この記事の共著者 : Annabeth Novitzki. アナべス・ノヴィツキーはテキサス州オースティン在住の個人音楽教師です。2004年にカーネギーメロン大学にて音楽学士課程を修めた後、2012年にはメンフィス大学にて音楽(声楽)の修士号を取得しました。2004年から音楽教師を務めています。
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「どんなに練習しても、必ずしも完璧に近づくとは限らない」と言われますが、実際には、練習次第で上達します。この記事を読んで、さらに声質を高めましょう。そのための実践方法が、たくさんあります。例えば、呼吸の仕方を習う、一定の食べ物を避ける、歌やスピーチの前に声の準備運動をするなど、です。一晩で解決できるものではありませんが、時間をかけて努力をすれば、声質は必ず改善することができます。
ステップ
- 正しい呼吸の仕方を習う 正しい呼吸は、力強い声を出すのに不可欠です。深い呼吸が声質改善の鍵です。
- 呼吸をする時、お腹と腎臓(背中側)付近を大きく膨らませて息を吸いましょう。その部分に息を吸い込んでいるかどうかは、ウエストの辺りに手を添えると分かります。親指を背中に、残りの指を体の前面に当て、また手のひらが腰の上に乗るような形で両手をウエストに添えましょう。呼吸の度に、手全体が膨らんだり縮まったりするのが分かります。練習を重ねると、拡張と収縮が大きく、また長くなります。
- 深く呼吸するのが難しい場合は、床に仰向けになり、両手をお腹に置いて、息を吸いましょう。呼吸の度に、両手が上がったり下がったりするはずです。[1] 本をお腹の上にのせて、息を吸うときに持ち上げ、吐くときに下げるようにしてもよいでしょう。息を吐くときにはシューッと音を立て、強制的に空気を吐き出します。[2]
- 呼吸の間、肩が上下に動かないようにしましょう。
- 体幹を使う 正しく呼吸ができると、息を吸う時に、体幹の高い位置にある横隔膜が外側に動き、さらに空気を入れるスペースができます。歌う時、または、話したり息を吐いたりする時に、横隔膜を使って息を外に出しましょう。
- 呼吸をコントロールする時と全く同じように、腰背部の腎臓付近の筋肉を使いましょう。
- 腹筋を使うので、猫背にならないようにしましょう。
- 正しい姿勢を取る 両足、両膝、体幹、胸、両肩、両腕、頭の位置に注意を払いましょう。[3]
- 両足を少し広げ、片方の足を少し前に出して、体重が前にかかるようにしましょう。
- 両膝を緩め、少し曲げましょう。正しい姿勢を取ろうとすると、膝が真っ直ぐに固まりがちですが、リラックスさせましょう。
- 両手は楽にして、体の横に自然に垂らしましょう。
- 体幹も緩ませますが、使う準備をしておきましょう。体幹が使われているのを実感するには、背中に親指を添える形で両手を腰の上に添え、軽く咳をしましょう。
- 両肩を後ろに回して落とし、背筋を真っ直にして、頭を上げましょう。猫背になったり、肩をすくめたりしてはいけません。
- 胸を少し開き、高く保ちます。肩を後ろに回して落とすと、胸は自然に前に出て、上がります。
- 顎を床と平行に保ちましょう。上げたり、引いたりしません。
- リラックスする 正しい姿勢が取れたら、体に緊張がないことを確かめましょう。背筋を伸ばそうとすると、胸が突き出てしまいます。突き出していないことを確かめましょう。顔と首もリラックスさせましょう。
- 体や顔が強張っていると、質の良い声が出難くなります。
- 正しい姿勢で立つと力が入る人は、仰向けになって重力に任せて力を抜いてみましょう。また、壁に背を向けて立ち、後頭部と肩を壁につけます。こうすることで、取るべき正しい姿勢がわかり、壁から離れた場所に立っているときも正しい姿勢を取ることができます。[4]
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- 口を大きく開けるが力まない 歌う時は口を大きく開けましょう。ただし、大きく開けようと意識し過ぎると、顔や首に力が入ってしまいます。唇、顎、首が緩んでいることを確かめましょう。
- 軟口蓋を上げる プロの歌手は「口に大きなスペースを作りなさい」と、よくアドバイスします。口内にスペースを作るには、口を大きく開けることが1つの要素ですが、顎と舌を下げ、軟口蓋を上げることも必要です。軟口蓋とは、口内の天井部分で、柔らかな突起がある箇所です。
- 口内にスペースを作るには、あくびが出る前にするように、大きく息を吸います。ただし、あくびはしません。その時に口の中にできるスペースを意識しましょう。また、喉の奥が開く感覚にも注意を払いましょう。歌う時には、今作った大きく開けた口の形、緩んだ顎と上がった軟口蓋の感覚を思い出して、再現しましょう。[5] あくびをしたら、その後口を開けたままにしておくだけでよいのです。
