4コママンガ劇場

4コママンガ劇場』(よんコママンガげきじょう)は、1990年から2006年にかけて、複数名の作家によるアンソロジー形式で刊行されていた、テレビゲームなどのパロディギャグを題材とした4コママンガ単行本シリーズ。スクウェア・エニックス(旧エニックス)発刊。

概要

編集

特定のゲーム作品をテーマとしたギャグ4コママンガが収録されている、A5判の描き下ろしの単行本である。1冊に複数の作家が参加するアンソロジー形式をとっている。同社の看板作品である『ドラゴンクエストシリーズ』をはじめ、他社ゲーム作品を含め数々のシリーズが発刊されていた。

シリーズの代表作である『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』は月刊少年ガンガンをはじめとする同社のコミック事業の原点でもあった。月刊少年ガンガンや月刊少年ギャグ王への連載も行われ、単行本化されている。また、長期間にわたり読者投稿も行われ、投稿作品だけを収録した単行本も発刊された。本シリーズへの執筆や読者投稿をきっかけに、ガンガンなどへのコミック連載に進出し、頭角を現した作家(柴田亜美衛藤ヒロユキほか)も多い。

『ドラゴンクエスト』『マザー2』では、呪文 (PSI) やアイテムの名前がセリフに含まれる場合、原則としてコマの脇に注釈による解説が付記されており、シリーズに対する知識があいまいでも楽しめるように配慮されていた。

シリーズを通して一般的な少年誌相当の内容であり、いわゆるエロ・グロや過度の暴力表現、および世界観を根本から壊す表現はない[注釈 1]。しかし、とりわけ『ドラゴンクエスト』においては、栗本和博の「怪傑大ねずみ」、柴田亜美の「ニセ勇者」、夜麻みゆきの「ペロキャン勇者」などのように、本来の設定にはない作家ごとの強い個性をキャラクターに持たせることがある程度許容されていた[注釈 2]。これらの中で「定番ネタ」として用いられたキャラクター造形や設定が、後に制作されたドラゴンクエストのメディアミックス作品やリメイク版、派生作品で逆輸入する形で公式設定になった例もある。『IV』で後に公式設定になった「クリフトはアリーナに片想いしている」「マーニャは酒豪である」などは、『4コママンガ劇場』の影響が見られる。

『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』はシリーズ累計800万部を超えるベストセラーとなった[2]。本書をきっかけに、他社からも『4コマまんが王国』(双葉社)、『4コマギャグバトル』(光文社)、『4コマ決定版』(新声社)のように、ゲームを題材としほぼ同じフォーマットの4コマアンソロジーコミックシリーズが登場し、ひとつのジャンルを築いた。

沿革

編集

1988年に発刊された書籍『ドラゴンクエストIII そして伝説へ… 知られざる伝説』の巻末に掲載された『ドラクエIII MAGAZINE』や、1989年に発刊された書籍『ドラゴンクエスト モンスター物語』『ドラゴンクエスト アイテム物語』の幕間コーナーとして収録された『アレフガルド小劇場』(いずれも栗本和博が執筆)がドラゴンクエストの4コママンガの原点で、それを単行本化したことが本シリーズの始まりである。

1990年4月19日の『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』が最初の刊行。当時エニックスは『ドラゴンクエストブックシリーズ』というドラゴンクエストをテーマにした本のシリーズを刊行しており、最初はこのシリーズのひとつであった。そのため、当初は『ドラゴンクエストシリーズ』のみであったが、1991年5月24日の『スーパーマリオ 4コママンガ劇場』より任天堂のゲーム作品、1995年からは『ワンダープロジェクトJ』などのエニックスの他作品、『ストリートファイターII』などの他社のゲーム作品の4コママンガ劇場が刊行され、その過程で『4コママンガ劇場シリーズ』として独立したシリーズとなった。

