マテュー・ヴァルブエナ

フランスのサッカー選手

マテュー・ヴァルブエナ(Mathieu Valbuena, 1984年9月28日 - )は、フランスジロンド県出身のサッカー選手アポロン・リマソール所属。元フランス代表。ポジションはミッドフィールダー

マテュー・ヴァルブエナ
2015年のヴァルブエナ
名前
愛称Le Petit vélo(小さな自転車)
ラテン文字Mathieu VALBUENA
基本情報
国籍フランスの旗 フランス
生年月日 (1984-09-28) 1984年9月28日(39歳)
出身地Bruges
身長164cm
体重58kg
選手情報
在籍チームキプロスの旗 アポロン・リマソール
ポジションMF(OMF)
背番号28
利き足右足
クラブ1
クラブ出場(得点)
2004-2006フランスの旗 リブルヌ 53 (10)
2006-2014フランスの旗 マルセイユ 227 (25)
2014-2015ロシアの旗 ディナモ・モスクワ 29 (6)
2015-2017フランスの旗 リヨン 56 (9)
2017-2019トルコの旗 フェネルバフチェ 51 (10)
2019-2023ギリシャの旗 オリンピアコス 98 (14)
2023-キプロスの旗 アポロン・リマソール
代表歴
2010-2015フランスの旗 フランス52 (8)
1. 国内リーグ戦に限る。2023年4月5日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

経歴 編集

地元ジロンド県FCジロンダン・ボルドーの下部組織で2001年にキャリアをスタートさせたが、身長の低さからトップチームには昇格できなかった[1]

フランスアマチュア選手権2(5部)のランゴン・カステに移り、スポーツシューズの販売員としてパートタイムで働きながらプレーした[2]。2004年にはフランス全国選手権(3部)のFCリブルヌ・サン=スーランに移り、2004-05シーズンは24試合で1得点だったが、2005-06シーズンは29試合で9得点を挙げてリーグ・ドゥ(2部)昇格を助け、リーグMVPに選ばれる活躍を見せた[2]

マルセイユ 編集

2006年6月9日、リーグ・アン(1部)のオリンピック・マルセイユに3年契約で移籍した。夏のプレシーズンの間に負傷して悪いスタートを切った。シーズンも後半になってからヴァランシエンヌFC戦で途中交代によりデビューし、1-0で勝利した。2006-07シーズンは主に途中出場で15試合に出場した。初得点はASサンテティエンヌ戦で、86分に試合を決める得点を決めた。

2007-08シーズンは怪我なく過ごし、フランク・リベリーバイエルン・ミュンヘンに移籍したことから飛躍的に成長した[要出典]。出場機会は増加し、UEFAチャンピオンズリーグのグループリーグのアンフィールドでのリヴァプールFC戦でゴールを決め、エリック・ゲレツ監督の初陣を飾った[3]。その得点によりリヴァプールFC相手に1-0で勝利するというアップセットを演じた。この得点のほかに、前半終了間際にはオフサイドで取り消された幻のゴールを決めていた[4]。彼の好パフォーマンスはクラブに契約延長を促し、2008年4月には2013年までの新契約が結ばれた[5]

2008-09シーズンは自己最多の31試合に出場したが、ほとんどが途中交代か途中出場で、フル出場した試合は5試合しかない[6]

2009-10シーズン前半戦は出場13試合中10試合が途中出場であり、ディディエ・デシャン監督が首脳陣にハリー・キューエルジェレミー・メネスなどのウインガー獲得を要請していたことから、戦力外扱いされた。リザーブチームでプレーすることも多く[2]、冬の移籍期間での放出が確実視されていたが、後半戦になってレギュラーポジションを獲得し[7]、4得点を決めて18シーズンぶりのリーグ・アン制覇に貢献した。