- 舌を正しい位置に置く 口内にスペースを作る際に、舌が邪魔をしないように気をつけましょう。舌の先を下の前歯の裏側に付け、舌全体の力を抜いて口の底で休ませましょう。
- 歌う時に、舌を出したり動かしたりすると、声の質が悪くなり、トーンに深みが出ないでしょう。舌は出さず、むやみに動かしてもいけません。
- 唾液を飲み込む 口の中に唾液がたくさんあると、歌い難くなります。必要なときに飲み込みましょう。広告
- 声の準備運動をする 歌う前に、また高難度のボーカル・トレーニングをする前に、次に紹介する簡単なエクササイズを行って、声帯の準備運動をすると効果的です。[6]
- リップロールとハミングをしましょう。唇を軽く閉じ、ハミングしながらブルブルと唇を震わせて、空気を押し出します。喉を緩ませ、体幹を意識して行いましょう。低音から高音へ、次に逆方向に音を出しながら、リップロールを練習しましょう。この練習に慣れたら、リップロールで音階練習をしましょう。[9]
- 言葉や語句を滑らかに発声する練習をする 複数の単語を1つのまとまった長い単語とみなし、単語と単語の間を途切れさせずに発声練習しましょう。歌ったり、発声したりする時に、母音を伸ばし、1つ1つの単語の発音を誇張しましょう。[14]
- 冗談かと思う練習もある ボーカル・トレーニングには、聞いて可笑しく、見て滑稽なものがたくさんあります。リラックスして楽しみましょう。次に紹介するのは、奇妙で面白いエクササイズですが、喉を大きく開くのに効果があります。
- 「ミャオ」を、1つ1つの母音を強調しながら「ミー」「アー」「オー」と、ゆっくり歌いましょう。
- 舌をあらゆる方向に伸ばし、おかしな表情を作りましょう。歌いながら、あるいは奇妙な音を立てながら練習してもよいでしょう。
- 深く呼吸し、リラックスすることを忘れない 準備運動をする時、または、実際に歌う、またはスピーチをする時に、深く呼吸して、体、喉、顔の筋肉を緩ませておくことが、質の良い声を出す鍵です。
- 日頃から賢く練習する 本当に声を良くしたいのであれば、頻繁に練習する必要があります。声域を広げる、好きな曲の中の難しい音を出すなど、具体的に改善したい点を意識して歌いましょう。1回30分を目安に歌い、30分は声帯を休ませます。休憩中は、歌う、話す、ささやくなど声を使うことをしてはいけません。[19]広告
- 水分補給を十分にする 毎日、240mlのコップで6〜8杯の水を飲みましょう。運動をする時や、暑い地域に住んでいる場合は、汗をたくさんかくためそれ以上飲みましょう。[20]
- 健康的な声を作るための食事をする 全粒粉の穀物、果物や野菜は、喉の粘膜を健康に保つ働きがあるため、健康的な声作りを促進します。[21]
- 声帯を刺激する薬物を避ける 喫煙や受動喫煙も避けましょう。また、スパイシーな食べ物、乳製品、ベーコンや塩味のナッツなど塩分を多く含む食品、柑橘系の果物、酒類やアルコールを含む口内洗浄液を避けましょう。さらに、風邪薬やアレルギーの薬などの服用も避けましょう。[22]
- リラックスする ストレスを抱えると、生活全般に悪影響が出ます。毎日数分間、リラックスできるように工夫しましょう。ヨガ、瞑想、ウォーキングなどは、リラックス効果の高いアクティビティです。また、好きな映画やテレビ番組を観る、良書を読む、楽器を弾くのも、リラックスに一役買うでしょう。
- 大きな声を出さない 歌や、スピーチの本番を数日後に控えている場合は特に、大声を発してはいけません。叫ぶと、声が傷つき、質が落ちてしまい、その後数日間、声の調子が戻らない恐れがあります。
- 忍耐強く待つ 声の質が良くなるまでは時間がかかるでしょう。一晩で大きな成果は出ませんが、正しい姿勢の練習や呼吸法を適切に実行し、準備運動も合わせて行えば、すぐに変化が現れます。
- ゆっくりと声の改善に努めてもよいでしょう。より深い呼吸の仕方と、正しい姿勢を習うことから始めましょう。深い呼吸と正しい姿勢が自分のものになったら、口の動かし方の練習や、簡単な準備運動に進みましょう。
- 健康問題が声に影響していると思われる場合は、医師の診察を受ける 最近になって声の質が低下した(声がしゃがれる、低くなる、出しにくいなど)場合は、病気が発生している兆候かもしれません。念のため医師の診断を受け、健康的な問題がないことを確認しましょう。[26]広告
- 優秀なプロの先生を探す 良い先生は、声質の改善方法について、細かなフィードバックやアドバイスを与えてくれます。クラシック声楽のトレーニング法を熟知している先生を探しましょう。クラシック声楽を勉強した先生は、様々なスタイルのトレーニング法を知っていることでしょう。[27]
- プロ歌手の歌や、講演者のスピーチなどを注意深く聴く 息の使い方、音量、発声法、声のコントロール方法、発声の癖、声の響かせ方など、どのように実践しているかを研究しましょう。好きな歌い方や話し方を見つけたら、真似してみましょう。
- 他人の歌い方を再現すると、普段、試そうと思わないことを行う必要に迫られるため、歌のレッスンとしては、とても効果があります。