刊行がスタートした当初は主に、すでに漫画家として活躍していた作家をメインに掲載していたが、本シリーズから派生した読者投稿コーナー「ドラゴンクエスト4コマクラブ」が始まってからは、主にそこから輩出された新人漫画家や、同社の『月刊少年ガンガン』および姉妹誌に所属する漫画家の作品を掲載していた。

『4コママンガ劇場シリーズ』は1冊につき、原則としてゲームの1つの作品または1つのシリーズを題材としているが、唯一の例外として、2000年に刊行された『おじゃる丸 4コママンガ劇場』は、『4コママンガ劇場シリーズ』に属しながらも、ゲームではなくアニメ作品を題材としている。

『4コママンガ劇場』の刊行は2006年4月21日の『テイルズ オブ シンフォニア 4コママンガ劇場(3)』が最後となり、同年9月以降は『月刊Gファンタジー』編集部が担当していたアンソロジー集「スーパーコミック劇場」(2005年まで刊行)の路線と統合される形で『ガンガンパワード』(後に月刊ガンガンJOKER)編集部が担当する「ガンガンコミックスアンソロジー」へ移行した。ここでは『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』の4コママンガアンソロジーが刊行されたが、『4コマ劇場』という名称になっている。

公式には『4コママンガ劇場シリーズ』には含まれない扱いだが、あべゆうきによる『ドラゴンクエストX 4コママンガ劇場』がヤングガンガンガンガンONLINEで連載され、ヤングガンガンコミックスとして単行本が発売されている(全2巻)。

