青春とはなんだ

日本テレビで放送された学園ドラマ

青春とはなんだ(せいしゅんとはなんだ)は石原慎太郎の小説。1965年に日活により石原裕次郎主演、舛田利雄監督で映画化され、7月14日に公開されている[1]

青春とはなんだ
ジャンル学園ドラマ
原作石原慎太郎
(第1話−第26話)
原案石原慎太郎
(第27話−第41話)
脚本井手俊郎ほか
監督松森健
児玉進
高瀬昌弘
監修千葉泰樹
出演者夏木陽介
藤山陽子
音楽いずみたく
オープニング「若い明日」(布施明
国・地域日本の旗 日本
言語日本の旗日本語
製作
プロデューサー岡田晋吉(日本テレビ)
中根敏雄
大木亀雄
制作日本テレビ
東宝
テアトル・プロ
放送
放送チャンネル日本テレビ系列
音声形式モノラル放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1965年10月24日 - 1966年11月13日
放送時間日曜20:00 - 20:56
放送枠日本テレビ日曜8時連続ドラマ
放送分56分
回数41回

特記事項:
大正製薬一社提供
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テレビドラマ版は、1965年10月24日から1966年11月13日にかけて東宝制作、テアトル・プロ共同制作で日本テレビ系で放送された。夏木陽介藤山陽子主演の学園ドラマ。東宝青春学園ドラマの先駆け的作品である。

ドラマ版

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アメリカ帰りの野々村健介は、田舎町・森山町の森山高校の英語教師に就任し、ラグビーを通じて生徒たちと心の交流、人間教育を展開していく。また同時に町に蔓延する黒い影と戦っていくのだった。

原作は、石原慎太郎の同名小説で、当初は2クール(半年)26話の予定で放送されていたが、好評で1年間に延長された。よって原作から離れたオリジナル・ストーリーになったため第27話からそれまでの「原作・石原慎太郎」から「原案・石原慎太郎」というクレジット表記に変更された。

2クール終了での最終回予定の第25話「どろんこ作戦」は2人の監督がクレジットされているが、実質は松森健、児玉進に高瀬昌弘を加えた3人体制で演出していた。出演していた俳優の加東大介が「さすが東宝、3人で監督とは」と唸ったという[注 1]

本作が始まる3ヶ月前に日活によって映画化(1965年7月14日公開)。野々村健介役は石原裕次郎だった。その後、番組の終了直後に本作と同じ東宝によっても、劇場版が『これが青春だ!』(1966年)のタイトルで製作、公開された。これは『でっかい太陽』、『燃えろ!太陽』(1967年)とシリーズ化された。

本作は大正製薬一社提供だが、本作をもってこの枠の大正製薬一社提供番組は終結した。しかし大正製薬は以後も、現在放送中の『世界の果てまでイッテQ!』に至るまでこの枠の提供を続けている。

当時日本テレビアナウンサーだった徳光和夫が最終回にラグビー中継のアナウンサー役で出演している。なおこれより前の第32話では、同じく日本テレビアナウンサーだった清水一郎が視聴者参加型バンド番組の司会者役で出演している(徳光と清水は当時『日本プロレス中継』の実況を担当していた)。

地上波では2023年現在、1986年深夜番組〈ナイトスクリーン〉での放送が最後の再放送となっている。

放送開始して半世紀弱後の2015年8月16日にはBS-TBSで、野々村健介役の夏木陽介、松井勝子役の岡田可愛、小沢祐子役の水沢有美が再会する特別番組『感動再会!同窓会の旅 "青春とはなんだ"編』を放送した[2]

放送データ

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主題歌・挿入歌

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  • 主題歌「若い明日」 歌:布施明(作詞:岩谷時子 作曲・編曲:いずみたくキングレコードBS-324)
  • 挿入歌「貴様と俺」 歌:布施明(作詞:岩谷時子 作曲・編曲:いずみたく)
    • 次作『これが青春だ』でも副主題歌として扱われ、応援歌として青春学園シリーズほぼ全作の重要な挿入歌となった。
    • 1972年、再放送された時には <貴様と俺> がヒットしたため主題歌として編集されていた。
    • 不定期で開催される青春学園同窓会でも毎回歌われている。