- プロ歌手の歌い方や講演者の話し方を観察する 呼吸の仕方や、音を安定させるための息の使い方に注意を払いましょう。また、姿勢やボディランゲージにも意識を向けましょう。歌う時に、どのように唇を動かして音を出し、言葉を発しているのかを観察しましょう。
- 好みのタイプでなくても、プロを無視しない 好きではない歌手や講演者に対する自分の気持ちを分析しましょう。好きな歌手や講演者との違いも考えましょう。その歌い方、また話し方に、良くない点があるのでしょうか。それとも、単にあなたの趣味の問題でしょうか。
- アーティストのライブでの歌声と、レコーディングの歌声とを比べる レコーディングの際に、音響技師がアーティストの声を驚くほどより魅力的に変えてしまいます。好きなアーティストのCDを聴いて、「こんな風に上手に歌えない」と結論づける前に、どこまでがアーティストの本当の声で、どこまで加工修正されているかを考えてみましょう。
- オープンマイクや地元の音楽イベントなどに行く 良い声だなと思う人がいたら、声を掛けて、素敵な声の出し方の秘訣を訊きましょう。褒められれば、ほとんどの人が嬉しくなり、秘訣を教えてくれるかもしれません。広告
ポイント
- 声のトーンをコントロールするには、基本原則や呼吸法を実践するというよりは、歌う時と同じ方法を使いましょう。トーンがコントロールできると、歌の力強いテンポを最小限に抑え、特定の方法やテンポを維持することができるでしょう。
- これらの原則は、話す時にも応用できます。
- プロの歌手や歌の上手の人からのサポートは、何よりも役に立ちます。
- 温度が、声のピッチに影響を及ぼすことを覚えておきましょう。
- 朝の空腹時に、ぬるま湯にハチミツを足して飲みましょう。
- 声の緊張が解れるように、雑音を立ててみましょう。
- 音を長く出すには、横隔膜を使って呼吸しましょう。胸で呼吸してはいけません。横隔膜を空気で満たすと、安定した音を長く出すことができます。
- 歌の本番前に、「ミー」「アー」「オー」の3つの音で構成されている歌「ミャオ」をゆっくりと歌いましょう。喉を開くのに役立つでしょう。また、舌を色々な方向に出し、ストレッチして様々な表情を作ることでも、喉を開くことができます。
- 歌手なら、バランスの良い食事をとり、喉の感染症を起こす食べ物や、アイスクリームや冷たい飲み物など、冷たい物全般を避けましょう。
- 緊張していると、声にも表れます。落ち着きましょう。 緊張をエネルギーや興奮に変えて、本番に臨みましょう。
注意事項
- 歌は、痛みを伴うべきものではありません。どこかが痛くなったら、筋肉が緊張しているか、息の量が調節できていないか、姿勢が良くないか、喉を広げずに音を強制的に出しているか、または、体のどこかに負担をかけているのかもしれません。問題の解決に取り組むことが大切です。リラックスしましょう。
- 水にレモンを加えると良いと多くの人が信じていますが、それは避けましょう。声を枯らしてしまい、緊張した声の原因になります。
出典
- ↑ http://www.bbc.co.uk/sing/learning/breathing.shtml
- ↑ https://www.rider.edu/sites/default/files/docs/wcc/vthc-a-review-of-the-breathing-mechanism-for-singing-part2.pdf
- ↑ http://cmed.faculty.ku.edu/gummposture/posture.html
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- ↑ https://www.youtube.com/watch?v=x3wj3GLaF8Q
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- ↑ http://www.sltinfo.com/voice-projection-exercises/
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- ↑ https://youtu.be/wVOnh9kfmzc?t=4
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- ↑ http://www.webmd.com/sleep-disorders/guide/sleep-requirements
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- ↑ http://www.singingforaliving.com/articles/faq/
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