マーティン・ドネリーロータスランボルギーニ1'26.714+3.494
1215 マウリシオ・グージェルミンレイトンハウスジャッド1'26.836+3.616
1329 エリック・ベルナールローラランボルギーニ1'26.838+3.618
148 ステファノ・モデナブラバムジャッド1'27.008+3.788
1530 鈴木亜久里ローラランボルギーニ1'27.068+3.848
1626 フィリップ・アリオーリジェフォード1'27.214+3.994
1722 アンドレア・デ・チェザリスダラーラフォード1'27.217+3.997
1816 イヴァン・カペリレイトンハウスジャッド1'27.521+4.301
193 中嶋悟ティレルフォード1'27.532+4.312
2025 ニコラ・ラリーニリジェフォード1'27.564+4.344
2121 エマニュエル・ピロダラーラフォード1'27.613+4.393
2214 オリビエ・グルイヤールオゼッラフォード1'28.009+4.789
2335 グレガー・フォイテクオニクスフォード1'28.111+4.891
2433 ロベルト・モレノユーロブルンジャッド1'28.603+5.383
2536 J.J.レートオニクスフォード1'28.625+5.405
2624 パオロ・バリッラミナルディフォード1'28.667+5.447
DNQ10 アレックス・カフィアロウズフォード1'28.699+5.479
DNQ9 ミケーレ・アルボレートアロウズフォード1'28.797+5.577
DNQ7 デビッド・ブラバムブラバムジャッド1'28.927+5.707
WD23 ピエルルイジ・マルティニミナルディフォード1'26.466+3.246
出典[1]

※ピエルルイジ・マルティニは予選2回目走行中アクアミネラーリでクラッシュし、左脚を骨折。決勝出走を断念した。

決勝

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スターティンググリッドはマクラーレン、ウィリアムズ、フェラーリ、ベネトンという今期序盤の戦力分布を示しているが、ティレルの新鋭アレジがベネトン勢より前の7番手に割り込んだ。スタートでは2番グリッドのベルガーが先行するも、ポールシッターのセナとブーツェンに抜かれて3番手へ後退。アレジはトサコーナーへの飛び込みでフェラーリ勢をかわして5番手に浮上する。後方集団では接触事故が起こり、中嶋のニューマシンが全損してしまった。

4周目、先頭のセナがリバッツァコーナーで突然コースアウト、ホイール破損によりリタイアとなった。これで首位に立ったブーツェンも17周目にルノーエンジンが息絶え、上位はベルガー、パトレーゼ、マンセル、プロストの順で周回を重ねる。

レース中盤になるとマンセルがペースを上げ、パトレーゼをかわしてベルガーに肉薄。タンブレロの立ち上がりでベルガーに並びかけるが、コースをはみ出してグリーン上で高速360度スピン。素早く立て直してティフォシたちから喝采を浴びたが、ほどなくエンジンから白煙を上げリタイアとなった。今後はパトレーゼがベルガーに迫る。残り10周、バリアンテ・アルタへの進入でベルガーをかわし、パトレーゼが開幕3戦目で3人目のウィナーとなった。2位ベルガーに続き、プロストの追い上げをしのいだナニーニが3位表彰台を獲得した。プロストは硬めのBタイヤでスタートし、途中ピットインしてCタイヤに交換したが、精彩を欠く週末となった。

4月に36歳の誕生日を迎えたパトレーゼの優勝は、ブラバムに在籍していた1983年南アフリカGP以来。99戦の「最もインターバルがあいた優勝記録」として記憶された。2018年アメリカGPキミ・ライコネン(フェラーリ)が113戦ぶりに優勝し、パトレーゼの記録を更新したが[2]、経過日数でいえばパトレーゼは6年7カ月、ライコネンは5年7カ月と、まだパトレーゼの方が最長期間となっている[3]

決勝結果

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順位Noドライバーコンストラクター周回タイム/リタイアグリッドポイント
16 リカルド・パトレーゼウィリアムズルノー611:30'55.47839
228 ゲルハルト・ベルガーマクラーレンホンダ61+5.11726
319 アレッサンドロ・ナニーニベネトンフォード61+6.24094
41 アラン・プロストフェラーリ61+6.84363
520 ネルソン・ピケベネトンフォード61+53.11282
64 ジャン・アレジティレルフォード60+1 Lap71
711 デレック・ワーウィックロータスランボルギーニ60+1 Lap10
812 マーティン・ドネリーロータスランボルギーニ60+1 Lap11
926 フィリップ・アリオーリジェフォード60+1 Lap16
1025 ニコラ・ラリーニリジェフォード59+2 Laps20
1124 パオロ・バリッラミナルディフォード59+2 Laps26
1236 J.J.レートオニクスフォード59+2 Laps25
1329 エリック・ベルナールローラランボルギーニ56クラッチ13
Ret14 オリビエ・グルイヤールオゼッラフォード52ホイール22
Ret2 ナイジェル・マンセルフェラーリ38エンジン5
Ret35 グレガー・フォイテクオニクスフォード35エンジン23
Ret8 ステファノ・モデナブラバムジャッド31ブレーキ14
Ret22 アンドレア・デ・チェザリスダラーラフォード29ホイール17
Ret15 マウリシオ・グージェルミンレイトンハウスジャッド24電気系12
Ret5 ティエリー・ブーツェンウィリアムズルノー17エンジン4
Ret30 鈴木亜久里ローラランボルギーニ17クラッチ15
Ret27 アイルトン・セナマクラーレンホンダ3ホイール1
Ret21 エマニュエル・ピロダラーラフォード2スピン21
Ret16 イヴァン・カペリレイトンハウスジャッド0接触18
Ret3 中嶋悟ティレルフォード0接触19
Ret33 ロベルト・モレノユーロブルンジャッド0スロットル24
DNS23 ピエルルイジ・マルティニミナルディフォード予選事故
出典[4]

レース後の選手権ランキング

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  • 注記: 上位5位までを表記

脚注

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  1. ^ San Marino Grand Prix - OVERALL QUALIFYING”. Formula1.com. 2020年4月22日閲覧。
  2. ^ 尾張正博 (2018年10月31日). “39歳ライコネン、F1勝利の大偉業。激動を生き抜いたクールな適応力。”. Number Web. 2020年4月24日閲覧。
  3. ^ Wins Interval between two”. STATS F1.com. 2020年4月24日閲覧。
  4. ^ San Marino Grand Prix - RACE RESULT”. Formula1.com. 2020年4月22日閲覧。
  5. ^ a b San Marino 1990 - Championship STATS F1”. www.statsf1.com. 2020年4月22日閲覧。
前戦
1990年ブラジルグランプリ
FIA F1世界選手権
1990年シーズン
次戦
1990年モナコグランプリ
前回開催
1989年サンマリノグランプリ
サンマリノグランプリ次回開催
1991年サンマリノグランプリ