京阪杯(けいはんはい)は、日本中央競馬会 (JRA) が京都競馬場で施行する中央競馬重賞競走(GIII)である。

京阪杯
第66回優勝馬エイティーンガール
開催国日本の旗 日本
主催者日本中央競馬会
競馬場京都競馬場
創設1956年11月4日
2021年の情報
距離芝1200m
格付けGIII
賞金1着賞金3900万円
出走条件サラ系3歳以上(国際)(特指)
負担重量別定
出典[1][2][3]
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寄贈賞を提供する京阪ホールディングスは、大阪市に本社を置き、京都競馬場の最寄り駅淀駅を通る京阪本線を運営する京阪電気鉄道を傘下に持つ純粋持株会社[4]である。

正賞は京阪ホールディングス株式会社賞[2][3][注 1]

概要 編集

第58回優勝馬アースソニック

1956年に「京都特別(きょうととくべつ)」の名称で創設された、4歳(現3歳)以上の馬による重賞競走で、1961年より現名称となった[5][6][7]

創設時は芝2200mのハンデキャップ競走で行われ、その後距離や施行時期・競走条件等は幾度か変更されたものの、概ね中距離の重賞として定着していた[5][6]が、2006年に短距離重賞路線の整備が図られ、本競走は芝1200mに変更された[5][6]

外国産馬は1989年から、地方競馬所属馬は1998年から出走が可能になったほか、2005年から国際競走に指定され、外国馬も出走可能になった[5][6]

2016年より本馬場入場曲が向谷実作曲の「A Promising Moment」に変更されている(2020年を除く)[8][注 2]

本競走はGI・ジャパンカップと同日の最終第12競走に組まれており、2014年以後は年末の阪神競馬[注 3]が代替されない限りは、京都競馬場の1年で最後に行われるレース(平年の第5回京都競馬第8日の第12競走に指定)となっている。

競走条件 編集

以下の内容は、2021年現在[2][3][9][10]のもの。

出走資格:サラ系3歳以上

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(認定馬のみ、2頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)

負担重量:別定

  • 3歳55kg、4歳以上56kg、牝馬2kg減
    • 日本馬:収得賞金3000万円超過馬は超過額2000万円毎に1kg増
    • 外国馬:GI競走1着馬は5kg増、GII競走1着馬は3kg増、GIII競走1着馬は1kg増(2歳時の成績は除く)

賞金 編集

2021年の1着賞金は3900万円で、以下2着1600万円、3着980万円、4着590万円、5着390万円[2][3]

歴史 編集

  • 1956年 - 4歳以上の馬による重賞競走として「京都特別」の名称で創設、京都競馬場の芝2200m(外回り)で施行。当初は秋季に行われた[11]
  • 1960年 - 京阪電気鉄道(現・京阪ホールディングス)が賞を寄贈、「京阪盃」が副名称となる[11]
  • 1961年 - 名称を「京阪杯」に変更[11]
  • 1984年
  • 1989年 - 混合競走に指定。
  • 1997年 - 開催時期が秋季に戻り[11]、競走条件を「4歳以上」に変更。
  • 1998年 - 特別指定交流競走となり、地方競馬所属馬が2頭まで出走可能となる。
  • 2001年 - 馬齢表記を国際基準へ変更したのに伴い、競走条件を「3歳以上」に変更。
  • 2005年 - 国際競走に指定され[11]、外国馬が5頭まで出走可能となる。
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、外国馬の出走枠が9頭に拡大。
  • 2020年 - 京都競馬場の改修工事に伴う開催日割の変更のため阪神競馬場で施行。このため、出走可能頭数が16頭に変更される(2021年・2022年も同様)[12][13][14]

歴代優勝馬 編集

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

競走名は第5回まで「京都特別」、第6回以降は「京阪杯」[5]

