ラリー・アルゼンチン

ラリー・アルゼンチン(Rally Argentina)は、アルゼンチンコルドバ州で開催される世界ラリー選手権 (WRC) の一戦。1980年創設。

ラリー・アルゼンチン
状況平常
種類世界ラリー選手権
頻度毎年
開催国アルゼンチン
初回開催1980年

特徴 編集

シエラス・チカス山脈の麓にあるコルドバ近郊のリゾート地カルロスパスが拠点となる。スーパーSSはサッカースタジアムで開催されることが多く、コルドバのエスタディオ・マリオ・アルベルト・ケンペスほか、700km離れたブエノスアイレスのエスタディオ・モヌメンタルリーベル・プレートの本拠地)で行なわれたこともある。

パンパスや山岳地帯を駆け抜けるルートは変化に富み、「1年で最も美しいラリー」に選ばれることも多い[1]グラベル路面は砂が柔らかいため轍ができやすく、砂の中に隠れた石でパンクするリスクもある[2]。また、開催時期が南米では秋にあたるため天候が不安定で、標高が高いためエンジンパワーが制限される。ジャンピングスポットやいくつもの川渡り、巨岩が転がる月面のような景観の名物ステージ「エル・コンドール」など[2]観戦上の見所も多く、大勢の熱心な観客がつめかける。

1990年代にアルゼンチン大統領を務めたカルロス・メネムとその息子のメネムJr.はラリードライバーとして知られ、本イベントにも何度か出走したことがある[3]

2012年はSS総距離500km超というロングラリーだったが、2013年は約400kmというWRCの標準的な距離に戻った[4]

2020年は新型コロナウイルスの感染が拡散する中でアルゼンチン政府が流行を抑えるために感染拡大防止の対策を発表。コルドバ州政府の指示によって開催が延期となった[5]

2022年版から(ただし、2021年版は正式に延期された)、ラリー・アルゼンチンは採点レースとしてCODASUR南米ラリー選手権 (en: Codasur South American Rally Championship)カレンダーの一部となった。[6]

歴代優勝者 編集

優勝者車輌
ドライバーコ・ドライバー
1980年 ワルター・ロール クリスチャン・ガイストドルファーフィアット・131・アバルト
1981年 ギ・フランクレン ジャン・トッドタルボット・サンビーム ロータス
1983年 ハンヌ・ミッコラ アーネ・ヘルツアウディ・クワトロA2
1984年 スティグ・ブロンクビスト ビョルン・セダーベルグ
1985年 ティモ・サロネン セッポ・ハルヤンヌプジョー・205T16E2
1986年 ミキ・ビアシオン ティツィアーノ・シヴィエロランチア・デルタS4
1987年ランチア・デルタHF 4WD
1988年 Jorge Recalde Jorge del Buonoランチア・デルタHFインテグラーレ
1989年 ミカエル・エリクソン クラエス・ビルスタム
1990年 ミキ・ビアシオン ティツィアーノ・シヴィエロランチア・デルタHFインテグラーレ 16V
1991年 カルロス・サインツ ルイス・モヤトヨタ・セリカ GT-FOUR
1992年 ディディエ・オリオール ベルナール・オセッリランチア・デルタHFインテグラーレ エボルツィオーネ
1993年 ユハ・カンクネン ニッキー・グリストトヨタ・セリカターボ4WD
1994年 ディディエ・オリオール ベルナール・オセッリ
1995年 Jorge Recalde Martin Christieランチア・デルタHFインテグラーレ
1996年 トミ・マキネン セッポ・ハルヤンヌ三菱・ランサーエボリューションIII
1997年三菱・ランサーエボリューションIV
1998年 リスト・マニセンマキ三菱・ランサーエボリューションV
1999年 ユハ・カンクネン ユハ・レポスバル・インプレッサWRC
2000年 リチャード・バーンズ ロバート・レイド
2001年 コリン・マクレー ニッキー・グリストフォード・フォーカスWRC
2002年 カルロス・サインツ ルイス・モヤ
2003年 マーカス・グロンホルム ティモ・ラウティアイネンプジョー・206WRC
2004年 カルロス・サインツ マルク・マルティシトロエン・クサラWRC
2005年 セバスチャン・ローブ ダニエル・エレナ
2006年
2007年シトロエン・C4 WRC
2008年
2009年
2010年†† ユホ・ハンニネン ミッコ・マルクラシュコダ・ファビア S2000
2011年 セバスチャン・ローブ ダニエル・エレナシトロエン・DS3 WRC
2012年
2013年
2014年 ヤリ=マティ・ラトバラ ミーカ・アンティラフォルクスワーゲン・ポロ R WRC
2015年 クリス・ミーク ポール・ネーグルシトロエン・DS3 WRC
2016年 ヘイデン・パッドン ジョン・ケナードヒュンダイ・i20 WRC
2017年 ティエリー・ヌービル ニコラ・ジルソウルヒュンダイ・i20クーペWRC
2018年 オィット・タナック マルティン・ヤルベオヤトヨタ・ヤリスWRC
2019年 ティエリー・ヌービル ニコラ・ジルソウルヒュンダイ・i20クーペWRC
2020年中止
2021年†††レースは延期
2022年††† マルコス・リガト ルベン・ガルシアシトロエン・C3 ラリー2

脚注 編集

  1. ^ "Rally Argentina 事前情報". SUBARUモータースポーツ.(2004年7月9日)2013年12月11日閲覧。
  2. ^ a b "総計502km超の過酷なSSにSUBARU勢が挑む". SUBARU MOTORSPORT.(2012年)2013年12月11日閲覧。
  3. ^ 『AUTO SPORT(オートスポーツ) No.661 1994年9月1日号』P143 三栄書房刊
  4. ^ "ローブvsオジェ──ふたりの"セバスチャン"対決が焦点の南米グラベル決戦". 日本ミシュランタイヤ.(2013年5月1日)2013年12月11日閲覧。
  5. ^ WRC:新型コロナ対策で4月23~26日の第4戦アルゼンチンが開催延期に。振替日は今後決定 - オートスポーツ・2020年3月13日
  6. ^ https://cordobacompeticion.com/nacionales/rally-argentino/rally-argentina-volvera-a-ser-sudamericano-en-2023/

外部リンク 編集