国頭村

沖縄県国頭郡の村

国頭村(くにがみそん)は、沖縄県沖縄本島北端にあるである。国頭郡に属す。


国頭村
国頭村旗国頭村章
国頭村旗国頭村章
日本の旗 日本
地方九州地方
都道府県沖縄県
国頭郡
市町村コード47301-4
法人番号5000020473014 ウィキデータを編集
面積194.85km2
総人口4,394[編集]
推計人口、2024年4月1日)
人口密度22.6人/km2
隣接自治体国頭郡大宜味村東村
鹿児島県大島郡与論町
村の木イタジイ
村の花サクラツツジ
他のシンボル村の花木:イジュ
村の魚:アオブダイ
村の鳥:ヤンバルクイナ
国頭村役場
村長知花靖
所在地905-1411
沖縄県国頭郡国頭村辺土名121番地
北緯26度44分44秒 東経128度10分41秒 / 北緯26.74569度 東経128.17803度 / 26.74569; 128.17803座標: 北緯26度44分44秒 東経128度10分41秒 / 北緯26.74569度 東経128.17803度 / 26.74569; 128.17803
地図
村役場位置

国頭村役場
国頭村役場
外部リンク公式ウェブサイト

国頭村位置図

― 市 / ― 町・村

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地理 編集

沖縄本島最北端の自治体であり、名護市から北東に約30kmの位置に村役場がある。また、村域の95%が森林で、貴重なヤンバルクイナノグチゲラヤンバルテナガコガネなどの動物が生息している。しかし人為的に移入されたノネコジャワマングースによる野生生物の捕食および生息数の減少が問題となっている。

山地が海岸近くまでせまる地形で、各集落は河川の形成するごく狭い沖積平野に立地する。ただ、村の中心地・辺土名をはじめ、奥間・桃原・鏡地・半地の各地区は、赤丸岬を頂点とする陸繋砂州上にあり、国頭村内では例外的に広い平地が形成されている。村を縦断する国頭山地には、沖縄本島最高峰の与那覇岳 (503m) をはじめ、照首山西銘岳伊湯岳などが連なる。

沖縄本島の最北端に位置する辺戸岬と、鹿児島県に属する与論島は28kmしか離れていない為、晴れている時には与論島が望める。ただし、与論島は総じて平坦なため、与論島から辺戸岬を見た場合程には明瞭ではない。なお、村の面積の23%を、米国海兵隊の訓練場が占めている。森林セラピー基地認定。

気候 編集

沖縄気象台アメダスが村内の奥と比地の2ヶ所に設置されている(後者は降水量のみ)。過去には、与那覇岳にも設置されていた。

奥にあるアメダスは、沖縄本島では最も北に位置する観測点である。標高が232mと高いため、さらに北に位置する伊是名島与論島等の気温よりも低くなる傾向があり、県内ニュースなどにおいて「国頭村奥で●°C、今季一番の冷え込み」等、冬場の最低気温の話題になることが多い。沖縄県ではめったにない1桁台の気温を毎年記録している。年の最低気温はほとんど1月から3月にかけて観測される。