4コママンガ劇場作品一覧

編集

書籍

編集
  • 50音順、ただしシリーズ作品はシリーズの順番。
  • 書名は「○○○ 4コママンガ劇場」(○○○の部分には原作ゲームのタイトルが入る)となっている。〜編と付いている場合は「○○○ 4コママンガ劇場・〜編」となる。
  • 赤色の作品はドラゴンクエスト関連作品。
  • 緑色の作品はエニックスおよびスクウェア・エニックス販売の自社作品。
タイトル原作販売元1巻の出版日巻数
アークザラッドIIソニー・コンピュータエンタテインメント1997年4月25日全2巻
アークザラッドIIIソニー・コンピュータエンタテインメント2000年3月24日全1巻
ヴァルキリープロファイルエニックス2000年3月24日全9巻
ヴァンパイアセイヴァーカプコン1997年11月21日全1巻
AIRKey2001年12月14日全2巻
おじゃる丸2000年9月29日全1巻
風のクロノアナムコ1998年3月27日全1巻
KanonKey2001年7月27日全3巻
ガンパレード・マーチソニー・コンピュータエンタテインメント2001年11月30日全5巻
がんばれ森川君2号ソニー・コンピュータエンタテインメント1997年9月29日全1巻
クラッシュ・バンディクーソニー・コンピュータエンタテインメント1997年3月17日全5巻
グランディアESP1998年3月20日全1巻
グランディア エクストリームエニックス2002年5月31日全1巻
CLANNADKey2004年7月30日全1巻
ゲームボーイギャラリー任天堂1997年5月30日全1巻
こみっくパーティーアクアプラス2001年10月26日全4巻
サモンナイト3バンプレスト2003年11月4日全1巻
サモンナイト クラフトソード物語2バンプレスト2004年11月12日全1巻
サルゲッチュソニー・コンピュータエンタテインメント1999年10月24日全4巻
新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2ndガイナックス2003年11月14日全3巻
新世紀エヴァンゲリオン 綾波育成計画withアスカ補完計画ブロッコリー2004年3月26日全2巻
真・女神転生III-NOCTURNEアトラス2003年6月20日全1巻
新約・聖剣伝説スクウェア・エニックス2004年1月16日全1巻
スーパードンキーコング任天堂1995年5月26日全3巻
スーパーマリオ[注釈 3]任天堂1991年5月24日全11巻
スターオーシャンエニックス1996年12月27日全1巻
スターオーシャン セカンドストーリーエニックス1998年10月30日全18巻
スターオーシャン ブルースフィアエニックス2001年8月31日全5巻
スターオーシャン Till the End of Timeエニックス2003年5月30日全5巻
スターオーシャン Till the End of Time DIRECTOR’s CUTスクウェア・エニックス2004年4月2日全3巻
まるごとスターオーシャン![注釈 4]エニックス/スクウェア・エニックス2005年9月30日全1巻
スターフォックス64任天堂1997年7月25日全1巻
ストリートファイターII[注釈 5]カプコン1995年8月11日全2巻
ストリートファイターZERO2[注釈 6]カプコン1996年12月6日全1巻
ストリートファイターIIIカプコン1997年8月29日全1巻
ゼノサーガナムコ2002年7月26日全2巻
ゼルダの伝説[注釈 7]任天堂1992年6月26日全8巻
ゼルダの伝説 時のオカリナ任天堂1999年3月26日全2巻
ゼルダの伝説 ムジュラの仮面任天堂2000年7月28日全1巻
テイルズ オブ エターニアナムコ2001年4月20日全6巻
テイルズ オブ デスティニーナムコ2001年1月19日全3巻
テイルズ オブ デスティニー2ナムコ2003年3月28日全8巻
テイルズ オブ シンフォニアナムコ2005年2月25日全3巻
テイルズ オブ リバースナムコ2005年3月25日全3巻
テイルズ オブ ザ ワールド なりきりダンジョン3ナムコ2005年6月30日全1巻
テイルズ オブ レジェンディアナムコ2005年12月2日全2巻
テイルズ オブ ジ アビスナムコ2006年3月31日全1巻
To Heartアクアプラス1999年12月1日全7巻
ToHeart2アクアプラス2005年3月18日全2巻
ドラゴンクエスト[注釈 8]エニックス1990年4月19日全20巻
ドラゴンクエスト・番外編 -4コマクラブ傑作集-[注釈 9]エニックス1991年3月21日全23巻
ドラゴンクエスト・ガンガン編[注釈 10]エニックス1991年11月20日全13巻
ドラゴンクエスト・ギャグ王編[注釈 11]エニックス1999年3月12日全2巻
ドラゴンクエスト 4コママンガ大全集[注釈 12]エニックス2000年7月28日全7巻
DQ 4コマ ドラゴンクエストIII そして伝説へ…[注釈 13]エニックス1996年12月20日上下巻
DQ 4コマ ドラゴンクエストII[注釈 14]エニックス1997年2月27日全1巻
DQ 4コマ ドラゴンクエストI[注釈 14]エニックス1998年1月30日全1巻
ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II・ミニ辞典[注釈 15]エニックス1999年9月22日上下巻
ドラゴンクエストVIIエニックス2000年12月1日全8巻
ドラゴンクエストV[注釈 16]スクウェア・エニックス2004年7月2日全3巻
ドラゴンクエストVIIIスクウェア・エニックス2005年2月25日全3巻
ドラゴンクエスト あるくんですエニックス1997年12月5日全2巻
ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドエニックス1998年12月18日全5巻
ドラゴンクエストモンスターズ2エニックス2001年6月29日全3巻
ドラゴンクエストモンスターズ キャラバンハートエニックス2003年6月27日全1巻
トルネコの大冒険チュンソフト1994年1月21日全4巻
トルネコの大冒険2エニックス1999年12月10日全2巻
トルネコの大冒険3エニックス2003年1月31日全2巻
バスト ア ムーブエニックス1998年3月27日全1巻
ファイアーエムブレム[注釈 17]任天堂1993年12月17日全6巻
ファイアーエムブレム トラキア776任天堂2000年1月28日全2巻
ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクルスクウェア・エニックス2004年1月16日全1巻
F 〜ファナティック〜プリンセスソフト2004年10月29日全1巻
ブレス オブ ファイアIV うつろわざるものカプコン2000年9月29日全1巻
ファントム・ブレイブ日本一ソフトウェア2004年4月2日全2巻
ファントム・キングダム日本一ソフトウェア2005年6月30日全1巻
ペルソナ2 罪アトラス1999年9月24日全2巻
ペルソナ2 罰アトラス2000年9月29日全2巻
ポケットモンスター[注釈 18]任天堂1996年10月18日全5巻
ポポロクロイス物語ソニー・コンピュータエンタテインメント1996年11月22日全1巻
星のカービィ[注釈 19]任天堂1995年7月21日全5巻
星のカービィ64任天堂2000年6月30日全3巻
星のカービィ 夢の泉デラックス任天堂2003年6月27日全1巻
星のカービィ 鏡の大迷宮任天堂2004年8月20日全1巻
魔界戦記ディスガイア日本一ソフトウェア2003年7月11日全2巻
マザー2任天堂1995年1月20日全2巻
モグラ〜ニャ任天堂1997年4月25日全1巻
モンスターファーム[注釈 20]テクモ1998年1月23日全10巻
悠久幻想曲3 パーペチュアルブルーメディアワークス2000年3月31日全1巻
ヨッシーストーリー任天堂1998年3月20日全1巻
ラジアータ ストーリーズスクウェア・エニックス2005年4月1日全2巻
ローグギャラクシーソニー・コンピュータエンタテインメント2006年3月31日全1巻
ワイルドアームズ セカンドイグニッションソニー・コンピュータエンタテインメント1999年12月17日全3巻
ワイルドアームズ アドヴァンスドサードソニー・コンピュータエンタテインメント2002年7月5日全2巻
ワイルドアームズ アルターコード:エフソニー・コンピュータエンタテインメント2004年2月27日全1巻
ワイルドアームズ ザ フォースデトネイターソニー・コンピュータエンタテインメント2005年6月17日全1巻
ワンダープロジェクトJエニックス1995年3月10日全1巻
ワンダープロジェクトJ2エニックス1997年3月14日全1巻

