ハース・VF-20 (Haas VF-20) は、ハースF1チーム2020年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カーである。

ハース・VF-20
プレシーズン・テスト仕様(2020年2月)
プレシーズン・テスト仕様(2020年2月)
カテゴリーF1
コンストラクターハース
先代ハース・VF-19
後継ハース・VF-21
主要諸元
エンジンフェラーリ 065 1.6L V6ターボ
タイヤピレリ
主要成績
チームハースF1チーム
ドライバーフランスの旗 ロマン・グロージャン
デンマークの旗 ケビン・マグヌッセン
ブラジルの旗 ピエトロ・フィッティパルディ
出走時期2020年
初戦2020年オーストリアGP
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概要

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2020年2月6日、正式発表に先立ってカラーリングが公開され、前年途中までタイトルスポンサーを務めたリッチ・エナジーのブラックとゴールドから、2018年までの薄いグレイとブラックのベースにレッドを加えたものに戻った[1]同月16日カタロニア・サーキットシェイクダウンを行い[2]19日から同サーキットで行われるプレシーズンテストの開始前に正式発表された[3]

前年のVF-19はタイヤとの相性が悪く[4]、パーツ供給元のフェラーリ同様セッティングの難しさに悩まされた。VF-20もノーズ周りはフェラーリに合わせているが、フロアフロントやポッドエッジのサイドフェンスはハース独自のエアロ処理を施している[5]

2020年シーズン

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ドライバーはロマン・グロージャンケビン・マグヌッセンのコンビを継続。

プレシーズンテストでは前年のマシン開発の失敗を防ぐべく[6]、速さを追求するより、マシンの習熟に専念してシーズンに備えた[7]2019新型コロナウイルスの世界的流行の影響により、F1は休止状態となり、それを経て開幕戦を迎えた。だが、シーズンを通して獲得できたポイントは、第3戦のマグヌッセンの10位入賞[8]と第11戦のグロージャンの9位入賞[9]の計3ポイントのみとなった[10]

今季のマシンはタイヤの相性の問題は改善[11]し、決勝も条件が整えばある程度の速さを見せたこと[12]もあったが、使用するフェラーリPUの不振[13][14]やアップデートがほぼ行われなかった[15][16]ことの影響もあり、F1参入以来の最低記録を更新する形でシーズンを終えた。

スペック

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シャシー

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パワーユニット

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  • 型式: フェラーリ 065[17]
  • 排気量: 1,600cc
  • 気筒数: V型6気筒
  • 過給機形式: ターボ
  • 最高回転数: 15,000rpm(レギュレーションで規定)

記録

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key

No.ドライバーAUT
STY
HUN
GBR
70A
ESP
BEL
ITA
TUS
RUS
EIF
POR
EMI
TUR
BHR
SKR
ABU
ポイントランキング
20208 グロージャンRet13161616191512121791714RetRet39位
51 フィッティパルディ1719
20 マグヌッセンRet1210RetRet1517RetRet121316Ret17171518

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ “ハースF1チーム、2020年型マシン『VF-20』のカラーリングを発表。モノクロ基調に一新”. autosport web. (2020年2月7日). https://www.as-web.jp/f1/563189?all 2020年2月25日閲覧。 
  2. ^ “【動画】ハースF1、バルセロナで2020年の新車『VF-20』をシェイクダウン”. autosport web. (2020年2月17日). https://www.as-web.jp/f1/566150 2020年2月25日閲覧。 
  3. ^ “ハースF1『VF-20』の実車を公開。2020年シーズンは中団勢トップ争いに戻れるか”. autosport web. (2020年2月19日). https://www.as-web.jp/f1/566684?all 2020年2月25日閲覧。 
  4. ^ “ハース、新車『VF-20』を正式発表。昨年の不振から脱却を目指す”. motorsport.com. (2020年2月19日). https://jp.motorsport.com/f1/news/HaasF1-2020-new-car-launch-VF20/4687737/ 2020年2月25日閲覧。 
  5. ^ “【津川哲夫のF1新車初見チェック】フェラーリ製パーツを採用しながらもは独自性あるハースVF20。好不調の波を抑えられるか”. autosport web. (2020年2月24日). https://www.as-web.jp/f1/567684?all 2020年2月25日閲覧。 
  6. ^ 不振のハース、2018年の活躍が足枷に?「自信過剰になっていた」とチーム代表jp.motorsport.com(2020年3月10日)2020年7月13日閲覧。
  7. ^ 「去年のような失敗はゴメンだ」大苦戦の2019年に学ぶハース、今季は“注意深く”jp.motorsport.com(2020年3月10日)2020年7月13日閲覧。
  8. ^ ハース、スタート前の“英断”で虎の子の1ポイント獲得。舞台裏をチーム代表が明かすjp.motorsport.com(2020年7月20日)2020年7月21日閲覧。
  9. ^ グロージャン今季初入賞「リスクを取って1ストップ作戦に賭けた」ハース【F1第11戦決勝】www.as-web.jp(2020年10月12日)2020年10月17日閲覧。
  10. ^ 2020 Constructor Standings: Haas Ferrariwww.formula1.com 2021年1月7日閲覧。
  11. ^ ハース、タイヤマネジメントの”持病”は治ったものの……「今年は簡単な年にはならない」jp.motorsport.com(2020年7月14日)2020年7月21日閲覧。
  12. ^ 【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第6回】ミディアムでの走行はほぼ完璧。入賞届かずも、レースペースの良さが光るwww.as-web.jp(2020年8月6日)2020年8月10日閲覧。
  13. ^ フェラーリF1、エンジンパワーの低下は「技術指令書への対処の結果」formula1-data.com(2020年7月18日)2020年9月2日閲覧。
  14. ^ Ferrari explains loss in engine performance” (英語). ESPN (2020年7月17日). 2021年1月7日閲覧。
  15. ^ ハース、収入確定まで当分はアップグレードなし。不透明な現状にシュタイナー代表も慎重jp.motorsport.com(2020年6月19日)2021年1月7日閲覧。
  16. ^ 【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第19回】2020年は「予想以上に苦しい1年」組織づくりを継続、新体制を樹立へwww.as-web.jp(2020年12月26日)2021年1月7日閲覧。
  17. ^ SF1000 launched in Reggio Emilia”. ferrari.com (2020年2月12日). 2020年2月25日閲覧。