  • 1981年2月26日の最高気温8.4°Cは、沖縄県内の観測史上最も低い最高気温である。
  • 2016年1月24日22時49分には最低気温3.1°Cを観測し、国頭村奥の観測史上最低気温を更新した[1][注 1]
国頭村奥(奥地域気象観測所)の気候
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
最高気温記録 °C°F25.3
(77.5)
26.2
(79.2)
28.5
(83.3)
28.9
(84)
31.0
(87.8)
33.2
(91.8)
34.2
(93.6)
33.8
(92.8)
33.6
(92.5)
32.1
(89.8)
28.4
(83.1)
26.6
(79.9)
34.2
(93.6)
平均最高気温 °C°F17.4
(63.3)
17.9
(64.2)
19.8
(67.6)
22.3
(72.1)
25.1
(77.2)
28.3
(82.9)
30.5
(86.9)
30.1
(86.2)
28.8
(83.8)
25.8
(78.4)
22.6
(72.7)
19.1
(66.4)
24.0
(75.2)
日平均気温 °C°F14.7
(58.5)
14.9
(58.8)
16.5
(61.7)
19.0
(66.2)
21.8
(71.2)
25.0
(77)
26.9
(80.4)
26.7
(80.1)
25.6
(78.1)
23.1
(73.6)
20.1
(68.2)
16.5
(61.7)
20.9
(69.6)
平均最低気温 °C°F12.7
(54.9)
12.7
(54.9)
14.1
(57.4)
16.5
(61.7)
19.5
(67.1)
22.9
(73.2)
24.7
(76.5)
24.7
(76.5)
23.6
(74.5)
21.3
(70.3)
18.2
(64.8)
14.6
(58.3)
18.8
(65.8)
最低気温記録 °C°F3.1
(37.6)
4.8
(40.6)
5.2
(41.4)
10.8
(51.4)
12.6
(54.7)
15.7
(60.3)
19.8
(67.6)
20.3
(68.5)
17.7
(63.9)
15.1
(59.2)
11.1
(52)
7.2
(45)
3.1
(37.6)
降水量 mm (inch)143.9
(5.665)
159.7
(6.287)
194.6
(7.661)
199.4
(7.85)
281.8
(11.094)
342.8
(13.496)
199.6
(7.858)
230.3
(9.067)
271.5
(10.689)
225.9
(8.894)
189.5
(7.461)
155.2
(6.11)
2,594.1
(102.13)
平均降水日数 (≥1.0 mm)13.412.913.612.613.814.910.112.913.711.810.812.5152.9
平均月間日照時間77.682.8113.0126.9145.0170.7245.1218.6167.5130.294.079.81,651.1
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1977年-現在)[2][3]

地域 編集

  • 安田(あだ) - 集落の東方約500mに安田ヶ島がある。
    • 伊部(いぶ) - 安田の小字
  • 安波(あは)
    • 美作(ちゅらさく)-安波の小字
  • 伊地(いじ)
  • 宇嘉(うか)
  • 宇良(うら)
  • 奥(おく)
  • 奥間(おくま)
  • 我地(がじ)
  • 鏡地(かがんじ)
  • 宜名真(ぎなま) 
  • 佐手(さて)
  • 謝敷(じゃしき)
  • 楚洲(そす)
    • 伊江(いえ) - 楚洲の小字
  • 桃原(とうばる)
  • 浜(はま)
  • 半地(はんじ)
  • 比地 (ひじ)
  • 辺戸(へど)
  • 辺野喜(べのき)
  • 辺土名(へんとな)
  • 与那(よな)

また、伊地地区の北(赤崎付近)に昭和期まで田名(だな)、楚洲地区の西方・西銘岳 (420.1m) 中腹に大正期まで横芭(よこば)という集落があったが、いずれも廃村となった。

隣接している自治体 編集

人口 編集

国頭村と全国の年齢別人口分布(2005年)国頭村の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 国頭村
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

国頭村(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より


歴史 編集

行政 編集

歴代村長 編集

特記なき場合『村勢要覧』による[5]

氏名就任退任備考
国頭間切長
不詳
国頭村長(官選)
金城永元明治41年大正3年
2-4宮城永期大正3年大正13年
5知花高直大正13年昭和3年
6宮城親吉昭和3年昭和4年
7-11知花高直昭和4年昭和19年
12平良吉盛昭和19年昭和20年
国頭村長(米軍統治下)
13平良吉盛昭和21年昭和23年
14-16新里善福昭和23年昭和31年
17-20山川武夫昭和31年昭和47年
国頭村長(公選)
21-23饒波正一郎昭和47年昭和59年
24宮城勇昭和59年昭和63年
25-26仲原弘昭和63年平成8年
27大城久利平成8年平成12年
28-29上原康作平成12年平成20年
30宮城馨平成20年平成24年
31-32宮城久和平成24年令和2年
33知花靖令和2年4月7日現職

