近松物語

日本の映画、1954年公開

近松物語』(ちかまつものがたり)は、1954年昭和29年)の日本映画溝口健二監督による白黒作品。

近松物語
監督溝口健二
脚本依田義賢
製作永田雅一
出演者長谷川一夫
香川京子
南田洋子
音楽早坂文雄
撮影宮川一夫
編集菅沼完二
配給大映
公開日本の旗 1954年11月23日
上映時間102分
製作国日本の旗 日本
言語日本語
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概要 編集

近松門左衛門作の人形浄瑠璃の演目『大経師昔暦』(だいきょうじ むかしごよみ、通称「おさん茂兵衛」)を下敷きにして川口松太郎が書いた戯曲『おさん茂兵衛』を映画化した作品である。脚本は、近松の『大経師昔暦』と、同一事件(おさん茂兵衛参照)を題材にした西鶴の『好色五人女』の「おさん茂右衛門」の二つを合体させたものである[1]。スター嫌いだった溝口健二監督は、大映社長の永田雅一の強い要請で長谷川一夫を起用した。

キネマ旬報ベストテン第5位にランクインされた。1999年キネマ旬報社が発表した「映画人が選ぶオールタイムベスト100・日本映画編」では第49位にランクインされた(同じ順位に『隠し砦の三悪人』『もののけ姫』など)。

あらすじ 編集

京都烏丸の大経師の手代茂兵衛は、主人の妻おさんから、兄の金策依頼で困っていると相談を受ける。冷酷無情な主人が貸すわけがなく、茂兵衛は主人に内緒で店の金を融通しようとするが、それが主人にばれようとしたところを、茂兵衛に好意を寄せる女中お玉の嘘に救われる。しかし、主人はお玉に気があり、茂兵衛とお玉の仲を勘違いして茂兵衛を軟禁状態にした。お玉の寝間に主人が忍び込むという話を聞いたおさんは、お玉の布団で主人を待つが、やってきたのは屋根裏から抜け出した茂兵衛だった。それを運悪く番頭格である同じ手代の助右衛門に見られ、不義密通と騒がれることとなり、二人とも家を追われる。もう死ぬしかないと琵琶湖に舟を出し、身を投げようとするが、死ぬ間際に茂兵衛からおさんに対する思慕の告白があり、それを受けたおさんも茂兵衛を愛していたことに気づき、死を思いとどまる。二人は愛を深め、逃げ延びる気持ちになるが、役人に追われ、親からも疎まれ、二人は捕まってしまう。不義密通の罪は町内引き回しの上、極刑となるが、真実の愛を貫いた二人は、穏やかで晴れ晴れとした顔で刑場に引かれていった。

スタッフ 編集

キャスト 編集

ほか。

脚注 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集