2010-11シーズンは2連覇こそ逃したものの、5年連続CL出場権獲得に貢献した。

2011-12シーズン、生え抜きのタイエ・タイウォACミランへ移籍したことで、ヴァルブエナがマルセイユにおける最古参選手となった。しかしこのシーズン、序盤はチームが低迷する中、ヴァルブエナは活躍していたが、チームの調子が上がっていくと共に、ヴァルブエナ自身は調子を落としていき、ベンチに甘んじることもあった。そんな中迎えたCLグループリーグ最終節のボルシア・ドルトムント戦は、グループリーグ突破がかかった試合で2点先制されるという苦しい展開だったが、途中出場したヴァルブエナが試合終了間際に相手選手2人を交わしてミドルシュートを決め、決勝トーナメント進出を果たした。同シーズンの後半戦、チームは不振に陥ったがヴァルブエナは中心選手とし成長し、リーグではエデン・アザールに次ぐ、13アシストを記録した。

2012-2013シーズン、37試合に出場し開幕からチームの好調を支え続けた。自身2度目のリーグベストイレブンに選ばれ、リーグトップの12アシストを記録した。また、本人は自身最高のシーズンだったと語っている[8]

ディナモ・モスクワ 編集

2014年8月2日、FCディナモ・モスクワに3年契約で移籍した[9]

リヨン 編集

2015年8月11日、オリンピック・リヨンに移籍した[10]。契約期間は3年間、移籍金は500万ユーロ。

フェネルバフチェ 編集

2017年6月12日、フェネルバフチェSKに移籍した[11]

オリンピアコス 編集

2019年5月27日、フリー移籍でオリンピアコスFCに移籍した。8月13日、チャンピオンズリーグプレーオフのイスタンブール・バシャクシェヒルFK戦で移籍後初得点を決めた[12]

代表歴 編集

マルセイユに移籍するまでフランスアンダー代表に招集されたことはなかったが、2008年春にレイモン・ドメネク監督はイングランド戦とマリ戦のためにヴァルブエナをA代表に招集した[13]。しかし彼は怪我により試合出場を逃した。2010年5月11日、2010 FIFAワールドカップに向けてのフランス代表候補30人の中に選出された[14]。ヴァルブエナは代表メンバー23人の中にも残り[15]、W杯前の親善試合・コスタリカ戦でデビューし、83分に決勝点となる代表初得点も挙げた[16]。ワールドカップ本大会では途中出場で大会デビューを果たすも、チームは敗退した。また、UEFA EURO 2012のフランス代表にも選出されたが、出場機会は無かった。ヴァルブエナを使わなかったローラン・ブラン監督を批判するファンもいた[要出典]。その後もクラブで好調を維持していたヴァルブエナは、フランス代表監督がディディエ・デシャンになってからは、トップ下のレギュラーに定着。フランク・リベリーと共に攻撃の核として、欠かせない存在となり、2014年ブラジルワールドカップでは、開幕戦のホンジュラス戦に先発、スイス戦ではゴールも決めた。しかし、翌2015年に、カリム・ベンゼマから恐喝を受け(詳細)、その影響でユーロ2016フランス大会ではベンゼマと共に代表から外れた。

個人成績 編集

クラブでの出場記録 編集

2012年12月12日時点
クラブシーズン国内リーグ国内カップ[注 1]欧州カップ[注 2]通算
ディビジョン出場得点アシスト出場得点アシスト出場得点アシスト出場得点アシスト
FCリブルヌ・サン=スーラン2004–05フランス全国選手権24132002613
2005–06319434134135
クラブ通算5510754160148
オリンピック・マルセイユ2006–07リーグ・アン15112011001812
2007–08293231010104252
2008–09313230011014533
2009–1031516216004372
2010–1132443008114355
2011–123351373291149916
2012–13373120004122138
2013-1434362005004136
クラブ通算2422741307458453303850
ディナモ・モスクワ2014-15ロシア・プレミアリーグ25412000110336415
2015-16422000000422
クラブ通算29614000110340617
オリンピック・リヨン2015-16リーグ・アン26152105013326
2016-17308541191243108
クラブ通算569106211413761214
フェネルバフチェ2017-18スュペル・リグ297971540240816
2018-1922373006113148
クラブ通算51101610151013711224
オリンピアコス2019-20スーパーリーグ3210007261047
キャリア通算436648951141110082058786120