姉妹都市・提携都市 編集

産業 編集

産業別人口は、第一次21.0%、第二次18.7%、第三次60.3%である。公務員や建設業従事者、奥間にあるオクマ プライベートビーチ&リゾートの観光業などが特徴的。農業では、豚・肉牛・パイナップル・マンゴー・キクが上位を占める。豚・肉牛は、奥地区や楚洲地区・伊部地区に立地する畜産基地によるもの。また、北部の奥地区は、茶(おくみどり)の産地となっている。共同店がある集落が多い。

金融機関 編集

郵便 編集

  • 国頭郵便局
    • 国頭村、大宜味村の集配を担当。郵便番号「905-14xx」(奥、安波、楚洲、安田を除く地域)、「905-15xx」(奥、安波、楚洲、安田の東部地域)、「905-13xx」(大宜味村)。
  • 奥簡易郵便局
  • 安田簡易郵便局

教育 編集

幼稚園
  • 国頭村立辺土名幼稚園
小学校
  • 国頭村立奥間小学校
  • 国頭村立辺土名小学校
  • 国頭村立佐手小学校
  • 国頭村立北国小学校
  • 国頭村立奥小学校
  • 国頭村立安田小学校
  • 国頭村立安波小学校
中学校

交通 編集

辺土名バスターミナル

路線バス 編集

  • 67番(辺土名線) - 琉球バス交通沖縄バスが共同運行。主に国道58号を通り、名護市・大宜味村と国頭村中心部の辺土名バスターミナルを結ぶ。
    • 名護バスターミナル - 伊差川 - 真喜屋 - 源河 - 塩屋入口 - 大宜味 - 辺土名高校前 - 奥間ビーチ入口 - 辺土名 - 辺土名バスターミナルこの字体は国頭村内
  • 国頭村営バス - 村内の辺土名以北の地域を運行する村営バス。村役場前の辺土名バス停を起点、国道58号・県道70号の起点(国道58号の沖縄県内起点)にある奥バス停を終点とする2路線。
    • 東線 - 県道2・70号経由(辺土名 - 安波 - 安田 - 楚洲[ - 奥])
    • 奥線 - 国道58号・辺戸岬経由(辺土名 - 辺野喜 - 宜名真 - 辺戸岬 - 辺戸 - 奥)

村東部の安波・安田・楚洲を経由する東線と、村北部の与那・宜名真・辺戸岬・奥を経由する奥線がある。一部本数はデマンドバスとなっており、東線の定期運行は楚洲終点。

道路 編集

港湾[6] 編集

  • 宜名真漁港 - 第4種漁港
  • 奥港 - 地方港湾
  • 辺土名漁港 - 第1種漁港
  • 安田漁港 - 第4種漁港
  • 国頭浜漁港 - 第1種漁港

医療 編集

観光・スポーツ 編集

名所・旧跡・文化財 編集

大石林山
ヤンバルクイナ生態展示学習施設 クイナの森のキョンキョン

スポーツと施設 編集

奥間ビーチ

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 沖縄県内の最低気温では、1963年1月20日久米島の最低気温2.9°Cに次いで観測史上2番目に低い記録であり、本土復帰後の記録では最も低い。

出典 編集

  1. ^ 奥 2016年1月(日ごとの値) 詳細(降水量・気温)
  2. ^ 平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2024年4月閲覧。
  3. ^ 観測史上1~10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2024年4月閲覧。
  4. ^ 沖縄の青い海が戻ってきた! 漁港の軽石、約600立方メートルの除去に成功”. 沖縄タイムスプラス (2021年11月2日). 2021年11月12日閲覧。
  5. ^ 村勢要覧”. 国頭村. 2021年9月17日閲覧。
  6. ^ 沖縄県の港湾一覧(沖縄の海洋情報 第十一管区海上保安本部内)”. 2023年1月12日閲覧。
  7. ^ 国頭消防管内 Archived 2013年3月13日, at the Wayback Machine. NPO法人MESHサポート2011年9月27日現在

参考文献 編集

  • 沖縄県の地理(仲田邦彦著・東洋企画発行)

外部リンク 編集