ピットフォール

ピットフォール』 (Pitfall!) は1982年米国アクティビジョン社から発売されたAtari 2600アクションゲーム

ピットフォール
ジャンルアクションゲーム
対応機種Atari 2600
開発元アクティビジョン
発売元アクティビジョン
デザイナーデヴィッド・クレーン
人数1人
メディアロムカセット
発売日アメリカ合衆国 198204201982年4月20日
その他型式:AX-018
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概要 編集

主人公の探検家ハリー(Pitfall Harry)を操作してさまざまな障害物や敵を乗り越え、制限時間内に財宝を集めるアクションゲーム。舞台はジャングル、視点2Dサイドビューで、スクロールはせず主人公が画面端に達すると次の画面に切り替わる。操作はレバーによる左右移動とハシゴ昇降、ボタンによるジャンプのみで、敵を攻撃することはできない。

本作はAtari 2600のキラーソフトのひとつであり、ファミリーコンピュータ用ソフト『スーパーマリオブラザーズ』(1985年)が登場するまで世界で最も売れたアクションゲームだった。売り上げ本数は400万本を超え、Atari 2600用ゲームの売り上げとしてはパックマンの700万本に次ぐ第2位となっている[1][2]。多くの機種に移植され、米国では2000年代以降も同名のシリーズ作が作られている。

開発 編集

背景 編集

本作の開発者であるデヴィッド・クレーンがアタリに在籍していたころ、創業者のノーラン・ブッシュネルが退社するという出来事が発生する[3]。これによりデベロッパの待遇が悪化し、クレーンもまた経営陣と対立した末にアタリを去り、史上初のサードパーティーとなるアクティビジョンを立ち上げる[3]

企画・開発 編集

クレーンはAtari2600用ソフトの多くが戦車や飛行機などを主題にしていたことに気づき、キャラクターを人間にして動きをつけることを思い立つ[3]。彼は、方眼紙にゲームのメイン画面を描きながらイメージを膨らませ、10分足らずで本作の企画書を描き上げる[3]。そして、彼は一人でゲームを作り上げ、エミュレータもデバッグツールも自作した[3]。本作のプラットフォームであるAtari2600のメインメモリは128バイト、プログラムカセットの容量も4キロバイトしかなく、必要メモリ数の節約に知恵を絞った[3]。それでも、主人公であるハリーは頭・胴体・足に3色を割り振った[3]。当初、本作は『ジャングルランナー』という題名で発売される予定だったが、マーケティングスタッフから反対意見が出、最終的には落とし穴を意味する「ピットフォール」に落ち着いた[3]

ストーリー 編集

ピットフォール3D 編集

地球とは違う次元。シェンラックという街に住むモク族。その平和な街が、災いの化身と呼ばれる”スカージ”という人物に支配された。スカージの使う”レッド・ルーセンス”というエネルギーに対抗するには、”ブルー・ルーセンス”だけだった。スカージの地球侵略を阻止するため、族長の娘”ミラ”はブルー・ルーセンスを見つけられる冒険家を探していた。そんな時に出会ったのが、ハリー・ジュニアだった。それが冒険の始まりだった[4]

他機種版 編集

キャプション
No.タイトル発売日対応機種開発元発売元メディア型式売上本数
1Pitfall! 1982年
インテレビジョンアクティビジョンアクティビジョンロムカセットM-002-03
2Pitfall! 1983年
1984年
MSXアクティビジョン アクティビジョン
ポニーキャニオン
384キロビットロムカセット R48X5501
3Pitfall! 1983年
コレコビジョンアクティビジョンアクティビジョンロムカセット--
4Pitfall! 1984年
Atari 5200
Atari 8ビット・コンピュータ
コモドール64
アクティビジョンアクティビジョンロムカセットA52:FZ-004-
5Activision's Atari 2600 Classics 199401011994年1月1日
WindowsアクティビジョンアクティビジョンCD-ROM-  -
6Atari 2600 Action Pack 199504041995年4月4日
WindowsアクティビジョンアクティビジョンCD-ROM--
7A Collection of Activision Classic Games
for the Atari 2600
199809301998年9月30日
PlayStationアクティビジョンアクティビジョンCD-ROMSLUS-00777 -
8Activision Anthology 200211192002年11月19日
2003年
PlayStation 2Barking Lizards
Contraband
アクティビジョンDVD-ROM| SLUS-20588
SLES-51313
-
9Activision Anthology: Remix Edition 200310062003年10月6日
WindowsMumboJumboアクティビジョンCD-ROM--
10Activision Anthology 200312082003年12月8日
ゲームボーイアドバンスAspyrアクティビジョンロムカセットAGB-BAVE-USA-
11Activision Hits Remixed 200611082006年11月8日
200702092007年2月9日
200702142007年2月14日
PlayStation PortableDigital EclipseアクティビジョンUMD ULUS-10186
ULES-00640
ULES-00640
-

評価 編集

評価
レビュー結果
媒体結果
オールゲーム (A26)[5]
(IV)[6]
Arcade Express8/10点 (A26)[7]
EFCG4/4点 (A26)[8]
Your Commodore (C64)[9]
Popular Computing Weekly (C64)[9]

続編・リメイク 編集

脚注・出典 編集

  1. ^ 最も売れたコンピュータゲーム一覧#Atari_2600参照。
  2. ^ Top 10 Best-Selling Atari 2600 Games - Retro Feature at IGN
  3. ^ a b c d e f g h 【GDC2011】伝説の開発者が語る『ピットフォール!』誕生秘話”. インサイド (2011年3月6日). 2020年4月28日閲覧。
  4. ^ 週刊ファミ通 No.511. 株式会社アスキー. (1998年10月2日). pp. 206,207 
  5. ^ Marriott, Scott Alan. “Pitfall! - Review”. Allgame. 2014年12月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月30日閲覧。
  6. ^ Pitfall! for Intellivision (1982) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2018年2月15日閲覧。
  7. ^ “The Hotseat: Reviews of New Products”. Arcade Express 1 (2): 6–7 [6]. (August 30, 1982). http://www.digitpress.com/library/newsletters/arcadeexpress/arcade_express_v1n2.pdf 2012年2月3日閲覧。. 
  8. ^ Pitfall! for Atari 2600 (1982) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2018年2月15日閲覧。
  9. ^ a b Pitfall! for Commodore 64 (1984) - Moby Games”. Blue Flame Labs. 2018年2月15日閲覧。

外部リンク 編集