小倉記念(こくらきねん)は、日本中央競馬会 (JRA) が小倉競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。競馬番組表での名称は「農林水産省賞典 小倉記念(のうりんすいさんしょうしょうてん こくらきねん)」と表記している[1][2]

小倉記念
第54回小倉記念
開催国日本の旗 日本
主催者日本中央競馬会
競馬場小倉競馬場
創設1965年8月29日
2023年の情報
距離芝2000m
格付けGIII
賞金1着賞金4300万円
出走条件サラ系3歳以上(国際)(特指)
負担重量ハンデキャップ
出典[1][2]
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正賞は農林水産大臣[1][2]

概要 編集

1965年に、4歳(現3歳)以上の馬による重賞競走として小倉競馬場の芝2000mで創設[3]。小倉競馬場で施行される重賞競走では、最も歴史が古い[3]

外国産馬は1995年から2003年、および2005年以降に出走可能となった[3]。また地方競馬所属馬は1996年から、外国馬は2009年から出走可能になった[3]。負担重量も1995年から1999年まで別定で行われたほかは、ハンデキャップが定着している[3]

2006年からは夏競馬を盛り上げるため設けられた「サマー2000シリーズ」の第3戦に組み込まれた。本競走の優勝馬からは、2006年のスウィフトカレントと2011年のイタリアンレッド、2017年のタツゴウゲキ[4]がシリーズチャンピオンに輝いている[3][5]

競走条件 編集

以下の内容は、2023年現在のもの[1][2][6]

出走資格:サラ系3歳以上、2022年8月14日以降2023年8月7日まで1回以上出走馬、未出走馬および未勝利馬を除く

  • JRA所属馬(外国産馬含む)
  • 地方競馬所属馬(認定馬のみ、2頭まで)
  • 外国馬(優先出走)

負担重量:ハンデキャップ

賞金 編集

2023年の1着賞金は4300万円で、以下2着1700万円、3着1100万円、4着650万円、5着430万円[1][2]

歴史 編集

  • 1965年 - 4歳以上の馬による重賞競走として創設、小倉競馬場の芝2000mで施行[3]
  • 1966年 - 名称を「農林省賞典 小倉記念」に変更[7]
  • 1978年 - 名称を「農林水産省賞典 小倉記念」に変更[7]
  • 1984年 - グレード制施行によりGIII[注 1]に格付け[7]
  • 1995年 - 混合競走に指定、外国産馬が出走可能になる[7]
  • 1996年 - 特別指定交流競走に指定され、地方所属馬が2頭まで出走可能となる[7]
  • 2000年 - 負担重量をハンデキャップに戻す[7]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「3歳以上」に変更[7]
  • 2004年
    • 混合競走から除外。
    • 「日本中央競馬会創立50周年記念」の副称を付けて施行[3][8]
  • 2005年 - 混合競走に再び指定[9]
  • 2006年 - サマー2000シリーズの第3戦に指定[3]
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIIに変更[10]
  • 2009年
    • 国際競走に変更され、外国調教馬が9頭まで出走可能となる[11]
    • 格付表記をGIII(国際格付)に変更[11]
  • 2011年 - 「小倉競馬場開設80周年記念」の副称を付けて施行[12]
  • 2012年 - 「近代競馬150周年記念」の副称を付けて施行[13]
  • 2014年 - 「JRA60周年記念」の副称を付けて施行[14]
  • 2019年 - 「ディープインパクト追悼競走」の副称を付けて施行[15]
  • 2020年 - 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、「無観客競馬」として実施[16]
  • 2021年 - 「小倉競馬場開設90周年記念」の副称を付けて施行[1][2]
  • 2024年 - 阪神競馬場のスタンドリフレッシュ工事に伴う開催日割の変更のため中京競馬場で施行予定[17]

