太祖王建

2000-02年の韓国のテレビドラマ

太祖王建(テジョワンゴン)は韓国KBSで放送された、韓国の歴史ドラマである。全200話。[1]

太祖王建
ジャンル韓国時代劇ドラマ
原作イ・ファンギョン
脚本イ・ファンギョン
演出キム・ジョンソンカン・イルス
出演者チェ・スジョンキム・ヨンチョルソ・インソクキム・ヘリパク・サンアヨム・ジョンアキム・ガプス
製作
制作KBS
放送
放送国・地域大韓民国の旗 韓国 日本の旗 日本など
放送期間2000年4月1日〜2002年2月24日
放送時間毎週土・日曜日 午後9時45分
回数200
番組年表
前作王と妃
次作帝国の朝
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太祖王建
各種表記
ハングル태조 왕건
漢字太祖王建
発音テジョワンゴン
英語The King Wang-Geon
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概要 編集

9世紀末、新羅の勢力が衰え、後高句麗後百済、新羅による後三国時代の幕開けから、高麗による三国統一までの物語である。それまでの韓国時代劇は、李氏朝鮮時代を題材としたドラマが主流であった。本作品は、初めて高麗時代を本格的に描き、韓国時代劇の新たな扉を開いた。主演のチェ・スジョンはこの作品が時代劇初主演であり、この後、韓国時代劇の第一人者として活躍していくきっかけとなった。

本作は2000年4月1日から2002年2月24日までの間、『王と妃』の後番組として土曜日・日曜日の週2回、KBS第一テレビにて放送された。男性層からの圧倒的な支持を受け、最高視聴率60.2%、平均視聴率37.3%という高視聴率を叩き出した。最高視聴率は歴代韓国時代劇で第2位であり(第1位は、ホジュンの63.7%)、歴代韓国ドラマの中でも、第8位に入る。週間視聴率第1位・連続29週という記録も打ち立てている。この記録は、『朱蒙』(連続35週)に次いで、歴代韓国ドラマ第2位の記録である。

あらすじ 編集

新羅が三国(高句麗百済、新羅)を統一して230年の時が流れた。新羅国内は、王位争奪戦が繰り返され、豪族や民衆が反乱を起こし、国力は衰退していった。そんな中、故高句麗であった地では僧侶クンイェが、故百済の地では軍人キョンフォンが勢力を強めていた。主人公のワンゴンはクンイェに認められ、持ち前の知性と人徳で、数々の功績を挙げていく。しかし、絶大な権力を握ったクンイェは暴政を振るうようになる。それを見かねたワンゴンは、クンイェと決別し、新国家建国を決意する。

登場人物 編集

戦い 編集

用語 編集

組織・官職 編集

高麗
  • 納貨府
宮廷の財物を管理する官庁。
  • 障繕府
皇宮修理や器物製作を担当する官庁。
  • 南廂壇
国の公役を管理する官庁。
後高句麗

 クンイェは遷都の前にも官府を制定していたが、それは臨時的機構であった。本格的な国家体制の整備は、松嶽への遷都以降に行われた。

  • 広評省
豪族の議決機構として国政の最高官府。長は“匡治奈”。のちに“侍中”とも呼ばれる。
  • 兵部
軍事関係の行政を担当する。長は“兵部令”。
  • 大龍部
戸口、租税、公納を担当する。長は“大龍部令”。
  • 寿春部
国の大小事と各種儀式を担当する。長は“寿春部令”。
  • 奉賓部
外交を担当する。長は“奉賓部令”。
  • 義刑台
法律・訴訟・刑罰関連を担当する官庁。長は“義刑台令”。
  • 納貨部
宮殿の中の財物を管理する。長は“納貨部令”。
  • 内奉省
内務や人事を担当する。長は“内奉省令”。
  • 禁書省
国の図書や文書を預かる官庁。長は“禁書省令”。
  • 内軍
王の周辺を護衛する親衛隊。職務はそれだけではなく、豪族や民衆の監視も行う。長は“内軍将軍”。
  • 水壇
水上運輸を預かる官庁。
  • 東宮記室
太子の教育と補佐をする官職。
後百済

