通詞
(オランダ通詞から転送)
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通詞(つうじ)とは、江戸幕府の世襲役人で公式の通訳者のことである。ポルトガルとの南蛮貿易の際の通訳に始まり、オランダ貿易や中国貿易などを担当した。漢字は通事、通辞、通弁などとも書き、出島役人などとも言う。
蘭学などが彼らによって日本に入ってきたように、西洋文化受容の受け皿となっていた。
文化5年(1808年)のイギリスのフェートン号事件や嘉永6年(1853年)のロシアのプチャーチンの来航など、諸外国が日本との国交を求めるようになると、通詞たちは英語やロシア語の習得を命じられるようになった。
長崎版 編集
嘉永元年(1848年)に舶来した印刷機をもとに、品川藤兵衛、楢林定一郎、本木昌造、北村元助らの案で、長崎奉行所の西役所に活字版摺立所が設立された。そこで印刷された欧文出版物群を長崎版と呼ぶ。
安政4年(1857年)には、江戸町五ケ所宿老会所に移転。活字鋳造を試みるなど、西洋技術の導入が試みられ、後の築地活版印刷へとつながっていく。
関連項目 編集
関連文献 編集
- 片桐一男「江戸時代の通訳官 阿蘭陀通詞の語学と実務」吉川弘文館、ISBN 978-4-642-03472-2