歴代優勝馬 編集

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

コース種別を記載していない距離は、芝コースを表す。

回数施行日競馬場距離優勝馬性齢タイム優勝騎手管理調教師馬主
第1回1965年8月29日小倉2000mヒロタカクマ牝42:05.3松田康弘田之上勲前畑邦夫
第2回1966年7月31日小倉2000mワカクモ牝32:05.8杉村一馬杉村政春吉田一太郎
第3回1967年9月10日小倉2000mタフネス牡32:03.1須貝彦三日迫清北前米子
第4回1968年8月25日小倉2000mペロバツク牝32:02.6田島良保谷八郎有馬静雄
第5回1969年12月28日小倉2000mアトラス牡52:05.2武邦彦武田作十郎松岡重雄
第6回1970年8月23日小倉2000mオープンツバメ牝32:03.7藤岡範士田之上勲(株)オープン 
第7回1971年9月5日小倉2000mカーチス牡42:04.7四位満教柳田次男野中竹次郎
第8回1972年9月10日小倉2000mワイエムチャイナ牡32:03.2久保一秋吉永猛ワイエム観光(株)
第9回1973年9月2日小倉2000mマツカオリ牝52:03.8須貝四郎橋田俊三松井新一
第10回1974年8月25日小倉2000mホウシュウミサイル牡32:01.7武田悟夏村辰男上田清次郎
第11回1975年8月31日小倉2000mロッコーイチ牡52:02.1武邦彦服部正利水上力夫
第12回1976年8月29日小倉2000mミヤジマレンゴ牡32:02.7武田悟夏村辰男曽我薫
第13回1977年8月28日小倉2000mベル牡42:02.4楠孝志橋田俊三増田佳成
第14回1978年8月27日小倉2000mショウフウグリーン牡32:01.1山内研二田中良平松本市三郎
第15回1979年8月26日小倉2000mリネンジョオー牝52:03.0武邦彦戌亥信義戸山光男
第16回1980年8月24日小倉2000mスズカシンプウ牡52:07.9松田博資白井寿昭永井永一
第17回1981年8月23日小倉2000mラフオンテース牝42:01.2岩元市三布施正小柴タマヲ
第18回1982年8月29日京都2000mロングワーズ牡51:59.8飯田明弘小林稔中井長一
第19回1983年8月28日小倉2000mスナークアロー牡42:02.1西浦勝一柳田次男杉本仙次郎
第20回1984年8月26日小倉2000mオーゴンタケル牡62:04.1樋口弘柳田次男(株)小倉ホース
第21回1985年8月25日小倉2000mシャダイチャッター牝52:01.4岩元市三布施正吉田善哉
第22回1986年8月24日小倉2000mヤクモデザイヤー牡42:01.7佐野清広田所稔(有)山崎牧場
第23回1987年8月30日小倉2000mゴルデンビューチ牡62:01.3加用正瀬戸口勉小野森洋
第24回1988年8月28日小倉2000mプレジデントシチー牡52:02.1岩元市三中尾謙太郎(株)友駿ホースクラブ
第25回1989年8月27日小倉2000mダンツミラクル牝42.02.8田島信行梶与三男山元哲二
第26回1990年8月26日小倉2000mスノージェット牡42:01.2安田隆行梅内忍松木俊隆
第27回1991年8月25日小倉2000mナイスネイチャ牡32:02.7松永昌博松永善晴豊嶌正雄
第28回1992年8月30日小倉2000mイクノディクタス牝52:01.0村本善之福島信晴勝野憲明
第29回1993年8月29日小倉2000mマルブツサンキスト牡62:00.5河内洋白井寿昭大沢毅
第30回1994年8月14日小倉2000mホクセイアンバー牡52:01.8小原義之小原伊佐美(有)ビッグ
第31回1995年8月13日小倉2000mスプリングバンブー牝52:00.2岸滋彦田島良保(有)バンブー牧場
第32回1996年8月11日小倉2000mヒシナタリー牝32:00.7角田晃一佐山優阿部雅一郎
第33回1997年8月10日小倉2000mゲイリーイーグル牡42:00.6河内洋増本豊芳賀満男
第34回1998年8月16日京都1800mテイエムオオアラシ牡51:46.0福永祐一二分久男竹園正繼
第35回1999年8月15日小倉2000mアンブラスモア牡51:58.5須貝尚介須貝彦三(株)萩本企画
第36回2000年8月13日小倉2000mミッキーダンス牡41:59.7佐藤哲三服部利之三木久史
第37回2001年8月12日小倉2000mロサード牡52:00.2小牧太橋口弘次郎(有)社台レースホース
第38回2002年8月11日小倉2000mアラタマインディ牡51:59.7飯田祐史新川恵荒木みち
第39回2003年8月17日小倉2000mロサード牡72:00.7武幸四郎橋口弘次郎(有)社台レースホース
第40回2004年8月15日小倉2000mメイショウカイドウ牡51:58.5武豊坂口正大松本好雄
第41回2005年8月14日小倉2000mメイショウカイドウ牡61:58.0武豊坂口正大松本好雄
第42回2006年7月30日小倉2000mスウィフトカレント牡51:57.8福永祐一森秀行(有)社台レースホース
第43回2007年7月29日小倉2000mサンレイジャスパー牝51:58.7佐藤哲三高橋成忠永井啓弍
第44回2008年8月3日小倉2000mドリームジャーニー牡41:57.9池添謙一池江泰寿(有)サンデーレーシング
第45回2009年8月2日小倉2000mダンスアジョイ牡81:58.3角田晃一松永幹夫加藤泰章
第46回2010年8月1日小倉2000mニホンピロレガーロ牡71:57.9酒井学服部利之小林百太郎
第47回2011年7月31日小倉2000mイタリアンレッド牝51:57.3浜中俊石坂正(株)東京ホースレーシング
第48回2012年8月5日小倉2000mエクスペディション牡51:57.3浜中俊石坂正(有)社台レースホース
第49回2013年8月4日小倉2000mメイショウナルト騸51:57.1武豊武田博松本好雄
第50回2014年8月10日小倉2000mサトノノブレス牡41:59.8和田竜二池江泰寿里見治
第51回2015年8月9日小倉2000mアズマシャトル牡41:58.0松若風馬加用正東哲次
第52回2016年8月7日小倉2000mクランモンタナ牡72:00.0和田竜二音無秀孝(有)社台レースホース
第53回2017年8月6日小倉2000mタツゴウゲキ牡51:57.6秋山真一郎鮫島一歩鈴木高幸
第54回2018年8月5日小倉2000mトリオンフ騸41:56.9武豊須貝尚介(株)KTレーシング
第55回2019年8月4日小倉2000mメールドグラース牡41:58.8川田将雅清水久詞(有)キャロットファーム
第56回2020年8月16日小倉2000mアールスター牡51:57.5長岡禎仁杉山晴紀KRジャパン
第57回2021年8月15日小倉2000mモズナガレボシ牡41:59.7松山弘平荒川義之(株)キャピタル・システム
第58回2022年8月14日小倉2000mマリアエレーナ牝41:57.4松山弘平吉田直弘金子真人ホールディングス(株)
第59回2023年8月13日小倉2000mエヒト牡61:57.8川田将雅森秀行平井裕