回数年月日競馬場距離優勝馬タイム性齢優勝騎手管理調教師馬主
第1回1956年11月4日京都2200mミナトリユウ2分19秒 1/5牡3渡辺正人稗田虎伊小川虎三
第2回1957年10月6日京都2200mナンバイチバン2分24秒 0/5牡4大沢真玉谷敬治浜田尚子
第3回1958年10月5日京都2200mタツテル2分19秒 3/5牡3高橋直諏訪佐市加藤辰次
第4回1959年10月4日京都2200mワカノキング2分21秒5牡3北橋修二柴田不二男小野国光
第5回1960年10月2日京都2200mヤマニンモアー2分16秒7牡3浅見国一藤本冨良土井宏二
第6回1961年10月1日京都2200mメーデンスレデイ2分17秒1牝4宇田明彦星川泉士伊達牧場
第7回1962年10月7日京都2200mタカシゲ2分17秒2牡3清田十一伊藤勝吉大久保常吉
第8回1963年9月29日京都2200mコウライオー2分06秒9牡3沖田秀勝吉田三郎高田政治
第9回1964年9月27日京都2200mヤマニンルビー2分23秒6牝3池江泰郎浅見国一川田武
第10回1965年9月23日京都2200mヤマヒロ2分17秒1牡4諏訪真諏訪佐市土井宏二
第11回1966年9月18日京都1800mバリモスニセイ1分55秒3牡5諏訪真諏訪佐市小杉咲枝
第12回1967年11月3日京都1800mネイチブランナー1分50秒5牡4松本善登山岡寿恵次増田伝三郎
第13回1968年11月10日京都1800mヒロダイコク1分55秒3牝3武田悟夏村辰男前畑邦夫
第14回1969年11月9日京都1800mクリカシワ1分49秒9牡4高橋成忠柏谷富衛栗林友二
第15回1970年11月8日京都1800mセブンオー1分51秒3牡3久保敏文伊藤修司森本博
第16回1971年11月7日京都1900mタイセフト1分59秒7牡4高橋成忠二分久男三宅正平
第17回1972年11月23日京都2000mロングワン2分03秒5牡4武邦彦松田由太郎中井長一
第18回1973年11月23日京都2000mシバタケ2分03秒6牡4高崎詠三郎橋本正晴内芝伝一
第19回1974年11月24日京都2000mイーストリバー2分04秒2牡4北橋修二松元正雄川東勝俊
第20回1975年11月23日京都2000mエリモカンセイ2分05秒3牡4目黒正徳大根田裕也井上芳春
第21回1976年11月28日京都2000mコウイチサブロウ2分02秒6牡3松本善登庄野穂積桂土地(株)
第22回1977年11月27日京都2000mシルバーランド2分03秒6牡7福永洋一佐藤勇冨士田竹三
第23回1978年11月26日京都2000mマチカネタイテイ2分02秒3牡5福永洋一清田十一細川益男
第24回1979年11月25日阪神2000mタマモリマンド2分00秒8牡4久保一秋吉永猛三野道夫
第25回1980年11月23日京都2000mタニノテスコ2分01秒6牝5飯田明弘小林稔谷水雄三
第26回1981年11月22日京都2000mノトダイバー2分01秒3牡4加用正北橋修二(有)能登
第27回1982年11月28日京都2000mノトダイバー2分02秒5牡5加用正北橋修二(有)能登
第28回1983年11月27日京都2000mエリモローラ2分03秒2牡4猿橋重利大久保石松山本慎一
第29回1984年5月13日京都2000mカツラギエース2分02秒1牡4西浦勝一土門一美野出一三
第30回1985年5月12日京都2000mマルブツサーペン2分02秒1牡4加用正瀬戸口勉大沢毅
第31回1986年5月11日京都2000mシングルロマン2分04秒2牡4松本達也中尾正藤井章
第32回1987年5月17日京都2000mマルカセイコウ2分05秒5牡4柴田光陽内藤繁春河長産業(株)
第33回1988年5月15日京都2000mトウショウレオ2分04秒4牡6田島良保鶴留明雄トウショウ産業(株)
第34回1989年5月14日京都2000mニホンピロブレイブ2分02秒7牡4武豊伊藤雄二小林百太郎
第35回1990年5月13日京都2000mロングムテキ2分01秒7牡6松永昌博沖芳夫中井商事(株)
第36回1991年5月12日京都2000mイクノディクタス2分02秒4牝4村本善之福島信晴勝野憲明
第37回1992年5月17日京都2000mミスタースペイン2分03秒3牡4石橋守橋口弘次郎架谷外茂次
第38回1993年5月15日京都2000mロンシャンボーイ2分00秒9牡4清山宏明小原伊佐美清岡政徳
第39回1994年5月14日阪神2000mネーハイシーザー1分58秒9牡4塩村克己布施正(株)大丸企業
第40回1995年5月13日京都2000mダンツシアトル1分58秒9牡5村本善之山内研二山元哲二
第41回1996年5月11日京都2200mダンスパートナー2分12秒8牝4四位洋文白井寿昭吉田勝己
第42回1997年11月22日京都1800mエリモダンディー1分48秒2牡3武豊大久保正陽山本慎一
第43回1998年11月28日京都1800mブラボーグリーン1分46秒6牡4幸英明栗田博憲(株)グリーンファーム
第44回1999年11月27日京都1800mロサード1分46秒4牡3安藤勝己橋口弘次郎(有)社台レースホース
第45回2000年11月25日京都1800mジョウテンブレーヴ1分45秒2牡3O.ペリエ相沢郁田邉久男
第46回2001年11月24日京都1800mテンザンセイザ1分45秒6牡3四位洋文藤原英昭平野三郎
第47回2002年11月23日京都1800mサイドワインダー1分45秒3牡4武幸四郎北橋修二(株)協栄
第48回2003年11月29日京都1800mチアズブライトリー1分49秒1牡5本田優山内研二北村キヨ子
第49回2004年11月27日京都1800mダイワエルシエーロ1分46秒3牝3福永祐一松田国英大和商事(株)
第50回2005年11月26日京都1800mカンパニー1分44秒8牡4福永祐一音無秀孝近藤英子
第51回2006年11月25日京都1200mアンバージャック1分08秒3牡3武幸四郎中野隆良(有)日進牧場
第52回2007年11月23日京都1200mサンアディユ1分07秒9牝5武豊音無秀孝松岡隆雄
第53回2008年11月29日京都1200mウエスタンダンサー1分08秒1牝4川田将雅崎山博樹西川賢
第54回2009年11月28日京都1200mプレミアムボックス1分07秒6牡6幸英明上原博之(有)社台レースホース
第55回2010年11月27日京都1200mスプリングソング1分08秒0牡5池添謙一鶴留明雄吉田照哉
第56回2011年11月26日京都1200mロードカナロア1分08秒1牡3福永祐一安田隆行(有)ロードホースクラブ
第57回2012年11月24日京都1200mハクサンムーン1分08秒5牡3酒井学西園正都河崎五市
第58回2013年11月23日京都1200mアースソニック1分07秒5牡4M.デムーロ中竹和也前田幸治
第59回2014年11月30日京都1200mアンバルブライベン1分08秒3牝5田中健福島信晴伊藤信之
第60回2015年11月29日京都1200mサトノルパン1分07秒4牡4和田竜二村山明里見治
第61回2016年11月27日京都1200mネロ1分10秒3牡5M.バルザローナ森秀行西山茂行
第62回2017年11月26日京都1200mネロ1分08秒8牡6吉原寛人森秀行西山茂行
第63回2018年11月25日京都1200mダノンスマッシュ1分08秒0牡3北村友一安田隆行(株)ダノックス
第64回2019年11月24日京都1200mライトオンキュー1分08秒8牡4古川吉洋昆貢ゴドルフィン
第65回2020年11月29日阪神1200mフィアーノロマーノ1分08秒2牡6吉田隼人高野友和吉田和美
第66回2021年11月28日阪神1200mエイティーンガール1分08秒8牝5秋山真一郎飯田祐史中山泰志
第67回2022年11月27日阪神1200mトウシンマカオ1分07秒2牡3鮫島克駿高柳瑞樹(株)サトー
第68回2023年11月26日京都1200mトウシンマカオ1分07秒4牡4菅原明良高柳瑞樹(株)サトー