主な出演者

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【森山高校教師・職員】

【森山高校生徒・OB】

【町の人々】

スタッフ

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※千葉泰樹・井手俊郎・須崎勝弥・高瀬昌弘の4名は、第32話でバンド番組の審査員役として出演している。

サブタイトル

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放映日各話サブタイトル脚本監督ゲスト
1965年10月24日第1話汽車から降りた男井手俊郎松森健丸山英明(駅員)
1965年10月31日第2話こんにちわ学生諸君!井手俊郎松森健
1965年11月7日第3話若い息吹き須崎勝弥松森健堤康久(質屋)
1965年11月14日第4話青空教室須崎勝弥松森健
1965年11月21日第5話渦の中浅川清道松森健
1965年11月28日第6話黒い雲浅川清道松森健中北千枝子(友田の母)
1965年12月5日第7話暴力追放浅川清道児玉進
1965年12月12日第8話若い旋風須崎勝弥児玉進有島一郎(部長)
堺左千夫(課長)
1965年12月19日第9話台風一過須崎勝弥児玉進美川陽一郎(吉野の父)
1965年12月26日第10話風に立つ浅川清道児玉進田崎潤 (長沼)
1966年1月2日第11話暖かい冬井手俊郎松森健柳川慶子(鈴子)
青山京子(竹村里枝)
1966年1月9日第12話子供の夢井手俊郎松森健久保明(杉本弘)
千石規子(寺の女房)
柳川慶子
青山京子
1966年1月16日第13話危険な年輪須崎勝弥松森健酒井和歌子(木塚初子)
中村是好(初子の義父)
中丸忠雄(陣内)
清川玉枝(スナックのママ)
1966年1月23日第14話フェアープレイ須崎勝弥松森健中丸忠雄
白川由美(矢吹医師)
1966年1月30日第15話みんな恋人浅川清道松森健高橋紀子(宗方洋子)
白川由美
1966年2月6日第16話愛情の輪井手俊郎松森健布施明(本人役)
高橋紀子
1966年2月13日第17話遠い空の果てに浅川清道高瀬昌弘藤岡重慶(冬山捜索隊員)
1966年2月20日第18話制服の日誌須崎勝弥高瀬昌弘二木てるみ (西条真理)
南美江(真理の叔母)
1966年2月27日第19話母の歌[注 3] 井手俊郎松森健
1966年3月6日第20話試験と泥棒須崎勝弥松森健矢竹真一
1966年3月13日第21話わが道を行く井手俊郎高瀬昌弘若林映子(柴田弓子)
1966年3月20日第22話おお! 落第田波靖男松森健久世竜
1966年3月27日第23話螢の光田波靖男松森健
1966年4月3日第24話高校三年須崎勝弥高瀬昌弘E・H・エリック (マートン)
1966年4月10日第25話どろんこ作戦 [注 4]須崎勝弥松森健
児玉進
藤岡琢也 (北日高校監督・熊谷)
1966年4月17日第26話大山鳴動須崎勝弥高瀬昌弘佐原健二(関根)
星十郎(工藤)
1966年4月24日第27話逃げた連休倉本聰松森健川知ミミ(木下ナナミ)
市川好郎 (中原五郎)
柳谷寛(旅館主人)
大村千吉
西条康彦
1966年5月1日第28話いかすぜ! 鉄腕田波靖男高瀬昌弘岩上正宏(西村)
1966年5月15日第29話二人の虹田波靖男松森健藤田淑子(松崎英子)
1966年5月22日第30話花咲く丘田中美樹高瀬昌弘市川中車(北原大造)
1966年5月29日第31話ある初恋須崎勝弥松森健南弘子(並木和子)
松村達雄(和子の父)
1966年7月10日第32話エレキで助けろ田中美樹松森健新門宏泰(高井英二)
渋谷英男
岩本弘司
清水一郎(司会者)
1966年7月24日第33話風が見ていた井手俊郎
田中美樹
松森健小栗一也(若松)
和田孝(石川信夫)
1966年8月21日第34話太陽と青春倉本聰高瀬昌弘逗子とんぼ(ホテル経営者)
うえづ・みのる
1966年9月4日第35話夏山讃歌田波靖男高瀬昌弘成瀬昌彦(相沢)
1966年10月2日第36話泣き虫健介須崎勝弥松森健渡辺篤
平井岐代子(永井先生の母)
1966年10月9日第37話あの標的を狙え倉本聰松森健松本めぐみ(君子)
人見明(受験コンサルタント)
1966年10月23日第38話ひとりぽっち君田波靖男高瀬昌弘梓英子(みどり)
小川真司(森下)
1966年10月30日第39話大空に夢を描けば井手俊郎
高瀬昌弘
高瀬昌弘左卜全
松島真一(勝田真一)
如月寛多(真一の父)
1966年11月6日第40話なぐられた青春須崎勝弥高瀬昌弘瞳麗子(中川の妻)
1966年11月13日第41話この日を永遠に須崎勝弥松森健徳光和夫(実況アナウンサー)