脚注・出典 編集

注釈 編集

  1. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典 編集

  1. ^ a b c d e f 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 22. 2023年9月3日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 令和5年第3回小倉競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2023年9月3日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i レースについて:小倉記念 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2023年9月3日閲覧。
  4. ^ 【新潟記念】タツゴウゲキが重賞V2でサマー2000王者!サンケイスポーツ、2017年9月3日閲覧
  5. ^ 小倉記念(レースガイド) - netkeiba.com、2014年8月9日閲覧
  6. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(令和5年夏季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2023年9月3日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g 中央競馬全重賞成績集【古馬関西編】
  8. ^ 2004年の成績表参照。
  9. ^ 2005年の成績表参照。
  10. ^ 2007年の成績表参照。
  11. ^ a b 2009年の成績表参照。
  12. ^ 2011年の成績表参照。
  13. ^ 2012年の成績表参照。
  14. ^ 2014年の成績表参照。
  15. ^ ディープインパクト号追悼関連行事のお知らせ”. 日本中央競馬会 (2019年8月1日). 2020年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月28日閲覧。
  16. ^ 8月15日(土曜)から9月6日(日曜)までの中央競馬の開催等”. 日本中央競馬会 (2020年8月8日). 2020年8月13日閲覧。
  17. ^ 2024年度開催日割および重賞競走日本中央競馬会、2023年10月16日配信・閲覧

各回競走結果の出典 編集

外部リンク 編集