立秋

二十四節気の一つ

立秋(りっしゅう)は、二十四節気の第13。七月節(旧暦6月後半から7月前半)。

現在広まっている定気法では太陽黄経が135のときで8月7日ごろ。ではそれが起こるだが、天文学ではその瞬間とする。恒気法では冬至から5/8年(約228.28日)後で8月8日ごろ。

期間としての意味もあり、そのように用いる場合は、この日から、次の節気の処暑前日までの期間を指す。

季節 編集

夏が極まり秋の気配が立ち始める日[1]。七月節(旧暦7月)。『暦便覧』では「初めて秋の気立つがゆゑなれば也」と説明している。

夏至秋分の中間で、昼夜の長短を基準に季節を区分する場合、この日から立冬の前日までがとなる。二十四節気が成立した中国内陸部は大陸性気候のためこの頃には徐々に涼しくなり始めるが、海に囲まれた日本列島は立秋を過ぎてもしばらくは猛暑が続く。[2] 立秋からの暑さを「残暑」といい、手紙や文書等の時候の挨拶などで用いられる。また、この日から暑中見舞いではなく残暑見舞いを出すことになる。

藤原敏行は「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」(古今和歌集)と詠んだ。

2004年平成16年)以降より、この日に至っても梅雨が明けない場合は「梅雨明け」の発表はされなくなる(明確な区切り無く秋雨に移る。立秋以降の長雨は秋雨という)。それゆえに、東北地方(特に北東北)などでは「梅雨明け特定せず(梅雨明けなし)」となることも決して少なくない。

全国高等学校野球選手権大会も立秋頃に開幕を迎える。

日付 編集

定気法による立秋の瞬間(世界時、UT)と、日本中国での立秋日の日付は表のとおり。日本における時刻はこの表の9時間後[3][4]、中国では8時間後となり、世界時15時台の2国の日付は異なる。

日時 (UT)日本中国
1966年8月7日23:498月8日8月8日
1967年8月8日05:358月8日8月8日
1968年8月7日11:278月7日8月7日
1969年8月7日17:148月8日8月8日
1970年8月7日22:548月8日8月8日
1971年8月8日04:408月8日8月8日
1972年8月7日10:298月7日8月7日
1973年8月7日16:138月8日8月8日
1974年8月7日21:578月8日8月8日
1975年8月8日03:458月8日8月8日
1976年8月7日09:388月7日8月7日
1977年8月7日15:308月8日8月7日
1978年8月7日21:188月8日8月8日
1979年8月8日03:118月8日8月8日
1980年8月7日09:098月7日8月7日
1981年8月7日14:578月7日8月7日
1982年8月7日20:428月8日8月8日
1983年8月8日02:308月8日8月8日
1984年8月7日08:188月7日8月7日
1985年8月7日14:048月7日8月7日
1986年8月7日19:468月8日8月8日
1987年8月8日01:298月8日8月8日
1988年8月7日07:208月7日8月7日
1989年8月7日13:048月7日8月7日
1990年8月7日18:468月8日8月8日
1991年8月8日00:378月8日8月8日
1992年8月7日06:278月7日8月7日
1993年8月7日12:188月7日8月7日
1994年8月7日18:048月8日8月8日
1995年8月7日23:528月8日8月8日
1996年8月7日05:498月7日8月7日
1997年8月7日11:368月7日8月7日
1998年8月7日17:208月8日8月8日
1999年8月7日23:148月8日8月8日
2000年8月7日05:038月7日8月7日
2001年8月7日10:528月7日8月7日
2002年8月7日16:398月8日8月8日
2003年8月7日22:248月8日8月8日
2004年8月7日04:208月7日8月7日
2005年8月7日10:038月7日8月7日
2006年8月7日15:418月8日8月7日
2007年8月7日21:318月8日8月8日
2008年8月7日03:168月7日8月7日
2009年8月7日09:018月7日8月7日
2010年8月7日14:498月7日8月7日
2011年8月7日20:338月8日8月8日
2012年8月7日02:318月7日8月7日
2013年8月7日08:208月7日8月7日
2014年8月7日14:028月7日8月7日
2015年8月7日20:018月8日8月8日
2016年8月7日01:538月7日8月7日
2017年8月7日07:408月7日8月7日
2018年8月7日13:308月7日8月7日
2019年8月7日19:138月8日8月8日
2020年8月7日01:068月7日8月7日
2021年8月7日06:548月7日8月7日
2022年8月7日12:298月7日8月7日
2023年8月7日18:238月8日8月8日
2024年8月7日00:098月7日8月7日
2025年8月7日05:518月7日8月7日
2026年8月7日11:428月7日8月7日
2027年8月7日17:268月8日8月8日
2028年8月6日23:208月7日8月7日
2029年8月7日05:118月7日8月7日
2030年8月7日10:468月7日8月7日
2031年8月7日16:428月8日8月8日
2032年8月6日22:318月7日8月7日
2033年8月7日04:158月7日8月7日
2034年8月7日10:088月7日8月7日
2035年8月7日15:538月8日8月7日
2036年8月6日21:488月7日8月7日
2037年8月7日03:428月7日8月7日
2038年8月7日09:208月7日8月7日
2039年8月7日15:178月8日8月7日
2040年8月6日21:098月7日8月7日
2041年8月7日02:478月7日8月7日
2042年8月7日08:378月7日8月7日
2043年8月7日14:198月7日8月7日
2044年8月6日20:078月7日8月7日
2045年8月7日01:588月7日8月7日
2046年8月7日07:328月7日8月7日
2047年8月7日13:248月7日8月7日
2048年8月6日19:178月7日8月7日
2049年8月7日00:568月7日8月7日
2050年8月7日06:518月7日8月7日
2051年8月7日12:408月7日8月7日
2052年8月6日18:328月7日8月7日
2053年8月7日00:288月7日8月7日
2054年8月7日06:058月7日8月7日
2055年8月7日11:598月7日8月7日
2056年8月6日17:548月7日8月7日
2057年8月6日23:328月7日8月7日
2058年8月7日05:248月7日8月7日
2059年8月7日11:118月7日8月7日
2060年8月6日16:588月7日8月7日