雑誌

編集

いずれもアンソロジー形式で掲載。

連載

編集
  • ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場 ガンガン編(月刊少年ガンガン、1991年4月号〜1998年No.5・6)
  • ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場 ギャグ王編(月刊少年ギャグ王、1998年9月号〜1999年4月号)
  • ガンガンゲーム4コママンガ劇場(月刊少年ガンガン、1998年4月号〜1999年2月号)
  • ドラゴンクエストモンスターズ 4コママンガ劇場(月刊少年ガンガン、1999年3月号〜年末頃)

読み切り

編集
  • いただきストリート2 4コママンガ劇場(月刊少年ギャグ王、1994年8月号)
  • ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場 巻頭カラースペシャル(月刊少年ギャグ王、1994年9月号、1995年5月号、1996年3月号、1997年3月号)
  • スーパードンキーコング 4コママンガ劇場(月刊少年ギャグ王、1995年4月号)
  • ゲーム4コママンガ劇場(月刊少年ギャグ王、1995年6月号)
  • アークザラッドII 4コママンガ劇場(月刊少年ギャグ王、1997年5月号)
  • ポケットモンスター 4コママンガ劇場(月刊少年ギャグ王、1997年6月号)
  • モンスターファーム 4コママンガ劇場(少年ガンガン、1998年No.3)
  • スターオーシャンセカンドストーリー 4コママンガ劇場(月刊少年ギャグ王、1999年3月号)
  • ドラゴンクエストモンスターズ〜テリーのワンダーランド 4コママンガ劇場(月刊少年ギャグ王、1999年4月号)

増刊号

編集
  • 月刊少年ガンガン増刊 4コママンガ劇場(1993年10月24日) - ゲームの4コママンガだけでなく、オリジナルの読み切り作品が多数掲載されており、翌年に創刊される月刊少年ギャグ王の原型となっている。
    • ドラゴンクエスト4コマ ビッグゲスト編
    • ドラゴンクエスト4コマ 増刊スペシャル
    • ゲーム4コマ 3連発(スーパーマリオ、ゼルダの伝説、超兄貴

