N響アワー』(エヌきょうアワー)は、1980年から2012年までNHK教育テレビジョンで放送されていたクラシック音楽番組。原則としてNHK交響楽団の演奏を放送した。

N響アワー
ジャンル音楽番組
クラシック音楽
製作
制作NHK教育テレビジョン
放送
音声形式モノラル放送 → ステレオ放送[注 1][1]
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1980年4月26日 - 2012年3月25日
放送時間19:30 - 21:00
19:00 - 20:00
20:00 - 21:00
21:00 - 22:00
21:00 - 21:57
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番組終了当時の放送曜日・時間は、毎月第1 - 4日曜日の21:00 - 21:57(JST)。

概要 編集

1980年4月26日に放送を開始した。NHK交響楽団の音楽会を収録した映像などを放送していた。

オーケストラの森』開始後は、毎月第5週目には、同番組を放送するために放送を休止していた。

2012年3月25日放送分をもって番組は終了。32年の歴史に幕を閉じた。後番組は、石田衣良加羽沢美濃が司会を務める『ららら♪クラシック[2]

この番組のステレオ放送について 編集

番組開始当初、教育テレビは音声多重放送を行っていなかったことから、1985年4月7日14時からの再放送枠にて、NHK-FMでステレオで同時放送を開始した[1][注 2]

しかし、1990年10月1日に教育テレビで音声多重放送を開始したのに伴い、同月6日の放送から同テレビ於いて漸くステレオ放送となった[注 3]

出演者 編集

司会 編集

⚫印は、アシスタント司会者。

期間放送時間司会者備考
柴田南雄作曲家
海老沢敏音楽学者・モーツァルト研究家)
1980年04月26日 - 1982年12月26日後藤美代子アナウンサー毎月1回最終土曜日の放送。
1983年05月29日 - 1984年03月23日明石勇(アナウンサー)
1984年04月07日 - 1985年03月26日土曜日
19:00 - 20:00
芥川也寸志(作曲家)
小塩節ドイツ文学者)
杉浦宏(魚類学者)
3人の鼎談形式での司会。
1985年04月06日 - 1988年09月24日土曜日
19:00 - 20:00[注 4]
芥川也寸志
なかにし礼作家
木村尚三郎歴史学者)
3人の鼎談形式での司会。
この時期から番組がステレオ制作となり、NHK-FM放送にて、教育テレビの翌日の再放送時間帯と同時に、ステレオでの放送を開始。[1]
1988年10月01日 - 1988年11月26日なかにし礼
木村尚三郎
岩城宏之指揮者
1988年12月 - 1989年04月01日なかにし礼
木村尚三郎
1989年04月08日 - 1992年04月04日森ミドリ(作曲家・チェレスタ演奏家)1990年10月6日の放送分から、教育テレビにてステレオ放送を開始。
1992年04月11日 - 1993年04月03日岩城宏之[注 5]
阿木燿子作詞家
1993年04月10日 - 1996年03月16日中村紘子ピアニスト
1996年04月06日 - 2002年03月24日池辺晋一郎[注 6](作曲家)
檀ふみ女優司会者エッセイスト
2002年04月07日 - 2005年03月27日池辺晋一郎
若村麻由美(女優)
2005年04月03日 - 2006年04月02日池辺晋一郎
大河内奈々子(女優)
2006年04月09日 - 2008年03月23日池辺晋一郎
髙橋美鈴(アナウンサー)
2008年04月06日 - 2009年03月22日池辺晋一郎
岩槻里子(アナウンサー)
2009年04月 - 2011年03月西村朗(作曲家)
岩槻里子
2011年04月03日 - 2012年03月25日西村朗
黒崎めぐみ(アナウンサー)

主なゲスト 編集

放送日ゲストタイトル
1992年7月4日山田洋次杮落とし
1992年7月11日山田洋次 音と映像
1992年8月1日・8月15日木村尚三郎木村尚三郎のパリ1・2
1993年1月16日島田雅彦点描 ショスタコーヴィチ
1999年6月13日松本零士松本零士"指輪"のロマンを語る
1999年7月11日小原乃梨子のび太くんワルツ好き?![注 7]
1999年11月14日香山リカ香山リカが診察・マーラーの悩み
1999年12月12日江川紹子江川紹子の秘かな楽しみ[注 8]
2000年2月13日春風亭小朝春風亭小朝のよもやま話[注 9]
2000年3月12日加藤一二三勝負にゃ泣かぬがモーツァルトには泣ける
2000年4月9日野村萬斎野村萬斎 シェークスピアへの道
2000年5月14日高樹のぶ子よみがえる魂の調べ 〜作家・高樹のぶ子〜
2000年6月11日山口崇山口崇のクラシックは永遠の友
2000年7月9日吉田美奈子ポップス歌手とクラシックの幸せな出会い
2000年8月13日美輪明宏美しさの条件・美輪明宏
2000年10月8日谷川俊太郎武満徹の歌〜詩人・谷川俊太郎
2000年12月10日横尾忠則芸術は皆兄弟〜画家・横尾忠則
2004年1月25日筒井康隆多彩な作家の音楽談義
2007年4月22日さだまさしさだまさしが語る音楽の心