グレゴリオ暦 編集

グレゴリオ暦による17世紀から24世紀までの日本の立秋は表のとおり[5][6][7]

2024年の立秋は8月7日[更新]

365日からの超過分が毎年蓄積し、4年に一度閏年でリセットされる様子がわかる(立秋は閏日の挿入される2月末日より後のため、4で割り切れる年が先頭)。1916年 - 2071年には8月7日8月8日だが、1915年までは8月9日もあり、2072年からは8月6日もある。

年を4で割った余り確定困難な(日を跨ぐ)年
0123真夜中の前後10分
1583年 - 1591年8日8日8日8日1588(7-8日),
1592年 - 1619年7日8日8日8日1617(7-8日),
1620年 - 1647年7日7日8日8日
1648年 - 1675年7日7日7日8日1650(7-8日),
1676年 - 1699年7日7日7日7日1679(7-8日),
1700年 - 1711年8日8日8日8日
1712年 - 1739年7日8日8日8日
1740年 - 1767年7日7日8日8日
1768年 - 1799年7日7日7日8日1799(7-8日),
1800年 - 1831年8日8日8日8日
1832年 - 1859年7日8日8日8日
1860年 - 1891年7日7日8日8日1890(7-8日),
1892年 - 1899年7日7日7日8日
1900年 - 1915年8日8日8日9日
1916年 - 1951年8日8日8日8日1919(8-9日),
1952年 - 1979年7日8日8日8日
1980年 - 2007年7日7日8日8日1981(7-8日),
2008年 - 2039年7日7日7日8日
2040年 - 2071年7日7日7日7日
2072年 - 2099年6日7日7日7日
2100年 - 2127年7日7日8日8日
2128年 - 2159年7日7日7日8日2130(7-8日), 2159(7-8日),
2160年 - 2191年7日7日7日7日
2192年 - 2199年6日7日7日7日
2200年 - 2219年7日8日8日8日
2220年 - 2247年7日7日8日8日
2248年 - 2279年7日7日7日8日2279(7-8日),
2280年 - 2299年7日7日7日7日
2300年 - 2307年8日8日8日8日
2308年 - 2339年7日8日8日8日
2340年 - 2367年7日7日8日8日2366(7-8日),
2368年 - 2395年7日7日7日8日
2396年 - 2399年7日7日7日7日

七十二候 編集

立秋の期間の七十二候は以下の通り。

初候
涼風至(すづかぜいたる): 涼しいが立ち始める(日本・中国)
次候
寒蝉鳴(ひぐらしなく): が鳴き始める(日本)
白露降(はくろ くだる): 朝が降り始める(中国)
末候
蒙霧升降(ふかききりまとう): 深いが立ち込める(日本)
寒蝉鳴(ひぐらしなく): 蜩が鳴き始める(中国)

前後の節気 編集

大暑立秋処暑

脚注 編集

  1. ^ 天体観測ハンドブック―「天文年鑑」を100%活用するために, 誠文堂新光社 (たとえば1970年)[要ページ番号]
  2. ^ なぜずれる? 二十四節気と季節感(No.0702)”. koyomi8.com. 2016年5月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月30日閲覧。
  3. ^ 国立天文台 暦要項 各年版より世界時換算(1984年 - 2016年)
  4. ^ 2009年版より理論が更新されているが、「分」の精度でほとんど違いはない。
  5. ^ 現代の天体力学による位置推算のため、過去の暦の記述とは必ずしも一致しない(代わりに分単位の精度がある)。将来の見積もりについては(主に閏秒の不確かさから)日付が前後する恐れがある(10分の誤差を見込んだが、表の末尾では恐らく不足)。
  6. ^ JPL HORIZONS Web-Interface(2015年8月22日 Ver 3.9.8)取得後 TT→UT変換
  7. ^ NASAによるΔTの解説計算式

関連項目 編集

外部リンク 編集