マーハーン航空

イランの航空会社

マーハーン航空ペルシア語: هواپیمایی ماهان‎、英語: Mahan Air)は、イランの民営航空会社である。国内線及び中近東ヨーロッパ南アジア東南アジア東アジアへの国際線を運航している。

マーハーン航空
هواپیمایی ماهان
IATA
W5
ICAO
IRM
コールサイン
MAHAN AIR
設立1993年イランケルマーン
拠点空港エマーム・ホメイニー国際空港
ハブ空港メヘラーバード国際空港
バンダレ・アッバース国際空港
航空連合未加盟
親会社モウリーヨルモヴァヘディーン財団
保有機材数54機
就航地52都市(季節運航除く)
本拠地 イランテヘラン
外部リンクhttps://www.mahan.aero/en/
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エアバスA300-B4型機(EP-MHG、退役済)

沿革 編集

当社は1992年に設立された。翌1993年、イラン初の民営航空会社として運航を開始。2001年、IATAに加盟。親会社はモウリーヨルモヴァヘディーン財団で96%の株式をもつ。従業員は、2007年3月現在で1,616名である。当初は99名乗りのツポレフ154型機を2機保有し、テヘランと国内の2ヶ所を結ぶ路線を運航していた。当社が実質的に成長をはじめたのは、1999年の広胴機・エアバスA300型機、2001年のエアバスA310型機が導入されて以降のことである[1]。これによって当社は当時運航していた域内目的地を越えて路線を拡張することが可能となったのである。イランにおける市場シェアでは、国内線において8%[1]、国際線において13%[2] である。2016年に欧米諸国からの経済制裁が解除されたことで、老朽化する一方だったイランの航空各社の機材が新調される契機を迎えたが、2018年になるとトランプ大統領が核合意離脱を表明したためにイランへのアメリカ製品輸出が再び禁止され[3]、新機種導入は中断した。

就航都市 編集

2020年5月現在、以下の都市に就航している。

マーハーン航空 就航都市一覧 (2013年5月 現在)
国・地域都市空港備考
西南アジア
イラン
テヘランエマーム・ホメイニー国際空港国際線ハブ
メヘラーバード国際空港国内線ハブ
アサールーイェアサールーイェ空港
イーラーンシャフルイーラーンシャフル空港
エスファハーンエスファハーン国際空港
キーシュ島キーシュ空港
ケルマーンケルマーン空港
ザーヘダーンザーヘダーン空港
ザーボルザーボル空港
シーラーズシーラーズ国際空港
スィールジャーンスィールジャーン空港
デズフールデズフール空港
バンダレ・アッバースバンダレ・アッバース国際空港
ビールジャンドビールジャンド国際空港
マシュハドマシュハド国際空港
マーフシャフルマーフシャフル空港
アラブ首長国連邦シャールジャシャールジャ国際空港
ドバイドバイ国際空港
サウジアラビアジッダキング・アブドゥルアズィーズ国際空港
ダンマンキング・ファハド国際空港季節運航便
シリアダマスカスダマスカス国際空港
イラクバグダードバグダッド国際空港
バーレーンマナーマバーレーン国際空港
南アジア
インドデリーインディラ・ガンディー国際空港
コーチコーチ国際空港
パキスタンラホールラホール国際空港
東南アジア
タイバンコクスワンナプーム国際空港
インドネシアジャカルタスカルノハッタ国際空港
東アジア
中国上海上海浦東国際空港
広州広州白雲国際空港[4]
休・廃止路線
スリランカコロンボバンダラナイケ国際空港
カザフスタンアルマトイアルマトイ国際空港
アフガニスタンカーブルカーブル国際空港
イギリスバーミンガムバーミンガム国際空港
マンチェスターマンチェスター空港
ドイツデュッセルドルフデュッセルドルフ空港
チュニジアチュニスチュニス・カルタゴ国際空港

保有機材 編集

エマーム・ホメイニー国際空港に並ぶマーハーン航空機

アメリカ政府による制裁により、イランの航空会社の旅客機は機齢が高い。ボーイングエアバスから直接機材を購入することが出来ず、第三者を通じての購入または中古機材の導入となる。2016年1月、経済制裁解除をうけてイラン政府はボーイング・エアバス両社からの新機材導入の計画があり、マーハーン航空でも例外ではなく国営のイラン航空とともにアメリカを含む北米への乗り入れを行う狙いがある。機材ではB737NG~B777-300ER、A320neo~A380クラスが妥当としている。2022年現在、マーハーン航空の機材は下記の通りである[5]

機体記号の国籍記号はEP-がイラン、EK-がアルメニア、EX-がキルギス、F-がフランスである。

マーハーン航空の機材(2021年8月現在)
機種保有数備考
エアバスA300-60014
エアバスA310-30010
エアバスA340-3003
エアバスA340-60071機は部品取り用で導入
ボーイング747-3001同形機を運行する最後の航空会社
ボーイング747-400210年の保管期間を経て再導入
BAe 146-30017
総計57

安全問題 編集

2007年9月11日欧州委員会はマーハーン航空をEU域内乗り入れ禁止航空会社に加えた[6]。乗入れ禁止は一定の制限を設けている。たとえば、マーハーン航空がEU基準を満たす他の航空会社などからウェットリースした機材による乗入れが可能である。2008年7月25日に安全性が確認されたとして解除された。

その他 編集

2005-2006年シーズンのイランプレミアリーグにおいてサッカークラブ・ペルセポリスFCを支援した[要出典]

アメリカ合衆国政府は、マーハーン航空をイスラム革命防衛隊を支援しているとして、制裁対象としている。[7]そのため、マーハーン航空は現在、ヨーロッパ各国へ就航できない状況が続いている。[8]

外部リンク 編集

文献 編集

  1. ^ a b ArabianBusiness.com staff writer (2007年3月1日). “Making waves” (English). ArabianBuisiness.com. http://www.arabianbusiness.com/index.php?option=com_content&view=article&id=8679 2008年1月13日閲覧。 
  2. ^ Greenwood, Gemma (2007年2月1日). “Mahan Air makes waves” (English). ArabianBuisiness.com. http://www.arabianbusiness.com/index.php?option=com_content&view=article&id=7001 2008年1月13日閲覧。 
  3. ^ “米、ボーイングなどの対イラン旅客機輸出免許取り消しへ=財務長官”. https://jp.reuters.com/article/iran-nuclear-treasury-idJPKBN1I93F7 
  4. ^ “イランのマーハーン航空、A340でテヘラン/広州線に就航”. http://flyteam.jp/news/article/22752 
  5. ^ https://www.mahan.aero/en/fly-with-mahan/mahan-fleet
  6. ^ "Black list of banned airlines: the European Commission adopts new measures" (Press release). European Comitte. 11 September 2007. 2008年1月13日閲覧
  7. ^ https://2017-2021.state.gov/the-united-states-designates-mahan-air-facilitators/index.html
  8. ^ “伊、イランのマーハーン航空の乗り入れ禁止”. (2019年11月6日). https://europe.nna.jp/news/show/1970385