番組内容 編集

西村時代
2009年、13年間 番組を担当した池辺から西村へ交代した。毎回最後に5分ほど「西村朗の今宵もカプリッチョ」という音楽解説がある。
池辺時代
  • 第1週:最近行われた注目の演奏会を紹介する。
  • 第2週:過去の名演を紹介する。
  • 第3週:「池辺晋一郎の音楽百科」と題して、あるテーマに則って司会の池辺晋一郎がピアノを弾いたりしながら解説し、それに関係するN響の演奏シーンを流す。
  • 第4週:様々な分野からゲストを招き、音楽について話し、それにちなんだN響の演奏を流す。
過去
  • 楽器交友録(1997年4月 - 1998年3月)
    番組最後に各楽器をひとつずつ取り上げ、N響の奏者(たまに外部含む)にインタビューする。テーマ音楽は池辺作曲。ヘ長調木管五重奏とピアノの編成。

テーマ曲 編集

過去
作曲者曲名指揮者
1991年頃グリンカルスランとリュドミラ』序曲
1992年ブラームス交響曲第3番』第3楽章エフゲニー・スヴェトラーノフ
1993年チャイコフスキーくるみ割り人形』より『花のワルツ』エフゲニー・スヴェトラーノフ
1995年チャイコフスキー弦楽セレナーデ第2楽章エフゲニー・スヴェトラーノフ
1996年ベートーヴェン交響曲第6番『田園』第1楽章クルト・ザンデルリンク
1998年ベルリオーズ幻想交響曲』第2楽章シャルル・デュトワ
1999年ホルスト組曲『惑星』より『木星』シャルル・デュトワ
2000年メシアントゥランガリーラ交響曲』より第5楽章『星たちの血の喜悦』シャルル・デュトワ
2001年ベルリオーズローマの謝肉祭序曲シャルル・デュトワ
2006年リヒャルト・シュトラウス交響詩「ドン・ファン」
2008年シューマン交響曲第3番『ライン』第1楽章ヘルベルト・ブロムシュテット

関連項目 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 教育テレビでは音声多重放送開始時の1990年10月6日から実施。NHK-FM放送では、教育テレビの再放送時間帯で同時放送を開始した1985年4月7日から。
  2. ^ 「ステレオ音声で楽しみたい方はNHK-FMで」というスタンスを取っていた。一部の家電メーカーはテレビ音声とFM放送を同時録音できるビデオデッキを発売したこともあった。余談だが、NHK-FMでは、1979年12月24日にFM放送での全国ステレオ生中継が可能になったのを受け、NHK交響楽団の定期演奏会をこの日の「ベートーヴェン作曲 交響曲第9番『合唱』」の公演から、随時生中継している。
  3. ^ 当時は関東広域圏・東海3県・近畿広域圏のみで実施、全国で実施されるようになったのは半年後の1991年3月21日のことである。
  4. ^ 1985年4月7日には日曜日14:00から再放送(休止あり)。
  5. ^ 1992年10月24日・10月31日、1993年2月13日はスケジュールの都合で欠席。
  6. ^ 1993年1月9日に単発出演済み。
  7. ^ 番組冒頭でドラえもんのび太の声を演じたことがある。池辺と檀ふみがウィンナワルツの話題をふった後「わーいわーい、ワルツだワルツだ。うれしいな、楽しいな。ドラえもん!どこでもドアで、ウィーンにつれてってよ!」と画面外で声を演じ、画面移動して登場するという演出であった。ただし、池辺が同じ小原が出演している『未来少年コナン』の音楽担当でもあったため、ドラえもんよりもそちらの話題の方が長かった。
  8. ^ ショスタコーヴィチの交響曲第5番のポケットスコアを持参し、池辺を驚かせた。
  9. ^ クライバーの来日公演に感動したエピソードを披露。

出典 編集

  1. ^ a b c 日本放送協会放送文化調査研究所放送情報調査部『NHK年鑑'86』日本放送出版協会、1986年、132頁。 
  2. ^ 3月で終了の長寿番組「N響アワー」の次は、石田衣良が登場!”. Webザテレビジョン. 角川マガジンズ (2012年2月20日). 2012年1月21日13:33閲覧。

外部リンク 編集