ロケ地

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メディア

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  • 青春とはなんだミュージックファイル(1993年7月1日、vap発売 VPCD-81011)
思い出の青春ドラマ音楽全集CDとしてドラマのBGM等63曲(音楽:いずみたく)を収録しており、ビデオ化されていないこのドラマを音で再現している。
  • 人気テレビドラマ作品であるが、これまでに全41話を収録した本編のビデオ・DVD・ブルーレィ等のソフト化はされていない。

映画

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1965年7月14日公開、101分、日活製作配給。

スタッフ

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キャスト

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書籍・新聞・雑誌

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  • 石原慎太郎著「青春とはなんだ」(1963年9月3日~1964年7月まで『新潟日報』他の地方紙に303回連載。挿絵:長谷川春子)
  • 石原慎太郎著『青春とはなんだ』(1965年2月16日、講談社
  • 石原慎太郎著『青春とはなんだ』(1967年、講談社ロマン・ブックス)
  • 石原慎太郎著『青春とはなんだ』(1968年3月30日、角川文庫)
  • 石原慎太郎著「青春とはなんだ」(『現代長編文学全集44 石原慎太郎』収録。1968年9月6日、講談社)
  • テレビ小説「青春とはなんだ」(『週刊マーガレット』1966年13号~1966年45号掲載、集英社
  • 青春文庫『青春とはなんだ―付 海外青春小説』(『高二時代』1966年9月号付録、旺文社

参考文献

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  • 林真理子著『チャンネルの5番』(講談社、1991年2月)‐ ロケ高校について
  • 岡田可愛著『失敗なんて怖くない』(KSS出版、1998年10月) ISBN 4-87709-289-7
  • 宇留野仁一著『「青春とはなんだ」大全』(朝日出版社、2003年4月25日)自家版
  • 岡田晋吉著『青春ドラマ夢伝説 ― あるプロデューサーのテレビ青春日記』(日本テレビ放送網、2003年9月) ISBN 4-8203-9863-6
文庫版:2021年7月10日、筑摩書房ちくま文庫。副題を<「俺たちの旅」などとTVドラマの黄金時代>に変更。ISBN 4-480-43750-9
  • 高瀬昌弘著『昭和千本のドラマたち』(廣済堂出版、2007年11月15日)ISBN 978-4-331-51242-5

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 「芝居のシーンは松森さんが担当し、北日高校と森山高校との試合のラグビーシーンは(中略)児玉さんが撮り、客席のカットは私が撮った」(高瀬昌弘著『昭和千本のドラマたち』)
  2. ^ 当時のプロ野球中継の放送枠は20:00 - 21:26。
  3. ^ 初回放映時は「母の歌」だったが、再放送以降に改題した。予告篇のナレーションでは「母の歌」と言っているが、字幕表示では「ハッピーバースデー」となっている。
  4. ^ 当初の最終回予定作品。監督も実際は高瀬昌弘含めた3人体制だった。出典1.を参照のこと。

出典

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  1. ^ 青春とはなんだ”. 日活. 2022年7月10日閲覧。
  2. ^ TVステーション」(ダイヤモンド社)関東版2015年17号 46頁
日本テレビ 日曜20:00枠
前番組番組名次番組
日曜ロードショー(第2期)
※20:00~21:26
青春とはなんだ
【ここからドラマ枠
日本テレビ系 大正製薬一社提供
日曜ロードショー(第2期)
【ただし20:56まで】
青春とはなんだ
(終了)