主な執筆作家

編集

/で区切ったのは4コママンガ劇場で使用された変更した名義または別名義、()内は4コママンガ劇場では使用していない名義。

楽屋裏

編集

楽屋裏」とは、掲載された漫画家が自己紹介や題材となったゲームやアニメのことを、1ページを使って語るコーナーのことである。このコーナーにより、読者が漫画家に親近感を沸くようになり、ひいては4コママンガ劇場シリーズが読者に強く受け入れられることにつながった。4コママンガ劇場シリーズを象徴するコーナーだともいえる。

ドラゴンクエスト4コママンガ劇場が刊行された初期段階ではすずや那智柴田亜美石田和明栗本和博といったメインメンバーのみが楽屋裏を描いていた。新人作家の場合は無し、もしくは半ページだったこともあったが、ドラゴンクエスト4コマクラブがスタートした頃になると全員が一律に1ページずつ描くようになる。また、当初は「ドラゴンクエスト」が題材の4コママンガ劇場にしかなかった楽屋裏であったが、2000年頃からはそれ以外のゲームタイトルを題材とした4コママンガ劇場にも楽屋裏が載るようになり、表紙イラスト担当者や開発スタッフの楽屋裏ページが設けられることもあった。

楽屋裏以外の特殊コーナー

編集
読者投稿
『ドラゴンクエスト』の2〜5巻と『スーパーマリオ』の3巻以降に収録。
読者より投稿作品を募集し、優秀作品を掲載。『ドラゴンクエスト』は後に「ドラゴンクエスト4コマクラブ」が発足され、『ドラゴンクエスト 番外編』に移行する。
5コママンガ[注釈 21]
最初期を除く描き下ろし単行本作品において、各作家の最初のページは、1ページ全体を使って「4コマ」+「縦横2コマ分強サイズの大ゴマ」の5コママンガとなっている(後期では小さいコマを連結して4コマにしたり、自由にコマを割られたりすることが多くなる)。このページの作品タイトルはその作家の掲載ページ全体のタイトルとなり、目次ページにも記載される。
知られざる伝説
『ドラゴンクエスト 番外編』1〜3巻に収録。
石田和明による、自身とすずや那智、栗本和博、柴田亜美を中心にした4コマ作家の執筆模様を面白おかしく描いたフィクションマンガ。
タイトルは、ドラゴンクエストシリーズのゲーム外エピソードを書いた書籍「知られざる伝説」になぞらえたものと思われる。
スーパー合作4コマ
『ドラゴンクエスト 番外編』5巻以降に収録。
「ドラゴンクエスト4コマクラブ」投稿作品のうち、選外作品で傑作を、4コマクラブ出身作家によって描き直された作品を掲載。15巻以降ではカバーをはずした表紙と裏表紙に元となった作品を掲載。
巻頭カラースペシャル
『ドラゴンクエスト ガンガン編』4〜9巻に収録。
『月刊少年ガンガン』『月刊Gファンタジー』『月刊少年ギャグ王』に連載作品を持っていた作家(一部、4コママンガ劇場執筆経験者で既に4コママンガ劇場を引退していた作家を含む)によって描かれた作品。
『月刊少年ガンガン増刊 4コママンガ劇場』や、『月刊少年ギャグ王』に掲載された作品を収録。
執筆作家
太字は過去に4コママンガ劇場執筆経験者、()内は執筆当時の主な上記雑誌群連載作品。50音順。
カラーイラスト
『Kanon』や『To Heart』などギャルゲーを題材にした作品では、巻頭カラーページにカラー4コママンガとあわせて、キャラクターのイラストを掲載した。後期の作品では、4コママンガ無しでカラーイラストのみの作品もある。作品によっては、イラストのみ参加の作家の楽屋裏も掲載された。
『To Heart』では、掲載されたカラーイラストをポストカードに仕立てたイラスト集「ポストカードギャラリー To Heart Heart & Heart」も刊行された(全2巻)。
ショートコミック
巻末部分に掲載された、非4コマの短編ストーリーマンガ。執筆作家陣はある程度固定されており、主にこもわた遙華岬下部せすなが担当していた。また、エニックスの雑誌でそのゲームが原作のマンガを連載している漫画家が担当することもある。ショートコミックのみを掲載した『ショートコミック劇場』も刊行された(詳細は後述)。
開発スタッフ描き下ろし4コマ
対象ゲームの開発スタッフが執筆した4コマを掲載する。『風のクロノア』『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』など後期の単行本に掲載されている。

