ADO.NETマイクロソフトが提供する、.NET Frameworkで様々な形式のデータへアクセスする機能を提供するソフトウェアコンポーネントの集合である[1]

概要  編集

従来のActiveX Data Objects (ADO) を.NET Framework環境で動作させるためのAPIとして提供された。ADOを機能強化したものではなく、.NET Frameworkのクラスライブラリの一部を構成する、全く新規なアーキテクチャに基づいた製品である。

従来のADOと比較した主な特徴は下記の通り[1]

  • 非同期データセット - データベースから引き出したデータを、メモリ上に保存しておくことができる。高速な処理ができ、処理中にデータベースサーバと接続し続ける必要がない。
  • XMLの採用 - ソフトウェア間でSOAPを利用し、データ転送形式にXMLを使用することにより、他の環境との親和性が高くなる。
  • ADO.NET Data Provider - データベースやXMLなど複数の異なるデータソースに属するデータを共通のデータ表現で扱うことができる。

構成 編集

ADO.NETは.NET Frameworkのクラスライブラリの一部であり、以下の2つの構成に区分される。

.NET データプロバイダ
データベースへの接続、SQL文の発行、検索結果の取得といった基本機能の提供
DataSetコレクション(非接続型クラス)
データベースから読み取ったデータをメモリ上に保持する仕組みの提供

ADO.NET Data Provider 編集

データプロバイダ供給元備考
.NET Framework Data Provider for OLE DBマイクロソフト(.NET同梱)汎用。サポートの打ち切りが進む。[2]
.NET Framework Data Provider for ODBCマイクロソフト(.NET同梱)業界標準のインターフェイスで、WOSAのコンポーネント[3]
.NET Framework Data Provider for Oracleマイクロソフト(.NET同梱)Oracle データ ソースに対応。[4]
Oracle Data Provider for .NETオラクル[1]
ADO.NET Driver for MySQLMySQL[2]

脚注 編集

  1. ^ a b ADO.NET のデザイン目標”. マイクロソフト. 2017年9月10日閲覧。
  2. ^ SQL Server 2012 以降の SQL Server Native Client OLE DB プロバイダーの廃止”. マイクロソフト. 2017年9月10日閲覧。
  3. ^ ODBC の概要”. マイクロソフト. 2017年9月10日閲覧。
  4. ^ .NET Framework データ プロバイダー”. マイクロソフト. 2017年9月10日閲覧。

参考リンク 編集

ADO.NET”. マイクロソフト. 2017年9月10日閲覧。