脳卒中

脳を栄養する血管の障害による疾患
世界の疾病負荷(WHO, 2019年)[1]
順位疾病DALYs (万)DALYs(%)DALYs
(10万人当たり)
1新生児疾患20,182.18.02,618
2虚血性心疾患18,084.77.12,346
3脳卒中13,942.95.51,809
4下気道感染症10,565.24.21,371
5下痢性疾患7,931.13.11,029
6交通事故7,911.63.11,026
7COPD7,398.12.9960
8糖尿病7,041.12.8913
9結核6,602.42.6857
10先天異常5,179.72.0672
11背中と首の痛み4,653.21.8604
12うつ病性障害4,635.91.8601
13肝硬変4,279.81.7555
14気管、気管支、肺がん4,137.81.6537
15腎臓病4,057.11.6526
16HIV / AIDS4,014.71.6521
17その他の難聴3,947.71.6512
18墜死3,821.61.5496
19マラリア3,339.81.3433
20裸眼の屈折異常3,198.11.3415

脳卒中(のうそっちゅう、英語: Cerebral apoplexy)とは、内の出血血液循環障害を原因とし、主に半身不随に陥る典型的な症状である疾患の総称である。脳の血管が詰まったり破れたりすることによって発生する[2]

脳血管障害の同義語として使われることが多い。

日本では1951年から約30年間、日本人死亡原因の一位を占めた[3]。その後死亡原因に占める割合は減少し、2018年時点では心臓病老衰に次ぐ第4位の死因となっている[4]

脳卒中は救急疾患である[5]脳血管障害と言い換えられることもあるが、厳密には「脳血管障害」の方が指す範囲が広く、検査で初めて発見される程度の場合も含む[3]

中風中気あたりとも称される[6]

概要 編集

ハーバード大学医学部によると、脳卒中になると、人生が一変する。自信は一瞬にして失われ、すべてが変わってしまう[7]ミニストロークでも緊急事態であり、後に本格的な脳卒中につながる可能性が非常に高いと言われている。一過性脳虚血発作が起きたら、すぐに病院へ行くことを勧める[8]。脳卒中は女性も発症しやすいとも言われている[7]

種類 編集

脳卒中には様々な種類があり[3]血管の詰まりによる脳梗塞、血管の破れによる脳出血などがある。両者は現象としては異なるが、結果として脳細胞が損傷される点では共通し[3]、半身麻痺言語障害意識障害などが生じることがある[3]。重度の場合は発作により突然倒れるが、それ以前にろれつがまわらなくなるなどの初期症状が見られる場合がある[9]。脳動脈瘤が破れるクモ膜下出血も脳卒中に含まれる[10]

語源 編集

「卒中」の語源は「卒然(突然)邪気や邪風に中(あた)る」という意味から[11]。「中風」と呼ばれたのはが原因だと考えられたため[12]。また、apoplexyの語源はギリシア語で、殴られて倒れる状態を意味する。

症状 編集

  • 半身麻痺、しびれ
  • 言葉がでない、呂律困難
  • 立位、歩行困難
  • 視野の半分が欠ける、モノが二重に見える
  • 突然の頭痛[13]

後遺症 編集

脳卒中の間、毎秒が重要である。血液によって供給される酸素と栄養素の供給がなければ、脳細胞は毎分190万の驚異的な速度で死亡していく。このため、脳卒中が米国で5番目に多い死因であり、障害の主な原因でもある[14]。脳卒中はしばしば重篤な後遺症を残す[5]

予防法 編集

  • 高血圧を治療することで、脳卒中の可能性を40%も減らすことができる[14]
  • 糖尿病患者が脳卒中のリスクが高いため、糖尿病を予防することは脳卒中の予防に役立つ[14]
  • 一部の女性は毎日アスピリンを服用するべきである[14]
  • 運動が脳卒中のリスクを30%も下げる[14]

出典 編集

  1. ^ Global health estimates: Leading causes of DALYs (Excel) (Report). 世界保健機関. 2020年12月. Download the data > GLOBAL AND BY REGION > DALY estimates, 2000–2019 > WHO regions. 2021年3月27日閲覧
  2. ^ 脳卒中の種類は?|大塚製薬”. 大塚製薬. 2022年4月11日閲覧。
  3. ^ a b c d e 19 脳卒中にもいろいろあります | 脳 | 循環器病あれこれ | 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス”. www.jcvrf.jp. 財団法人循環器病研究振興財団. 2021年12月18日閲覧。
  4. ^ https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/stroke/about/ 「脳卒中ってどんな病気?」大塚製薬 2024年2月2日閲覧
  5. ^ a b 脳卒中|病気について|循環器病について知る|患者の皆様へ|国立循環器病研究センター 病院”. www.ncvc.go.jp. 2021年12月18日閲覧。
  6. ^ 佐々木直亮 脳卒中の自然史 東北地方における脳卒中・高血圧の疫学的研究から 脳卒中 3 巻 (1981) 2 号
  7. ^ a b Harvard Health” (英語). www.health.harvard.edu. 2022年6月12日閲覧。
  8. ^ Treat” (英語). Harvard Health (2010年4月6日). 2022年6月8日閲覧。
  9. ^ 2 脳卒中が起こったら | 脳 | 循環器病あれこれ | 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス”. www.jcvrf.jp. 財団法人循環器病研究振興財団. 2021年12月18日閲覧。
  10. ^ 事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン 参考資料脳卒中に関する留意事項 厚生労働省
  11. ^ 脳卒中センター | 星ヶ丘医療センター | 地域医療機能推進機構”. hoshigaoka.jcho.go.jp. 2021年12月18日閲覧。
  12. ^ 脳卒中の基礎知識と予防のコツ|今月のトピックス|日本心臓財団 今月のトピックス > 2017年 山本信孝(金沢脳神経外科病院 副院長)
  13. ^ 脳卒中によくある5つの症状”. NHK. 2023年10月25日閲覧。
  14. ^ a b c d e Harvard Health”. www.health.harvard.edu. 2022年1月11日閲覧。

外部リンク 編集