カーンチャナブリー県

タイの県
カーンチャナブリー県
จังหวัดกาญจนบุรี
カーンチャナブリー県の位置
タイの国旗 タイ王国
県庁所在地ムアンカーンチャナブリー郡
面積19,483.148 km²
人口842,882 人 2013年
人口密度43.26 人/km²
ISO 3166-2TH-71
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カーンチャナブリー県(カーンチャナブリーけん、タイ語: จังหวัดกาญจนบุรี)はタイ中部の県(チャンワット)の一つ。ターク県ウタイターニー県スパンブリー県ナコーンパトム県ラーチャブリー県と接し、西部にはミャンマーとの国境が広がる。

地理 編集

クウェーヤイ川(大クウェー川)とクウェーノーイ川(小クウェー川)を中心に県が展開している。県北部には自然が大きく残り、数カ所に公式・非公式の国立公園が展開し、そのほとんどの領域が国立公園あるいは野生動物保護区となっている。特にトゥンヤイ・ナレースワン野生生物保護区ユネスコ世界遺産(自然遺産)に登録されている。

またボープローイ郡近辺はスルーサファイアの産出地でもあり、県の主要な産物となっている。またタイで珍味とされるヘット・コーン(Termitomyces sp.)と呼ばれるキノコの採集地でもある。

気候 編集

ケッペンの気候区分によると、サバナ気候に区分される。11月後半~4月前半は乾季であり、12月~1月は朝晩を中心に20℃以下になることもあり涼しい季節である。2月~4月は暑季であり、40℃まで上がることもある。雨季は4月後半~11月前半であり、雨季の終わりである9~10月は降水量が多くなる。

カーンチャナブリー (1981–2010)の気候
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
最高気温記録 °C°F38.4
(101.1)
40.8
(105.4)
42.1
(107.8)
43.5
(110.3)
42.8
(109)
40.6
(105.1)
39.7
(103.5)
39.4
(102.9)
39.8
(103.6)
36.0
(96.8)
38.0
(100.4)
36.4
(97.5)
43.5
(110.3)
平均最高気温 °C°F33.0
(91.4)
35.6
(96.1)
37.3
(99.1)
38.2
(100.8)
35.9
(96.6)
34.5
(94.1)
33.9
(93)
33.6
(92.5)
33.6
(92.5)
32.2
(90)
31.6
(88.9)
31.3
(88.3)
34.2
(93.6)
日平均気温 °C°F26.0
(78.8)
28.0
(82.4)
29.7
(85.5)
31.0
(87.8)
29.7
(85.5)
29.0
(84.2)
28.6
(83.5)
28.4
(83.1)
28.0
(82.4)
27.3
(81.1)
26.4
(79.5)
24.9
(76.8)
28.1
(82.6)
平均最低気温 °C°F19.9
(67.8)
22.1
(71.8)
24.2
(75.6)
25.9
(78.6)
25.8
(78.4)
25.5
(77.9)
25.1
(77.2)
25.1
(77.2)
24.6
(76.3)
23.9
(75)
22.2
(72)
19.6
(67.3)
23.7
(74.7)
最低気温記録 °C°F10.5
(50.9)
14.1
(57.4)
13.9
(57)
21.4
(70.5)
21.5
(70.7)
22.9
(73.2)
21.1
(70)
22.2
(72)
20.2
(68.4)
17.0
(62.6)
12.4
(54.3)
9.2
(48.6)
9.2
(48.6)
雨量 mm (inch)3.3
(0.13)
18.2
(0.717)
29.0
(1.142)
78.5
(3.091)
145.3
(5.72)
86.4
(3.402)
102.9
(4.051)
98.3
(3.87)
220.5
(8.681)
209.2
(8.236)
58.6
(2.307)
6.2
(0.244)
1,056.4
(41.591)
平均降雨日数0.81.63.25.713.714.415.716.118.115.15.01.2110.6
湿度64626163717273747780736670
平均月間日照時間263.5245.8238.7240.0155.0114.0117.8117.8108.0145.7186.0260.42,192.7
平均日照時間8.58.77.78.05.03.83.83.83.64.76.28.46.0
出典1:Thai Meteorological Department[1]
出典2:Office of Water Management and Hydrology, Royal Irrigation Department (sun and humidity)[2]

歴史 編集

14世紀にはを産出するソントー鉱山が稼働していた。生産された鉛は、鉄砲の使用により需要が急増した日本に輸出されて戦国大名の活動を支えた[3]

アユタヤ王朝時代、ビルマ軍がタイに進入してくる際は、ビルマ軍の通過点であった。クウェー川に架かる橋は映画『戦場にかける橋』で有名である。旧日本軍が多数の犠牲者を出し1年4ヶ月[4]の工事期間で作らせた泰緬鉄道の一部は現在でも使われており、サイヨーク郡のサイヨークノーイ(地名)まで走っている。

県章 編集

県章

ミャンマーとの国境、サンクラブリー郡にある、スリー・パゴダ・パスにある三つの仏塔をデザインしている。

県花はインドヤコウボクNyctanthes arbortristis)、県木はネーンの木Homalium tomentosum)。

行政区 編集

カーンチャナブリー県は13の郡(アムプー)に分かれ、その下に98の町(タムボン)と、887の村(ムーバーン)がある。

  1. ムアンカーンチャナブリー郡
  2. サイヨーク郡
  3. ボープローイ郡タイ語版
  4. シーサワット郡タイ語版
  5. ターマカー郡タイ語版
  6. タームワン郡タイ語版
  7. トーンパープーム郡タイ語版
  8. サンクラブリー郡
  9. パノムトゥワム郡タイ語版
  10. ラオクワン郡タイ語版
  11. ダーンマカームティア郡タイ語版
  12. ノーンプルー郡タイ語版
  13. フワイクラチャオ郡タイ語版

脚注 編集

  1. ^ Climatological Data for the Period 1981–2010”. Thai Meteorological Department. p. 16. 2016年8月4日閲覧。
  2. ^ ปริมาณการใช้น้ำของพืชอ้างอิงโดยวิธีของ Penman Monteith (Reference Crop Evapotranspiration by Penman Monteith)” (Thai). Office of Water Management and Hydrology, Royal Irrigation Department. p. 77. 2016年8月4日閲覧。
  3. ^ 鉛同位体比から見た日本の戦国時代における鉛の流通”. 平尾良光(別府大学文学部). 2023年6月12日閲覧。
  4. ^ 泰緬鉄道(読み)タイメンテツドウ - コトバンク