代表での出場記録 編集

2012年11月14日時点[17]


フランス代表国際Aマッチ
出場得点
201072
201120
2012111
201391
2014122
201582
通算528

代表での得点 編集

2012年11月14日時点、スコア欄と最終結果欄はフランスの得点を左側に記している

#日付場所相手スコア最終結果大会
1.2010年5月26日 パ=ド=カレー県, ランス  コスタリカ2–12–1親善試合
2.2010年11月17日 ロンドン  イングランド0–21–2親善試合
3.2012年11月14日 パルマ  イタリア1–11–2親善試合
4.2013年2月6日 パリ  ドイツ1–01–2親善試合
5.2013年3月22日 サン=ドニ  ジョージア2–03–12014 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選
6.2014年6月20日 サルヴァドール  スイス0–32–52014 FIFAワールドカップ
7.2015年6月7日 サン=ドニ  ベルギー1–33–4親善試合
8.2015年9月5日 リスボン  ポルトガル0–10–1親善試合

タイトル 編集

  • オリンピック・マルセイユ
リーグ・アン (1) : 2009-2010
クープ・ドゥ・ラ・リーグ (3) : 2009-2010, 2010–11, 2011–12
トロフェ・デ・シャンピオン (2): 2010, 2011
  • オリンピアコスFC
スーパーリーグ (3) : 2019-2020, 2020-2021, 2021-22
キペロ・エラーダス (1): 2019-20

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ クープ・ドゥ・フランス, クープ・ドゥ・ラ・リーグ, トロフェ・デ・シャンピオンなど
  2. ^ UEFAスーパーカップ, FIFAクラブワールドカップなども含む

脚注 編集

  1. ^ EURO SPORTS.fr (2006年7月22日). “Valbuena, le pari de l'OM”. 2009年9月4日閲覧。
  2. ^ a b c 「レ・ブルーの”小さな救世主”とは」ワールドサッカーダイジェスト、日本スポーツ企画出版社、 2010年7月1日号、92-93頁
  3. ^ YouTube (2008年1月20日). “liverpool-OM : 0-1 but de valbuena”. 2009年9月4日閲覧。
  4. ^ UEFA.com (2007年10月3日). “マルセイユ、アンフィールドで勝利”. 2009年9月4日閲覧。
  5. ^ Actus Foot (2008年4月19日). “Valbuena prolonge jusqu’en… 2013 !”. 2009年9月4日閲覧。
  6. ^ football-lineups.com. “Valbuena Games playing for Olympique de Marseille”. 2009年9月4日閲覧。
  7. ^ 名門マルセイユが18年ぶりにリーグ優勝livedoorスポーツ、2010年5月6日
  8. ^ http://www.laprovence.com/article/sports/2346163/jai-epure-mon-jeu.html
  9. ^ ヴァルブエナがロシアへ移籍Goal、2014年8月3日
  10. ^ ヴァルブエナがリヨンへ 1年でフランス復帰”. Goal.com (2015年8月11日). 2018年5月6日閲覧。
  11. ^ フェネルバフチェがヴァルブエナ獲得を発表”. 超ワールドサッカー (2017年6月12日). 2018年5月6日閲覧。
  12. ^ Αυγ. 2019 23:31, Επιμέλεια: Δημήτρης Σαμόλης Δημοσίευση: 13. “Ολυμπιακός - Μπασακσεχίρ 2-0: Τίποτα δεν τον σταματά” (英語). www.sport24.gr. 2019年9月21日閲覧。
  13. ^ FIFA.com (2008年3月20日). “France call up four new caps”. 2009年9月4日閲覧。
  14. ^ フランス代表、ベンゼマが選外Goal.com、2010年5月12日
  15. ^ フランス代表、リベリら23人を発表msn産経ニュース、2010年5月25日
  16. ^ フランス、バルブエナの代表初得点で逆転勝利uefa.com、2010年5月26日
  17. ^ Joueur - Mathieu VALBUENA”. Fédération Française de Football. 2017年7月12日閲覧。

外部リンク 編集