 後百済の官職は14等級に分かれていた。これはあくまでも、戦を行うための職級である。なお、文献に残るものはない。学会で記録を検討し、推測したものである。

  • 伊飡
官職の第1等級で、現在の国務総理級官職にあたる。
  • 波珍飡
官職の第2等級で、現在の副総理級官職にあたる。
  • 阿飡
官職の第3等級。
  • 一吉飡
官職の第4等級。
道具 
チャン・ボゴの宝剣 
新羅の英雄チャン・ボゴが信頼する3人の部下に贈ったとされる短剣。
書物 
トソン秘記(道詵秘記) 
僧侶トソンが著した書物。早くから、その存在は知られており、クンイェチョンガンが彼の元を訪れた際、チョンガンが書物の存在についてトソン本人に尋ねている。その後、トソンらが松嶽を訪れてワン・ゴンに手渡した。トソンはワン・ゴンと共に世達寺に入り、トソン秘記を読めるように指導した。
高麗使節要では、太祖が17歳になったときトソンが現れ“そなたは百六[2]の運勢 末世の民はそなたを待つ 軍師を携え陣を備えれば 必要な地理を天時を読む法山川を敬い精通する法 補佐する道理を教えてくれた”と記されている。
多くの関心と話題を集め、千年の間、伝えられてきた秘伝書。風水とそれにまつわる人の運命を記しているらしい。序説には“最もよいすべは世間から逃れること それが駄目なら悪い場を避けること 崑崙山[3]の砂漠の南方から東に伸びて 医巫閭山が生まれ遼東の地が開かれた その先に高い山がそびえ立つ その名は白頭山 山の精気が北に満ちて2つの川をなし 南方に抜けては白頭山脈を築いた 我が大地の地勢は3面が海に挟まれ 北方は遼東に続く 山が多く平地は少ない 人は穏やかで用心深く気が小さい 大地は三千里に長く伸び 東西は千里に満たぬ 南北に細長く山と大地を抱えている 山河の様相のごとく人情も様々で 地域によって異なるゆえそれを理解しろ”と書かれている。

スタッフ 編集

  • 製作:KBS
  • チーフプロデューサー:アン・ヨンドン
  • プロデューサー:チョン・ヨンチョル
  • 原作・脚本:イ・ファンギョン
  • 演出:キム・ジョンソン、カン・イルス
  • 撮影:チ・ハンギュ、ウ・ソンジュ
  • 映像:ソン・チョルジュ
  • 照明:イ・ヒョンウン、キム・ヒョン、カン・ジュピョン
  • 編集:ミン・ビョンホ
  • 作曲:キム・ドンソン
  • 音響:ユ・ビョンス、キム・ヒョンチャン
  • 語り:キム・ジョンソン (演出を手がけているキム・ジョンソンとは別人)
  • 音楽指揮:イム・テクス
  • 録画:チェ・ミョンギュ
  • 編集監督:キム・ジョンス
  • 製作編集:イ・ビョンフィ、チェ・スンピル
  • ダビング監督:イ・サンボン
  • ダビング:イ・ドンフン
  • VCR編集:ミン・ビョンホ
  • CG:パク・ケソン
  • 編曲:イム・テクス、キム・ドンソン
  • 演奏:KBS交響楽団
  • 指揮:キム・ボン、カン・ソクフィ
  • 合唱:国立合唱団
  • 合唱指揮:ヨン・ジンソブ
  • 音楽:イム・ヒョテク
  • 音響効果:キム・ドンチャン、パク・グヮンフン、チョン・ジョンイル、アン・イグス、イム・ジフン、チュ・ガソン、シン・チェルスン
  • 特殊映像:カン・ハンソク、イ・デュファン
  • 美術製作:KBSアートビジョン
  • 美術監督:イ・ソグウ
  • 舞台デザイン:チョ・サンジン、ヤン・ヨングン
  • 舞台装置:ユ・モチョン、キム・ムファン、ペ・イルギ、チェ・ユンソプ
  • セット製作:イ・チョルス
  • オープンセット製作:イ・サムジュ、キム・グンソク、キム・ジョンミョン、ソン・ギギョン
  • 装飾:キム・フグン
  • 作画:クォン・ヒョクテ
  • 美術開発:キム・ドンス
  • 装置進行:パク・チョンムン
  • 扮装:イ・ソグジェ、キム・ジュイル、キム・ブソン、キム・ミョンゴン、チョ・ソングン、チョン・ヘラン、ユン・ジェイル、ラ・ギョンギュン、
  • 美容:ソ・ネギョン、キム・ジョンナン
  • 小道具製作:チョン・グァンボク
  • 小道具:イ・ジェモ、イ・ジョンフン、キム・スンテ、ソン・ヨンフィ、チョン・スンホ
  • 衣装デザイン:カン・ユンジョン、ユ・スジョン
  • 衣装;ユン・ビョンオ、イ・ジョンウン、ホン・ギイル、チャン・テクス、イ・ソンジュ、パク・ヨンギ、イ・ジェグォン、イ・ソンウ
  • 衣装考証:遊戯軽服食文化研究院、ユ・フィギョン、イ・ガンチル、チョン・ワンソプ、チョ・ヒョスン、イム・ミョンミ、キム・ミジャ
  • 電気效果:キム・セファン、イ・ドンチョン
  • 建築考証:チョン・ギョンホ、キム・ドンヒョン、チュ・ナムチョル、チョン・セフン
  • 王宮製作:(株)熱誠総合建設
  • 補助出演:(株)韓国芸術、イ・ヨンテ、M.T.M
  • 撮影協力:聞慶市長、堤川市長、南漢山城管理事務所、水原火星管理事務所、高敞仙雲寺
  • 武術監督:イ・ヨンス
  • 武術指導:イ・シウン、ウォン・ジン、リュ・ヒョンサン
  • 武術出演:映像武術マッハ
  • スタント:映像武術マッハ
  • 特殊效果:金上司特殊效果、キム・スゴン、イ・マンファン、キム・ミンホ、イ・ドンシン
  • クレーン:クォン・テウォン、キム・ミジュン
  • 録音:コインムビテル、キム・サンウォン、イ・ギョジュン、キム・ヒョンソク
  • 野外照明:李プロダクション、イ・ヒョンウン、パク・ソンフン、キム・ビョンテ、キム・デミン、オ・ヨンウ、ヤン・ギル、イ・チュンギル、ヒョン・チョル
  • 撮影監督:チ・ハンギュ、ウ・ソンジュ、オム・テマン
  • 撮影補:クァク・セジョン
  • 記録:ウム・ミンア
  • 進行:イ・ヒャンボン、チャン・ヤンホ
  • 技術監督:ソ・ギョンテク
  • カメラ監督:イ・ナムム
  • アシスタントディレクター:ハン・チョルギョン、カン・ビョンテク