上記のほか、特に初期の作品では単発のコーナーもいくつか存在した。

姉妹シリーズ

編集

複数の作家が執筆するアンソロジー形式で、A5判という点や、作家陣は4コママンガ劇場と共通ながら、4コマではない形式の作品を掲載する姉妹シリーズも発刊された。

1Pコミック劇場

編集

ネタ1本につき1ページで4コママンガと同様に起承転結のオチがつく「1Pコミック」を収録したシリーズ。上部に4コママンガ同様にタイトルの枠がある点、原則として内枠からコマや絵をはみ出さない点を除き、通常のマンガと同様に自由にコマを割れる形式となっている。

『ドラゴンクエスト 1Pコミック劇場』は月刊少年ギャグ王1994年5月号〜1998年8月号まで連載されており、単行本はGag-Oh! コミックスレーベルとして発売された。全11巻。連載開始から1994年8月号までの名称は『ドラゴンクエスト ショートマンガ劇場』だった。

月刊少年ギャグ王に1997年1月号〜1998年1月号まで連載された『ポケットモンスター』の単行本も『ポケットモンスター 1Pコミック劇場』の名前で発刊された。『ドラゴンクエスト』と異なり、タイトル部分がなく、通常の漫画に近い形態となっている。アンソロジー形式ではなく、全編が成田美穂による作品。Gag-Oh! コミックスより全1巻。

ショートコミック劇場

編集

短編のストーリーマンガを掲載。スーパーマリオ、ファイアーエムブレム、星のカービィ、モンスターファームを題材にしたものが発刊された。ファイアーエムブレムは全2巻、ほかは全1巻。

秘伝 4コママンガの描き方

編集

1はドラクエ4コマの作家陣、2はガンガンやギャグ王の連載陣がマンガの描き方をレクチャーする本。ペンやホワイト、スクリーントーンの画材の使い方から基本的なテクニック、作画や4コママンガの考え方を解説している。マンガの単行本ではないが、ドラクエ4コマへの読者投稿を念頭に置いた内容となっており、エニックスの既刊案内では4コママンガ劇場とともに「4コママンガシリーズ」の一部とされていた。

  • 秘伝 4コママンガの描き方 今日から君もプロ作家! (ドラクエ4コマオールスター作家陣著、1995年11月1日発行、ISBN 978-4-87-025853-2)
  • 秘伝 4コママンガの描き方2 完璧マスター プロの技教えます (1997年4月1日発行、ISBN 978-4-87-025962-1)