脚注・出典 編集

注釈 編集

  1. ^ JRAで行われる沿線大手私鉄5社の冠競走で唯一、社賞が持株会社名義となっている。同様の体制を取る阪急阪神東宝グループの寄贈賞が掛かった阪急杯では、寄贈賞の提供元は事業会社の阪急電鉄である。
  2. ^ 音楽館が2016年に発売した「京阪電車発車メロディコレクション2016」のボーナストラックにこの競走のみで使用される本馬場入場曲が収録されている。
  3. ^ 阪神ジュベナイルフィリーズ朝日杯フューチュリティステークスなどが行われる節
  4. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典 編集

  1. ^ IFHA Race Detail Keihan Hai”. International Federation of Horseracing Authorities. 2015年11月24日閲覧。
  2. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 35. 2021年11月12日閲覧。
  3. ^ a b c d 令和3年第5回阪神競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2021年11月12日閲覧。
  4. ^ 2021年度第5回阪神競馬特別レース名解説(第9日)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 6. 2021年11月12日閲覧。
  5. ^ a b c d e 今週の注目レース(第60回京阪杯:歴史・プレイバック)”. 日本中央競馬会. 2015年11月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月24日閲覧。
  6. ^ a b c d 京阪杯特集(レースガイド)”. netkeiba.com. 2015年11月24日閲覧。
  7. ^ 中央競馬全重賞競走成績集
  8. ^ 京阪電車発車メロディCOLLECTION2016 臨時列車・オリジナルグッズ京阪電気鉄道
  9. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(令和3年度秋季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2021年11月12日閲覧。
  10. ^ 競馬番組一般事項 V 出馬投票” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 18-24 (2021年). 2021年11月12日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g 京阪電気鉄道株式会社経営統括室経営政策担当/編『京阪百年のあゆみ』2011年、754-755頁。 
  12. ^ 令和2年度開催日割および重賞競走について” (PDF). 日本中央競馬会. 2020年11月20日閲覧。
  13. ^ 令和3年度開催日割および重賞競走について” (PDF). 日本中央競馬会. 2020年11月20日閲覧。
  14. ^ 令和4年度開催日割および重賞競走について” (PDF). 日本中央競馬会 (2021年10月18日). 2021年11月12日閲覧。

各回競走結果の出典 編集

外部リンク 編集