受賞歴 編集

2000年 
KBS演技大賞
大賞:キム・ヨンチョル 
助演賞:キム・ハクチョル
2001年
KBS演技大賞 
大賞:チェ・スジョン
最優秀演技賞:ソ・インソク 
優秀演技賞:キム・ガプス 
優秀演技賞:キム・ヘリ 
助演賞:チョン・テウ 
新人賞:イ・グァンギ
2002年 
百想芸術大賞 テレビ部門
大賞
最優秀演技賞:キム・ヨンチョル

その他 編集

 本作品終了後、放送されたドラマ『帝国の朝』(日本語タイトル;『光宗大王 〜帝国の朝〜』)は続編的作品となっている。この作品の脚本を担当したのは、本作品の脚本を担当したイ・ファンギョンである。ワン・ゴン死後、混乱が続く高麗を息子のワン・ソが即位し、高麗繁栄の礎を築くまでの過程が描かれている。帝国の朝には、本作品に登場した人物が多数登場している。また、本作品に出演している俳優も役柄は違うものの、多数出演している。

 

脚注 編集

  1. ^ 当初は全150話の予定だったが、視聴率の高さや反響の大きさ等により延長され全200話となった。
  2. ^ 百六・・・陰陽道でいう百六年に一度の運勢。
  3. ^ 崑崙山・・・中国・黄河の源で神仙思想における聖山とされる。

DVD-BOX 編集

発売元:エプコット

  • 『太祖王建』DVD-BOX1(第1章 後三国時代の幕開け:前編,1~14話),2008年9月発売
  • 『太祖王建』DVD-BOX2(第1章 後三国時代の幕開け:後編,15~31話),2008年10月発売
  • 『太祖王建』DVD-BOX3(第2章 輝かしい勲功:前編,32~45話),2008年11月発売
  • 『太祖王建』DVD-BOX4(第2章 輝かしい勲功:後編,46~60話),2008年12月発売
  • 『太祖王建』DVD-BOX5(第3章 クンイエ暴政の始まり:前編,61話~74話),2009年1月発売
  • 『太祖王建』DVD-BOX6(第3章 クンイエ暴政の始まり:後編,75話~90話),2009年2月発売
  • 『太祖王建』DVD-BOX7(第4章 革命の機運:前編,91話~104話),2009年3月発売
  • 『太祖王建』DVD-BOX8(第4章 革命の機運:後編,105話~120話),2009年4月発売
  • 『太祖王建』DVD-BOX9(第5章 高麗建国,121話~140話),2009年5月発売
  • 『太祖王建』DVD-BOX10(第6章 後百済の快進撃,141話~160話),2009年6月発売
  • 『太祖王建』DVD-BOX11(第7章 両雄の死闘,161話~180話),2009年7月発売
  • 『太祖王建』DVD-BOX12(第8章 三韓統一,180話~200話),2009年8月発売

外部リンク 編集