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ 読者投稿の募集ページでも、世界観を壊すものや、「血がバーバー出るような表現」は明確に禁止とされていた。
  2. ^ ただし、「ニセ勇者」は「面白いけど公式に認めるわけにはいかないから偽物にしとけ」という意図でエニックス側が命名し[1]、柴田亜美の掲載順は必ず最後で当初は「破滅編」などの特別な名前がつけられていた。
  3. ^ 基本的に刊行当時の最新作を題材にした作品が中心だが、旧作品を題材にした作品も掲載。9巻は『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』、11巻は『スーパーマリオ64』と『マリオカート64』を題材にした作品のみ。
  4. ^ 『スターオーシャン』、『スターオーシャン セカンドストーリー』、『スターオーシャン ブルースフィア』、『スターオーシャン Till the End of Time DIRECTOR's CUT』の4作品を題材とした作品が収録されている。
  5. ^ 『スーパーストリートファイターII』以降を題材にした作品が収録されている。
  6. ^ 『ストリートファイターZERO2 ALPHA』を題材にした作品を含む。
  7. ^ 1〜3巻が『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』、4、5巻が『ゼルダの伝説 夢をみる島』、6巻以降がその両方を題材にした作品を収録。4、5巻は表紙のタイトル自体が『ゼルダの伝説 夢をみる島』となっている。
  8. ^ 1〜6巻は第1作〜『IV』を題材にした作品を収録し(ただし、1巻ではIVはモンスターのみが登場するネタのみを掲載)、7巻以降『V』、12巻以降『VI』を題材にした作品が追加されて収録されている。
  9. ^ 「ドラゴンクエスト4コマクラブ」への投稿作を収録。3巻以降は「月刊少年ガンガン」掲載の入選作を合わせて収録。1〜5巻は第1作〜『IV』を収録し、6巻以降『V』、13巻以降『VI』を題材にした作品を追加。
  10. ^ 『月刊少年ガンガン』に連載されていた作品を収録。1、2巻は第1作〜『IV』を収録し、3巻以降『V』、8巻以降『VI』を題材にした作品を追加。ガンガンコミックスなどのレーベルは冠していない。
  11. ^ 『月刊少年ギャグ王』に連載されていた作品を収録。題材は第1作〜『VI』。Gag-Oh! コミックスレーベル。
  12. ^ 第1作〜『III』を「ロトの章」、『IV』〜『VI』を「天空の章」、『モンスターズ』『モンスターズ2』を「DQモンスターズの章」として収録。4巻以降は『VII』を収録した「エデンの戦士たち」を追加。
  13. ^ 過去の作品から再録。
  14. ^ a b 過去の作品から再録。原作ゲームのストーリー順に収録されており、4コマに挟む形で原作のストーリーやモンスター、アイテムを簡素に紹介するページが設けられている。
  15. ^ 過去の作品から再録。登場人物・モンスター・アイテム・呪文を辞典形式で紹介し、それにまつわる4コマをまとめて収録する形態になっている。
  16. ^ PS2リメイク版発売に合わせての刊行。
  17. ^ 1巻では『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』と『ファイアーエムブレム外伝』、2〜4巻が『ファイアーエムブレム 紋章の謎』のみ、5巻が『紋章の謎』と『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』、6巻は『聖戦の系譜』のみを題材とした作品を収録。
  18. ^ 2巻以降『月刊少年ガンガン』に連載されていた『ポケットモンスター ギャグワールド』をあわせて収録。
  19. ^ 基本的に刊行当時の最新作を題材にした作品が中心だが、旧作品を題材にした作品も掲載。5巻は『星のカービィ3』を題材にした作品のみ。
  20. ^ 1〜5巻までは『モンスターファーム』を、6巻以降は『モンスターファーム2』を題材にした作品を収録。
  21. ^ 正式な名称はなく、便宜上「5コママンガ」と表記する。

出典

編集
  1. ^ 柴田亜美staff [@s_ami_staff] (2021年2月26日). "ニセ勇者は当時のエニックスから付けられた名称。コイツの4コマ面白いけど公式で認めちゃいけないネタだから偽者にしとけという苦肉の策。柴田亜美". X(旧Twitter)より2021年7月22日閲覧
  2. ^ 大ヒット「ドラクエ」から生まれたマンガ ファンも抱腹絶倒の“4コマ劇場””. ZAKZAK (2018年6月18日). 2021年7月22日閲覧。

関連項目

編集

外部リンク

編集