猛打賞

日本プロ野球において1試合で3本以上の安打を記録すること

猛打賞(もうだしょう)は、スポーツにおける個人賞の一つである。

日本プロ野球 編集

概要 編集

日本野球機構管轄のプロ野球において、1試合中に3安打以上を記録した選手に対して、スポンサー企業などから贈呈される賞のことをいう。日本の野球界特有のもので、1949年日本野球連盟清岡卓行が制定した[1]アメリカメジャーリーグには同様の賞は制定されていないが、類似例として1選手が1試合中に2安打以上を記録することをマルチヒットMulti Hits 、つまりは複数安打)という呼称がある。ただ、これについても特に賞品が贈呈されることはない。

日本においても近年は景気動向によって賞品を贈呈しない球場もあるが、賞品の有無や日米の野球に関係なく、1試合3安打以上を記録することをこのように称する報道が日本では多く、普通名詞化した言葉になっている。

日本プロ野球の記録 編集

通算記録(太字は現役) 編集

順位選手名回数
1張本勲251
2川上哲治194
3坂本勇人188
4長嶋茂雄186[2]
5野村克也180
6福本豊178
松井稼頭央
8立浪和義175 [3]
9王貞治171
10広瀬叔功169

※2024年5月22日時点

シーズン記録(太字は現役) 編集

順位選手名所属球団回数記録年出場試合数年間試合数
1西岡剛千葉ロッテマリーンズ272010年144144
秋山翔吾埼玉西武ライオンズ2015年143143
3イチローオリックス・ブルーウェーブ261996年130130
4アレックス・ラミレス東京ヤクルトスワローズ242007年144144
マット・マートン阪神タイガース2010年144144

備考 編集

  • 賞が制定されたのは1949年であるが、日本プロ野球界で初めて猛打賞を記録したのは、木全竹雄大東京軍。1936年4月29日の名古屋軍戦〈甲子園球場〉にて)である。
  • 通算猛打賞記録
    • 張本はパ・リーグで203回、セ・リーグで48回記録しているため、日本記録保持者であると同時にパ・リーグ記録保持者でもある。
    • セ・リーグ記録保持者は、川上ではなく坂本である。その理由はセ・リーグの発足が1949年末のため、それ以前つまり日本野球連盟時代の数は反映されないことによる。
    • 参考記録の上位では、イチローが挙げられる。前述のようにメジャーリーグには「猛打賞」がないものの、「1試合3安打以上を記録した回数」を考慮した場合、イチローは日米通算で379回(日120、米259。)残しており、日本プロ野球歴代1位である張本の251回を超える。
  • シーズン猛打賞記録
    • 日本人選手の参考記録として、イチローが挙げられる。「1試合3安打以上を記録した回数」を考慮した場合、イチローはメジャーリーグ移籍後の2004年シーズンに34回(161試合出場)記録しており、日本プロ野球歴代1位である27回を超える。
  • シーズンマルチ安打(1試合2安打以上)記録
    • イチロー:69回(1994年 日本記録、パ・リーグ記録)
    • 青木宣親:68回(2010年 セ・リーグ記録)
  • 最年長猛打賞記録
  • 連続猛打賞記録

バレーボール 編集

バレーボールでは大会通算で最多アタック決定本数[注釈 1]を記録した選手をこの名で表彰している。

日本では第17回日本リーグでリーグ表彰として新設。第7回Vリーグを最後に終了した。代替として、アタック得点とブロック得点、サーブ得点を合計したベストスコアラーを得点王(最多得点)として表彰している。

大学連盟では現在も表彰を行っているリーグが存在する。

ゴルフ 編集

ゴルフにおける猛打賞とは、グロスで一番打数を叩いてしまった人(最下位)を指す言葉として使われることがある。ブービーメーカー賞とも呼ばれる場合もある。

また、最下位から2番目にはブービー賞が与えられることが多いが、最下位も同じくブービー賞と呼ばれることがある。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ サイドアウト制当時の大会においては、得権と得点の合計。

出典 編集

  1. ^ 球太郎の野球雑学ページ日本野球機構オフィシャルサイト。
  2. ^ 【巨人】坂本勇人がミスターの目の前で並ぶ、通算186度目の猛打賞「長嶋茂雄DAY」の日に”. 日刊スポーツ (2024年5月3日). 2024年5月3日閲覧。
  3. ^ 巨人・坂本 2つ大記録に並んだ 歴代10位タイ二塁打&歴代7位タイ猛打賞”. デイリースポーツ online (2022年6月19日). 2022年6月21日閲覧。